”VIP”
店内の禁断の領域に足を踏み入れてしまった円花は、
お店の秘密ー、
そして美人店長・相馬裕子の秘密を知ってしまうー。
彼女の運命は…!
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「ど…どういう…こと…?」
円花が座り込んだ状態で震えながら
目の前にいる”後輩”に声をかける。
ツインテールの良く似合う後輩の女子高生バイト・華凜は
ニヤニヤと笑みを浮かべている。
さっきまでこの部屋に居たはずの店長・相馬裕子は、
脱皮後の昆虫の皮のように、抜け殻のような状態で、
この部屋の隅に横たわっている。
「---見ての通りですよ!せんぱい!」
華凜が笑う。
可愛らしい高校生らしい服装に身を包んだ華凜が、
唇をペロリと舐めると、
真実を話し始めた。
「このお店は~、相馬さんじゃなくて~、
その中にいる人が、相馬さんの皮を被って作ったお店なんです!
でも!いまどきこんな普通のお店なんて売れませんよね?
先輩も知ってるハズですけど、
あまりお客さんは多くなかった。
でもね…!
私にはこの力がある!」
華凜の口調を中途半端に真似た男が笑う。
「--人を皮にする力がね!
えへへへへへへへへ!」
華凜は涎を垂らしながらだらしなく口元を歪めると
円花の方を見つめて微笑んだ。
「---た…す…け…」
まだ自我の残っている華凜が表情をゆがめながら言うー。
だが、その叫びは無理やり押さえつけられて、
華凜は、無邪気に笑い始めた。
「--カワイイ子を見つけては皮にして、
それを男性客に高値で売りつけるー。
それが、このお店の収入源…」
そう言われた円花は思い出す。
この”VIP”の部屋に
可愛らしい女性が相馬店長に連れて行かれるのを
何度か目撃したことがあるー
そして”男性客”が入っていくのもー
連れ込まれた女性客は、この部屋で皮にされて、
連れ込まれた男性客は、連れ込まれたのではなく、
皮を買いに来た客ー
「---そ…そんな…」
円花は”VIP”の部屋の中に、地下へのはしごがあるのを見つけた。
この部屋に入って行った男性客が
出てこなかったのは裏口があったからだろうー
「た…す…」
華凜が苦しそうに言う。
「--うるせぇ!お前はもう俺の皮なんだ!
黙ってろ!」
華凜が怒鳴り声をあげる。
円花は恐怖した。
自分で助けを求めて
自分で怒鳴り声をあげる華凜ー
どう見ても、普通じゃない。
「先輩も、ひみつを知っちゃいましたね?」
華凜は嬉しそうに笑う。
「ーーと、いうことで、先輩にも、皮になってもらいますね!
わたしと同じように…!」
その言葉を聞いて、円花はパニックを起こした。
「い、、いやああああああ!」
慌てて”VIP”の部屋から飛び出す円花。
閉店後の店内の方に走って行く。
それほど広い店内じゃないー
出口に向かって走る円花。
ここでつかまれば、自分も-。
笑みを浮かべたまま脱皮した皮のように床に捨てられた
相馬店長を思い浮かべるー
悲痛な助けを求める華凜を思い浮かべるー
”あんな風になりたくない”
円花はそう思った。
ガン!
「--開かない!?どうして!?」
入り口の扉があかないー
円花は必死に入り口の扉を開けようとするが、開かないー
鍵は開いているはずなのにー
♪~~~~~
クラシック・ワルキューレの騎行が店内に
大音量で流れ始めた。
「ひっ…!?」
円花はおびえた様子で非常口の方をめざす。
しかしー
「逃がさないわよ~!円花!」
相馬店長の声が店内に響き渡った。
「---うふふふふふふふ!」
悪魔のような形相の店長・裕子が
円花の方に向かって歩いてきている。
クラシックが響き渡る閉店後の薄暗い店内ー
豹変した裕子が、円花を追い回していた。
「俺はさぁ、この女が大好きだったんだよ!」
逃げる円花に、裕子が女の声で語りかける。
「--ひっ…ひっ…!」
円花は必死に逃げ惑った。
非常口から飛び出して、警察に助けを求めよう。
相馬さんもー
華凜もー
どうにかしないとー
円花はそう思った。
「でもよぉ~!この女はおれを振ったんだ。
どれほどのショックだったかお前に分かるか?」
裕子の声が響き渡る。
「宇宙がひっくりかえるほどのショックだったね。
これが、宇宙誕生の原因になった
ビッグバンの衝撃かー。
って、俺はそのとき思ったよ」
ーー頭がおかしい
円花はそう思いながら非常口の扉を開けようとする。
ガン!
ここも開かなかった。
「ど…どうして!どうして開かないの!」
円花が叫ぶ。
「はぁぁ♡ あぁん♡ あぁぁあああん♡」
エッチな下着姿に着替えていた裕子が
背後に立っていた。
自分の胸を触りながらー
「今じゃ、この女は、俺の洋服だーうへへ♡」
裕子が、普段見せないような
歪んだ顔で円花を見る。
「た…たすけて…!」
円花は逃げ場がないことを悟ると、
命乞いを始めた。
「いいねぇ!」
裕子が指をさす。
「その恐怖におびえた表情!
最高にゾックゾクするよ!
ほら、この女もゾクゾクしてるぅぅぅぅぅぅぅ!」
胸を狂ったように触りながら喘ぎだす裕子。
「----!」
円花はその隙にスマホを取り出した。
警察にーーー
バキッ!
スマホが蹴り飛ばされた。
裕子が綺麗な太ももを輝かせながら、
円花が手に持つスマホを蹴り飛ばしたのだったー
「きゃあっ!」
円花が悲鳴を上げる。
音を立てて床に落ちるスマホ。
それを、裕子が踏みつぶした。
ぐりぐりと円花のスマホを踏みにじる裕子。
「くふふふ…
前からず~っと、狙ってたのよ、円花ちゃん…!
あなたみたいなカワイイ子は
高~く売れる!
うひひひひひひひぁ」
”憧れの店長・裕子”の姿は
もう目の前になかった。
目の前にいるのは、
支配された狂った女の姿ー。
「--さぁ、あなたもお洋服にしてあげる」
裕子が近づいてくる。
もう逃げ場がないー
「いやああああああああああ!」
店内に流れるクラシック音楽をかき消すほどの悲鳴。
しかし、その悲鳴はむなしく響き渡り、
後頭部で今まで感じたことのないような
嫌な感覚を味わうのだった。
「あひっ…」
身体の自由が利かなくなる。
頭を割られたかのような、
嫌な感覚が、後頭部から流れ込んでくる。
「う…あ…」
「--ふふふ…怖くなんかないわ。
”わたし”もそうだったもの。
最初は怖かった。
でもね、だんだん、気持ちよくなってくるからー。
何も、考えなくて大丈夫だからー」
裕子が、円花の頭を撫でながら微笑む。
「--ん…あ♡ あ…♡」
円花の後頭部から背中にかけて、
チャックのようなものが降ろされていく感覚がするー
けれどー
それと同時に、頭の中に今まで味わったことのないような
快感が流れ込んできた
「んあぁぁ♡ あああああっ♡ んへへへへへへぇ♡」
白目を剥いて、喘ぎながら、円花は思う。
”きもちいいいいいぃぃ”
とー。
裕子はそんな円花の様子を見て、
チャックを一思いに、下まで引っ張った。
「んあああああああああああ~~~~♡」
円花が大声で喘ぐと、そのまま
打ち捨てられた皮のようになって、
床にふさっと、力なく崩れ落ちた。
「んふふふふ…どう…
皮になった気分は…」
裕子が笑う。
”あ・・・あ・・・あ・・・”
皮になった円花は、
まだ意識が残っていた。
皮にされる瞬間の興奮から醒め、
円花は助けを求め始める
”たすけ…て たすけて…”
裕子は笑みを浮かべた。
「ンふふ…心配いらないわよ
わたし、今、とっても幸せだもの」
裕子は満面の笑みで言う
「他の人にこうやって着てもらって…」
裕子の頭がぱっくりと割れて
中から男…卓雄の顔が飛び出して来る
「とっても幸せだも~ん!
うはははははははははは!」
割れた裕子の口と、卓雄が、同じ言葉を口走った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
後日ー
裕子が、”VIP”の部屋の中に、
男を招き入れてきた。
「へぇ~~~こりゃあすげぇや」
男の声がする。
”た…す…”
あれから3日ー
円花の意識はまだ残っていた。
「--うへへ…この洋服なんて、いいなぁ」
円花の目の前にやってきた
中年太りのハゲたおじさんが笑う。
「あぁ…円花ちゃんですネ」
裕子が微笑んだ。
「--200万円になりますが、ご用意できますか?」
「あぁ」
男は微笑んだ。
現金の入った封筒を裕子に手渡すと、
裕子は嬉しそうな表情でお金を数えはじめた。
「--今、ここで着ても?」
男がふひふひ言いながら笑う。
「えぇ、もちろんですよ」
裕子の言葉に男がにやりと
笑みを浮かべると、
円花の皮を掴み、それを着ようとし始めた
”いや…いや…やめて”
こんな下心丸出しのおじさんに
着られたくない…!
やめて…!
円花はそう思った。
しかしー
男が中に入って来るにつれて、
円花は興奮してきてしまった。
”んあぁ…あ…ああああああっ♡”
男が円花の皮を身に着け、
あとはチャックをあげるだけの状態になった。
”あ…たす…あ…あ、、、えへぇえええ♡”
男の下心と円花が混ざり合ってしまう。
「---相馬さん、チャックをあげてくれませんか?」
男が言うと、裕子は微笑んだ。
”や…め… ・・・・・あ…”
円花はやっとの思い出で
今にも消えてしまいそうな音を発した。
しかしー
「--おやすみ、円花ちゃん」
裕子が、小声で皮に向かって耳打ちすると、
裕子は、円花の皮のチャックを完全に上に引き上げた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ガチャー
VIPルームの裏口から出てきた女子大生ー
円花は微笑んだ。
「---今日からわたしも女子大生~
うふふっ♪」
嬉しそうに飛び跳ねると、
円花は腰を大げさに振りながら
街へと消えて行ったー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
今年最初の皮モノでした!
いかがでしたでしょうか!
皮モノも、時々ではありますが、
今後も書いていきたいと思います!
お読み下さりありがとうございました!
コメント
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面白かったです。
続きを書いてもらいたいです。
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実にダークで良かったですねぇ
助けを求めていた円花の心が男と混ざってしまうシーンなど特にゾクゾクします。
200万なら私も買いたいくらいですね、ふふふ。
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> 面白かったです。
> 続きを書いてもらいたいです。
ありがとうございます~!
考えておきますネ~!
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> 実にダークで良かったですねぇ
> 助けを求めていた円花の心が男と混ざってしまうシーンなど特にゾクゾクします。
> 200万なら私も買いたいくらいですね、ふふふ。
ありがとうございます~!
皮モノはまだまだ経験が少なく不慣れですが
お楽しみ頂けて何よりデス!
200万…買っちゃいますか!ふふふ…