<憑依>OZISAN~俺は好きにやらせてもらう~②

女子高生に憑依したまま抜け出せなくなってしまったおじさん。

なんとか女子高生らしく振る舞うように言われた彼は
仕方なくそのまま学校に向かうものの…?

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「くっそ~…
 スカートとか落ち着かねぇなぁ~」

半分がに股のような格好で
通学路を歩く絵里菜。

”娘を傷つけるような行動は慎むように”

この身体の父親である
白川所長から、今朝、何度も何度もそう言われた。

「くっそ~…
 俺だって憑依したくて憑依したわけじゃねぇのによ~」

髪をぼさぼさと掻き毟りながら
学校へと向かうー

今朝、白川所長のサポートで
整えた髪は、もうぼさぼさだった。

なんとか学校に到着した絵里菜。

絵里菜は溜息をつく。
どうして自分がこんな目に。

そんな風に考えながら
教えられた教室に向かっていると、
ちょっと咳き込んでしまったので、
たんを近くの水道に吐き捨てた。

「--ちょっと~絵里菜~?
 おじさんみたい~!」

背後から笑い声が聞こえる。

たんを流し台に吐き捨てたのを
見られた!?と
ドキッとしながら振り返ると、
そこには、ポニーテールが良く似合う子がいた。

「え…え~っと…」

クラスメイト…かもしれない子の名前も分からないのに
どうやって絵里菜として振る舞えばいいんだ?と
困惑しながら

「あ、、お、、おはよう」
と絵里菜はひきつった笑顔を作った。

「あ、そうだ!今日の昼休み、話があるんだけど、
 いいかな!?」

笑いながら言うその子ー。

「--え、、あ、うん、いいよ~!」
笑いながら言うと、
そのポニーテールの子も微笑んだ。

「あ、琴枝(ことえ)~!何してるの~?」
ポニーテールの子が他の子に呼ばれて
「じゃ、後でね」と言って立ち去って行く。

「琴枝ちゃんか」

流石に”名前なんだっけ?”と聞くのはまずい。
他の人の会話を聞きながら、名前は上手く覚えていくしかない。

そう思いながら絵里菜は
教室へと向かった。

なるべく周囲と関わらないようにして
無難に授業を受けていく絵里菜。

3時間目ー数学の授業。

「~~は~つまんね」
自分にとって、高校生レベルの数学なんて
とても簡単なもので、聞いていても何のためにもならない。

そう考えているうちに絵里菜は
授業中に居眠りをしてしまうー

「ぐごおおおおおお」

クラスメイトたちがびっくりして絵里菜の方を見る。

「-ごおおおおおお…」
いびきをかきながら寝ている絵里菜。

「・・・・・・・・」
そんな絵里菜を、呆れ顔で見つめる数学の先生

「おい…白川ぁ!」

周囲の笑い声と数学の先生の怒鳴り声が響き渡り、
絵里菜は慌てて飛び起きた。

寝惚けていた絵里菜は
「ひ、髭そらないと!」とわけの分からないことを叫んだ。

4時間目ー
社会科の授業。

「--坂本竜馬についてはこのぐらいにしてー」

歴史の先生が、
幕末の部分を適当に飛ばして
明治時代の部分に入ろうとする。

絵里菜に憑依している水本は、
歴史好きだった。

授業の中とは言え、坂本竜馬が存在に
扱われたことに腹を立てたー

絵里菜は「先生!」と手を挙げた。

「--ん?どうした?」
メガネをかけた痩せ細った先生が不思議そうな
表情で絵里菜を見る。

絵里菜は、がに股で前まで歩いていくと、
先生の許可なくチョークを手にして
黒板に何やら書き始めた

黒板に
”坂本竜馬”と、力強く書いた絵里菜は、
坂本竜馬の人生について熱く語りだした。

唖然とするクラスメイト。
唖然とする歴史の先生。

絵里菜は10分近くかけて
坂本竜馬についての説明を終えると、
ぽかんとしている先生とクラスメイトを見て
苦笑いした。

「あは、、、あははははははは
 で、、でもさ、
 若い子たちが坂本竜馬についてよく知らないままってのは
 もったいないなぁって思ってさ」

絵里菜の言葉に
クラスメイトたちはさらに唖然とするのだったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

昼休み

「--なんか、今日、だいじょうぶ?」
イケメン風の男子生徒が聞いてくる。

「え?あ、、うん…だ、、だ、、だいじょうぶだよ」
最大限可愛らしく返事をした絵里菜。

「そっか。なら良かった」

この男子生徒はさっき、数学が終わった後の
休み時間で「誠」と呼ばれていた。

「--し、心配かけてごめんな」
絵里菜がそう言うと、
言葉遣いに違和感を感じたのか、
誠が不思議そうな顔をして
絵里菜の方を見つめるのだったー

・・・・・・・・・・・・・・・・

呼び出された空き教室にやってきた絵里菜。

「あ、そうだ!今日の昼休み、話があるんだけど、
 いいかな!?」

朝、友達と思われる女子生徒・琴枝と会う約束をしていた
絵里菜は、空き教室へとやってきたのだった。

「お待たせ~!」
そう言いながら空き教室に入る絵里菜。

絵里菜の姿を見ると、
朝は笑っていたポニーテール姿の琴枝が
睨むようにして絵里菜を見た。

「え…?」
明らかな敵意ー

少し身構える絵里菜。

「あのさぁ、わたしの前で誠くんと仲良くするの
 やめてもらえる?」

琴枝が言う。

「は、、はぁ?」
絵里菜はわけが分からず困惑する。

誠とは、さっき話しかけてきた男子生徒だ。

「--なんで、あんたを選んだのかわかんないけどさ、
 正直、ウザいんだよね」

琴枝の言葉に、
絵里菜は困惑する。

”ど、どういう間柄なんだ?わかんねぇ”

絵里菜に憑依している水本は困惑する。

本気でー
どういう関係なのか全く分からないー

「--ねぇ、調子乗るのやめてくれる?」
絵里菜の髪の毛を引っ張る琴枝。

「ちょ…い、、痛い!」
絵里菜は叫ぶ。

”どうして俺がこんな目に~
 つ~か、これっていじめ?逆恨み?”

「---ご、、ごめん!ごめんってば!」

とりあえず謝罪の言葉を口にする絵里菜。

しかしー

”あぁ~!これが女の子同士の陰険な喧嘩ってやつか?
 面倒くせぇ~!
 絵里菜ちゃんならどう反応するのかわからないけど、
 俺は好きにやらせてもらうぜ”

「---あ~~~くっそ~~面倒くせぇな」
絵里菜が突然そう呟きながら
うんざりとした様子で琴枝を見た。

「は…?」
琴枝が絵里菜を睨みながら、
困惑した表情を浮かべている。

「--あのさぁ、君、いつもそんな陰険なことしてんの?」
絵里菜が態度を豹変させて言う。

面倒くさそうに
空き教室をある回ると
近くにあった椅子に座り、
スカートの中が見えるような格好を気にすることもなく
そのまま琴枝を見つめる。

「女の子のいざこざって、面倒くさいな。
 ま、男もだけど」

失笑する絵里菜。

「は…?
 ち、ちょっと、何言ってんの?」
琴枝は混乱している。

まさか目の前にいる絵里菜が
おじさんに憑依されているなんて夢にも
思わない琴枝は、喧嘩を売られているのかと思い、
さらに怒りをたぎらせた。

「あんた、わたしのことバカにしてるの!?」
怒りを露わにして絵里菜の方に近づく琴枝。

絵里菜はどこか達観した様子で
琴枝の方を見た。

「男子の取り合いかぁ…
 若いねぇ」

笑う絵里菜。

馬鹿にされている
そう思ってカッとなった琴枝は
座っていた絵里菜の胸倉をつかんで
立ちあがらせた。

「あんた、自分が可愛いからって
 調子に乗ってるでしょ?
 そういうとこ、むかつくんだけど?」

琴枝が絵里菜を睨む。

しかしー
絵里菜はヘラヘラと笑っていた。

「---何よその顔!」

琴枝が絵里菜をビンタする。

「いって~…」

絵里菜の中にいる水本は
”そろそろ面倒臭いな”と思い始めた。

そしてー

「--あ~もう、鬱陶しい!
 俺だって好きで女の子になってるんじゃないんだ!」

「--!?」

意味不明な言葉に琴枝が表情を歪めた直後、
絵里菜は、普段の運動神経ではありえないような
身のこなしで、琴枝を背負い投げした。

「きゃっ!?」
床に叩きつけられて悲鳴をあげる琴枝。

がに股で立っている絵里菜が頭をかきながら
呟いた。

「--悪いね」

それだけ言うと、絵里菜はあくびをしながら
面倒臭そうに空き教室から立ち去って行った。

一人残された琴枝は呟く。

「何あの態度!
 ありえないんだけど!」

その目には、怒りが浮かび上がっていたー

・・・・・・・・・・・・・・・・

5時間目ー
音楽の授業。

絵里菜は顔を真っ赤にしていた。

音楽の先生が
不思議そうに絵里菜の方を見る。

「---く…く…」

今日の音楽の授業はリコーダー

「く…か、、か、間接キス…」
絵里菜はゴクリと唾を飲み込んだ。

憑依願望はなかったが
水本とて男ー

やはり、少し意識をしてしまう。

「わ…わわ…わ…
 あぁああ…くそっ!」

絵里菜は一人で顔を真っ赤にしながら
リコーダーを咥えるのだったー

6時間目ー
数学の授業ー

絵里菜は再びいびきをかきながら
眠りについていたー

呆れるクラスメイトたちー。

そしてー
ようやく1日の授業が終わったー。

「--はぁぁ、ちょっとトイレ」
そういえば、慣れない女子高生生活を送るのに
必死で、トイレに行くのを忘れていた。

お手洗いに入る絵里菜。

「ふ~~~」

変な感覚を覚えて、絵里菜は身体を見つめる。

「あ…!」
あ、アレがない…!

どうしていいのか分からずーー
絵里菜はそのままスカートと下着を汚してしまう。

「え…」
そこに、男子生徒が入ってきた。

男子トイレで立ったまま用を足そうとして
服を汚している絵里菜を見て
男子生徒は顔を赤らめて目を逸らした。

絵里菜は
「あ、、、い、、いや…
 いつものくせで…あはははははは!」と
笑いながら足早に学校から立ち去った

・・・・・・・・・・・・・・

ようやく終わった~

そう思いながらソファーで
だらしなく寝っころがる絵里菜。

動きやすいという理由でショートパンツに着替えて
太ももをポリポリと掻き毟っている。

そこにー
絵里菜の父親である白川所長が帰ってきた。

「ーー所長~!元に戻れる薬の改良はまだですか~?」
うんざりした様子で言う絵里菜

「--すまん。あと少しだ」
白川所長はそう言いながら絵里菜の方を見る。

「その様子だと、ちゃんと学校生活を乗り切れたようだな」

白川所長の言葉に
”ぜんぜん乗り越えられてないけどな!”
と絵里菜の中にいる水本は溜息をつく。

だらしなくおじさんの如く 転がりながら
太ももをぼりぼりと掻き毟っている絵里菜を見ながら
白川所長は笑う。

「しかし…憑依薬…我ながら凄い開発だな。

 用途は医療用に限るつもりだが、
 そうやって、他人の身体を自由にできるんだからな」

白川所長が不気味な笑みを浮かべた。

絵里菜は、そんな所長を見て苦笑いする。

「所長、もしもですよ、もしも、
 憑依薬で自由に遊べるとしたら
 どうしたいですか?」

絵里菜が好奇心から聞くと、
白川所長は答えた。

「そうだなぁ、美女に憑依して
 チャイナドレスを着て、悪女になってみるのも
 面白そうだな…。くくく」

白川所長が笑うー
もしも憑依薬で好き放題できるなら
美女に憑依してチャイナドレスを着てみたいー
彼はそう思った。

「--まぁ、そんなことはできんがな…。
 憑依薬は医療用に開発しているのだから…

 あ、ところで」

白川所長が申し訳なさそうに言う。

「---ま、まだ何かあるんですか?」
絵里菜が太ももをかくのをやめて
所長の方を見る

「--娘は明日の祝日に、彼氏とデートの約束をしてたはずだー…
 水本くん…
 娘のために…しっかりとデートしてきてくれ。」

「はぁ!?」

絵里菜は思わずそう叫んだー

水本はー
絵里菜の身体で、
彼氏とデートをすることになってしまったー

③へ続く

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次回は彼氏とのデート…
果たして、どうなってしまうのでしょうか…!

憑依<OZISAN>
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