ある日、男体化してしまった早百合。
早百合は大好きだった友人の明日菜と
付き合い始めたものの…
※憑依空間 初の男体化モノです(リクエスト作品デス)
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「そ…そんな!」
長一郎は、悲痛な叫びを上げていた。
早百合に告白した長一郎は、
再度、早百合に告白しようとしていたのだが、
早百合が男になってしまったことを知り、
愕然としていた。
たとえ、中身は早百合であっても、
彼は見た目を重視する男だった
「くっ…これが、赤壁の戦いで敗れた
曹操の気持ちか…!」
歴史好きの長一郎が叫ぶ。
「---あの」
それを見ていた、千尋が長一郎に声をかける。
早百合の友人である千尋は、
早百合が男体化したあとも、早百合と変わらぬ関係を
続けているクラスメイトの一人だ。
「--ん?な、何かな?」
”赤壁の戦い云々”の叫びが、聞かれていなかったかと
ドキっとしながら、長一郎は冷静を装って、呟いた。
「--赤壁の戦いで敗れた曹操は、再び立ち上がったわ」
---!?
千尋の思わぬ言葉に、長一郎は、首をかしげた。
・・・・・・・・・・・・・・・・
土曜日ー
早百合は、明日菜とデートをしていた。
「---ねぇねぇ早百合~!」
明日菜が甘えた様子で言う。
「ーーん?なぁに…?じゃない!なんだ?」
早百合は”彼氏”になるために
意識的に男っぽい仕草を心がけていた。
遊園地の中を歩く2人。
「--わたし、次、あれに行きたい~!」
明日菜がお化け屋敷を指さしながら彼氏に甘えるかのように嬉しそうに言う。
今日もお似合いのツインテールを輝かせながら
無邪気に笑う明日菜。
”誰かが君に、毒のようなものを盛った”
病院の先生はそう言った。
自分が男になってしまった原因はー
誰かが意図的に、毒、あるいは薬品を早百合に
盛ったことが原因だー。
「---」
明日菜があまりにも自然に、男体化した早百合を
受け入れてくれていることに、
早百合は少し違和感を覚える。
そう感じながらも
”明日菜と付き合えたんだからいっか”と
思いながらおばけ屋敷に向かう。
「きゃ~~~!」
明日菜が早百合にしがみついてくる。
「---ちょ、、ちょっと、明日菜ちゃん!」
思わず女言葉で叫んでしまう。
明日菜が早百合の身体にぎゅっと抱き着いている。
「--明日菜ちゃん、、怖いの平気でしょ?」
早百合がヤレヤレという様子で言うと、
明日菜が早百合の急所を膝蹴りした。
「うげっ!?!?!?」
早百合は驚いて、痛みを堪える。
「--早百合ちゃんは、わたしの彼氏!」
明日菜の口調には怒りがこもっていた。
「--女言葉を使うオカマな彼氏なんていやだよ!」
明日菜が言う。
「え…ちょ、、ちょっと、わたしは…!」
ドカッ!
明日菜が再び、早百合の急所を蹴った。
「--わたしの彼氏!」
明日菜の言葉に、
早百合は困惑した。
いつも無邪気で、赤面しやすい明日菜が、
今日は別人に見える。
「え、、あ、、ぁあ…わ、、分かったよ」
「えへへ~やった~!」
明日菜は喜んで、早百合に抱き着き始めた。
「--」
早百合はしがみついてくる明日菜を
そのままにしながら、
お化け屋敷の中を歩いた。
お化け屋敷から出た早百合は疲れ果てていた。
明日菜は無邪気に喜んでいる。
「はぁぁ~」
早百合は溜息をつきながらお手洗いに入る。
「---きゃああああああああああ!?」
「えっ?」
早百合は悲鳴を聞いてハッとした。
癖で女子トイレに入ってしまった。
まずいー
「あ、、ご、、ごめんなさい
いつもの癖で…
あはははははは」
早百合は誤魔化しながら女子トイレから出て、
男子トイレの方に入って行ったのだったー。
”いつもの癖”
!?
男子トイレの方で用を足しながら
”いつもの癖で女子トイレに入る男”
周囲から見たら完全にやばいやつだ…と
早百合は自分の発言を振り返りながら
”通報されたらどうしよう”と怯える。
しかしー
通報されなかったのか、
警察が駆けつけることはなかった。
日が暮れてきて、
早百合は「なんだか疲れた」と
思いながら遊園地を後にする。
「じゃ、、じゃあ、今日はこれで」
早百合が言うと、
明日菜は首を振った。
「え?」
早百合は唖然とする。
”遊園地に行こう”と約束しただけで、
それ以上の予定はー
「ねぇ、わたしの家に来ない?」
明日菜が笑う。
「えぇ…?」
困惑する早百合
「今日、お父さんもお母さんもいないから
いっしょに過ごそう…?」
明日菜の言葉に、
首を振る早百合
「い、、いや、、わた、、いえ、、俺はちょっと」
そう言うと、
明日菜が突然、早百合のアソコにやさしく手を触れた。
「--ねぇ?気持ちイイでしょ?」
明日菜が小悪魔な笑みを浮かべている。
無邪気な明日菜に彼氏がいたことはないはず。
なのに、この誘惑するようなまなざしは何なの?と
早百合は思いながら明日菜を見る。
「---んあぁ♡」
情けない声が出てしまう早百合。
「ふふ…そんな情けない声出しちゃって」
明日菜が微笑んだ。
早百合は結局そのまま
強引に明日菜の家に連れ込まれてしまう。
家に入ると、
明日菜は笑った。
「--ねぇ、早百合ちゃん。
名前、変えて?」
突然の明日菜の言葉に
早百合の困惑はさらに膨れ上がる。
「---へ?」
「--”早百合”なんて名前の男の人、
あんまりいないじゃない?
だから、男の人っぽい名前を名乗ってほしいの」
明日菜の言葉に、
早百合は反論する
「--え、、ちょ、、ちょっと!
わたしは早百…」
「--彼氏らしくして!」
明日菜が怒りの口調で叫んだ。
「ひっ…!?」
早百合は驚いてしまう。
「--わたし、ず~っと、早百合ちゃんが
男の子だったらいいなぁ~
って毎日毎日妄想してたの!
彼氏ず~っと、欲しいな~って思ってたの!」
明日菜が顔を真っ赤にしながら言う。
「毎晩毎晩ね、早百合ちゃんが男の子になって、
わたしが早百合ちゃんと付き合ってエッチする夢みてたの!
それが、、こうして現実になったのよ!夢みたい!
早百合ちゃんも言ってたでしょ?
”男になったらわたしと付き合いたいって”」
明日菜は、興奮しているのか「はぁ、はぁ」と
鼻息を荒くしている。
”そんな夢を毎晩見てたの?”と思いながら
早百合は困惑する
「--よし!決めた!」
明日菜が手をポンと叩いて微笑む。
「今日から早百合ちゃんは、貞夫(さだお)ね」
無邪気に微笑む明日菜。
「---ちょ、ちょっと、ふざけないで!」
早百合が叫ぶ。
だがー
「ーーー貞夫!」
明日菜はワガママを言う子供のように頬を膨らませた。
「わ…わ…わかったわよ」
早百合が言うと、明日菜はだ~め!と呟く。
「--男子は、そんな言葉遣いしないよ!」
とー。
「--わ、、、わかった…よ」
早百合は困惑しながらそう呟いた。
明日菜は、早百合と彼氏・彼女の関係になれることを
心底喜んでいて、有頂天になっていた
「♪~」
上機嫌で嬉しそうにしている明日菜。
明日菜が荷物を片づけて、
服を着替えている。
ツインテールをほどく明日菜。
「---…ゴクリ」
早百合は何だか自分の中に
今まで感じたことのない感情がこみあげてくるのを感じた。
”な、何、この気持ちは?”
明日菜がツインテールをほどいているところを見たことは
今までにも何度かある。
なのにー
その時は感じなかった、謎のドキドキを感じている。
「--え…え」
早百合は困惑する。
明日菜はそんな早百合のことも知らずに、平気で服を脱いで、
部屋で過ごしているときの服装に着替えている。
「---貞夫くんと何しよっかな~!」
勝手に名付けた”男になった早百合”の名前を
上機嫌で呼びながら明日菜は着替えている。
その仕草が、妙に色っぽく見えた。
「---あ…」
早百合は自分のアソコが大きくなっていることに気付く。
学校でも、たまにここが大きくなっている男子は居た。
そのつど「変態!」と内心では蔑んでいた。
しかしー
こんなにも簡単に大きくなるものなの?と
早百合は思いながら、
明日菜を見つめていた。
身体だけじゃなく、心もー
「--私の魅力で、興奮させられるかなぁ」
明日菜はいたずらっぽく笑う。
無邪気な明日菜は、
男になった早百合にイタズラをしようと考えていた。
しかしー
ドン!
「--!?」
着替え終わった明日菜は、そのままベットに押し倒された。
「え…?」
今まで主導権を握っていた明日菜が困惑の表情を浮かべる。
仰向けに倒された明日菜が見たのは、
野獣のような表情をした早百合だったー
「はぁ…はぁ…明日菜ちゃん…いいえ、明日菜」
早百合が男の表情で明日菜を見た
「え…あ、、、は、、はひっ?」
男性経験のない明日菜は積極的な早百合を前に、
びっくりしてしまう。
「男を部屋に連れ込むなんて…
意味分かってる?」
興奮を抑えきれなくなった早百合は、
はぁはぁ言いながら明日菜を見つめた。
「あ…い、、いえ、、、あ、、、あのぉ…」
明日菜が苦笑いしながらそう呟いたが、
早百合の男としての興奮はもう限界だった。
「--明日菜…わたしと、、いえ、俺とエッチしようぜ」
早百合はそう呟くと、有無を言わさず明日菜に襲い掛かった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「はぁ…♡ はぁ…♡」
明日菜が幸せそうな顔で絶頂を迎えて
その余韻に浸っていた。
「---ふぅ…」
賢者のお時間を迎えた早百合が
放心状態で、座っている。
なにこれ…?
早百合は思う。
さっきまで興奮していたのに、今はなんだかむなしい。
それどころか、
これでよかったのかとさえ思っている。
女の身体だったときは違った。
身体中から生み出されるゾクゾクが全身を
駆け抜けるかのような興奮。
一度快楽の頂点に上り詰めても、
その余韻がなかなか身体から抜けない、
あの感覚。
けど、今は違うー
「男って…不思議」
早百合はそう呟いた。
一方の明日菜はまだ興奮が収まらないのか
はぁ、はぁと荒い息を立てていたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
計画通りだったー。
自分は、長一郎と付き合うことができた。
早百合が男になってしまったことで、
早百合への片思いをあきらめた
歴史好きの長一郎に、自分が告白し、
念願の長一郎の彼女になれたのだ。
長一郎が早百合に一途で自分に
振り向いてもらえない。
だからー
父の研究所で開発されていた男体化薬を
父から貰い、
早百合たちとハンバーガーショップに行った際、
早百合の飲み物に、男体化薬を混ぜたのだった。
早百合は明日菜と付き合いたいと言っていた。
男になれて喜んでるだろうー
自分は、早百合というライバルがいなくなって
長一郎と付き合うことができたー
そして、長一郎も、私という彼女が出来た。
みんな、幸せになったー
「---千尋ちゃん」
背後から声がして、
早百合・明日菜の友人、千尋は振り返った。
そこには男になった早百合が居た。
「長一郎くんと付き合い始めたんだってな」
すっかり男の口調になれた早百合が言う。
「--え?えぇ」
千尋が言うと、
早百合は突然、千尋の肩を手でつかみ、
壁ドン状態にしたー。
「---ひっ!?」
千尋が思わず怯える。
早百合が鋭い眼光で千尋を見つめる。
「---私、いえ、俺を男に変えたの…
千尋ちゃんの仕業だな?」
早百合が言うー
千尋が長一郎と付き合い始めたー
自分が男体化したのは、何か薬物を盛られたせいー
あの日の前日、一緒に何かを飲み食いしたのは明日菜、千尋、それと家族だけー
そこから、
早百合は千尋が自分を男体化させたのだろうと悟っていた。
「あ、、、え、、えっと、
ほら、、、早百合ちゃんだって、明日菜ちゃんと付き合いたがってたでしょ?」
千尋がいつもの強気な態度ではなく、控えめな態度で言う。
「-----」
早百合が千尋を睨む。
千尋は男に睨まれてびびっていたー
しかしー
「ありがとな」
早百合は言った。
「--へ?」
「--おかげで明日菜の彼氏になれた」
それだけ言うと、
早百合はそのまま廊下を歩いていく。
「---へ…」
千尋は放心状態で、廊下に座り込んだ。
立ち去って行く早百合。
やっぱり、明日菜と付き合えて、
彼女、、いや、彼は喜んでいた。
千尋は、そんな早百合の後姿を見て
顔を赤らめた。
「・・・・・か、、、かっこいい」
千尋は男体化した早百合にきゅんとしてしまった。
「---だ、大丈夫か?」
彼氏になった歴史好きの長一郎が千尋に声をかける。
「---ごめん。やっぱわたしと別れて」
それだけ言うと、千尋は立ち上がって歩き出した。
「は!?え???ちょ???」
付き合いだして3日で、意味不明なまま振られた長一郎。
立ち上がった千尋は歩きだす。
「ありがとな」
きゅん…
千尋は「男体化した早百合の彼女になりたい」という
気持ちが爆発しそうになったー
「えへへ♡」
だらしない笑みを浮かべながら千尋は
あることを思いつくのだったー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
リクエストで初の男体化モノを書いてみました!
昨日もコメントしましたが
男体化モノは実は読んだことがなかったりするので、
どうかな~、とちょっと不安デス笑
まだまだ初心者な私ですが、お読み下さりありがとうございました☆
コメント
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前回で完全に男になりきったわけではなく、ところどころ女の子の地が出てるのが良いですね!
明日菜にからかわれて欲情して押し倒してしまうところも素晴らしき……。
無名さんなりの男体化解釈、興味深く読ませていただきました!
全員WIN-WINなエンドかと思いきや、長一郎…w
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> 前回で完全に男になりきったわけではなく、ところどころ女の子の地が出てるのが良いですね!
> 明日菜にからかわれて欲情して押し倒してしまうところも素晴らしき……。
> 無名さんなりの男体化解釈、興味深く読ませていただきました!
>
> 全員WIN-WINなエンドかと思いきや、長一郎…w
コメントありがとうございます~!
なんとか書ききることができました~☆
また機会があればチャレンジしてみます!
長一郎君…ふふ…