<憑依>二日間の豹変①~健二の場合~

とある仲良し男子高校生が
憑依薬を手に入れたー

2人は、図書委員の可愛い子に、
順番に憑依しようとするー

※音調津様(@Tabikorai)との合作デス!
今日の①を私が、明日の②を音調津様が分担して書きました~!
ぜひお楽しみ下さい!

※憑依空間の今日の小説は午前中に書いて既に投稿済みデス~

※本作は、音調津様のPixivでも読めます!

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ーー憑依薬

ネットで、こんなものを手に入れた。

偶然だった。
とあるサイトで憑依薬を無料プレゼント、という
キャンペーンをやっていたのを見つけて
「へ…んなものあるわけねーだろ」と
思いながらも、
高校生の健二(けんじ)は、そのプレゼントに
応募してみたのだったー

すると、後日、本当に憑依薬が届いたのだった。

健二は最初、ビタミン剤か何か、
怪しいものでも届いたのではないか、とそう思った。

けれどー。
違った。

健二には姉がいる。

届いた憑依薬は”3回分”

”テスト”も兼ねて、
憑依薬を自宅で飲んでみた。

毒物である可能性もあったが、
健二は小さい頃から、”人生、チャレンジ”だと思っており、
その言葉を大切にしてきた。

だからー
今回も”チャレンジ”した。

結果、姉に憑依することができてー、
身体を自由に動かすことができたのだ。

姉のエッチな姿なんて見たかねーよ、と思い、
特に、エッチなことも何もしなかったが
女の身体ってすごいなぁ、と健二はしみじみと実感したのだった。

そしてー
次はいよいよ実践。
健二は、誰に憑依薬を使うか、考えたー。

色々考えた結果、
クラスで、図書委員を務める女子生徒ー
西崎 瑠璃(にしざき るり)に憑依することにしたー

「と、いうわけだ」

健二の自宅に招かれていた友人の
康夫(やすお)が、健二から憑依薬について説明されて
表情を歪めたー。

しかし、少し考えてから康夫は言う。

「たしかに、面白そうだな」

とー。

康夫は、普段、地図を見たり、軍艦を見たりと、
そういった方面にしか興味を示さないので、
女にはあまり興味が無さそうだ。

けれどー
知的好奇心にあふれる康夫は、
必ずこの話に乗ってくれると、健二は信じていた。

「--じゃあ、明日は俺が西崎さんに憑依するー」

「康夫は、明後日、西崎さんに憑依して1日を過ごすー」

憑依薬は残り”2回分”
1日ずつ、瑠璃に憑依して、
瑠璃として女子高生ライフを楽しむー

そんな、”遊び”を健二は思いついたのだった。

健二は、女の子の身体と生活を堪能するためー
康夫は、知的好奇心から”1日女の子になってみたい”という思いを満たすためー

それぞれ、順番に憑依することになったー

「--あくまでも、楽しむだけだからな。
 西崎さんの人生を壊したり、そういうことはしないようにしよう」

「あぁ、もちろん」

そう言って、二人は別れたー

3つの約束をしてー

1、瑠璃の人生を傷つけるようなことはしないこと
2、瑠璃の身体は放課後になったら返すこと
3、憑依から抜ける前に、記憶を適当に調整しておくことー

あくまでも、憑依でちょっと、遊ぶだけなのだからー。

・・・・・・・・・・・・・・

1日目ー
健二が瑠璃に憑依する日ー

健二は、打ち合わせ通り、欠席だった。
憑依薬で、瑠璃に憑依するためだー

「・・・・」
康夫は、教室を見回す。

瑠璃は、まだ登校していない

「---健二のやつ、
 本当に憑依なんか…」

ポン

背後から肩を叩かれた。

「お~はよ!康夫くん!」

瑠璃とは、ほとんどしゃべったことがない康夫は
突然瑠璃に挨拶されて驚いてしまった。

「え、、あ、、あぁ、おはよう」

康夫は一瞬ドキッとしたが、
すぐに正気を取り戻して言う。

「--健二…瑠璃ちゃんへの憑依、成功したのか?」

と。

「え?」
瑠璃がきょとんとした表情で言う。

「--え」
康夫も思わずきょとんとした声を出す。

「--ひょうい??健二くん??
 ふふふ、何言ってるの?」

瑠璃が笑った。

「--ちょ、、え…け、健二だよな?」
康夫が言う。

しかし、瑠璃は困惑したまま。

「--ご、、ごめん。何でもない」
康夫はそのままその場で
”やっちまった~”とうなだれる。

瑠璃は「変なの~…」と言って
そのままその場から立ち去った

康夫は大恥をかいて顔を真っ赤に
するのだった。

健二のやつ…憑依してねぇのかよ~!
康夫はそう思いながらうなだれた。

瑠璃に向かって”健二だよな?”だとか、
憑依、だとか言ってしまったー。

まるで、降りる駅で降りることができなかったときのような
絶望感を味わいながら康夫は首を振るのだったー

・・・・・・・・・・・・・

「あっははははは~」
瑠璃がトイレでひとり、笑っていた。

髪の毛を乱暴に掻き毟ると、
鏡を見つめて瑠璃が笑う。

「あ~~!康夫のやつ、うける~!
 瑠璃ちゃんだと思って顔を真っ赤にしてたし…
 ふはは!以外と純粋なんだな~!」

瑠璃が一人、
乱暴な口調で笑うー。

そう、瑠璃への憑依は成功していたー

しかし、康夫をからかうために、
瑠璃を装って話しかけたのだ。

「しっかし…女子って落ち着かないな~」

スカートから覗く足を触りながら、
瑠璃はふふふ…と小さい声で笑う。

「--何で見せてるんだろうな~
 足を…なんか興奮しちまうじゃないか」

瑠璃が絶対に言わないであろう言葉を言わせる健二。

「--なんか、、こう、、女の子になると
 誘ってみたくなっちまうな…くへへ」

そう言いながら、
胸を触る瑠璃。

「んへぇ♪ 気持ちいい~」

瑠璃とは思えないような甘い声を出しながら
”こんな声も出るのか”と思いながら
さらに胸を触る。

身体が火照ってきて
ゾクゾクするー
なんだか、味わったことのないような感覚。

身体が、何かを求めている。

♪~

♪♪~

チャイムが鳴ったー

「あっ!いけね!」
瑠璃はそのままお手洗いから飛び出して
教室へと向かうのだった。

女の子の仕草などを
楽しみながら、瑠璃に憑依している健二は、
1時間目から4時間目までの授業を終える。

「--…」
瑠璃はニヤニヤしていたー

男子たちの視線を時々感じる。

瑠璃は可愛い。
だから、健二自身も時々瑠璃を見ていたが、
見られている側はこんなにも視線を
感じるモノなのだな、と健二は思う。

そしてー

「いいじゃん…わたしにひれ伏してるみたいで」

瑠璃はぼそっとそう呟いた。

その気になれば女王になれるかもしれない。
男子たちを誘惑できるかもしれないー。

「ふふー」
大人しい瑠璃が女王のように君臨している姿を
想像して、瑠璃の身体は興奮していたー

「--さて…と」

教室でスマホをいじっている康夫に話しかける健二。

「康夫くんってさ~」
瑠璃に話しかけられて「え?」というような
表情を浮かべる康夫。

「---彼女とかいるの?」

その言葉に康夫はあまり興味無さそうに答えた

「う~ん、いないなぁ」

康夫はそんな風に答えながら思うー

何で今日に限って瑠璃ちゃんが
よく話しかけてくるんだ?

とー

本来は健二が瑠璃に憑依するはずだったー
だが、昼休みまでの瑠璃の行動におかしなところはない。

「ふ~~~~ん」
ニヤニヤしながら康夫を見つめる瑠璃。

「お…お前、やっぱり健二なのか?」
康夫が戸惑いながら言う。

瑠璃は「えっ…」と不思議そうな表情を浮かべた。

すると康夫は気まずそうに「なんでもない」と呟く。

”あはは、おもしろいやつ”
と瑠璃の中にいる健二は思う。

もし、健二が反対の立場だったら、
目の前にいる瑠璃はいつもの瑠璃じゃないと判断するだろう。

だが、康夫は慎重な性格だ。
瑠璃の行動がオカシイと思っても
”確証”がないと動かない。

たぶん、半信半疑なのだとは思うが、
それでも、”お前、健二だろ”と断言して
問い詰めるほどの度胸が、康夫にはない。

まぁ、そこが面白いのだけどな、と
健二は思いながら
瑠璃としてさらに続けた。

「女の子にあまり興味なさそうだけど、
 康夫くんは何に興味があるの~?」

瑠璃の口調を真似てそう尋ねると、
康夫はにっこりしながら答えた。

「地理とか歴史とか、あとは鉄道とか
 プラモデルとかかな~」

康夫が言う。

健二も当然、康夫の趣味は知っている。

康夫の知識量はかなりのものだ。

それを知っていて、
健二はあえて、こう言った。

「--へ~。
 つまらない趣味だね」

と。

そう言うと、
康夫が表情を変えた。

「は?」

明らかに怒っている

それに気づきながらも、健二は
瑠璃の身体で、康夫を誘惑した。

「--ねぇ…そんなくだらない事よりさ、
 わたしと遊ぼうよ…」

康夫の手を掴む。

康夫が怒りと戸惑いの表情を浮かべている。

瑠璃の綺麗な手が触れた康夫が
ドキドキしているのが分かる。

”ふふ、やっぱりお前もドキドキするんじゃねぇか”
健二はそんな風に思う。

健二の感情が、瑠璃の顔にも無意識のうちに
滲み出てしまい、
瑠璃がいじわるそうな笑みを浮かべている。

掴んだ手を、自分の胸にあてようとする瑠璃。

「ふふ…康夫くんってば~…」
甘い声を出しながら
康夫の手を自分の胸に当てようとした瞬間だったー

バッ!
康夫が瑠璃の手を振り払った。

「えっ」

瑠璃は驚きの表情を浮かべる。

「--俺、人の趣味をバカにするやつ、
 好きじゃないから」

康夫は不機嫌そうにそう言うと、
教室から立ち去ってしまった。

「へ~~~~」
立ち去った康夫を見つめながら瑠璃は笑う。

「--瑠璃ちゃんの胸を前にしても
 揺らがないか…」

瑠璃はクスクスと笑いながら呟く。

「~~康夫はほんと~に面白いなぁ~!」と。

「あーー」
瑠璃は周囲の視線に気づいた。

いつの間にか、椅子の上であぐらをかいていた瑠璃は、
スカートの中が丸見えになっていたのだ

「あ…あはははははは」
瑠璃は笑いながら、周囲の視線から目を背けたー

・・・・・・・・・・・・・

放課後ー

「康夫くん!」
瑠璃が、放課後の廊下を歩く康夫に声をかけると、
康夫が振り返った。

その表情は、ちょっとうんざりとした様子だ。

「さっきさ、憑依とか健二とか言ってたけど、
 あれって…なに?」

瑠璃はわざと怒った口調で言う。

「--え…」
むすっとしていた康夫が困り果てたように返事をする

「憑依…健二…
 どういうことなの?
 わたしに、何か悪い事しようとしてたの?」

瑠璃が問い詰めるようにして言うと、
康夫は額から冷や汗を流した。

憑依がばれるのはまずいー
そういう冷や汗だろうか。

「--ねぇ、正直に教えてよ」

瑠璃が怒った声を出す。

”おだやかな瑠璃ちゃんがこんな声も出せるのか~”
と、健二は少し興奮しながら、そのまま言葉を続ける。

「先生に言っちゃうよ?」
その言葉に、康夫は「ま、、待ってくれ」と慌てた様子で呟く。

「憑依ってさ、人の身体を奪うとか、そういうやつだよね?
 もしかして…わたしのこと、そんな目で見てるの?」

軽蔑の眼差しを向ける健二。

康夫は「え、、、い、、いや…」と
うろたえている。

純粋過ぎだろ。
健二はそう思った。

さぁ、仕上げだ。

「エッチ!最低!」
瑠璃のふりをして、そう吐き捨てて廊下を速足で歩くー

瑠璃は笑っていたー

「あ~康夫のやつ、おもしれぇ~!
 ホントに瑠璃ちゃんだろ思い込んでるよ~
 中身は俺なのにな~!
 
 って…エッチなこと少しぐらいしようとしてたのに
 康夫をからかってたらもう放課後だよ。

 そろそろ身体から抜けなきゃな…」

瑠璃はスカートを名残惜しそうに触ると、
”明日は康夫の番だぜ”と微笑む。

「~~あ~~!に、してもあいつ天然だな~」

「…って、思ってんだろうな、あいつ」
康夫は呟いた。

最初から、気づいていた。

けれどー
健二が楽しそうだから、付き合ってやった。

それだけのことー。

ただー
趣味をバカにされたのは
本心かどうか知らないが、少しむかついた。

「--明日は俺の番だ!」
康夫は、そう呟いたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

健二からLINEで
”わりぃ、俺、本当に体調崩しちまった!
 憑依薬無駄遣いしちゃったよ”

とLINEが届く。

康夫は”はいはい”と思いながらも
”そりゃザンネンだったな”と返事をした。

”まぁ、いいや、明日は康夫が瑠璃ちゃんに
 憑依する番だぜ”

と健二からメッセージが届く。

康夫は、明日1日、瑠璃として
どう楽しもうか考えながら鉄道模型を
眺めるのだったー

②へ続く

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コメント

合作の前編でした~!

今日の部分は、私(無名)が書いた部分デス~!
明日は音調津様が書いた後半部分をお送りします~

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憑依<二日間の豹変>

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