<憑依>幼馴染が消えていく①~悪意~

とある高校ー。

幼馴染の彼女と幸せな学校生活を送っている男子生徒がいた。

しかし、そんな幼馴染が”憑依”で壊されていくー

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高校2年生の
工藤 大輝(くどう だいき)は
幼馴染の彼女、藤沢 真桜(ふじさわ まお)と
教室で談笑していた。

大輝と真桜は、とても仲良し。
小学時代からの付き合いで
高校1年生の時に大輝から告白して
彼氏と彼女の関係になっている。

優しく穏やかでしっかりものの真桜には
小さいころからよく助けられてきた。

「--あ、そうだ。来週、大輝の誕生日だったよね?」
真桜がにこにこしながら聞く。

「--え、あ、あぁ、そうだったな」
大輝はそっけない返事をしたー。

誕生日の話をされてニヤニヤしたら
プレゼントを催促している風に思われてしまうかもしれない。

そう思われないために、
クールに振る舞ったー

つもりだったー

「--ふふふ~…
 大輝ってば、プレゼント欲しい~!って顔に書いてあるよ」

「えっ…えぇ!?」

結局、心を見透かされた大輝は、
欲しいものを真桜に伝えるのだったー

そんな二人の様子を教室の端っこで見つめる
男子生徒2人が居た。

「リア充は爆発しろ!」

そのうちの一人、メガネをかけた男子生徒・浩太(こうた)が
呟いた。

「--じゃ、また爆発させるか?」
もう一人の、小太りで髪の毛ボサボサの男子生徒・公之(きみゆき)が笑みを浮かべたー

この学年では”ある事件”が起きていたー

それは、女子生徒の豹変ー。
これまでに、2回。
豹変した女子生徒は人が変わったかのように、奇行に走り
そのまま退学しているー

豹変した原因は不明ー
ただー二人に共通しているのは、
彼氏がいたこと、とても仲良しだったこと、
そして、ある日突然豹変したことだったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

放課後に
真桜からLINEが届いた。

”ちょっと、話があるんだけど、
 わたしの家でお話できるかな?”

とー。

ちょうど用事もなかった大輝は、
”いいよ”と返事をして、
真桜の家に向かう準備をしたー

小さい頃からの知り合いで、
真桜の家には何度も行ったことがある。
真桜の両親とも親しい。

両親は仕事が忙しく、
時々深夜まで帰ってこないこともあるようだ。

「--」
インターホンを鳴らす。

だが、返事はなかった。

「真桜?」
首をかしげる大輝。

トイレにでも行っているのかな?などと
苦笑いしながら、そのまま待とうとしていると
すぐにLINEが届いた。

”そのまま家に入っていいよ!
 わたし、部屋で待ってるから”

とー。

「--なんだなんだ~?」
大輝は笑う。

もしかして何かのサプライズか~?
それともドッキリか~?

そんな風に思いながら。

真桜の部屋に辿り着いた大輝は、
目を疑った。

真桜が椅子に縛り付けられて、
泣きそうな表情で大輝の方を見ている。

そしてー
その部屋には男子生徒が2人。
クラスメイトの浩太と公之ー。

クラスではあまり目立たない生徒たちだ。

真桜が帰宅するタイミングで、
浩太と公之は、真桜の家に乗り込んだのだった。

「な…!」
大輝は唖然とした。

「ま、、真桜!」
大輝が叫ぶと、真桜は「だ、、大輝…」と弱弱しく呟いた。

「--へっへへへへ~!
 待ってたよ~?」

眼鏡男子の浩太が真桜のスマホを手にしながら笑う。

真桜のフリをしてLINEを送って来ていたのは
この浩太だった。

「---お、、お前ら!何してるんだ!?」
叫ぶ大輝。

「--へへへへ…
 覚えてるか?今年の夏前と春に、一人ずつ女子が
 退学したのを」

浩太がニヤニヤしながら言う。

女子生徒の豹変と退学ー
大輝の記憶にももちろん残っていた。

「あ…あぁ」
大輝が言うと、
浩太が口元を歪めた。

「あれさぁ、俺たちの仕業なんだよねぇ。
 退学になった二人とも、リア充だっただろ?
 だから、俺たちが爆発させてやったんだよ!

 うへへへへ~」

浩太が眼鏡をいじりながら言う。

「--な、何だって?」
大輝が言うと、
浩太は笑った。

「--次に爆発するリア充はお前たちだ」
浩太が二人を指さす。

「--な、、、ふざけるな!」
大輝が真桜の方に近寄ろうとすると
浩太が近くにあったハサミを手にして
真桜の首筋に突きつけた。

「いや…やめて…!」
目に涙を浮かべる真桜。

「--くへへへへへ…
 動くんじゃないよ、工藤くん」

大輝の方を見ながら笑う浩太。

「今から、
 リア充を爆発させちゃいます~!
 ぐへへへへへ!

 目の前で変わって行く真桜ちゃんショーを
 お楽しみ下さい~うへへへへへ~!」

浩太はふざけた口調で言うと、
真桜の方を見てにっこりとほほ笑んだ。

「怖くないからね。真桜ちゃん。
 今から真桜ちゃんは生まれ変わるんだ。
 ネオ真桜ちゃんに!うへへへへ!」

浩太がそう言うと、
指をならし、小太りの男子生徒・公之に
指示をした。

公之がポケットから何かを取りだす。

「ジャ~ン!憑依薬~!」
浩太がドラえ〇んの如くひみつ道具の名前を宣言すると
公之はそれを飲み干した。

そしてー

「ひっ!?」
真桜の身体がビクンと動く。

「ま、、真桜!?」
大輝が叫ぶ。

「あ…あぁあああ…あっ…や、、やめて…
 入って来ないでぇ!」

真桜が虚空を見つめながら泣き叫ぶ。

「やめて…!やめて…やめ…」
真桜の目から流れる大粒の涙。

そしてー
真桜はーーー

笑みを浮かべた。

「んひひひっ!憑依大成功~!」
涙を流したまま笑う真桜。

それを確認した
メガネ男子の浩太は
拍手をする。

「--工藤くん。
 冷静に聞いてくれよ」

浩太の狂った笑みー。

大輝は、怒りと恐怖で身体を震わせていたー

真桜に、何が起きた?
憑依とはー?

「--君の大事な真桜ちゃんは
 今、公之に乗っ取られている」

ーー!?

大輝は耳を疑った

「なんだって?」

「–真桜ちゃんの肉体と精神は、
 公之が支配したんだよ。
 憑依薬によってな」

そう言いながら真桜の身体を
縛っていたロープをほどく浩太。

真桜は立ち上がると、
「ふふふ…大輝~?
 わたしぃ~からだもこころも
 奪われちゃった~!あはははははは!」
と嬉しそうに微笑んだ。

「-ーーな、、、、お、、おい…冗談よせよ」
唖然とする大輝。

眼鏡をいじりながら、浩太はニヤニヤしている。

「---そ、、そうか…ドッキリだな?
 この二人と事前に相談して
 ドッキリを仕掛けてるんだな!?」

大輝はそう叫んだ。

憑依なんて、ありえない。

そんなこと、現実に起きるはずがない。

「ーー現実逃避したくなる気持ちは分かるよ。工藤くん」
笑う浩太。

浩太は、真桜に憑依した公之に向かって言う。

「公之、証拠を見せてあげて」
そう言うと、
真桜は笑いながら胸を触り始めた。

「んうふふふふふ♡
 わたしのおっぱい~
 ぐふ♡ ぐふふふ♡
 やわらか~~い!」

興奮した様子で真桜が自分の胸を
嬉しそうに揉み続ける。

「お…おい!真桜!やめろ!」
大輝が叫ぶ。

しかし真桜は身体をくねくねさせながら笑った。

「--わたしがこんなことするぅ~?
 うふふふふふふ♡」

甘い声を出す真桜。

その真桜の態度に
大輝は”ドッキリじゃないのか…?”と思いはじめる。

「あ、そうだ」

真桜は自分の机の目に歩いていくと、
机の上に飾られていた大輝との写真を見つめた。

そしてー
それをビリビリに破き始めた。

「--ま、、真桜!」
大輝は悲痛な叫びを上げる。

「--ふふふ…」
浩太が真桜の方に近づき、
真桜を抱きしめる。

「どうだ?大輝くん。憑依の力は」
そう言うと、浩太は真桜の胸を触り始める。

「あっ♡ あぁっ♡ こうたく~ん!」
甘い声で浩太を見つめる真桜。

「---ま、、真桜…!」
大輝は悲しそうな目で
浩太に胸を触られて喜ぶ真桜を見つめた。

「--わたし、憑依されてるから
 な~んでもしちゃうの!」

真桜がそう言うと、
浩太はにやりと笑みを浮かべると、
突然ズボンを下ろした。

「---僕みたいな陰キャラ、
 モテないと思ってるだろ?」

浩太はパンツも脱ぎながら笑う。

「-でもさ、憑依薬があれば、
 僕だってモテモテさぁ!」

浩太がそう叫ぶと、
真桜は「浩太く~ん!」と言いながら
浩太の肉棒を嬉しそうにしゃぶり始めた。

「お…おい!真桜!やめろ!やめろ!」
大輝が叫ぶ。

さすがにこれはドッキリではないー
本当にーーー”憑依”なのかー

大輝はそう思いはじめていた。

「よ~し!口の中に僕のミルクを発射するぞ~!」
浩太が叫ぶ。

「--受け入れ準備、OKであります~!」
公之に憑依された真桜がふざけた口で言う。

「---お、、おい!てめえら!ふざけんな!おい!」
大輝は怒りをあらわにして叫んだ。

しかしー
二人を止めることはできなかった。

「--浩太ミルクミサイル発射ァ!」
浩太がうめき声をあげながら叫ぶ。

浩太のアソコから白い液体が
飛び散り、真桜の口の中に放たれた。

「んっふぅぅぅぅぅぅ~!」
真桜は顔を赤らめながら
そのミルクを味わっていた。

「ま…真桜…!」
大輝は泣きそうになりながら呟く。

「どうだい?大輝くん。
 大事な彼女が、目の前で他の男と
 こういうことしているのを見るのは?」

浩太が眼鏡をいじくりながらニヤニヤしている。

「テメェ…!」
大輝は拳を震わせた。

それでも、浩太は挑発をやめない。

殴りかかろうとする浩太の前に
真桜が立ちはだかる。

「--ねぇ、大輝?
 浩太くんを殴るなら
 わたし、憑依されたまま、服を全部脱いで
 外に行っちゃうよ~?」

真桜が制服をイヤらしく触りながら言う。

「く、、くそっ!」
叫ぶ大輝。

どうすることもできない。

「--お、、お前ら!
 こんなことしてただで済むと思ってるのか!?
 これは立派な犯罪だぞ!!!」

大輝が叫ぶ。

「--真桜ちゃんは喜んでるかもよ?
 憑依されてさぁ」

浩太がそっけない表情で言う。

「--んなわけあるか!
 早く真桜を解放しろ!」

その言葉に、浩太は頷いた。

「あぁ、いいよ。
 でもさ…。
 その前に…」

浩太が不気味な笑みを浮かべた。

大輝はその笑みを見て悪寒をおぼえた。

「---君は、ゲームで何かを作ったことはあるかい?」
浩太の言葉に、
大輝は「?」という表情を浮かべる。

「ゲームのエディット機能でも、
 キャラクターメイキングでも
 なんでもいい。

 やったことはあるかい?」

浩太に尋ねられた大輝は浩太を睨みながら頷く。

「ふふふ…僕はさ…
 ゲームで何かを作っている時に興奮するんだ。

 例えば、ゲームで、キャラクターメイキングをしているとき、
 このキャラは僕自身が自由に姿も声も、能力も
 決めている…
 そう思うと勃起しちゃうんだよ…くへへ」

話の意図が分からない。

「--ふふふ…
 これから君にもその興奮を教えてあげるよ。

 真桜ちゃんで…ね?」

浩太が真桜の方を見つめる。

「さぁ、公之、始めようか。
 真桜ちゃんのエディットを」

浩太がそう言うと、
公之に憑依されている真桜は「うん!」と嬉しそうに呟いた。

「これから、真桜ちゃんを
 僕たちの思うがままにエディットしていくから…
 君はそこでじーっと見ているといいよ」

浩太の言葉に
大輝は、「ふざけるな!!真桜はゲームとは違う!
生身の人間なんだぞ!」と叫ぶー。

しかし、浩太はケラケラと笑いながら呟いた。

「さ~て、まずは、大事な彼氏への愛情を、
 憎悪に変えちゃおうか」

浩太は真桜の方を見ると、
真桜は頷いた。

「-ーー大輝…嫌い…
 大輝…許せない…
 大輝…キモい…
 大輝…うざい」

刻み込むように呟く真桜。

「--知っているかい?
 憑依されている間、
 物事を考えたりするのには、
 その身体の脳を使うんだ

 だから今、真桜ちゃんに憑依している公之は
 真桜ちゃんの脳を使って物事を考えているー。

 そんな状態でー
 念じるように、刻み込むようにー
 ”大輝は嫌い”と思い込めばー」

浩太の言葉を聞き終える前に、
大輝は浩太にとびかかった。

しかしー
浩太はそれでも余裕の笑みを浮かべていた。

「僕を殴るか?
 殴りたければ殴れよ?

 でも、忘れるなよ。
 今の真桜ちゃんは、僕たちの意思ひとつで、
 喜んで自殺もするし、
 喜んでお前も殺す」

その言葉に、大輝はくそっ!と叫びながら浩太から手を放す。

「くくく…さぁ…真桜ちゃんのキャラメイキングを続けようか…」

浩太は勝ち誇った表情で笑みを浮かべたー

②へ続く

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目の前で染められていく幼馴染を
助けることはできるのでしょうか。

続きは明日デス!

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