<憑依>初日の出は恋のおわりを告げる①~初日の出~

とある幸せな大学生カップルは
今年最初の日の出を見ながら、幸せを謳歌していたー。

しかしー
彼女たちはまだ知らない。
今日が、2人のおわりだと…。

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4人の大学生が、寒い中、初日の出の見える
スポットにやってきていた。

4人とも同じ大学生で、
2組のカップルだー。

健吾(けんご)と真菜(まな)は、
身体を震わせながら、
談笑していた。

「さむいよ~」
真菜が言うと、
健吾が「確かに、こんなに寒いとは思わなかったな」と
苦笑いしながら言う。

「--悪いな、つきあわせちまってよ」
健吾の親友でもある雷太(らいた)が
自販機で購入したコーンスープを手に言うと、
健吾は「いいさ」と首を振った。

雷太の視線の先には、
高台の柵の付近に立って、「ま~だかな~!」と
笑っている彼女・陽奈(ひな)の姿が見える。

「陽奈のやつが、どうしても初日の出みたいっていうからさ」
雷太が言うと、
健吾は「陽奈ちゃんは純粋だからな」と笑う。

陽奈は大学生ながら
まるで、子供のように無邪気な女子大生だった。

そんな陽奈が「初日の出みたい!」と言い出したことから、
4人がこうして初日の出を見に来ることになったのだった。

雷太と陽奈、
健吾と真菜。

二組のカップルは、
寒さに耐えながらも幸せだった。

「---陽奈ちゃんって純粋でかわいいよね」
真菜が笑う。

真菜は陽奈とは対照的に大人びた女性で落ち着いた雰囲気が魅力の
女性だった。

「--そうだなぁ」
健吾が言うと、
横にいる真菜が少し拗ねているのに気付いて、
健吾は「俺には真菜が一番だよ」と微笑んだ。

日の出の時刻が迫る。

「ま~だかな~ ま~だかな~!」
陽奈が笑いながら初日の出を楽しみにしている。

そんな陽奈を微笑ましく思いながら
雷太も初日の出の時間を待っていた。

しかしー
このあと、4人の幸せは引き裂かれることになる。

「---お、あいつら、ちょうどいいんじゃね?」
「だな!ケケケ」

ビールを飲みながら笑っている
赤髪の男と茶髪の男が、
4人の方を見つめながら笑っていた。

「--おい」
健吾がそれにいち早く気づき、
友人の雷太の方に近づいて声をかけた。

「どうした?」
雷太が返事をすると、
健吾が「あいつら、さっきから俺らの方を見てないか?」と
雷太に小声で話しかける。

雷太がチラッと後ろを見る。

ヘラヘラと笑う二人組が、確かにこちらを見ている。

「---ちょっと注意した方がいいかもな」
健吾が言うと、雷太もうなずいた。

こういう場では絡んでくる迷惑な輩がいるものだ。
彼らも、そんなタイプの人間かもしれない。

「ま…何かあっても任せとけ」
雷太がそう言うと健吾は「頼りにしてるぜ」と呟いて、
真菜の方へと戻って行った。

雷太はスポーツ万能で、
空手を習っていた経験もある。
こういう時はちょっとした頼りになるのだ。

「どうしたの?」
戻ってきた健吾に、彼女の真菜は心配そうに声をかける。

チャラそうな男2人がこっちを見て笑っている
なんて真菜に言えば、真菜は心配するに違いない。

だから、余計なことは言わず、健吾は
「ん、なんでもないよ」と微笑んだ。

「あ~~~~!」
陽奈が叫ぶ。

太陽が昇ってきたー。

見晴らしの良いこの高台では、その光景がよく見える。

あまり人に知られていない穴場スポットで、
それほど混雑していないのも魅力だー

健吾も、真菜も、雷太も、陽奈も
初日の出を見て、満足そうにそれを見つめていた。

「----ひゅう~~~~!」
初日の出を見て感動していると、
それに水を差す声が聞こえてきた。

健吾が振り返る。

そこには、先ほどの赤髪の男と茶髪の男が居た。

「---いや~みせつけてくれるねぇ!イチャラブ!」
茶髪の男が笑いながら言う。

「--何か用ですか?」
健吾が言う。

あくまでも穏便に済ませようとしているのだ。
いきなり”なんだ、おまえらは?”なんて言えば
それは喧嘩腰で、喧嘩に発展するかもしれない。

「---」
雷太も陽奈を後ろにやり、守るようにして立っている。

「ん~~~なんつったらいいかな~?」
赤髪の男の方が笑いながら言う。

そして、茶髪の男と目を合わせて微笑んだ。

「やるかー」

と。

彼ら2人は、
地元の悪だった。

大学を中退後、就職をすることもなく、
地元の不良仲間とつるんだりしながら、
数々の悪事を働いていた。

警察の厄介になったこともある。

そんな彼らがー
1週間ほど前に、あるものを手に入れた。
それが”憑依薬”と呼ばれる薬だ。

人の身体を奪うことのできる薬。

オークションを暇つぶしに眺めていたところ、
偶然、愛染という男が、憑依薬を出品しているのを見つけた2人は、
最初は”人間に憑依?ありえねー!”と笑っていたが、
その出品者・愛染の評価が高い事を知り、
ホンモノなのではないか?と思い、数万円を払い、
憑依薬を購入したのだった。

「---」
初日の出の場に来ていたのは、
可愛い女を見つける為。

ふたりはにやりとしながら、
真菜と陽奈に近づいていく。

「おい!」
雷太が声をあげる。

ニヤニヤしながら自分たちの彼女に
近づいていく男たちを見て、
健吾も危機感を抱く。

2人が購入した憑依薬は
Kissタイプと呼ばれるもの。

憑依薬の出品者・愛染 亮(あいぜん りょう)の説明に
よれば、キスをすることで、相手の身体を奪うことができるという
夢のような薬だ。

茶髪男が真菜のほうに、
赤髪男が、無邪気な陽奈の方に近づいていく。

「--おい!」
雷太が、赤髪の男を止めようとする。

「くそっ!」
健吾も怯える真菜の方に駆け寄ろうとする。

しかしー
2人の不良男は、ほぼ同時に、
真菜と陽奈にキスをした。

「---ふざけやがって!」
人の彼女にいきなりキスをした赤髪男の肩を
背中から掴む雷太。

しかし、次の瞬間、赤髪の男はその場に倒れてしまうー。

「!?」
驚く雷太。

左の方にいる健吾の方を見ると、
健吾の彼女にキスをした茶髪の男も同じように
倒れていた。

真菜と陽奈は、うつろな目で立ち尽くしている。

「おい!大丈夫か!陽奈!」
雷太が叫ぶ

「真菜ー?」
健吾のほうも不安そうに真菜の方を見ている。

少しすると2人はほぼ同時ににやりと笑みを浮かべて
返事をした。

「あ?うっせ~な!
 あ、、いえ、、、え~と!
 だいじょうぶだいじょうぶ!」

真菜が笑いながら微笑む。

一方の陽奈も
「だいじょうぶだよっ☆」と
ピースしてみせた。

「~~はぁ、良かった~」
健吾がため息をつく。

雷太は
「にしてもこの野郎たち、
 人の彼女にいきなりキスするなんて大胆すぎるやつらだ」

と、呆れた様子で、
倒れた男2人を見ながら言う。
健吾も「確かにな」と言いながら、スマホを手にする。

「一応、救急車呼んでおくか?
 二人同時に倒れた何て変だけどよ」

健吾が言うと、
雷太も「ま、そうだな」とうなずいた。

自分たちの彼女に手を出してきた
どうしようもないやつらだが、それでも、
何もしない、というのはちょっとまずい。

高台の隅っこの方に4人はいたから、
他の初日の出を見に来ていた人たちは、
2人組の男が倒れたことに、
特に気づいていないようだった。

「--!?」
電話しようとした健吾のスマホを
近づいてきた真菜が取り上げた。

「--真菜?」
健吾が驚くと、真菜は微笑んだ。

「電話なんかする必要ないわ…
 くふふふ…」

真菜がイヤらしく笑いながら、
陽奈の方に歩いていく。

「---ふふふふふふ…」
「うふふふふふふふ…」
2人ともニタニタと笑みを浮かべて、
健吾と雷太の方を見た。

「ど…どうしたんだ…?二人とも?」
健吾は二人の様子がおかしいことに気付く。

雷太も同様だった。

「---どうしたって?
 わたしはわたしよ。
 ね~!陽奈ちゃん!」

真菜が笑いながら陽奈の方を見ると、
陽奈も笑いながら真菜の方を見た。

見つめ合う2人ー。

その表情は欲情しているようにも見えた。

「---んふふふふ…お前の身体も可愛いじゃん!」
「-ーんふふふふっ…確かに…!ま~なちゃん!」

意味不明な事を口走る2人。

「お、、、おい!」
雷太が言うと、陽奈が「わたしのおっぱいって大きいよね~!」と
言いながら、突然胸を触りだした。

「ふふふ、大きければいいってもんじゃないわよ~」
と、真菜も笑いながら自分の胸を触る。

「っ、、おい!何やってるんだ!」

周囲が初日の出の余韻にひたる中、
明らかにおかしな行動をとり始める2人。

周囲は、浮かれているのと、
”酔っぱらっているのだろうな”と勘違いして、
誰も騒ぎ出すことはなかった。

太陽が照りつける中、
2人の彼女は、胸を触りながら
顔を赤らめている。

「--な、、やめろ!陽奈!」
雷太が陽奈の方に近づいて、
陽奈を押さえようとする。

いくら子供っぽいところが
目立つ陽奈とはいえ、人前で胸を揉み始めるほど
常識のかけた子ではない。

「--邪魔すんなよ」
陽奈が低い声で言った。

「え?」
雷太が思わず、間抜けな声を出して聞き返す。

「--そうよ!邪魔しないでよ!
 わたしたち、これからたっぷりこの身体を楽しんじゃうんだから!」

真菜も胸を触りながら横から口をはさむ。

「---ど、、どうしちゃったんだ!」
健吾が叫ぶと、

真菜と陽奈は再び顔を見合わせてから微笑んだ。

「--ねぇねぇ、健吾、今日でお別れしましょ?」

「--雷太~!今日で別れようよ~!えへへ♡」

二人同時に、彼氏との別れの言葉を口にする。

ひんやりとした空気がさらに冷たく感じられる中、
唖然とする二人の彼氏。

2人の彼女は、胸を揉むのをやめると、
笑いながら2人仲良く抱き合って、
彼氏たちの方を向いた。

「わたしたち、身体と心を
 乗っ取られちゃいました~!えへへっ♡」

2人そろっての言葉に、
健吾も雷太も唖然としながら二人のことを見つめることしかできなかった-

②へ続く

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コメント

初日の出の日の悲劇!
どうなってしまうのでしょうか!

明日もお楽しみに~☆

憑依<初日の出は恋のおわりを告げる>
憑依空間NEO

コメント

  1. 飛龍 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    これが憑依初め…!
    2組のカップルを同時に壊すのは刺激的ですね~。
    次回で何をしちゃうのか、楽しみです♪

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > これが憑依初め…!
    > 2組のカップルを同時に壊すのは刺激的ですね~。
    > 次回で何をしちゃうのか、楽しみです♪

    ありがとうございます~!
    WデートをW憑依で壊す…!
    新鮮ですネ笑

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