<憑依>エイプリルフール

4月1日―。

エイプリルフール。

彼女は、とある嘘をつこうとしていた!

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女子大生の
中島 友里(ながじま ゆり)は、
笑みを浮かべていたー

普段は大人しい性格の彼女ー。

そんな彼女が、あることを企んで
笑みを浮かべていたー

カレンダーを見つめるー

明日は4月1日。
エイプリル・フール。

彼氏の皆井 亮吾(みない りょうご)の
家でデートをする約束になっているー

そしてー

「--亮吾、びっくりするかなぁ~」
友里は微笑む。

友里は、エイプリルフール企画として、
”自分が見知らぬ男に憑依された”演技で
亮吾を驚かせようとしていたー。

友里も、亮吾も、普段は大人しい性格の持ち主で、
付き合って1年になっても
未だにエッチなことはしていない。

友里も言いだせないし、
亮吾も言いだせないー

だから、エイプリルフールということを理由に
”憑依された”嘘をついて、
彼氏を積極的に誘惑して、
エッチなことをしようと目論んでいたー

失敗しても、エイプリルフールの嘘だよー!ってできるし、
友里にとって、またとないチャンスだった。

ふだん着ないようなミニスカートを見つめながら
友里は顔を赤らめる。

「--恥ずかしいかも…」
演技とは言え、こんな格好をするのは恥ずかしいー

友里は、それでもー、と首を振る。

「---本当に、憑依されたつもりにならなくちゃ…!」

エイプリルフールどっきり。
果たして、それは成功するのかー。

わくわくしながら、友里は眠りについたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

亮吾の家に友里がやってくる。

2人とも、一人暮らしのしている
大学生だから、
気軽に家の行き来をすることができる

「いらっしゃ…?」
そこまで言って、亮吾は言葉を止めた。

友里が、胸を強調した上着と、
大胆に生足を見せつけたミニスカート姿で
立っていたからだ。

友里は、男性に苦手意識があり、
いつも控えめな服装を好んでいた。

しかしー
今日の友里は違うー

自信に満ち溢れた表情で、前に立っている。

「--どうしたの?」
友里が腕を組みながら微笑む。

「あ、、いや…」
亮吾が、顔を赤らめながら、友里を中へと招き入れる。

「ふ~~~!」
友里は、中に入ると、
亮吾の方を見た。

「---」
亮吾は、友里の脚に目が言ってしまわないように
必死に耐えていたー

”ど、、どうして今日はこんな格好なんだ!”

亮吾はそんな風に思いながら
ぎこちない様子で、飲み物や簡単なお菓子を用意すると、
落ち着かない様子で座った。

いつも、こうしてお互いの家を行き来することはあるー

しかしー。

「---ふふふ、そんなにわたしの胸が気になる?」

胸元に視線を感じた友里が
イヤらしい笑みを浮かべながら亮吾を見た。

「あ…い、、いや…」
亮吾は冷や汗をかきながら
お茶を口に運ぶ。

「--ふふ…」
友里は、にこっと笑うと、自分の胸を揉み始めた。

「--なっ!」
亮吾は唖然として、
お茶の入ったコップを持ちながら固まってしまう。

「--この胸、気持ちいいわよ?
 亮吾も触る?」

挑発的な視線を送る友里。

「え…いや…その…」
亮吾は真っ赤になりながら言う。

「あぁ♡ んっ♡」
胸を揉みながら甘い声を出す友里。

そして、友里は、
立ち上がると亮吾のすぐそばまで近づいてきた。

「--ねぇ…わたしと、エッチしよ?」
甘い声で囁く友里。

「え…えええええ!?ちょっと、ちょっと待ってくれ!」
亮吾が、困惑した様子で友里から離れるー。

すると、友里はケラケラと笑いだした。

いつもの優しい友里の笑い方ではないー

「あはははははははっ!
 ウケる~~!
 お前マジかよ!
 こんなに可愛い彼女さんに誘惑されても
 そうやって逃げるのかよ!」

友里が男言葉で罵りながら笑う。

「ーーゆ、、友里?」
亮吾は、アソコを大きくしながら、友里の方を
不思議そうな目で見つめるー

「--くへへへへ!
 しょうがねぇなぁ!種明かししてやるよ!
 
 この女は、今、俺に憑依されて
 身体を乗っ取られてるんだぜ」

友里が得意気な表情でそう宣言したー。

いつも控えめな表情の友里がー
自信に満ち溢れた表情を浮かべているー

「な…なんだって!?」
亮吾は、恐怖するー

亮吾は、こっそりと、
人が憑依されたり、操られたりする話が好きで、
夜な夜なそれを見ていた時期もあるー

だから、目の前にいる友里が何を言っているのかは
すぐに理解できた。

「あぁぁ~可愛いよな~この女!」
友里が太ももをイヤらしい目つきで見つめながら笑う

「--可愛いのに自信がないってところもまた
 ゾクゾクするぜ

 こうして乗っ取って、女を曝け出せさせているって
 ことにも興奮できるからな!くへへへ」

友里が、鼻息を荒立てて笑っているー

「--ちょ、、ちょ、、、待て!冗談だろ!?おい」
亮吾が慌てて言うと、
友里は「くふ」と笑う。

そして、友里がスカートをめくり上げて
下着を見せつけた。

「この女がこんなことするかぁ~?」

友里の下着の色はピンクだったー
って、そんなこと考えてる場合じゃねぇ!と
亮吾は思いながら叫ぶ。

「---ちょ、、ちょっと待ってくれ!!」
亮吾は混乱していたー

”憑依”なんて実在するわけがないー

だがしかしー
目の前にいる友里はー
こんなことをする子じゃないー

「--今ならなんでもし放題なのよ。
 ほら、わたしの太もも、触ってみたくないの?」
友里が腰に手を当てて微笑む。

「--う…うぅぅ」
亮吾は困惑していたー

自分の中の興奮が膨れ上がって行くー

だが、これでいいのかー?と思いながら
亮吾は、友里の方を見つめたー

「--こんなに可愛いのに
 彼氏とエッチしたことないなんて、
 もったいないよなぁ!

 だから俺がこの身体で代わりに
 エッチなことしてやるぜ!
 いいもん持ってるんだからよぉ~!
 えへへへへへっ!」

友里はそう言うと、
亮吾に近づいてきた。

「ほら!太ももをさわって?」
甘い声で囁く友里。

「---ごくり」
亮吾は緊張で手が震えていたー

だがー
同時にこうも思っていた。

”エッチはしたくないー”

亮吾は、女に興味はあるし、
異性のことにも興味はあるが、
エッチなことはしたくない男子大学生だった。

だから、これまでエッチしてこなかったし、
エッチなことが苦手そうな友里とは、
相性ばっちりだった。

実際にこの1年間
2人とも一切、エッチな話はしてこなかった。

「---どうしたの?
 彼女が目の前で誘惑してるのよ?
 触りなさいよ」

友里が怒りっぽく言う。

「-ーーーま、、待ってくれ…!俺は…!」
亮吾は戸惑いながら叫ぶ。

「--ゆ、友里から出てってくれ!」
亮吾は叫ぶ。
エッチな気持ちよりも、
友里を助けたいという気持ちが勝ったー。

友里は、舌打ちをして、亮吾を見つめる。

「--あのさぁ…」
友里はイライラした様子で髪の毛を掻き毟る。

いつもは優しい表情の友里が
怒りの形相で亮吾を見る。

亮吾はそんな友里を見ながら思うー

”ほ、、本当に憑依されてる…”

とー-。

こんな表情を友里がするわけがないー
こんなことを友里がするわけがないー
友里が、自分を誘惑したりするはずがないー

「---た、、頼む」
亮吾はひたすら頭を下げた。

「--わたしをしらけさせないでくれる?」
友里は、亮吾に近づくと、
亮吾にそのままキスをした。

「-エッチなことしようって言ってんだろ?
 大人しく受け入れろよ。
 彼女の身体を」

友里が低い声で脅すようにして呟いた。

亮吾はあまりの恐怖に震えてしまう。

「--ほら、この女の身体だって
 エッチしたがってるんだよ?
 みてみろよ。
 もうココ、濡れちゃってるぜ?」

友里がニヤニヤと笑いながら言う。

亮吾は逃げ出したい気持ちでいっぱいになった。

どうしてこんなー?

こんな目に遭うぐらいなら
友里と別れてしまいたいー

そんな風にさえ思った。

亮吾はとてもおとなしい性格で、
彼女が出来たのも、友里が初めてだった。

元々、そんなにエッチなことにも興味がないし、
何よりも面倒なことが嫌いだった。

こんなことになるぐらいなら~

「ほらほらぁ!わたしの魅力に溺れなさい!」
友里はそう叫ぶと、亮吾を無理やり押し倒して、
亮吾の顔面に胸を押し付けた。

「うっふふふふ~!わたしの胸~!
 どう?揉みたい?揉みたくなるでしょ?
 俺とエッチしようぜぇ~~!」

友里が興奮しきった声を出す。

亮吾には、
そんな友里が、可愛い彼女ではなく
欲望に狂った雌に見えたー

「--や、、やめてくれぇええ!」
亮吾がもがく。

そんな亮吾に「うるせぇよ」と言い放つと、
友里ははぁ、はぁと言いながら
亮吾のズボンを下ろした。

「大人しいわたしが、
 こんなに積極的になってるのよ?
 どう?興奮しない?

 くくく…
 興奮しているのはわたしかぁ!
 あはははは!」

大笑いする友里。

友里は、もがく亮吾に、
「じたばたすんじゃねぇ!」と大声で怒鳴ると、
亮吾の下着を引き千切るようにして脱がして微笑んだ。

「--気持ちよくしてあげる。
 感謝しなさい」

友里が、亮吾のソレを咥えようとする。

「やめてくれえええええ!」
亮吾は叫んで、咄嗟に友里を蹴り飛ばしてしまう。

「ぐえっ!」
友里が突き飛ばされる。

「--…テ…ッめぇ!」
逆上した友里は、怒りの形相で亮吾の胸倉をつかんだ。

しかしー

「----…!」
友里は驚くー

亮吾は、ただただ、恐怖して泣いていたー

「--うっ…うっ…もう…やめてくれ…」
泣きじゃくる亮吾ー

友里は、カレンダーの方を見ると、
亮吾から手を放した。

「--ごめん…やりすぎちゃった…」
友里は、いつものような優しい笑みを浮かべて
亮吾から離れる。

「え…」
目に涙を浮かべながら、亮吾が言う。

「--今日は4月1日…
 何の日だか分かる…?」

友里が申し訳なさそうに言うと、
亮吾は目に涙を浮かべながら

「あ~~~~!」と叫んだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

10分後。

ようやく落ち着きを取り戻した亮吾が言う。

「--本当にびっくりしたなぁ…全く~」
そう言う亮吾。

けれども、顔は安心感に満ちていた。

「ごめんね…ちょっとやりすぎちゃった」
イタズラっぽく笑う友里。

「ーーホントに憑依されたのかと思っちゃったよ…」
亮吾がとほほな感じで言うと、
友里は「純粋なんだから~」と微笑む。

「--は~~!
 なんか、驚きすぎてトイレ行きたくなっちゃったな~」

亮吾が苦笑いしながら立ち上がる。

「あ、蹴っちゃってごめんな」
亮吾が言うと、
友里は「だいじょうぶ。わたしこそごめんね」と微笑んだー

お手洗いに入る亮吾

「---…」

友里の表情から笑顔が消える

「イテェじゃねぇかよ…クソが」
小声でつぶやく友里。

「--”実は憑依されていない”ってのが嘘だぜ」
友里はニヤニヤしながら自分の太ももを見つめるー

エイプリルフールドッキリをしようとしていた友里はー、
昨晩、偶然、本当に別の人間に憑依されてしまっていたー

「---くくくくく…
 俺も友里ちゃんのこと、狙ってたんだよぉ…」

友里に憑依した男は、友里の記憶を読み取りながら笑う。

「さ~て、タイミングを見計らって
 あんなつまんねぇ男とか別れるかな。

 こんなエッチな身体、遊ばなきゃ勿体ねぇからな!
 くくくくく…ふふふふふふふふふ~!」

友里は悪い笑みを浮かべて、
これからのことを考えるのだったー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

せっかくのエイプリルフールなので、
エイプリルフールネタを書いてみました~!

嘘か、本当か、見分けるのが大変ですよネ~☆

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コメント

  1. より:

    SECRET: 1
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    やっぱロクな嘘はつくもんじゃないもし本当になったら
    前日の方は結末にビックリで拍子抜けしたけど、こちらの方はやっぱ憑依ネタで来るのかなと思いドキドキして見てました。

    確かに暗殺部隊も総合医療連盟も敵無しだけど、いつかそれ以上のが現れるさ。「無名」さんと言う絶対無敵の存在が
    さて自分は新年号発表で改めて気持ちを切り替えようと思ってます。まずは自信の憑依力を充電し53万まで高めたい

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    無様>
    コメントありがとうございます~!
    憑依力を高める…!
    応援してます~☆

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