<変身>ヤンキー1日体験

真面目な女子高生は思うー

”1日だけでも、不真面目な生徒になってみたい”

とー。
それは、純粋な好奇心からだった。
しかし…

※リクエスト作品デス☆

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高校2年生の女子生徒、
巻井 凜子(まきい りんこ)は、
学校一の優等生と言っても過言ではない生徒だった。

成績も優秀で、
決してそれを自慢するようなこともなく、
とにかく理想像のような生徒だった。

「--じゃ、また明日~」
凜子が友達に手を振りながら別れる。

いつもの日常。

いつも通り、真面目に勉強して
友達と笑い合って、
一日を終えようとしていた。

けれどー
凜子は時々思う。

”好き勝手やってみたい”

とー。

誰もが抱く、変身願望。
そんなところだろうか。

もちろん、今の生活に不満があるわけではない。
そして、真面目にやっている自分が、キライなわけでもない。
不真面目にやりたいわけでもない

しかしー
彼女は満たされなかった。

ちょっとだけー
そう、1日だけでもいい。
ヤンキーになることで
自分とは異なる人生を味わってみたい。

そんな、願望があった。

凜子のそんな願いはー
叶うはずもない”非現実的”なことだったー。

しかしー
下校中ー
”それ”は現れた。

下校中に通る、少し人気のない路地で、
水晶玉を机に置き、不気味に座っている
おじいさんの姿があった。

「もし、そこの御嬢さん…?」
おじいさんに呼び止められた凜子は
「わたしですか?」と言いながらおじいさんの方に
近づいていく。

ひょろひょろな感じだったし、
力づくで何かをされそうな感じもしない。

凜子は、将来介護職に就きたいとも考えていた。
だから、余計に目の前にいるおじいさんの話を
聞いてあげよう、とそういう気になった。

「---いつも真面目にやっている自分ー
 1日だけ変わってみたい…。
 そんな風に思っていないかい?」

おじいさんの言葉に、凜子は「え?」と聞き返した。

まるで、自分の心を見透かされているような感じがして、
少し不気味に思いながらも凜子は返事をした。

「い…いえ、そんな…」

そんな凜子の様子を見て、おじいさんは微笑んだ。

「--1日だけ…
 そうだな、わしらの時代でいうヤンキーになれる薬が
 あるんだよ」

おじいさんはそう言うと、水晶玉の中から
薬を取り出して微笑んだ。

「これを飲めば、君は1日だけヤンキーになれる。
 まったく別の人間として、1日だけ、生きることができる薬さ」

その言葉に、凜子は目を輝かせた。

「ほ、、本当ですか?
 で、でも…」

凜子が視線を泳がせた。

老人には、凜子が不安に思っていることが、
手に取るように分かった。

”周囲の反応”や
”この薬がホンモノかどうか”

色々と不安はあるだろう。

だが、おじいさんは言った。

「--大丈夫。
 肉体の変異はそのときだけだよ。
 1日間の間、
 周囲の人間も、君がヤンキーだったと、
 何の違和感もなく受け入れる。

 翌日になって元に戻ったら、
 周囲の反応も今まで通り。
 優等生の君は、何一つ傷つくことなく
 ヤンキーを体験することができるんだよ」

おじいさんの言葉に、凜子は頷いた。

つまりー
1日限定で、他者に変身ー
周囲もそれを不思議に思うことなく、
1日を別の人間として過ごせるー

という薬のようだ。
あまりにも非現実的な話だったが
老人は微笑むと、その薬を自ら飲んで見せた。

そしてー
おじいさんは一瞬にして、
可愛らしい女子大生の姿になった。

「どうだい?これがこの薬の力」

凜子は驚く…。

そしてー
目の前に居たのは”最初から女子大生”だとすっかり錯覚している。

「--信じて貰えたようだね」
女子大生になった老人が言うと、凜子はうなずいた。

そしてー
凜子はその薬を受け取ったー。

薬を受け取った凜子は、礼儀正しくお辞儀をすると
そのまま立ち去って行った。

そんな凜子の後姿を見ながら
老人は微笑んだ。

”1日だけの夢の体験ー楽しみなさい”

とー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。

「--ふふ、今日のわたし…いえ、あたしはヤンキーよ!」

凜子はスカートを見えてしまいそうなほどに短くして、
濃い化粧をして、
学校に登校したー

老人から貰った薬を飲んだ凜子は
瞬く間に変異してー、
色黒のギャルのような女子高生に変身した。

薬の効果はホンモノだった。

鏡を見ながら
「わたしがギャルなんて~」と笑いながら、
朝、家を飛び出した凜子。

学校に登校して
教室につくと、いつもみんなとあいさつしている凜子は、
今日はあえてそれを抑えて、
不機嫌そうに机に座った。

「--おはよ、真紀」

前の女子生徒が声をかけてくる。

真紀?
凜子は首をかしげたが、

つまりー
1日限定で、他者に変身ー
周囲もそれを不思議に思うことなく、
1日を別の人間として過ごせるー

という老人の言葉を思い出して、勝手に納得した。

そうだ。
今日1日は別人として過ごすことのできる夢のような薬。

普段真面目に振る舞ってるけど、
たまにはこういう経験も、してみたい。

「---あん?」
わざと乱暴に凜子が返事をすると、
その生徒は気まずそうに座席へと戻った。

授業中ー
凜子は、スマホをいじりながらガムを噛んでいた。

(うわぁ…先生がこっち見てる~)

そう思いながらも、凜子は”真紀”として、
ヤンキーとして、悪い態度を取りつづけた。

ここで、いつものように真面目に振る舞ったら、
薬を貰った意味がないー。

「---おい!巻井!」
先生が言う。

「あーー、すみま…」
凜子は思わずそこまで言いかけて、
口を止めた。

そうだ、
今日の自分はヤンキーなんだ。

「--うっせ~なぁ!」
机を蹴り飛ばして立ち上がる凜子。

「センコーの授業、つまんねぇんだよ」
凜子はそう言いながら、
教室を後にした。

「--授業中に飛び出すのって、
 なんか変な感じっ!」

廊下に飛び出した凜子は、せいせいした様子で
笑っていた。

真面目に振る舞っている凜子には、
授業中の教室から飛び出す、という経験は
生まれて初めての経験だった。

そして、この初めての経験に、凜子はとても
せいせいした気分を味わっていた。

”なんて気持ちいいいの”

凜子はそう思いながら廊下を歩く。

「くくく…
 マジ最高じゃん!」

凜子はそう叫ぶと、
校舎裏まで一人で歩いて行って、
そこで鞄からあるものを取り出したー

煙草ー。

もちろん、凜子はそんなもの吸ったことが無い。

だがー
今日の凜子はヤンキーなのだ。

特殊な薬で、凜子の存在は今日だけ”真紀”という存在に
書き換えられている。

だから、今日何をしても、明日以降に影響はないし、
今日は、みんな、凜子のことを真紀だと思っている。

「・・・・・・!」
ドキドキしながら煙草を口に咥えてみる凜子。

「--ふふふふ…わたしは不良女…♡」

いつもと違う自分に興奮した凜子は
美味しそうに煙草を吸い始めたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

放課後。

凜子は、いじめっ子たちにいじめられている
女子生徒を見つけたー

幼馴染の美都里(みどり)-

「---」
いつも、凜子が美都里がいじめられている場面に直面すると
割って入っていき、凜子が助けていた。

しかしー
今日の凜子は違う。

「面白そうなことしてんじゃ~ん!」

わざとヤンキーっぽい口調でその現場に
割って入って行くと、
周囲の女子生徒たちが道を空ける。

”真紀”という存在はそれほど恐れられているのだろう。

実際には”今日しか存在しない”人間なのだがー

「---あんた、うじうじしてて、いつもうざいわよね」

凜子は美都里のことを助けながらも、いつも
”もう少し気を強く持ってほしい”と考えており、
不満も感じていた。

それを、この機に吐き出した。

「---…ご、、、ごめんなさい」
美都里が目に涙を浮かべて凜子の方を見る。

「---!!!」
凜子は思わず、そんな美都里の視線を
見てはっとしてしまう。

美都里をとっさに守りたい感情が
溢れ出てきた。

でもー

でもーーー。

違う。
今日の自分はヤンキーだ。

そして…
明日になれば元の凜子に戻り、
自分も、周囲もいつも通りの戻る。

「--泣いてんじゃねぇよ!」
凜子は今までの人生で自分が出したことのないような大声を出して
美都里を脅した。

泣きだしてしまう美都里。

”ふふふふ…なんだかこれも新鮮!”

今日だけは!
と思いつつ、凜子は美都里の髪を引っ張った。

「---調子乗ってんじゃねぇよ?あぁ?
 あたしの視界から消えろ!うざいんだよ!」

凜子が叫ぶと、
美都里は泣きだしてしまった。

「--こら!何をしている?」

先生がやってくるー

「やべ!真紀!逃げるよ!」
周囲にいたいじめっ子が”今日の凜子”の名前を呼び、
逃げるように促した。

凜子は
”ヤンキーってのもおもしろいじゃん!”と思いながら
不良生徒たちと一緒に逃げ出した…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

下校後、
凜子はゲームセンターで不良たちとつるみ、
楽しい時間を過ごした。

そして、家に帰ると、
凜子は、家族のことも無視して
部屋に戻り、一晩中勉強もせずに
スマホで遊んでいた。

「あははっ…!ヤンキーってのも面白いじゃない!」

凜子が叫ぶ。

ふと、鏡を見る。

今日の凜子は別人だ。
薬の効果で、色黒のギャルのようになっている凜子。

名前も今日だけは”真紀”という名前になっている。

眠れば、
周囲の認識は元通り。
この薬は1日だけの効果。

明日からはまた優等生。

凜子は別にヤンキーになりたかったわけではない。
あくまでも”1日だけ”だけ味わってみたかっただけ。

深呼吸すると、
凜子はベットに入った。

「明日からは、また元通りー」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。

目が覚めると、自分の本来の身体に戻っていた。

1日だけ、凜子の存在は真紀というヤンキーに
なっていたー

だが、薬の効果が切れて、
こうしていつもの日常に戻ったのだった。

「おはよ~!」
通学中、背後から友達に声をかけられた凜子は
いつも通り、微笑んで挨拶を返した。

「--昨日さ…」
凜子はちょっとだけ不安になった。

あの老人が嘘をついているとも思えないが、
万が一ということもある。
もしも昨日、ヤンキー見たく振る舞っていたコトを
みんな、覚えていたら…?

しかし、それは杞憂だった。

「---え?昨日?」
友達が言う。

「--わたし、どうしてたっけ?」
そう聞くと、
友達は笑いながら
「いつも通りだったでしょ~!」と
微笑んだ。

「---よかった」

凜子はそう言いながら、学校へと入った。

しかしー
校舎内がざわざわしている。

何かがおかしい。

一緒にいた友人と共に、ざわつく校舎内を歩く2人ー。

そして、人が集まっているのは、自分たちの教室だったー
教室の中心部にはー

首つりをしたーー
友達で、幼馴染のいじめられっ子ー
美都里の姿があったーー

「---ど…どうして…!」
凜子は驚いてその光景を見るー

凜子ははっとするー
昨日、ヤンキーとして、美都里に酷い言葉を
投げかけたー

今日になれば、それはなかったこととしてリセット
されるはずだった。

だがー

「---…ご、、、ごめんなさい」

美都里はあのあと、堪えきれない思いが爆発して、
教室で自ら命を絶ってしまったのだったー。

凜子が飲んだ薬は、あくまでも
自分に関係することに影響する薬。

自分の見た目が変わり、
周囲からの認識が変わりー
翌日にそれをリセットするー

そうして、ヤンキーの人生を1日体験したー

しかしー

失われた命は戻ってこない。

「あ…あ…美都里…美都里!」
泣き叫びながら、冷たくなった美都里のもとに
駆け寄る凜子。

「ごめんね…ごめんね…ごめんね」
何度も、何度も謝りつづけた。

しかしもう、美都里から返事が返ってくることはないー。

「---う…うわああああああ」
凜子はその場で泣き叫んだ。

パキッ…

同じ時刻…

ヤンキー1日体験の薬を渡した老人は
水晶玉にヒビが入ったのを見て、
静かに呟いた。

「--欲望は、時に人を狂わせるー
 あの少女もーやりすぎたようだな」

老人はそう呟くと、
霧の中へと消えて行った…。

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

”リクエストは可能なら優等生のヒロインが薬飲んでヤンキーなどなるお話出来てます”

という一文のリクエストから作ったお話デス!
リクエストの意図通りのお話を作れたかは分かりませんが、
お楽しみ頂けていれば嬉しいデス!

小説
憑依空間NEO

コメント

  1. 匿名 より:

    SECRET: 1
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    お疲れ様です。
    誤字がありました。
    文中の
    「--信じて貰えたようだね」
    情私大生になった老人が言うと、凜子はうなずいた。
    ありますが、女子大生が情私大生になっています。

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    誤字の報告ありがとうございます!
    該当箇所を修正しておきました!!

  3. 匿名 より:

    SECRET: 1
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    つけると女体化する指輪の話をリクエストします
    ~登場人物~
    大学生A・・・経済学部
    大学生B・・・医学部(いずれも男)
    名前は何かつけてください
    ~あらすじ~
    まず、AがBに、つけると女体化する指輪を紹介し、実際に自分が女体化して見せます。
    このときに、想像すれば自分の思う体になれること、1時間経過するまたは他の人にはずしてもらうことで元に戻れること、自分ではずすともどれなくなることも伝えます。
    次に、Bが指輪を貸してもらい、女体化します。
    すると、Aは想像すれば体だけでなく精神も変えられることを知っているので、Bに「頭の悪い女子高生とか好きだろ?」といった事を言ってBを頭の悪い女子高生にしてしまいます。
    ここでBはやばいと言いますが、Aに1時間立てば元に戻るから大丈夫といった事を言われ、頭が悪くなってしまった状態なのであっさり言いくるめられます。
    さらに、BはAによって顔を女らしくする、メイクをする、髪を長く、金髪にする、胸を大きくする、体つきをむちむちにするといった操作をされます。
    そして次に、BはAの発言によってセックスのことしか考えないビッチに変えられます。
    AはBをセックスにさそい、Bは一度は断りますが、ここも言いくるめられます。
    そして、Bは少しさわっただけで感じる体にされ、Aによって1度イかされます。
    次に、Bはセックスがうまい女性にされ、このときにいろいろな人とセックスをした記憶が流れ込んで来ます。
    そのままAとBはセックスを終え、Aが、残り5分で元に戻ることを伝えます。しかし、Bは指輪が存在する記憶もおぼろげになっています。Aが「もうセックスできなくなるよ」といった事をいうと、Bは頭が悪くなっており、そうはなりたくないので、自分で指輪をはずしてしまいます。
    実はBはあたまもよく、かっこいいためにAの彼女と以前寝ていて、その事に腹をたてたAが復讐のために今回のような話を持ちかけたのでした。
    BはAからその話を聞かされますが、そんなことはどうでもよくなってAにまだセックスしたいと言います。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    このあとはオリジナルで考えいただいても、しめても構いません。長くなって申し訳ありませんが、どうかご検討のほど、よろしくお願いします。

  4. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    リクエストありがとうございます!
    内容は調整する可能性がありますので、ご了承ください!

    (現在、混雑中なので、かなり時間がかかります!)

  5. タロス より:

    SECRET: 1
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    優等生のヒロインがスケバンになって元に戻らないお話をお願いします。
    出来れば長めでお願いします。

  6. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    タロス様>
    リクエストありがとうございます~!
    長さは私の思いつく話次第なので、
    もしご希望に添えられなかったらごめんなさい…!

    リクエストは受け取りました~!
    書くまでに時間がかかりますが気長にお待ちください!

  7. タロス より:

    SECRET: 1
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    僕は恐竜戦隊ジュウレンジャーの26話の「カキ氷にご用心」と電光超人グリッドマンの35話「ぎくっ! スケバンゆか!?」と獣拳戦隊ゲキレンジャーの23話の「グレグレ!スケ番キャプテン」みたいにヒロインがヤンキーのねーちゃんになる話が大好きですね。
    【http://www11.tok2.com/home/msnobu/Other/Contents3/page007.html】
    【http://www11.tok2.com/home/msnobu/Other/Contents3/page006.html】
    【http://www11.tok2.com/home/msnobu/Other/Contents3/page008.html】
    イメージは上記のイメージでお願いします。

  8. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    タロス様

    コメントありがとうございます~!
    これはリクエスト…でしょうか~?汗
    お話を見たことがないので、かなり時間がかかるかも…デス!

  9. 匿名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    他者変身と言ってますが、これは他者変身ではなくただの変身です。他者変身とは特定の個人に変身する事です。単にギャルやヤンキーに変身するのは他者変身にはなりません。例えばギャルの真由美に変身したと言うのが他者変身になります。

  10. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    コメントありがとうございます~!

    題名のジャンル表記は「変身」になっていたのですが、
    ジャンル別一覧の「他者変身」の中に入れてしまっていました…!

    ジャンル別一覧のページ内で分かるように、
    区別できるように改善しておきました!
    ご指摘いただきありがとうございました!

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