優樹菜の口から、豹変の真相が語られるー。
彼女が憑依されていたことに、驚きを隠せない正樹ー
なんとか、優樹菜を取り戻そうとするもー
-------------------------
1年前ー
あの日、”僕”は、優樹菜ちゃんの身体を奪ったんだー。
「----最近、元気ないですけど、大丈夫ですか?」
文化祭実行委員の仕事をしていた先輩に
僕は尋ねた。
先輩のことが、大好きだったからー
先輩…
いいや、優樹菜ちゃんは、僕のアイドルだったからー
僕は優樹菜ちゃんが大好きだったんだ。
「---うん…大丈夫。ちょっと疲れちゃって」
優樹菜ちゃんは、本当に疲れていたー
だから、僕はこう言ったんだ。
「--文化祭のしおりづくりは、僕たちでやっておきますよ」
と。
そしたら先輩は僕の方を見て、
こう言ってくれたんだ。
「うん…鴨松くん、ありがとう」
僕は頼りにされたんだ。
優樹菜ちゃんから!
くへへへへへ!
だから僕は決めた。
優樹菜ちゃんを守るってー。
優樹菜ちゃんに付きまとっている
変な奴がいるって、僕は知ってた。
その日、ちょうど僕は屋上にそいつを
呼び出していたー。
優樹菜ちゃんが帰ったのを見計らって、
僕はそいつを呼び出した。
そう、
そいつが、飯田八太彦だー。
「--なんだ?俺に何のようだ?」
僕は、八太彦に、優樹菜先輩に付きまとうのを
やめろと叫んだ。
でも、彼はこう言った。
「--くくく…付き纏うのはもうやめるよ。
俺は”憑依薬”を手に入れたからなぁ!
これから、優樹菜に憑依して、
優樹菜を俺だけのものにするんだー!」
あいつは、そう言って笑ったー。
その言葉を聞いた僕は
無意識のうちに、八太彦を屋上から突き落として、
憑依薬を奪ったー
憑依薬…
これがあれば、先輩と…優樹菜ちゃんと
1つになれるんだ!
そう思ったらもう、興奮が止まらなくてさぁ!
まっさかさまになって
屋上から落ちていく八太彦を無視して
僕は、走ったよー。
下校中の優樹菜ちゃんに追いつくためにー
そしてー
「----もう我慢できなぁああああああい!」
僕は、優樹菜ちゃんに追いついた。
「---や、、、やめて…!」
「ーーーふふふふふふ~
これさえあれば、君と一つになれるぅぅぅぅ!」
僕は、怯える優樹菜ちゃんを見ながら
憑依薬を飲んで
逃げようとする先輩にキスをしたんだー
「---あぁああああ…!
やった…!やった…!やったあああああああ!」
その日、僕は優樹菜ちゃんに憑依したー
僕は翌日から、いなくなったけどー、
弥太郎の自殺の影で、
僕の失踪は大したニュースにならなかった。
親も、僕に興味なんてなかったからね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「--この身体は、その日から僕のものなんだ」
屋上で、優樹菜は笑いながらそう告げた。
「ふ…ふ…ふざけるな!」
正樹は叫んだー
優樹菜は変わったんじゃないー。
身体を奪われて、好き放題されているだけだったのだー
「---見ろよ、この身体…
とってもエッチだろ?」
優樹菜は足を触りながら微笑む。
「優樹菜ちゃんは、後輩の僕から見ても
とってもかわいかったー
ずっと、狙ってたんだー
でもさ、こんなに可愛いのに、
それを使わないなんて
宝の持ち腐れだろ?」
優樹菜がクスクスと笑いながら、
遠くを見つめて言う。
「だからさー
僕が、身体を奪って
こうして、有意義に使ってあげてるんだ
優樹菜ちゃんの身体も、喜んでる」
正樹は、
その言葉に”なんて自分勝手なやつなんだ”と
怒りを爆発させたー。
「僕はさ…高校時代”演劇部”に所属していたから
優樹菜ちゃんの記憶を読み取って
表向き成りすますことは簡単だったよ」
優樹菜は憑依されていたー
優樹菜を助けなくてはならないー
正樹の中の怒りが、さらに膨れ上がって行くー
優樹菜に憑依しているのはー
優樹菜に付きまとっていた同級生・八太彦とは
別の男だったー。
だが、そんなことはどうでもいいー
とにかく、人の身体を弄ぶなんて、許せないー
「---優樹菜の身体を返せぇ!」
正樹は人生で一番かもしれないぐらいの怒りの形相で、
怒鳴り声をあげた。
「---いや~ん!こわ~~~~い!」
ふざけた様子で挑発する優樹菜。
「テメェェ~!」
殴りかかる勢いで優樹菜の胸倉をつかむ。
少し強めの風が屋上に吹き付ける中、
正樹は優樹菜を睨みつけた。
「---女を殴るの?」
優樹菜は挑発的に言う。
正樹は、拳を握りしめて、
それを震わせていた。
「--殴れば?」
優樹菜はニヤニヤしながら言う。
「自分の彼女を殴りたいなら
殴れば?
くくく…
暴力彼氏の正樹くん?」
優樹菜の言葉に
正樹は、何もすることが出来ずに
拳を震わせたー
「--ほら!離せよ!このDV野郎!」
優樹菜が大声で怒鳴り声をあげると、
正樹を突き飛ばした。
「---おら!」
倒れた正樹に太ももを押し付ける優樹菜。
「--わたしの太もも、舐めたいだろ?
舐めろよ!舐めさせてやるよ!」
笑う優樹菜。
「ふ…ふざけんな!」
太ももに顔を押しつぶされた状態で、
正樹は叫ぶ。
「--くくく…
お前もわたしのことエッチな目で
見てたんだろ?
おら!触れよ!舐めろよ!跪けよ!
あはははははは!」
嬉しそうに笑う優樹菜に向かって
正樹は大声で叫ぶ。
「---俺は、優樹菜のこと、
そんな目で見てない!」
大声でどなり返すと
優樹菜は一瞬ひるんだ。
「---っ…!」
正樹から離れる優樹菜。
優樹菜に憑依している鴨松という男子は
元々臆病だったー
「---…ふ、、ふへへ…
いつまで強がっていられるかな?」
優樹菜はそう言うと、
服をはだけさせて微笑む。
「や…やめろ!」
正樹が立ち上がりながら叫ぶ。
服をイヤらしく脱ぎ捨てる優樹菜。
上半身だけ下着姿になった優樹菜は
イヤらしく自分の身体を触る
「いい身体だよな…優樹菜ちゃん…」
優樹菜は自分のことをそう言いながら
涎を垂らすー
「あぁ…興奮しちゃうなぁ、もう」
「--優樹菜の身体に触れるな!」
正樹が叫ぶー
しかし、優樹菜はニヤニヤ笑いながら言う。
「この身体も喜んでるんだよ…!
ほら!優樹菜ちゃん、笑ってるだろ?」
自分の身体を指さして笑う優樹菜。
「それはお前が笑わせてるだけだ!」
大声で怒鳴る正樹。
「ーーあははははっ!
どっちだっていいじゃない!」
優樹菜はスカートにまで手をかける。
「---ほらぁ、抱きたくなってくるでしょ~?
ま・さ・き?」
甘い声で囁きながら優樹菜は
スカートをも脱ぎ捨てる。
「--やめろってんのが聞こえないのか!」
正樹が叫ぶー
なんとか、優樹菜の心を呼び覚ます方法はないのか、と
正樹は思うー
「ま、いつものお前らしくやれよ。
お前の彼女さんに何があったのか
俺には分からねぇけどさ。
ちゃんと言いたいことを言って
それでもダメなら、引くことも大事だぜ」
ー友人の西郷の言葉を思い出した。
「俺らしく…か」
正樹はそう呟くと、
叫んだ。
「優樹菜…頼む…目を覚ましてくれ!」
下着姿になった優樹菜が
その言葉を聞いて微笑む。
「無駄だよ。今は僕が優樹菜ちゃんだ!」
笑いながら近づいてくる優樹菜。
「---優樹菜…
約束したよな?戻ってきたらまた遊ぶって…
その約束は今もちゃんと、俺の心の中に残ってる」
語る正樹を見ながら
優樹菜はニヤニヤしている。
「--わたしの全てを受け入れて…?くくく」
元彼氏とエッチして、喘ぎ狂ってやる…!
優樹菜はそう思いながら
正樹に近づいていく。
「---優樹菜、俺は今でも優樹菜のことが大好きだ!」
正樹は優樹菜のエッチな姿に目もくれずに叫ぶー
「--おい、うるせぇよ。
目の前で彼女が脱いでるんだぜ?
もっと興奮しろよ!」
優樹菜が自分の身体を自慢するかのように言う。
しかし、正樹はそれを無視して、
優樹菜との思い出を、
優樹菜に語りかけるようにして言う。
「--優樹菜が九州に行ってから、
ずっとずっと寂しかった。
俺には…俺には優樹菜しかいないんだ!」
熱く語る正樹を見て、
優樹菜はイライラしながら叫ぶ
「おら!胸を揉ませてやるよ!
もみてぇだろ?」
正樹の目の前に下着姿でやってきた優樹菜は
笑みを浮かべる。
「--うるせぇ!お前には話しかけてねぇ!」
正樹が怒鳴り声を上げる。
「---あぁ??今は僕が優樹菜なんだよ!
いいから黙ってb
「ーーー黙ってろ!」
正樹が大声で怒鳴った。
「-----ひっ…!?」
正樹のあまりの気迫に、
優樹菜はビクッとして、
その表情から笑みを消した。
「--優樹菜…頼む…目を覚ましてくれ」
正樹はその場に土下座したー。
頼みこむかのように。
「優樹菜…」
正樹の目から涙がこぼれている。
「---…うっ…うるさい…!うるさいうるさいうるさい!」
優樹菜が狂ったように叫び始める。
身体が悲鳴を上げている。
「--嘘だ…!?この身体は僕のもののはずだ…!」
心の奥底から何かが湧きあがってくる感覚を
覚えた優樹菜に憑依している鴨松は慌てるー
しかしー
次の瞬間、激しい頭痛に襲われた
「---あ…あああああ…」
頭を抱えてもがき始める優樹菜。
「---ゆ、、優樹菜?」
土下座していた正樹は
優樹菜の異変に気付く。
優樹菜に、自分の思いが通じたのだろうか?
「優樹菜…!?優樹菜!」
正樹は立ち上がって、優樹菜に近づく。
「わ、、、わ、、、わたしから…わたしから…出て行って!」
頭を抱えながら叫ぶ優樹菜。
正樹はーー
そんな優樹菜に近づき、優樹菜の手を握った。
「頑張れ…頑張れ…!」
憑依なんて、どうしたら良いのか分からないー
ただ、優樹菜を信じるしかないー
正樹は、優樹菜が戻ってくることを信じて、
優樹菜の手をぎゅっと握りしめた。
「ん…んあああああああああ!?」
優樹菜の口から、謎の光の玉が吐き出されるー
そしてー
その玉はそのままー
空中へ吹き飛ばされて―
砕け散るようにして、、
消えたー
「---」
気を失う優樹菜
「…!」
正樹は優樹菜の方を見る
「優樹菜!おい!しっかりしろ!!」
正樹は、倒れた優樹菜に呼びかけるー
しばらくして、優樹菜は目を覚ましたー
「正樹…」
それは、正樹のよく知る、優樹菜の笑顔だったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「…例の彼女とはうまくやってるのか?」
友人の隆盛が言う。
あれから3か月ー
優樹菜は無事に正気を取り戻した。
自分が憑依されていたことで激しく落ち込んでいたが
正樹が寄り添うことで、彼女は元の元気な姿を
取り戻し、今ではすっかりと元通りになった
「あぁ…本当によかったよ」
正樹が笑うと、
隆盛も安心したように笑う。
「--お前も元気になったし、
めでたしめでたしだな」
隆盛の言葉に、
正樹は「あぁ…ありがとうな、西郷」と笑みを浮かべた
「俺は西郷じゃないけどな!」
隆盛は、そう呟くと、正樹の肩を叩いたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
休日ー
久しぶりのデート
2人で遊園地にやってきていたー。
”私がこっちに帰ってきたら
また一緒に遊ぼうね”
「ーーー約束、果たせたねー」
観覧車を見つめながら、優樹菜が言うー
綺麗な黒髪に、
落ち着いた服装ー
優しい笑顔ー
耳には、もう、ピアスはないー
いつもの、優しい優樹菜に戻っていた。
「ーーあぁ…」
正樹も嬉しそうに言う。
ライトアップされた観覧車を見つめながら
優樹菜は微笑む。
「…これからも、たくさん思い出、作って行こうね」
優樹菜が嬉しそうに言うと、
正樹も嬉しそうに微笑んだ
「あぁ…僕はずっと、、、
あ、いや、、俺はずっと優樹菜を大切にするー。
約束だー」
正樹の言葉に、
優樹菜は今一度嬉しそうに微笑むと、
「さ、もっと遊ぼ!」と呟いて、
正樹の手を引き、次の乗り物へと向かうのだった…
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
ハッピーエンド~!でしたネ!
え…何か引っかかる?
ふふふ…
お読み下さりありがとうございました~!
コメント
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
悲しいことに反転はなかったですね
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
> 悲しいことに反転はなかったですね
ありがとうございますー!
最後の方のセリフにちょっと怪しいものがあります~笑