とある仲良し姉妹ー
妹が、ストーカーに付きまとわれていることを知った姉は、
妹のために、ストーカーと対峙する。
しかしー
悲劇は起きた。
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高校1年の杉本 萌美(すぎもと もえみ)は、
足早に歩いていた。
下校中。
萌美は、ただ単に、家に早く帰りたいわけではない。
”ある男”から逃げていたのだー
「--ふふふふふ…こんばんは~萌美ちゃん!」
足早に歩く萌美の目の前に現れた男ー。
小田切 和馬(おだぎり かずま)-。
彼女の、ストーカーだ。
「--きみを守ってあげられるのは僕だけだ。
ほら、僕にLINEを教えてよ!」
小太りの和馬が、カエルの絵柄のついたピンク色の
スマホを持ちながら笑うー。
「--わ、わたし、急いでますから」
萌美がそう言って、和馬を避けるようにして
足早に歩きだすと、
和馬は背後で叫んだ。
「どうして!
どうして君は僕の愛を受け止めてくれないんだ!」
大声で叫ぶ和馬。
「-こんなに…こんなに愛しているのに!」
和馬は、上着をばっと脱ぎ捨てると、
その下に着ていたタンクトップを指さした。
そこにはー
”萌美ちゃんLOVE”と
書かれたハートマークが刻まれている。
「----」
萌美は振り返りもせず、そのまま立ち去った。
発端はあの雨の日ー
2か月前ぐらいだろうかー。
「--落ちましたよ…?」
萌美が、男の落としたピンク色のカエル柄のハンカチを拾ったー。
「え?あ、あぁ、ありがとー… !!!!」
男ー、小田切 和馬は、
自分の落としたハンカチを拾ってくれた萌美を見て、
一目ぼれしたー。
和馬は43歳の独身男だ。
工場でバイトをしながら、
誰とも関わることなく、生きてきた。
だがー
この日、和馬は覚醒したー。
”僕は…この少女を守るために生まれてきたんだ”
ハンカチを拾ってもらった次の日から、和馬は通学路で萌美を
待ち伏せしては、声をかけるようになっていたー。
萌美は、ストーカー被害を受けるようになってしまったのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ただいま~」
足早に家に飛び込んできた萌美を見て、
先に帰宅していた、高校2年の姉・絵梨香(えりか)が
心配そうに萌美に尋ねた。
「また…付き纏われたの?」
絵梨香の言葉に、萌美が頷く。
姉の絵梨香は
真面目で正義感が強く、友達も多い。
妹の萌美にとって、理想の存在であり、
憧れでもあった。
そして、姉妹は、とても仲良しだった。
部屋に戻った萌美は、
姉の絵梨香に、今日の出来事を話した。
また、あの男が現れた…と。
「警察も動いてくれないし…」
姉の絵梨香が言う。
「---どうすればいいの…」
萌美が、目に涙を浮かべて言うと、
絵梨香はその様子を見て、あることを決意した。
「--よし。お姉ちゃんに任せて」
「え?」
姉の方を見る萌美。
「ちょうどお姉ちゃん、明日、午前中で授業が終わりだから、
私がそいつにガツンと言ってあげる」
絵梨香が笑ながら言う。
ポニーテールがよく似合う姉は運動神経も良い。
まさに、頼れる存在だった。
「--え…でも、危ないよ、お姉ちゃん」
萌美が心配そうに言うと、
絵梨香が微笑んだ。
「--だいじょうぶだいじょうぶ。
そういうヤツって、ガツンと言えば
大人しくなるんだから…!
私に任せて!
それにー
萌美が困ってるのを、放っておけるわけないでしょ?」
絵梨香は優しく微笑んだ。
「---ありがとう」
萌美は、姉に心から感謝しながら、頭を下げた。
・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日。
その日は、雨が降っていた。
姉の絵梨香は、職員会議のために、午前中授業だった学校を終えると、
妹の高校の通学路周辺にまでやってきていた。
赤いスマホを手に、
写真を見つめる絵梨香。
そこには、妹から送ってもらった
ストーカー・小田切和馬の写真があった。
「--…許せない」
絵梨香は、萌美が、声をかけられた際に
なんとか撮影した写真を受け取り、
小田切の風貌を知っていた。
そしてー
いつも、どの辺から姿を現すかもー
”一番良く姿を現すポイント”が、
萌美が下校中に通る、あまり人気のない公園だったー
今日も、きっとここから小田切が現れるー。
絵梨香はそう直感して、
妹の下校時間をー
そして、小田切和馬が出現する時間を待っていたー
・・・・・・・・・・・・・・・
「はぁ はぁ はぁ はぁ」
和馬は、自分の身体の棒を手で激しくこすっていたー
「んへぁぁ」
和馬は激しく白い液体を放出するー。
思い浮かべているのは萌美のことー
「あぁ…もえみもえみもえみもえみもえみもえみもえみもえみ~」
男はさらに激しく手を動かす。
賢者タイムをも超越する愛が、
男の手を動かしたー。
「もえみもえみぃ~!
どうしてきみはそんなにもえもえしてるんだぁ~!
はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ♡」
公園の公衆トイレ―
そこに…和馬はいた。
「---ふほっ…ほっ」
和馬は、満足すると、
ロクに掃除もされていない汚らしいトイレの水道で
うがいをして、
鏡を見つめた。
「今日も僕…決まってるなぁ~」
全然決まっていない。
寝癖もついているし、髭は半分しかそれていない。
それでも、彼は、自分に絶対の自信を持っていた。
独身なのは、自分のオーラが、女性を圧倒しているからだと
彼は思っているー。
そして、彼は女にこびない。
何故なら、自分は、唯一無二の存在であると、考えているからだ。
何もしなくても、女が自分に寄ってくるとー。
だが、そんな彼にとって、萌美は、初めて彼が
”守りたい”と思える存在だった。
「ふぉぉぉぉおおおおおおおおおお!」
歩いてくる萌美の姿を見つけた。
和馬は傘も差さずに公衆便所から飛び出すと、
萌美の方に向かって走って行った。
「萌美ちゃ~~~ん!」
「---ひっ!?」
いつもの声に、萌美はビクッとする。
やっぱり、今日も現れた。
「--わ、わたしに付きまとわないで!」
萌美が弱弱しく叫ぶ。
しかし、和馬はスキップしながら萌美に
近づいてきた。
「---萌美ちゃん!君を守れるのは僕だけだ!
悪の組織から、僕が君を正義の力で守る!」
気持ち悪いポーズをとりながら、萌美に向かって
笑顔を見せる和馬。
特撮の見過ぎだろうか。
「--ねぇ!」
背後から声がした。
和馬が振り返ると、
そこには、萌美の姉・絵梨香がいた。
「萌美!後は任せて!
ガツンと言ってやるから!」
絵梨香の言葉に、萌美は「う、うん!」と言って
足早に立ち去って行く。
「な、なんだぁ、君は?」
和馬が叫ぶ。
「--萌美の姉の絵梨香です。
妹に付きまとっているのはあんたね?」
絵梨香が敵意をむき出しにして言うと、
和馬は、雨に濡れながら微笑んだ。
「--付き纏う?
失礼しちゃうね
僕はただ、君の妹さんを守りたいだけさ」
悪びれる様子もなく、そう宣言する和馬。
こういう人間が一番厄介だ。
自分のしていることを正義だと思い込み、
微塵も悪いとは思っていない。
「--これ以上、付き纏うなら警察に被害届を…」
「---うるさい女だなぁ!」
和馬が突然声を荒げた。
そして、周囲に雷の轟音が轟くー
「--妹が怖がってるの!
それぐらい、分からないの?」
絵梨香が声を荒げた。
「--だから僕がその恐怖から守ってあげようとしてるんじゃないか!」
和馬も声を荒げる。
「--恐怖の原因はあんたなのよ!」
絵梨香はそう叫ぶと、
スマホを取り出して、あるものを見せようとした。
妹の萌美のことだ。
きっと、直接的に”嫌だ”と伝えることができていないのだろう。
その直接的な証拠を見せようとー。
スマホを取り出した絵梨香を見て
和馬は”警察に通報される”
そう思った。
「おい!やめろよ!」
和馬がスマホを取り上げようと、絵梨香に近づく。
「ちょっと!離して!」
2人がもみ合い状態になるー
そしてー
大きな音が轟いて、雷がすぐ近くに落ちた。
ーーーーーー!?!?!?!?
・・・・・・・・・・・・・・・・
静寂ー
さっきまで鳴っていた雷は落ち着いているー。
公園のコンクリートの上で気絶していた絵梨香が目を覚ます。
制服は、ずぶ濡れだ。
小雨になった雨を見上げた絵梨香は、
ふと、周囲を見渡す。
そしてー
「え…」
足のひんやりとした感触に気付き、
絵梨香は自分の足を見つめた。
そこにはー
スカートと、自分の綺麗な足があった。
「な、、なんだこれ?」
絵梨香はそう呟くと、
すぐ近くに倒れている和馬を見つめて
こう思った。
”自分が、目の前に倒れている”
「--お、、おい!起きろ!」
絵梨香は、自分の声が女声になっていることにも気づき
混乱したー
”ぼ、僕が…さっきの女の子になっている?”
絵梨香の中にはー
ストーカー男の和馬が居た。
そしてー
「きゃああああああああああ!」
目覚めた和馬が悲鳴を上げたー
和馬の中には、絵梨香が居たー。
2人は、雷が落ちた際に何らかの拍子で
入れ替わってしまったー
「---う…嘘だろ…
マジかよ…」
絶望の表情を浮かべる絵梨香。
泣きじゃくる和馬。
しかしー
すぐに絵梨香の方は笑みを浮かべた。
「--僕が…萌美ちゃんの…
お姉ちゃん…?
ふふふふ…
ふほ、うへへへへへへへへ!」
絵梨香が口元を歪めて
興奮しながら立ち上がった。
女子高生の身体になったことではなく、
萌美の姉という立場を手に入れたことへの興奮ー
「わ…私の身体を返して!」
太った男…
今まで自分の身体だった和馬が叫ぶ。
「---」
そんな和馬を見て、絵梨香はにやりと笑みを浮かべたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ただいま~」
姉の絵梨香が帰宅した。
妹の萌美は、
心待ちにしていたかのように
姉を出迎えた。
「お…お姉ちゃん!大丈夫だった?」
萌美が言う。
姉はずぶ濡れだー。
「---」
絵梨香はにこっと微笑むと、
萌美に抱き着いた。
「もう大丈夫。あの男は近づいて来ないわ…
これからはぼ…いえ、わたしがず~っと、ずっと
萌美ちゃ…、、も、萌美…を守ってあげるから!」
ぎゅーっと萌美を抱きしめる絵梨香。
「--お、、お姉ちゃん…!」
萌美は、拒むことなくそれを受け入れた。
「--ふふふふ…萌美ち、、、萌美…
あなたのことはわたしがずーっと守ってあげる…
うふふふふふふ…」
「ありがとう…お姉ちゃん…!」
過剰だなぁ、と思いつつ、
妹の萌美は、ストーカー男を撃退してくれた姉への
感謝でいっぱいだった。
「あ…お姉ちゃん、お風呂入った方がいいんじゃない?
そんなに濡れて…」
ズブ濡れの姉に言う萌美。
「---~~はぁぁぁぁぁ…優しいね…萌美は~…」
顔を赤らめながら言う絵梨香。
「---お、お姉ちゃん?」
ちょっと違和感を感じた萌美が
姉のことを心配すると、
絵梨香は「あ、1回部屋に荷物おいてからお風呂に入るね」
と言って、部屋の方に歩いて行った。
そんな絵梨香の後姿を見ながら、萌美は
「ありがとう、お姉ちゃん」と心からの感謝を述べたー。
・・・・・・・・・・・・・・
「もえみ…もえみ…
ふふふふふ…もえみ~…
ちゃんづけじゃなくて、呼び捨てで呼べる~
もえみ・もえみ・もえみ・もえみ♡ もえみぃ♡」
部屋に戻った絵梨香は顔を真っ赤にしながら
嬉しそうに呟いていた。
「あぁぁぁああああ~萌美ちゃんのぬくもり~
うふふふふふふふ…
ふふふふふふふふふふふ~」
絵梨香の身体の興奮が、限界まで達して、
雨でぬれた下着を別の何かで濡らしていく。
「~~~はぁ~~も・え・み♡
ぁあああ、も・え・み♡
どうしてそんなにもえもえしてるの~?
お姉ちゃん興奮しちゃうじゃない…
ふふ、もえみもえみもえみもえもえもえもえもえぇぇぇ~♡
わたしがお姉ちゃん…
わたしがおねえちゃん…
ふふふぅぅぅぅぅぅぅぅ♡」
絵梨香は、自分を抑えきれずに
甘い声で大声を出した。
「--はぁ♡ はぁ♡ はぁ♡
おねえちゃんが♡
ず~っと守ってあげる♡
はぁ♡ はぁ♡ はぁぁああぁぁぁぁぁあああ♡」
エッチの最中かのように
甘い吐息を吐きながら絵梨香は笑みを浮かべたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
小降りになった雨の中ー
和馬は歩いていたー
”二度と、私たちに近寄らないで”
自分の身体を奪ったアイツに、そう言われたー
ふざけないで!身体を返して!
そう言いかえしたー
けれどー
”この見た目…だ~れも、身体を入れ替えられたなんて
信じないでしょ?
無駄だよ…ふふふふふふ”
アイツの言うとおりだ。
そしてー
”もし、僕の視界に入ったら、
萌美ちゃんを殺しちゃうかもよ~
あ、わたしが死んじゃうかも~
えへへへへへへ~!
余計なこと、しないほうがいいと思うよぉ~!
うへへへへへ~!”
私が、萌美に近づこうとすれば、
アイツに萌美を殺されるかもしれないー
和馬の身体になってしまった絵梨香は、
なんとか萌美を救い出そうとー
そして、自分の身体を取り戻そうと、
決意し、まだ雨粒の落ちてきている空を見つめたー
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
今日は入れ替わりのところまで~ですネ!
明日は、ストーカーになったお姉ちゃんの狂気を
お楽しみくださいネ~!
コメント
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ストーカー男の汚らしさ、身勝手さがたっぷり描写されている分、入れ替わりの落差が際立って素晴らしいですね!
既に色々とやってますけど、"お姉ちゃん"が妹に何をしていくのか、楽しみです♪
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> ストーカー男の汚らしさ、身勝手さがたっぷり描写されている分、入れ替わりの落差が際立って素晴らしいですね!
> 既に色々とやってますけど、"お姉ちゃん"が妹に何をしていくのか、楽しみです♪
ありがとうございます~!
明日以降が本番ですよ~!笑
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最高です。
続きが楽しみっす
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最高でしたっ。
ゾクゾクさせていただきましたっ~♪
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> 最高です。
> 続きが楽しみっす
わわ!みのむー様!
ありがとうございます!
頑張ります!
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> 最高でしたっ。
> ゾクゾクさせていただきましたっ~♪
しあのす様ー!
ありがとうございます~!
ゾクゾクできて何よりデス!