<憑依>狂育①~復讐のいじめられっ子~

とある学校ー

いじめを受けている男子児童がいたー。

彼はーあるとき”力”を手に入れる。
その力でいじめっ子の母親に憑依して、復讐することを彼は決意したー

※リクエスト作品デス!

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「お前、見てるとむかつくんだよ~!」

クラスメイトの
土田 亮吾(つちだ りょうご)が言う。

眼鏡をかけたインテリ系の亮吾は、
成績優秀、先生からの評判もよく、
友達も多い、男子児童だ。

その”人気者”である亮吾に、”ムカつく”と言われた男子…
牧原 信夫(まきはら のぶお)は、
ご、ごめん…と呟いた。

信夫は気弱な児童で友達はあまりおらず、
いつも一人で教室の隅っこにいるような子だった。

しかし、それでもー
小学5年になるまではー
何事もなく、普通に過ごしてきたし、
何も、人生に問題はなかったー

5年生になってからー
初めてクラスが一緒になった亮吾に目をつけられて
壮絶ないじめを受けるようになってしまったー

「---僕はさ、きみみたいのを見ると
 むかつくんだよ」

亮吾が信夫の髪の毛を引っ張りながら笑う。

周囲の友達がげらげら笑っている。

「--僕の前から、消えてくれないかなぁ!」
亮吾が憎しみを込めて言う。

信夫は、先生にも相談したー
しかし―亮吾は”先生の前では優等生を演じている”
だからー
信じてもらえなかった。

「--先生に助けを求めても無駄さ
 先生は僕の味方なんだから」

亮吾が笑いながら、
泥団子を手にして微笑む。

「--さぁポチ、食べるんだよ」
亮吾が笑う

「い…いやだ」
信夫が必死にそれを否定する。

「--ポチ!ご主人様の言うことを聞くんだよ!」
亮吾が怒ると周囲の男子児童が、
信夫を押さえつけた。

校庭の砂場で作った泥団子を手に、笑う亮吾。

「さぁ、ポチ!食べるんだ!」
泥団子を無理やり信夫の口に突っ込む亮吾。

「---あははははははは!」

いじめー
信夫は、亮吾を死ぬほど憎んだー

けれどー
喧嘩しても勝てないし、
先生に助けてを求めても信じてくれないー

泥団子を口に突っ込まれて咳き込む信夫は、
悔し涙を流していたー

・・・・・・・・・・・・・・・・

放課後。

一人、とぼとぼと歩く信夫。

今日も、地獄のような時間が終わった。
けれどー
また、明日、朝になれば亮吾に会うことになるー

そんな風に思いながら、
信夫は歩いていたー

「--きみーー」
背後から、声をかけられて、信夫が振り返る。

「え?ぼく?」
信夫が言うと、男はうなずいた。

スーツ姿のサラリーマンのように見える。

”知らない人についていっちゃいけない”

そう教わっていたから、信夫はその場を動かなかった。
ここなら、人通りもあるから、何もされない。

「--いじめを、受けているね?」
男が言う。

信夫は「え…どうしてそれを?」と返事を舌が
男は答えない。

「--きみをいじめている亮吾くんに
 仕返し、してみたくないかい?」

男の言葉に、
信夫は、最初、返事をしなかった。

しかしー

「--悔しいだろう?」
そう言うと、男は、鞄から何かを取り出したー。

水晶玉のようなものー。

「--これを、きみに、あげよう」
男が微笑む。

「こ…これは?」
信夫が戸惑いながら言うと、
男はにやりと笑う。

「--亮吾くんに、仕返しをしたい、と
 その水晶玉に願ってごらんー
 そうすれば、願いが、叶うから」

男は、そう微笑んだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

家に帰った信夫は、自分の部屋で
その水晶玉を見つめていたー

「なんなんだろう…これ?」

何となく、言われるがままに
持って帰ってきてしまったが、
なんだか、だんだん怖くなってきた。

「明日、返そう」

そんな風に思いながら、信夫は、
亮吾のことを考える。

インテリ系イケメンで、
スポーツも出来て、成績優秀。
友達も多く、表向き優等生。
小学5年生にして、彼女もいるー。

「--はぁ…むかつくなぁ」
信夫は呟いた。

別に、彼がイケメンだろうと
彼女持ちだろうと、
成績優秀だろうと構わない。

けれどー

けれど、どうして
自分がいじめられなくてはいけないのか。

それは、不満だったー

「あぁ…あんなやつ、いなければいいのに!」

信夫がイライラして叫ぶと、
水晶玉が突然光を放ち始めた。

「うわぁ!?なんだ?!」
信夫が叫ぶ。

そして、水晶玉の方に近づいていくとー

「えっ!?」
身体が、水晶玉に引っ張られ始めた。

「うわああああああ!た、、たすけて!」

しかしー
もがく暇もなくー
信夫は、水晶玉に吸い込まれてしまった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

う…

信夫が意識を取り戻すー

「--ただいま~!」
聞き覚えのある声がする。

ただいま?

「--え…」
信夫が起き上がる。

ただいまってなんだ?と思うー。

家に既に母親はいたし、
父は遅い時間の帰りー
兄弟はいないー

なのに…

「ただいま~!」
もう一度声がする。

ふと、周りを見回すと、
そこは”知らない場所”だった。

「え…ここどこ!?」

そう呟いて、信夫は口をふさいだ。

ーー!?

今、女の人の声が出なかったか?
と思いながら、
信夫はもう一度声を出してみるー

するとー

「---う、、うそだ…!」

自分の口から出るのは、
女の声ー

慌てて自分の身体を見つめると、
信夫は悲鳴をあげた

「あ…あ、、、僕の、、僕のあれがない!」

股間を触りながら焦る信夫ー
そしてー

ぷにっ…と胸に手が触れる

「わああああ…!」
信夫はパニックを起こす。

5年生にもなって少しそういうことに
興味が出始めてきた矢先のこれだー

胸が、自分にあるー

近くにあった鏡を見つめた信夫は
驚いたー

鏡に映っていたのは自分ではなく、
綺麗な大人の女性

「--ねぇ、ママ!ただいま!」

部屋の扉を開けて男の子が入ってくる

「--り、、亮吾…!」
信夫は思わず声を上げた。

部屋に入ってきたのは、
いじめっ子の亮吾だ。

ーーど、どういうこと?

信夫は思う。

しかも、今”ママ”って言ったか?

「--え、ぼ、、、ぼく、、、いや、
 わ、、わたしがママ?」

そう言うと、亮吾は
「何言ってるのママ?」と心配そうに尋ねてきた。

信夫は頭をフル回転させたー

「--亮吾くんに、仕返しをしたい、と
 その水晶玉に願ってごらんー
 そうすれば、願いが、叶うから」

も、もしかしてー
あの水晶玉の力でー
僕が、亮吾のママになったのかー?

信夫はそう思いながら笑みを浮かべた

「おかえりなさいー」

と。

亮吾は微笑んで、洗面台の方に向かい、
手洗い・うがいを始めるー

「--そ…そっか…
 僕が亮吾のお母さんに」

信夫はーーー

いじめっ子・亮吾の母親
土田 美香(つちだ みか)に憑依していたー
29歳の母親は、美人と称するにふさわしい容姿だったー

水晶玉の力によってー憑依した信夫。

状況を理解した信夫…美香は、
笑みを浮かべる

「そっか、そっか…
 これで…これで仕返しができるんだ!」

美香は無邪気な笑みを浮かべて、
立ち上がったー

「亮吾~」
洗面台で手を洗っている亮吾を見ながら美香は微笑む。

「今日から僕がお前のママだ!」

とー。

手を洗って戻ってきた亮吾に、
母親である美香は微笑みながら言った。

「あ、そうだ。ママね~
 晩御飯買ってくるから、
 亮吾はお留守番してろ…あ、え、、えと、
 お留守番で、、、できるかしら…?」

信夫なりに、亮吾の母親の真似を
必死にしながらそう言うと、
あながち間違えではなかったのか、
亮吾は「うん、わかった!」と呟く。

「・・・・・・」
亮吾はそのままその場に立っている。

「ど…どうした…の?」

ま、まさかもうばれたのか?と信夫は
思いながら困惑する。

ばれる要素あったのかな?

いつもと話し方が違ったのかもしれない。
いや、そもそも幽霊みたいに僕の姿が
見えているのかもしれない。

信夫はそんな風に思いながら
亮吾の方を見ると、
亮吾は寂しそうに呟いた。

「ママ…お帰りなさいのぎゅーっは?」

と…。

いつも生意気な亮吾が学校では
見せないような悲しそう表情を浮かべているのを見て、
美香に憑依した信夫は思わず笑ってしまった。

「ぷっ…ご、5年生にもなって、お母さんとぎゅーっ?」

もちろん、している人もいるだろうー。

しかし、学校での亮吾の姿と、
母親の前での亮吾の姿が違い過ぎて、
信夫は笑ってしまったー

「マ…ママ?」
亮吾は目に涙を浮かべる。

「くくく…ふふ、そんなにママとぎゅーしたいの?」
いじわるそうな笑みを浮かべる美香。

この上ないぐらいに悪そうな表情を浮かべて美香は言った。

「でも亮吾、
 学校で牧原くんって来、苛めてるんだって…ね?」

憎しみをこめて言う美香。

亮吾はドキっとしたのか、
涙を浮かべながら言う。

「ち、、違うよ…ぼ、、僕は…!」

「いじめてるだろ!」

思わず、母親を装うのも忘れて、
美香は大声で怒鳴り声をあげた。

「ひっ…マ、、ママ…ぼく…」
亮吾が目から涙をぽたぽたとこぼし始める。

「ママね~
 悪い子は大っ嫌いなの。」

吐き捨てるようにして言った。

”ごめんなさい ごめんなさい”と
呟く亮吾を無視して、美香はそのまま颯爽と出かけた。

”晩御飯を用意するためにー”

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

公園にやってきた美香は、
砂場の方に駆け込んだ。

そしてー
綺麗な両手で砂に手を突っ込むと、
そのまま砂を握り始めた。

水を少し含ませながら、
砂を丸めていく美香。

「--あ、あの人、何やってるのかしら?」
「--しっ!見ちゃダメ!」

大の大人がニヤニヤしながら
砂場で泥団子を作っている。

泥団子を作り終えると、
汚い手で顔を触り、
まるで泥遊びをしたあとの子供のようになりながら
美香は颯爽と家へと向かうー

美香は子供のようにスキップしながら走る。

スカートがふわっふわっとするー
しかし、信夫はまだ5年生だ。
そんなこと気にもせず、周囲が美香を見つめる中、
家へと向かって走ったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「亮吾~ごはんできたよ~!」

夜ー

晩御飯に呼ばれた亮吾は、
自分の部屋から出て、母親の元に向かう。

まだ少し目には涙が浮かんでいるー

「え…」
食卓を見て、亮吾は目を疑った。

母親の美香はキッチンにあった
バナナを汚らしく食べている。

そしてー
机の上にはお皿に乗ったー

”泥団子”があった。

「--さぁポチ、食べるんだよ」
美香が言った。

信夫が受けたいじめを、そのまま
母親として、亮吾にやり返そうとしていた。

「い…いやだ」
亮吾が目に涙を浮かべる

「--ポチ!ママの言うことを聞きなさい!」
美香が亮吾を怒鳴りつける。

「マ…ママ…どうしちゃったの?」
亮吾が泣きながら言う。

「クラスの子に、泥団子食べさせたんでしょ~
 じゃあ、自分も食べなくちゃ~」

美香は怒りに身体を震わせながら呟いた。

「---ぼ、、僕は…
 ご、、ごめんなさい…ママ、ごめんなさい…!」
亮吾が謝り始める。

しかし、美香は泥団子をわしづかみにして、
そのまま亮吾の方に持ってった。

「ほら、食べろよ亮吾」
荒々しい口調で言う美香。

亮吾は泣きながら謝りつづけている。

「食えよ!ポチ!」
母親に無理やり泥団子を食べさせられた亮吾は
その場で大泣きし始めてしまう。

美香はそんな亮吾を見下しながら微笑んだ。

「--仕返してやる…!
 お前にいじめられた仕返しを…!」

美香の顔は、狂気に染まっていたー

②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

いじめられっ子が母親に憑依して
いじめっ子に復讐…というリクエストを元にした作品デス!

明日と明後日の3話構成で書いていきます~☆

憑依<狂育>
憑依空間NEO

コメント

  1. 匿名 より:

    SECRET: 1
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    小5のお母さんにしては若いっすね‼笑
    ギリあり得るっていうのが面白いですけど

  2. 飛龍 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    いじめっ子の母親に憑依とは面白いですね!
    復讐の行く末が楽しみです♪

  3. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    コメントありがとうございます!
    そうなのデス!
    20代の方が良いカナ~?と考えて
    ギリギリのラインにしました!

  4. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > いじめっ子の母親に憑依とは面白いですね!
    > 復讐の行く末が楽しみです♪

    コメントありがとうございます~!
    続きもぜひお楽しみください~!

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