幼馴染の香奈に憑依した輝明は、
憑依薬の力で学校中の生徒や教職員を汚染していき、
理想郷づくりを進めていく。
全ては、自分が女王になるために。
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「ご主人様…」
「ご主人様…」
倒れたままの輝明の身体を、
2人の女子生徒が掃除をして、
綺麗にしている。
そして、輝明の身体を、ベットに寝かせると、
大切に、その身体の世話を始めた。
「----しっかりとお世話するのよ」
輝明の幼馴染・佳奈が
腕を組みながら高圧的に言うと、
2人の女子生徒は「はい」と答えた。
佳奈は、輝明に憑依されて身体を奪われている。
そして、この二人の女子生徒は、
元々輝明をいじめていた生徒で、
昨日の放課後、輝明に憑依されて
「輝明はご主人様」だと刻み付けられてしまった。
自分の身体をずっと放置しておくとなると、
もしかしたら身体の方が死んでしまうかもしれない。
死んでも、自分が消えないなら別に構わないが
その確証はない。
もしかしたら、自分の本体が死ねば
佳奈に憑依している自分も消えてしまうかもしれない。
だから、この2人に、自分の身体の世話をさせたのだ。
「--ねぇ、先生」
佳奈が笑いながら保健室の先生に声をかける。
「---わたしの本体が眠っているこの保健室を
命に変えても守るのよ」
佳奈が保健室の先生にキスをしながら言うと、
保健室の先生は「はい、女王様…」と答えた。
「ふふふ…」
佳奈はそのまま廊下へと出た。
佳奈の綺麗な手を見つめながらペロリと舐める。
「佳奈は、俺のものだー
そして、この学校もー」
輝明は、佳奈の肉体を支配した。
この身体で、この学校に女王として君臨するー。
既に、元いじめっ子の2人は手ごまにしたし、
図書委員の女子は、”お掃除大好き”だと念じておいた。
掃除係にするつもりだ。
保健室の先生は、輝明の身体を守るための守護者。
「--あ、佳奈!」
背後から声がした。
佳奈の友人の美野里(みのり)だー。
佳奈は微笑みながら振り返ったー。
「---ちょうどいいや。あんたも私のしもべになりなさい」
佳奈の言葉に、美野里は首をかしげた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「わたしは、女王様の側近ー」
「わたしは、女王様の側近ー」
佳奈が倒れているー
佳奈に憑依していた輝明は、佳奈から
抜け出して、美野里に憑依した。
美野里の思考を変えるためだ。
「わたしは、女王様の側近ー」
佳奈の姿を思い浮かべながら、
刻み込むように、そう呟く美野里ー
美野里は、ツインテールの可愛らしい少女だ。
こいつを、自分の側近にしようー
「…うっ…」
倒れていた佳奈が目を覚ます。
「----!?ひっ」
佳奈が周囲を混乱した様子で見まわす。
「あらら、もうお目覚めか…
佳奈。お前はもう俺の身体なんだよ」
美野里が笑うと、
佳奈は”自分が憑依された”ことを思い出した。
「---い、、、いやあああああ!」
佳奈が慌てて逃げ出す。
「にがさねぇよ」
美野里が言うと、美野里は倒れて、逃げていた佳奈が
ビクンと震えた。
「--ふぅ、アブネェアブネェ、
お前は女王になるんだよ」
佳奈の胸をつつきながら、佳奈は笑った。
そしてー
「起きろ」
倒れたままの美野里に声をかける。
美野里が、うっすらと目を開いて、
呟いた…
「佳奈…
あ、、い、、、いえ…女王様」
美野里の反応を見て、
佳奈は笑った。
成功だ。
美野里の思考は、書き換えられた。
「---いつまで眠ってるの?
早く起きなさい」
佳奈がそう言うと、美野里が「は、、はい…」と言って
立ち上がった。
「--お前は今日から、俺…いえ、わたしの しもべよ」
佳奈がそう伝えると、美野里は嬉しそうにうなずいた。
一人ずつー
一人ずつ、変えていくー。
空き教室に、いじめっ子の一人だった女子生徒を呼び出す。
お嬢様へアーの
高飛車な女だ。
「佳奈、美野里?何よ、こんなところに呼び出して」
いじめっ子女子がうんざりした様子で言う。
佳奈と美野里は微笑んだ。
「--お前も、私に仕えるのよ…」
佳奈がそう言うと、女子生徒は「はぁ?」と言った。
佳奈が合図をすると、美野里は椅子に座っている佳奈を
紐で縛り付けた。
困惑した目で、それを見つめるいじめっ子女子。
そして、縛り終えると
「これで、身体が逃げる心配はないな」と佳奈が笑い、
意識を失う。
「--ひうっ!?」
佳奈から抜け出した輝明がいじめっ子女子に憑依したー。
「---わたしは、トイレ掃除が生き甲斐…」
「わたしは、トイレ掃除しかしないー」
憑依されたいじめっ子女子が呟く。
「くくく…こいつには、トイレ掃除がお似合いだぜ」
いじめっ子の思考を改変している間、
佳奈は意識を取り戻した。
しかしー
身体は椅子に縛られている。
「---ひっ…!な、、、、…何してるの…!」
佳奈が叫ぶと、
美野里が笑った。
「女王様のしもべを増やしているのよ」
美野里の言葉に、佳奈は唖然とする。
「み、、美野里…あなたまで…」
佳奈はしばられながらも、
お嬢様へアーの女子生徒をにらんだ。
「輝明!こんなことして…!
自分が何してるか分かってるの!?」
佳奈は泣きながら叫んだ。
だがー
輝明に憑依されている女子生徒は笑った。
「うるせぇないちいち。
お前は俺のものだ」
女子生徒が倒れ、再び佳奈がビクンと震える。
そしてー
にやりと笑った佳奈は、美野里に「ほどけ」と合図をし、
紐をほどかせた。
こうすれば、他の人間に憑依している間も、
佳奈の身体が逃げることはない。
「---おい」
足で、倒れているお嬢様へアーの女子生徒を起こすと、
佳奈は、高圧的に告げた。
「今日からお前は、学校中のトイレを掃除する
トイレ掃除用の女だ。いいな?」
佳奈の言葉に、
元いじめっ子だった女子生徒は頷いた。
「ふん、一生トイレ掃除してろ!」
教室から立ち去って行くお嬢様へアーの女子を見ながら
佳奈は微笑んだ。
「--さ~て、一人ずつ、わたしのしもべにしていくか」
佳奈は今と同じ方法で、
一人ずつ、生徒を、先生をしもべにしていくことにしたー
クラスの生徒会長を自らの側近にしたー
料理好きの女子を料理係に任命した-
大人しい女子生徒を、買い物係に任命するー
次々と、憑依により、思考を変えて、
そして、支配していくー
「--あはははは!
全部、全部わたしのものよ!」
空き教室の一つを改造して、
佳奈は、そこを自分の部屋とした。
椅子に座りながら足を組んで微笑む佳奈。
その日の夕方には、
学校の半分以上の生徒が、
彼女のしもべとなっていた。
「---な、、何やってるんだ!」
生活指導の男性教師が、佳奈のいる部屋に入ってきた。
しかし、美野里と生徒会長が叫ぶ。
「--無礼者!女王様の御前ですよ!」
とー。
生活指導の先生は「何を言ってるんだ!」と言いながら
怒り狂った様子で佳奈の方に近づいてきた。
「おい!どういうつもりだ!
学校中で、おかしな動きが広まってる!
お前が女王とかなんとか名乗って
好き勝手やってるって報告があったぞ!
どういうことだ!」
男性教師の問いかけに、
佳奈は笑った。
「---どういうことって?
この学校をわたしの理想郷にするの。
おっさんは黙っててくれるかしら?」
佳奈が見下すようにして笑うと、
まわりにいた女子生徒が、先生を押さえつけた。
「--ふふふ…無様ね。」
女子生徒たちに押さえつけられて
膝をつかされた男性教師を
睨むようにして見下した。
「いじめられている俺を見ても、
見て見ぬふりだったお前が…」
佳奈は、男言葉でしゃべりだす。
先生が驚いた表情で佳奈を見る。
「---くくく、最後に教えてやるよ!
俺は輝明だ!
この女の身体は俺が貰ったんだよ!
くははははは!」
そう言うと、佳奈は先生の手を踏みにじった。
「--くふふふ…お前も私の理想郷の一部に
加えてあげる」
佳奈の不気味な笑い声と、
男性教師の悲鳴が教室に響き渡ったー。
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翌日。
学校に登校した子供が帰ってこないと
保護者達が騒ぎ出した。
3分の2の生徒は、既に輝明によって
変えられてしまい、佳奈の忠実なしもべになっていた。
佳奈はアイドルのような派手な衣装を身に着けて、
憑依で染め上げた女子生徒の手を踏みにじりながら笑っていた。
「--ほら?蘭?わたしに踏まれてるのよ?
もっと、喜びなさい!」
元々自分をいじめていた蘭をドMの変態女に染め上げた輝明は、
佳奈の身体を使って蘭を踏みにじっていた。
「あぁ…♡ ありがとうございます!」
四つん這いで佳奈に踏まれながら喜んでいる蘭。
元の気の強い少女の面影はない。
「--女王様」
佳奈のいる部屋に男子生徒が入ってきた。
輝明は、男子生徒をも、憑依で染め上げて、
変えてしまっていた。
「--保護者たちが、入り口に集まっております」
その言葉を聞くと、佳奈は微笑んだ。
「追い払え。
ここにいる全員が人質だ。
手出しはできない」
そう指示をすると男子生徒は「仰せのままに」と
言って立ち去って行った。
はっ♡ はっ♡と言っている蘭の顔面を
蹴り飛ばすと、嬉しそうに笑っている蘭を無視して
佳奈は鏡を見つめた。
そこには、自信に満ち溢れた佳奈の姿があった。
いつも、ちょっと遠慮がちだった佳奈。
可愛いのに、それを誇ることもなく、
控えめな性格だった佳奈。
「---ふふ…今のわたし…とっても魅力的」
佳奈は髪をかきあげて、
微笑んだ。
「私は女王様よー」
と呟きながら、佳奈は笑う。
「可愛いのに、それを活かせないなんて、
もったいないだろ…?
佳奈、お前の身体は俺が有効活用してやる」
鏡に向かって佳奈はそう呟く。
手の甲を見つめて、佳奈はそれをペロペロ舐めると
静かに微笑んだ。
「あふふ…♡この身体はずっと、俺のものだ…!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
校門に集まっていた保護者たちは追い返された。
”自分の息子・娘が人質になっているようなもの”
保護者達は、迂闊に手出しができなかった。
取り戻すべきわが子が、”帰りたくない”と叫び、
さらには自ら命まで絶とうとしているー。
手出しできるはずもないー
その日のうちに、
学校のほとんどの生徒と教職員が
輝明の支配下に落ちた。
一人ひとり、憑依されては意識を改変されていき、
ついには、ほぼ全員が輝明の、佳奈のしもべと
なったのだった。
「ーーーーやめて!!!やめてよ!」
ポニーテールの女子生徒が、他の女子生徒に
捕まって喚いている。
「--ふふふ、お前もわたしのしもべになるのよ!」
佳奈が笑いながら言う。
「さ、わたしを縛りなさい!」
佳奈が周囲の女子生徒に指示をした。
自分が佳奈の身体から抜けている間、
佳奈は意識を取り戻す。
だから、佳奈の身体を縛っておかなくてはならないー。
もちろん、佳奈の意識も染め上げて
人形にすることはできるー
だがー
輝明は、なぜかそれをしなかった。
それは、なぜだろうか。
佳奈が、幼馴染だからという引け目が
どこかにあったのかもしれない。
いつものように佳奈が縛られ、
佳奈が気絶する。
泣き叫んでいたポニーテールの少女がビクンとなり、
笑みを浮かべた。
「ふふふふ憑依完了~!」
目から涙をこぼしながら不気味に笑う少女。
がに股で歩き回りながら
「この女はどうしようかな~」と
嬉しそうに微笑み始めた。
「-----うっ…」
縛られている佳奈が目を覚ます。
「も…もうやめなさいよ!」
正気を取り戻した佳奈が叫ぶ。
「----や~~~めない!」
輝明に憑依されているポニーテール少女は
佳奈に向かって、そう微笑んだー
しかしー
彼には”誤算”があった。
それに、彼はまだ気づいていなかったー
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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学校全体を掌握した輝明。
ほぼ全員を自分の都合の良いように染め上げたようですが…?
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