憑依された娘は、
その身体を遊ばれ続けて、ついに妊娠してしまった。
どうすることもできない母親ー。
そして、母と娘の行く末は…
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「社長~!ついに妊娠しちゃいました~」
笑いながら言う麗奈。
バニーガール姿で嬉しそうに腰を振る麗奈を見て
黒井社長は言った。
「そうか…じゃあ…いつものように…」
憑依薬を引き出しから取り出す黒井社長。
「---”これで”頼むぞ」
黒井社長が手渡した憑依薬を受け取り、
麗奈は微笑む。
「はいー」
と。
彼らにとって価値の無くなった
”商売道具”の最後の利用価値ー
それはー。
麗奈はニヤニヤしながら社長室から
外に出ようとするー。
「それにしても…」
麗奈は振り返って、
社長室の椅子に座っている
小さな女の子を見つめた。
「---その身体で、社長だなんて、
なんだか、違和感ありますね」
そう言われた黒井社長は笑うー。
黒井社長は、小5の少女に憑依していた。
ゴスロリの衣装を身にまとった少女が汚らしい笑みを浮かべる。
「ぐへへ…
我々にとって、身体は洋服と同じだからな」
黒井社長は、少女の身体でそう呟くと、
麗奈は「ですね」とニヤニヤしながら笑う。
「--乗っ取られているのに、
こんなににこにこ嬉しそうにしている…」
麗奈は自分の顔をべたべた触りながら呟く。
「くくくく~憑依薬ってのは最高だぁ~!」
麗奈は興奮した様子で叫ぶ。
本当の麗奈は、
こんなこと絶対にしたくないはずだー。
今の置かれている状況を知ったら、酷く悲しむだろう。
けれどー
その麗奈が笑っているー
色っぽい格好で、笑っている。
「--さ、わたし、そろそろ売りモノになるんで、
これで失礼しますね」
麗奈がウインクすると、
黒井社長は、満足そうに微笑んだー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この街には、
不良やホームレスが溜まっている
廃虚地帯があった。
自治体による整備も行われておらず、
たまり場になっているその場所ー
裏世界の住人も数多くいるその場所にー
まだ女子高生の年齢である麗奈が
嬉しそうに入って行くー。
バニーガール姿のまま、
堂々と歩く麗奈。
ホームレスや不良たちが
その姿を見て笑みを浮かべる。
ちょっと広い場所に出ると
麗奈は腰に手を当てて叫んだ。
「--さぁ、今から身体のオークションを始めるわよ」
麗奈が堂々とした様子で叫ぶ。
そんな麗奈の声に、
ホームレスや不良、裏世界の人間が集まってくる。
「--今回の売りモノは、この身体!
名前は麗奈。
まだ女子高生の年齢よ」
麗奈は自分のことを他人のように言いながら、
太ももをゆっくりと撫でまわした。
周囲から歓声が上がる。
「まぁ、例によって、男とヤリまくった身体で
妊娠してるけど、
それでも、欲しいでしょ?」
麗奈がそう言うと、
男たちは嬉しそうに叫んだ。
金融会社ホワイトエンジェルの第2の収入源ー
それは、”使い古した身体”を、
売りつけることだー。
憑依して奪った身体で、男たちから金を稼ぎ、
最後にこうして、身体をも売りモノにするー。
廃虚に集まる人間に、金持ちはあまりいないが
噂を聞きつけて、時々、大金持ちもやってくる
そうして、ホワイトエンジェルは金を稼いでいる。
「--さぁ、まずは1万円から…!
うふふふ…わたしの身体を買うのは、誰かなぁ?」
麗奈が両手を広げて叫ぶ。
2万ー
10万ー
どんどん跳ね上がって行く金額。
”麗奈”を落札した人間には、
憑依薬と麗奈の身体が手渡される。
特殊加工された、予め設定された人間にだけ憑依できる憑依薬と
麗奈が、落札者に渡されるのだ。
落札者は、麗奈でたっぷり遊んだ後に、憑依薬を使って
麗奈そのものになることもできる。
金額はどんどん跳ね上がって行くー
そしてー
30万ー。
「---30万。
他に、いないかしら?」
麗奈はそう言うと、胸を揉みながら
少し喘いで見せた。
「んぁぁ♡」
その甘い声に、集まっていた男たちが
反応し、さらに金額が上がって行くー。
「---ふふふ」
麗奈は自分の金額が上がって行くのを見て
満足そうに微笑んだー。
そしてー
50万まで上がったところで、
他に希望者がいない為、オークションは終了となった。
落札したのは、廃虚を根城にしている
街の暴走族だった。
たった50万ー。
それでも、
どうせ破棄する身体ー
彼らにとっては
良い収入源だったー。
「--おめでとう。わたしはあなたのものよ」
麗奈が、自分を落札した暴走族の男に言うと、
暴走族は微笑んだー。
「お、、おう」
そう言いながら暴走族は、麗奈を見つめる。
「---う…」
笑みを浮かべていた麗奈が、
ふっと意識を失ってその場に倒れるー
麗奈の口から、ガスのようなものが吐きだされるー
金融会社の男・目黒が
麗奈から抜け出したのだ。
「ふぅ~…久しぶりだな、自分の身体」
目黒はそう呟くと、
落札者である暴走族の男の方を見る。
麗奈の身体が激しく痙攣している
そんな様子に興味を示さずに、
目黒は、暴走族から50万を受け取ると
にやりと笑みを浮かべた。
「--なかなかいい身体だった。
あとは君の好きにしろ」
そう言うと
”麗奈にだけ憑依できるように調整してある憑依薬”を
暴走族の男に手渡し、
目黒はそのままその場から立ち去った。
「え……」
痙攣が終わり、麗奈は意識を取り戻していた。
「---こ、、、ここは…」
廃虚を見渡す麗奈。
周囲には汚らしい笑みを浮かべる男たちーー
「---ひっ!?」
麗奈は自分がバニーガールの格好をしていることに気付く。
「---お嬢ちゃん…
くくくく」
ホームレスや暴走族、不良、ギャング…
いろいろな男たちに囲まれている麗奈は、
驚いて目に涙を浮かべたー
1年以上も
憑依されていた麗奈には、
何が何だか分からなかった。
必死に自分の記憶を探る麗奈ー
そしてーー
思い出したー
”母のために、身体を差し出す決意をしたー”
その時、自分はーー
「---わ、、、わたし…」
麗奈は恐怖し、身体を震わせた。
「---おい!お前ら!俺が憑依する前に、
たっぷり楽しませてやるぜ!」
麗奈を”落札”した男はそう叫ぶと、
周囲の男たちが一斉に麗奈に襲い掛かったー
麗奈の悲鳴が廃虚に響き渡るー
数時間後ー
泣きじゃくる麗奈に、
暴走族の男が近づいた。
「--これからは、俺の身体だ」
麗奈にそう言うと、
暴走族の男は、泣きじゃくる麗奈にキスをしたー
そしてー
麗奈は笑いながら立ち上がったー。
目に涙を浮かべた麗奈ー
しかし、その表情は嬉しそうだったー
「--ははははははははっ!
あはははははははははは!」
また別の男に憑依された麗奈は
涙を流しながら嬉しそうに胸を揉み始めたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
許せない…
一人残された母親の佐知子はうつろな目で
放心状態になっていた。
娘をズタズタにされて、
奪われたー
娘が、今、どこにいるのかも、分からないー
絆は、完全に引き裂かれたー。
「--許さない…!」
佐知子は怒りの形相で呟くー。
今や佐知子にとって、
怒りだけが生きる動力源だった。
佐知子は、包丁を手に、
金融会社ホワイト・エンジェルのある場所へと向かう。
ホワイト・エンジェルのある場所は知っているー。
佐知子は、ホワイトエンジェルの事務所に乗り込む。
「--わたしの娘を、返して!」
そう叫びながら事務所に駆け込むと、
2、3人の男がニヤニヤしながら佐知子の方を見た。
がー
佐知子が包丁を手に持っているのを見て、
動きを止めた。
「--おい!なんだぁ、テメェ!」
男のうちの一人が叫ぶ。
「--待て」
奥の部屋から、少し偉そうな男が出てくる。
「---何の用かな?」
その男・金融会社社員の福海が、佐知子に尋ねる。
「--麗奈を…!麗奈を返して!」
そう叫ぶ佐知子。
その目は、正気を失っているようにも見えた。
「---…なるほど」
男は笑った。
同僚の目黒が、麗奈という女にこの1年、
憑依していたことは、福海も知っている。
「--お話は分かりました」
福海はにやりと笑うと、
佐知子についてくるように促して、そのまま奥の部屋へと進む。
佐知子は、今にもとびかかりそうな目つきで
男を睨むと、
そのままその男についていく。
「--ーーー」
福海は、応接間に佐知子をつれていくと、
ここで待つように言い、立ち去って行った。
佐知子は怒りの形相で、周囲を見渡す。
麗奈を取り戻したいー
そして、こいつらに復讐したいー
ガチャー
扉が開くとー
そこにはーーー
佐知子の妹ー
今は夫と娘二人と暮らしているはずの
里佳子(りかこ)がいたー
「あっ!お姉ちゃん~!
ひっさしぶり~!」
里佳子が笑う。
「り…里佳子?」
佐知子とは年齢の離れている里佳子はまだ30に
なったばかりー。
まだまだその美貌は健在だった。
「---ど、、、どうしてここに…」
そう言いかけて佐知子は言葉を止めた。
レオタード姿の里佳子ー。
どう考えてもおかしいー
「---ふふふ…
わたしぃ~!お姉ちゃんが借金を返済しないからぁ~!
こうして身体を奪われちゃったの~!!
あはははははははっ!」
笑う里佳子。
「そ…そんな…!」
佐知子は絶望したー
「--くふふふ~!
麗奈ちゃんの身体を破棄するついでに
あんたの妹の家族、調べに行ったらさ~!
思いのほか、この女、美人でさ!
ついつい奪いたくなっちゃったんだよぉ~!
ひひひひひひひひひ~~~!」
狂ったように笑う里佳子。
「---ゆ、、、許せない!!」
襲い掛かる佐知子。
しかし、里佳子は佐知子を乱暴に
殴り倒すと、笑いながら呟いた。
「わたしね、夫に離婚届を叩きつけて
離婚してやったわ!うふふ!
二人の娘?そんなのどうだっていいじゃない?
これからはこの身体でお金を稼ぐのよ!
うふふふふ…
そして…」
里佳子がチラリと部屋の入口を見る。
そこからー
先ほどの少し偉そうな男・福海が入ってくる。
「あんたも、少しは役に立つかもね」
そう言うと、入ってきた福海が
憑依薬を飲み干して、佐知子の方を見た。
「--おばさんの身体も、マニアには
売れるからさ~!
うふふふふふふ!」
里佳子は笑いながらそう言うと、
その部屋から出て行ってしまう。
「ま、、待って!」
佐知子が叫ぶ。
麗奈を返せー
里佳子を返せー
許さないー
「うああああああああ!」
佐知子の怒りが爆発したー
佐知子の身体を奪おうとしていた福海に持っていた包丁を刺すと、
佐知子は狂ったように走り出したー
佐知子に憑依しようとしていた福海は、驚いて目を見開く。
佐知子は、倒れる福海を無視して、応接間から飛び出し、
怒りの形相で、
そのまま社長室に飛び込もうとしたー
しかしー
背後からー
別の男に肩を掴まれ、
そのままキスをされてしまう
「----あ…!」
自分の中に何かが入ってくるー
「あ…ああ、、、、は、、入って…来ないで…!」
娘の麗奈が憑依されたときのことを思いだす。
佐知子は、自分が憑依されたことを悟る。
「あ…あ…」
目から涙をこぼしながら、
佐知子が、最後に思い浮かべたのはー
もう、会うことのできない娘の姿だったー
「---くふふ」
佐知子は、目から涙を流しながら笑みを浮かべた^
「--この身体…いくらで売れるかしら」
そう呟くと、佐知子は嬉しそうに、
例の廃虚へと向かうのだったー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
ダークな憑依物語でした…!
好き嫌いが激しく分かれそうなお話ですが、
ここまでお読み下さりありがとうございました!!
コメント
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PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
今回の作品面白かったです。ダークな展開好きな僕にとってはたまらないダークさで良かったです。ただ僕は洗脳要素もあるからか個人的には娘と妹が思考を染められ、金融の裏で暗躍するという展開でも面白かったかなと僕は思いました。
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> 今回の作品面白かったです。ダークな展開好きな僕にとってはたまらないダークさで良かったです。ただ僕は洗脳要素もあるからか個人的には娘と妹が思考を染められ、金融の裏で暗躍するという展開でも面白かったかなと僕は思いました。
ありがとうございます~!
今回の作品はダークに突き抜けました~!
思考を染められる展開…!
それも面白そうでしたネ~!
今後の作品に活かしてみます~!