<入れ替わり>大人への憧れ

大人の人生ってどんなのだろう…?

とある少女には、大人がとても輝いて見えた。
そんな彼女は好奇心から、
担任の先生と入れ替わりをして…?

※リクエスト作品デス☆

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波木田 梓(なみきだ あずさ)は
どこにでもいるごく普通の女の子ー

まだ、大人の社会の汚い部分を知らない
純粋な梓は、
大人たちに対して”憧れ”を持っていたー。

両親のことも大好きだし、
学校の担任である男性教師・
増本先生のことも大好きだった。

まだ20代後半の増本先生は、
児童たちと体当たりで向かい合い、
児童たちからも慕われている先生だった。

小学5年生になった梓は、
ある日、昼休みに友達の美海(みう)から、
ある話を聞かされた。

「そういえばさ~梓…
 いっとも先生になりたい~!なんて言ってたよね?」

美海が笑いながら言う。

確かに、梓は、何度か友達と遊んでいる時に
”先生になりたい”と言ったことがある。

「---うん~大人になりたいなぁ~って」
梓が笑いながら言うと、
美海はランドセルからあるものを取り出した。

「これ、なんだと思う?」
美海がニヤニヤしながら言う

「なぁにそれ?」
梓が言うと、美海は答えた。

「この水晶玉を持ちながら、
 相手のことを思い浮かべると、
 身体を入れ替えることができる
 夢の道具ー」

美海の言葉に、梓は「え?嘘?」と答える。

「--梓の大好きな先生になってみたら?」
美海が水晶玉を差し出す。

梓は不思議そうに「こんなものどこで?」と呟く。

美海は、「お父さんがくれたんだ~」と微笑む。

「ねぇねぇ、簡単に入れ替われるから、
 ちょっと試してみたら?」
美海の言葉に
梓は「う~ん」と考えながらも、
ちょっとだけ興味心が湧いてきた。

「--じ、じゃあ、やってみる」

梓の言葉に、美海は満足そうにうなずいた。

「先生には上手くいっておくから…!
 あと、元に戻るのも簡単だから安心してね」

美海の言葉に、梓は頷く。
元に戻るには、もう一度、この水晶玉で相手の姿を
思い浮かべれば良いのだと言う。

「じゃあ、その水晶玉を見つめながら
 先生の姿を思い浮かべてみて」

美海に言われて
梓は、担任の増本先生の姿を思い浮かべる。

頼れる大人ー
頼れる先生ー

そんな、憧れの先生に、自分は、
なれるのだろうかー

そんな風に思いながら
水晶玉を見つめて、増本先生の姿を
思い浮かべた。

次第にー
その意識が遠のいていく

「---!!」
めまいと似たような不思議な感覚を覚えて、
梓は怖くなって水晶玉から目を
逸らそうとしたがー

既に、そうできない状態になってしまっていたー

「-え…!」
梓の意識は闇に飲み込まれた。

「---」
梓が目を見開いたまま、自分の椅子の目の前に
うつ伏せになって倒れる。

その様子を見ていた美海は
入れ替わりが成功したことを確信する。

「(今頃、増本先生の身体の方に行ってるんだろうなぁ)」

美海がそんな風に思っていると、
梓が起き上がった。

「う…」

梓が周囲をキョロキョロ見回す。

「あ…あれ…?
 確か…職員室にいたはずなのに」

梓が呟く。

美海は、梓の中に
入れ替わった増本先生がいることを悟る。

「せんせ~!」
美海が笑いながら梓に話しかける。

”先生”と呼ばれて振り返ることが
当然かのように梓は振り返った。

「---あ、ん!?」
梓は自分の口から出た声が女の子のものに
なっていることに気付き、驚いてきょろきょろと
している。

そんな様子を見た美海は笑いながら
無邪気に言い放った。

「先生は今、梓ちゃんと、
 身体が入れ替わってるんですよ♪」

とー

「えっ…
 えぇぇぇぇ~!?」

梓はそう叫ぶと、
思わず、自分のアソコにアレがないかを
確認してしまった。

そして…

「な、ない~~~!」と
大声で叫んだ。

「-すぐ、元に戻れるから
 梓ちゃんのフリしててね!」

美海はウインクしながら、梓になった
増本先生にそう伝えたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「うっ…」
職員室で目を覚ました増本先生

寝惚けた様子で周囲を見渡す。

「---う、、、ん?」
自分の身体を見つめる。

スーツ姿。
短い髪ー
大きな体ー

「--ほ、、ほんとに増本先生になってる…」
梓は、増本先生の口で、
思わずそう呟いた。

大人の身体になったことー
男の身体になったことー

その2つに衝撃を感じながら、
増本先生になった梓は、
わくわくしていた。

憧れの大人になれたー。

「やったあああああ!」

思わず、大声を出して、万歳してしまう
増本先生。

「--!?」
「---??」
職員室にいた周囲の先生たちが
一斉に増本先生の方を見つめる。

今まで昼寝していたと思ったら、
急に起き上がって、大声でやったあああ!などと
万歳していれば、びっくりしてしまうのも無理はない。

「---」
はげた頭の校長先生が
可哀想なものを見る目でにこにこしている。

「はっ!?」
増本先生になった梓は
”しまった”と思う。

5年生の彼女には、
大人に成りすますなんて、無理な事だったー

ボロを出しまくりー。

職員室の先生たちは
ますます、増本先生を変な目で見つめる。

そんな視線に耐えられなくなった梓は
そそくさと職員室から退散した。

「ふ~~~…」
増本先生として廊下を歩く梓。

「うわぁ…なんだか景色がいつもと違う~」

梓自身の身長と増本先生の身長には差がある。
大人として見る学校は、なんだか小さく見えた。

「あっ…!」
ふと廊下を歩きながら
増本先生になった梓は大事なことを思いだした。

5時間目の授業がもうすぐ始まる。

ゴクリ。
梓は思うー

このまま増本先生として授業を
やってみようかー。

と。

そんな風に考えながら
増本先生として教室までたどり着いた梓。

先生としてーー
黒板の前に立つー。

「---き、、、起立!」
ぎこちない声で言う増本先生。

梓―。
自分もちゃんと座席に座っている。
中身は増本先生のはずだ。
美海が、うまく説明してくれたのだろう。

「え、、え~っと…」

先生として、前に立つー。

授業をするとはこういうことなんだ、と
梓は新鮮な感覚を覚えながら、
”どうすればいいのかな?”と困惑する。

”授業長くて面倒くさいなぁ”などと思っていたけれど、
先生は先生で大変なのかも。

「やっぱ、大人ってすごい…」
増本先生は小声で呟いた。

”大人はすごい”などと感心していたら
何故だが身体が興奮したのか、
増本先生の身体のあそこが
大きくなってしまった。

「あはははは!先生、たってんじゃん!」
おしゃべりな男子生徒が笑いながら言う。

「あはははははは!」
クラスメイトの何人かが笑う。

「---え、、、え??
 ど、、どうして!?」

梓はわけが分からず混乱する。

男の人ってたいへん…
そんな風に思いながら、
増本先生になった梓は、
助けを求めるかのように、梓になった増本先生の方を見つめた。

梓は、やれやれと言う様子で首を振ると、
声を出した。

「--波木田…じゃなくて、、今は私が波木田だった」

ブツブツと呟く梓。
周囲のクラスメイトにはその意味が分からなかったが、
増本先生になっている梓にはその意味が分かった。

先生も、急に体を入れ替えられて困惑しているのだろう。

”先生、ごめんなさい”と思いながら
増本先生の身体で苦笑いすると、
梓になった先生が助け舟を出してくれた。

「先生、今日は国語の教科書の新しいお話に
 進む、って言ってたよ~!」

とー。
少しぎこちない口調。

梓として振る舞うのが、
やっとなのだろうー。

「--え、、あ、はい、そうだったね~!」
増本先生になりきれず、
怪しげな返事をした増本先生になった梓は、
国語の教科書の、今まで読んでいた話の次の話へと進んだ。

「~~え~~と。
 今日からは、走れメロスのお話をやっていきます」

先生のいつもの口調を真似しながら
先生として授業を進めていく。

クラスメイト全員の視線を浴びながら授業をする、ということが
こんなにも大変なことだなんてー

そして、
こんなにも快感だなんてー

「--先生!メロスはどうして激怒したんですか!」

クラスメイトの一人が先生に質問する。

「え、、、そ、、それは~」
増本先生の身体になったものの、
中身は梓。

何故、メロスが激怒したのか、
梓が聞きたいぐらいだった。

「--それはね」
梓が立ち上がった。

今の梓の中身は増本先生。

梓はまるで人が変わったかのように、
堂々と、自信に満ち溢れた目で、
メロスが激怒した理由を語ったー。

唖然とするクラスメイト。

「--さ、、さすが、わたし!」
増本先生になっている梓は、自分が先生であることも
忘れて、わけのわからないことを叫んでしまった。

クラスメイトたちが混乱している。

「--と、、とにかく、よ、読んでいきましょう
ぎこちない言葉で言うと、
クラスメイトたちは静まり返った。

「え~~…っと。
 無臭田くん!」

クラスメイトから、誰かを指名して
教科書を読ませる

”あぁぁ、大人って感じ!”

増本先生の中にいる梓は
まるで自分が教室の支配者になったかのように感じて、
興奮した。

”そうだ、宿題”

増本先生として、クラスメイトに
宿題を出してみたくなった。

「え~~~と。
 みんな、この走れメロスを家で
 ちゃんと読んで、感想文を、次の国語の授業までに」

先生が言い終わる前から、
教室中にブーイングが響き渡っている。

感想文は、みんな嫌いなのだ。

「--嫌でも宿題はやらなくちゃ
 いけないんだぞ~!」

増本先生の真似をしながら、
みんなに見えないように、
梓は増本先生の身体で
ガッツポーズをした。

”宿題出すって、気持ちイイ~
 ふうぅ~~☆”

その後もー
増本先生として、梓は興奮しながら
授業を続けたー

自分が大人になっているという快感ー
そして、先生として”授業を支配”しているという快感ー

病み付きになるー

放課後の学活を増本先生として終わらせると、
教室には、3人だけが残った。

梓が入っている増本先生と
増本先生が入っている梓。

そして、入れ替わりを仕組んだ美海の3人

「梓ちゃん、ホント、イキイキしてたよね」
美海が笑うと、

増本先生の中にいる梓は微笑んだー

「うん!大人ってやっぱすご~い!」
無邪気に笑う増本先生。

そんな様子を見ながら
梓は溜息をついた。
中身の増本先生は”教師として、教え子を性的な目”で
見たりしないように気を付けている。

だからー
正直今も、女の子の身体で色々やってみたいのだが、
我慢をしているー

「--梓が楽しそうで何より」
美海がそう言うと、
さっきの水晶玉を取り出して
増本先生の方を見て言う。

「じゃあ梓、元に戻るためにはもう一度ーー」

「やだ~!」

増本先生は、無邪気にそう呟いた。

「え…」
唖然とする美海。

梓の中にいる増本先生も困惑している。

「-先生!今日1日だけ、先生の身体で
 色々してみたいんです!」
増本先生になった笑みが言う。

「ーーいや、さすがにそれは」
梓が返事をする

大人が子供に何かをお願いして
子供が難しい顔で返事をしているー

入れ替わった二人は、
どこか、おかしな雰囲気になっていたー

少し考えたあとに、梓の中にいる
増本先生は答えた。

「---じゃ、じゃあ1日だけだぞ」
そう言うと、梓は水晶玉の方を見つめた。

「--水晶玉は私が持っておくから。
 明日、朝早めに学校に来て… ネ?」
美海の言葉に、

中身が梓の増本先生も、
中身が増本先生の梓も頷いた。

こうしてー
梓は増本先生として、
増本先生は梓としてー
一晩だけ過ごすことになったー。

ちょっとした大人への憧れーー。

この一晩で、それに変化が
現れることをー
3人はまだ知らなかった…

”後編”へ続くー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

リクエスト頂いた内容の入れ替わりモノでした~!

1話で書ききるつもりが
長くなってしまったので、
来週の火曜日に”後編”を書きます~!

強引に1話にまとめても良いですが、
無理やり縮めるのは、良くないので…汗

と、いうことで、少しお待たせしてしまいますが
続きは来週のお楽しみデスー!

リクエストの原文も、来週に載せますネ!

コメント

  1. 飛龍 より:

    SECRET: 0
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    モブ生徒の名前…ww
    入れ替わって先生になったことで浮かれているようですが、一体一晩で何が起きるのか…?
    後編が楽しみです~

  2. 匿名 より:

    SECRET: 1
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    長編シリーズで続いていくのは別として2話か3話続きのは日にちを開けないで連続して出して頂ければ、嬉しいです。前編を忘れてしまいますので、すみません。

  3. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    >連続して~ のご要望について

    ありがとうございます~
    普段はそうしていますが
    今回は1話完結のつもりが1話で終わりきらなかったため
    やむを得ず1週間開くことになってしまいました!

    頂いたご意見は今後の参考にさせて頂きます☆
    ありがとうございました!