<入れ替わり>じゅんすいなこころ③~たのしい~(完)

自分に乱暴をした変態男に
仕返しをするために、男と入れ替わった少女ー。

次第に変わって行くこころー。
次第に穢れゆく心―。

その結末は…!

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「く…久美!」
富子が叫ぶ。

裏路地で富子を襲った信之助(久美)は、
笑みを浮かべながら立っている。

「---と、、富子から離れて!」
久美(信之助)が叫ぶ。

一見すると、
不審者に襲われている友人を助けようとしている少女ー

そんな光景に見える。

しかし、真相は違うー。

富子を襲っている不審者の中身は久美自身ー。

そして、富子を助けようとしている久美の中身は不審者の信之助ー。

だが、二人は入れ替わってから
次第に、身体に影響され、
そのものになりつつあった。

久美(信之助)が富子の前に走っていき、
かばうようにして富子の前に立つ。

「--富子に、何もしないで!」
久美(信之助)は叫ぶ。

「--うへへへへへ!興奮させるなよぉ~!」
信之助(久美)はそう言うと、
ニヤニヤしながら二人の方に近づいた。

獲物が1匹から2匹に増えただけー。
今までと何も変わらないー

「-うへへへへへへへへ!」
信之助(久美)は涎を垂らしながら笑う。
このぐらいの年齢の子がおびえる顔ー
そして、まだ未発達な身体ー

それが奏でるハーモニー。

信之助にとっては、
キャビアに匹敵する極上の食物ー。

「--や…やめて」
久美(信之助)は、富子と抱き合いながら
震えている。

男に追いつめられた2人の可哀想な少女ー。

「---…ゾクッ」
久美(信之助)はふと、富子と抱き合っている
状態に興奮したー

「---え…」
久美(信之助)は目に浮かべていた涙を
輝かせながら立ち上がった。

「---!?」
ニヤニヤして二人に迫っていた信之助(久美)も
不思議そうに立ち止まる。

「---おれ…?」
久美(信之助)が茫然とした表情でつぶやく。

2人の異変に、久美の友人の富子は
怯えながら二人の様子を見つめた。

「---あ…れ…わたし…」
信之助(久美)の表情から笑みが消える。

「-あ…あ…どうして…わたし…
 え…なんで、富子を襲おうと…
 え…あれ??」

信之助の中にいる久美は、
自分が久美であることを思いだして困惑する。

「---あ…嘘…うそっ…?
 わたし、、、どうしちゃったの!?」

ニヤニヤしていた信之助(久美)の表情から
笑みが消えて、恐怖の表情を浮かべている。

目から涙をこぼして、
信之助(久美)は「あ、、、ああああああああ!」と
叫びながら走り去ってしまった。

「---ま、、、待って!」
久美(信之助)は思わず叫ぶ。

「な、、、何なの?」
富子はわけがわからず、そう呟いた。

そんな富子の方を見て、
久美(信之助)は、少し考え込んでから、
呟いた。

「ご…ごめん…なんだか今、急に」
久美(信之助)は落ち着きを取り戻していく。

なんだか今、とっても変な気分になった。

自分で自分のことが分からなくなってしまいそうなー
そんな…

俺は信之助…

いや…ちがう…
俺は久美…
おれ…わたし…

わたしは…久美…

「--富子が無事でよかった」

頭の中のもやもやが晴れた久美(信之助)は
笑みを浮かべながら立ち上がったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---ちが…ちがう…
 わたしは…わたしは…」

パニックを起こしながら走る信之助(久美)

わたしは久美だー
早く、元の身体に戻らないとー

信之助の中にいる久美は焦っていた。

明らかにおかしいー
自分が久美であることを忘れてしまいそうなー
そんな気持ちになっていたー

入れ替わり薬の入った容器を落としたことにも気づかず
走り続ける信之助(久美)

その表情は、歪んでいたー

怖い―

自分が、消えてしまいそうー

早く、元に戻らないとー

久美であることを忘れてしまうー

どうしてー?
早く元に戻らないとー

自分が”信之助であることを”忘れてしまうー

久美の思考が、次第におかしくなっていくー

「おれ…」
信之助(久美)は立ち止まるー

「--あれ…俺…何で慌ててたんだ…」
信之助(久美)は呟く。

なぜ、自分が焦っていたのかー
それを思い出せないー

「---ふぅ…」
急激に焦りが失われて
落ち着いていくー

と、同時に、自分の中の欲求が
爆発しそうになったー。

「あ・・・ダメだ、我慢できねぇ」
信之助(久美)はそう呟くと、
自分の家へと足早に戻って行ったー

帰宅した信之助(久美)は
ネットで購入した女の子用の洋服をわし掴みに
すると、それのニオイを嗅ぎ始めたー

「んあぁああああ~♡」
嬉しそうに息をはく信之助(久美)

アソコを大きくしながら信之助(久美)は
無我夢中で、
自分の息子を手でさらに大きくしていくのだったー

「あ…」
うっとりとした表情で白い液体を
そこら中にまき散らす信之助(久美)

「---はぁぁぁ…♡ あ…」
放心状態になって信之助(久美)は
自分の大好きな女の子たちの姿を思い浮かべた…。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「ただいま~!」
久美(信之助)が帰宅する。

なんだか、とても心がすっきりした気分だ。

部屋に戻ると、
宿題を始める久美(信之助)

久美は、数学が苦手だった。
だがー
何故か、今はすらすら解ける。

「あれ…わたし、もしかしたら急に頭良くなったかも!」
久美(信之助)は
嬉しそうに微笑むー

変態男の信之助は、勉強はだけは優秀だったー。

その信之助が中にいるのだから、
当然、数学が出来て当たり前なのかもしれないー

けれど、今の彼には、もう、それを自覚することは
できなかったー

夜ー
久美(信之助)は
嬉しそうに、おでんを食べているー

「あら…!おでんをそんなに食べるなんて珍しい~」
母親が笑う。

久美は、おでんが苦手だった。

だが、今日の久美は、母親のつくったおでんを
嬉しそうに食べている。

「う~ん!わたしもびっくり!
 でも、なんだか、今日はおでんが美味しいの!」

久美(信之助)は微笑んだー。

「・・・ごちそうさま」
その様子を見ていた父親が
元気ない様子で立ち上がる。

「あら?もういいの?」
妻の言葉に、父親は「あぁ」と呟くと、
そのまま部屋へと戻った。

自分の部屋に入った父親は呟いたー

「---すまない・・」
目に涙を浮かべる父親ー。

久美の父親は研究者だったー。

あの日ー、
久美が乱暴されているのを偶然、
見かけてしまった父親ー

しかし、小心者である父は、
変態男の信之助を見て恐怖し、
我が娘を、見てみぬふりをしてしまったー

そしてあの日、
酷く落ち込んでいる久美を見てー
父は、職場で研究している薬を久美に
あげることにしたー

夜、久美が寝静まったのを見計らって
久美の部屋に2回分の入れ替わり薬を置いた。
変態男に仕返しをすることで久美の気が
少しでも晴れれば…。
そんな風に父は思った。
やられたらやり返せ。父は小さい頃からそう教わっていた。
娘の久美にも、その教えを継がせようとしたー。

父の思い通り、
久美は、変態男と入れ替わって
仕返しをしたー

しかしー
誤算が起きた。

職場の研究室で開発している入れ替わり薬は
試験段階だった。
まさかー
入れ替わったモノ同士が、
身体に影響されていくなんて、夢にも思わなかった。

「---久美…」
父親は頭を抱える。

恐らくー
今の久美は、久美じゃないー。
あの変態男が中にいるー。
けれど、もう変態男自身も
自分自身がそうであることを自覚できず、
久美そのものになりつつあるー。

もう、手遅れだー

父親は無力な自分を呪うことしか
できなかったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

文化祭当日ー

久美は友人の富子と一緒に
文化祭を楽しんでいたー。

「--次どこに行く~?」

「う~ん」

富子と一緒に楽しそうに
文化祭を楽しむ久美。

中にいる信之助は、もう自分が信之助で
あることも忘れて、久美になりきっていたー。

誰から見ても、久美そのもの。
本人も、自分は生まれてから今まで、久美だと
思い込んでいるー

「ちょっと~!」
富子が笑いながら言う。

「え?」
久美が首をかしげる。

「そんな歩き方したら、カワイイさ半減だよ~!」
富子が苦笑いしながら言う。

指摘された久美ははっとする。

自分が、無意識のうちにがに股で
歩いていたことに気付く。

「あ…あれれ?ごめん~」
久美はすぐ女の子らしい歩き方に戻す。

最近、久美は不思議に思うことがあった。

自分がたまにおじさんのような
行動を無意識のうちにしていることが
最近、時々あるのだー。

何故だろう?
そんな風に思いながらも、
”何故なのか”それを思い出すことはできなかったー。

自分が信之助であることを
思い出すことはー

「たのしい~!」
久美は富子と一緒に文化祭を回りながら
無邪気に微笑んだー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

いつもの裏路地で信之助は
女の子がやってくるのを待っていたー

下校中の女の子を襲ったりー
日によってはただ単に見つめるだけだったりー
様々だが、新之助にとってはこれが
最大の楽しみだった。

「ふふふ~今日はどんな子が来るかな~!」

涎を垂らす信之助。

彼女の中身は久美だー。
だが、もう彼女はそれを思い出すことができないー

「----!?」
信之助は自分の目から涙がこぼれているのに気付いた。

「あれ…?俺…どうして泣いてるんだ?」
信之助は戸惑う。
自分が、なぜ泣いているのか、分からない。

「---来週の文化祭、楽しみだね~」

ふと、そんな言葉が頭の中に浮かんだー

「---文化祭…」
目からこぼれ出る涙が止まらないー

どうして…

どうして、自分は泣いているのかー

「---な、、なんだよ、、、へへ
 なんで泣いてるんだおれ…?」

信之助は自分がなぜ泣いているのかも
分からないまま、
その場で独り、泣き続けたー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

リクエストによる入れ替わりモノでした!

リクエストの原文は

”> リクエストです。純真無垢な女子がわいせつな事を男にされました。
心は傷つき男を恨むようになりました。
復讐したいと願っていたところ入れ替わる方法を知り男と
入れ替わり自分になった犯人を同じようにわいせつな事をしました。
> それで、元に戻るはずでしたが男の快感を知り戻らないことにしました。
純真無垢な女の子が男の精神の影響を受けて話し方やしぐさも男
になりロリコン男になり、かつての親友やクラスメートたちをおそうようになりました。
一方で女子になった男は女の子の精神の影響を受けて話し方も
考え方も女の子のものになり純真無垢な女の子になってしまいました。をリクエストします。”

と、いうものでした!

少しでもお楽しみ頂けていれば嬉しいデス!
ありがとうございました~

中学に文化祭~?
と思われるかもしれませんが
あるところには、あるみたいですよ~!
(私はありませんでしたケド笑

コメント

  1. 飛龍 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    なんと、入れ替わり薬を渡したのが父だったとは。意味深な態度はそういうことだったのですね。
    なんとも物悲しいエンド……

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > なんと、入れ替わり薬を渡したのが父だったとは。意味深な態度はそういうことだったのですね。
    > なんとも物悲しいエンド……

    入れ替わって久美になった
    信之助は幸せかもしれませんネ…笑

  3. 匿名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    私の県の中学校では文化祭があります。○○中祭と言っています。○には中学校の短縮名が入ります。例えば名前が憑依中学校なら憑中祭と言う感じです。1日目は文化祭、2日目は体育祭となっています。全県で行われているため日本全国と思ってましたがある方が珍しいんですね?

  4. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 私の県の中学校では文化祭があります。○○中祭と言っています。○には中学校の短縮名が入ります。例えば名前が憑依中学校なら憑中祭と言う感じです。1日目は文化祭、2日目は体育祭となっています。全県で行われているため日本全国と思ってましたがある方が珍しいんですね?

    そうなのですネ~!
    私の中学校では、文化祭自体がありませんでした(笑)
    調べてみたら文化祭の名前でやっているところもあるみたいだったので
    小説では「文化祭」にしました~

    ある方が珍しいかどうかは…分かりません(汗