高校1年生の男子生徒が、女体化してしまった。
彼は「俺は男だ!」と叫び、
女になってしまったことを否定する。
しかし、ある日、事件は起きた…
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女体化してしまった
高校1年生の恭一は、髪を切り、
男子用の制服で登校した。
だが、結局、先生に
「それだけはやめてくれ」と言われて
翌日からセーラー服で登校することになった。
だが、彼は決して「自分は男だ」という主張を曲げず、
体育の授業も男子に混ざって受け、
クラスでも今まで通り振る舞った。
「---くそっ!」
ある日の放課後、恭一は叫ぶ。
「---仕方ないだろ?男子と女子の差なんだから」
友人の卓が言う。
体育の授業で、リレーをやった際に、
恭一は、女体化する前よりもタイムが大幅に遅くなっていて、
そのことに腹を立てていたのだ。
「うるせぇ!俺は男だ!」
そう叫ぶ恭一。
すると突然、卓が恭一を、壁際に追いつめて睨みつけた。
突然の親友からの壁ドンに思わず、「ひっ!」と声を
あげてしまう恭一。
恭一を睨みつける卓は、
まるで獣のような表情をしていた。
「お…お前…やめろ!何をするつもりだ!」
唇を近づけてくる卓を見て、
恭一は悲鳴をあげた。
そしてー
卓はニヤッと笑った。
「怖いだろ?」
と。
そこまで言うと、卓は、壁から手を離して
真剣な表情で恭一を見た。
「いいか?お前が男だ!って叫びたいのはわかる。
けどな、身体は女の子そのものなんだ。
お前は自分が男だと思っても、
まわりはそうは思わない。
お前が恭一だと分かっていても、
中には、エロい目で見るヤツもいるだろう」
そんな卓の言葉に
「でも、俺は!」と叫ぶ恭一。
恭一の言葉を遮り、卓はさらに続けた。
「---男子に交じって体操服に着替えたりだとか、
他の男子に胸を触らせたりだとか、
スカートの中が見える座り方をしたりだとか、
そういうことはやめろよ。
俺はお前のためを思って言ってるんだ。
今の俺みたく、急に男子に襲われたら、どうするつもりだ?」
卓の言葉をそこまで聞くと、
恭一は言った。
「そのときは力づくでなんとか…」
ガッ!
ーー!?
卓が、恭一の華奢な腕を力強くつかんだ。
「--…な、、何するんだよ!はなせ…
・・・!?」
恭一は、その時、初めて気づいたー。
自分の力じゃ、卓の腕を振り払うことが
できないー、
ということに…
「な…く、、、くそっ…」
悔しがる恭一。
卓はそのまま腕をつかみながら言った。
「---俺はまだ本気じゃねぇぞ」
と。
「いいか。お前は女の子の身体になったんだ。
だからーーー
もう、男の時とは違うんだよ。」
そこまで言うと、卓は手を離す。
「う…うるさい…俺は!俺は男なんだ!」
恭一は女の声でそう叫ぶと、
そのまま不貞腐れたように走って行ってしまった。
”卓の手を振り払えないー”
それは、恭一に強くショックを与えたー
「…お、、俺は…俺は男なんだ!」
彼は、女体化してしまった自分を受け入れられず、
否定したー。
その日から、親友だった卓との間に距離感が生まれた。
卓の忠告も聞かず、恭一は、女体化した自分を受け入れず、
男として振る舞い続けた。
そしてー
半年ほど流れて、文化祭の日がやってきたー
「-----はぁ…」
文化祭巡りにも疲れて、校舎裏のベンチで、
恭一は股を広げて座っていた。
スカートの中身が見えるが、
そんなことは気にしない。
彼は、女体化してから半年が経過してもなお、
”俺は男だ”と、そう主張していた。
「----お?」
そこに、茶髪や金髪のガラの悪い生徒たちが
やってきたー
2年生の不良生徒たちだ。
「--ひゅう!可愛いねぇ?1年の子?」
茶髪のチャラそうな男が言う。
「---あ?」
恭一は不機嫌そうに返事をした
”可愛い”
女の子扱いされる言葉を恭一は何よりも嫌う。
「--うひょ~!見えてんじゃねぇか!
そんな座り方してていいの?」
「--いやいや、俺らに見せてんじゃね?」
不良3人組が笑う。
「---うるせぇな」
恭一はうんざりとしてベンチから立ち上がり、
その場を立ち去ろうとする
しかしー
突然、胸を触られた。
「---うへへ…いい身体だね?」
金髪の男が笑う。
「--ちょ…!離せよ!」
そう叫ぶ恭一。
しかし、不良三人組は、そのまま近くの、物陰に
恭一を引っ張り込んだ。
「-ーーあんなすわり方してたってことは
欲求不満なんだろ?」
「俺らが、遊んでやるぜ!」
不良たちが笑う。
「や…やめろ…おい!やめろ…!」
三人組に動けないようにされて、
胸を触られたり、髪を触られたりする恭一。
「ふぁ♡ あぁああ♡ やめ…やめろぉ♡」
胸を触られて感じてしまう恭一。
「---へへ…いい声だすじゃねぇか」
不良の一人が、スカートの中に手を突っ込みながら笑う。
「-あっ♡ ばか♡ そこは、、ダメ♡ やめろ♡ やめろぉ♡」
恭一は喘ぎながらやっとの思いで叫ぶ。
「--へへへ…
お~ら!もっとだ!」
不良が、恭一のスカートの中をいじくりまわすー
そして、アソコに手を触れて笑う。
「ひゃあぅ♡」
恭一は、快感を感じて喘いでしまう。
悔しさに涙を流しながらー。
こんな不良たちを振り払えない自分にー
こんなことで快感を感じて、甘い声を出してしまう自分にー
腹が立っていた。
「--へへっ!可愛すぎだろ!
やっちまおうぜ!」
不良の一人が言うと、
残りの2人が笑った。
「やめ…やめてぇ!!!!」
恭一は無意識のうちにそう叫んだ。
「おい!!!!!」
背後から、声がした。
不良生徒たちが、そちらを振り向くと、
恭一の親友・卓の姿があった。
「---なんだぁ、お前は?」
不良生徒たちが叫ぶと、
卓は迷わず言った。
「-ー俺の彼女に手を出すな!」
とー。
「はぁ?」
恭一は思わず声をあげてしまう。
卓はそんな恭一を見て指で「静かにしろ」と
合図をすると、不良生徒たちの方を見た。
「---ケッ!1年が先輩様にたてついてんじゃねぇよ!」
不良生徒が叫んで、卓に襲い掛かろうとするー。
しかしーー
「なんかあっちで喧嘩やってるぞ」と
別の生徒の声が聞こえたため、
不良たちは舌打ちして、そのまま退散していった。
「----はぁ…」
卓はその様子を見てため息をつく。
乱闘になれば、自分も無事では済まない。
が、最悪の事態を避けることができたー
「大丈夫か?恭一?」
卓が手を差し伸べると、
恭一は顔を赤らめながら言った。
「---お、、、お前…俺の…彼女って?」
卓が助けに来た時のセリフを思い出して
顔を赤らめる。
「--え?あ、いや、
あれは、そう言った方があの不良たちが、
気圧されるかと思ってよ
つか、恥ずかしい事言わせるなよ」
卓の言葉に、
恭一は「ありがとう…」と小さい声で呟いた。
「---あとよ…
前にも言ったけどさ…
お前は、女なんだ。
心は男だったとしても、もう身体は女子そのものだ。
少しは自覚しないと、
また絡まれるぞ」
卓の言葉に、
恭一は「ごめん…」と呟く。
「--男みたいな行動とか言動でもいいけどよ、
そういうのに誘われるやつらもいるんだ。
それに、、いざとなったとき、お前の力じゃ、
今みたいに、やられるがままになっちまうし、
今はたまたま俺が通りかかったからいいけど、
俺だってずっと…」
「--分かったよ…」
卓の言葉を遮って、
恭一が涙を流しながら言う。
「--女になれば、、いいんだろ…」
と。
髪をバッサリ切っていても、可愛いその顔が
浮かべた涙に、卓は少しドキッとしながら
呟いた。
「泣くなよー」
と。
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それからも、時が流れるー
そして、文化祭を境に、
恭一は、男としての振る舞いをやめて、
女としての振る舞いや羞恥心を身に着けた。
学校でも、”俺は男だ!”と言わなくなったし、
名前も、最初に先生に提案された通りー
京香と名乗るようになった。
次第に、恭一が男だったことは
忘れられていき、
クラスの女子たちも、それを受け入れていた。
「---ねぇねぇ見て~!
これ可愛くない~?」
女子生徒が言う。
「え~本当だ!可愛い~!」
恭一…
すっかり女子として馴染んだ京香は、
そう返事をした。
そんな姿を教室の端から見つめながら
卓は少し悲しそうに呟いた。
「---もう、恭一は居なくなった…
ってとこかな」
自分でああは言ったが、親友の恭一が
変わって行くー
心まで女になっていくのは、
少しさみしかった。
「---元に戻す方法…
見つけてやるからな」
卓は、そう呟く。
父は研究者だ。
親友である恭一が突然女体化したことを
父には話してある。
父は、協力を約束してくれた。
何年かかるか分からないけれど、
恭一の為に男に戻れるよう、全力を尽くすー
と。
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クリスマスの日ー。
「---しかし、お前もすっかり女っぽくなったよな」
卓や恭一と、クリスマスを過ごしながら呟いた。
髪は長くなり、
格好も女の子のような格好になった。
女らしい振る舞いをするようになったからか、
とても可愛い。
「え?そうかなぁ…ありがと!」
恭一が微笑む。
「--俺といる時は、男のお前でもいいんだぜ?」
卓が言うと、
恭一は首を振った。
「ううん…私はもう、こうやって、生きていくって決めたの…
卓が教えてくれたんだしね…!
身体はもう戻らないんだから、受け入れるしかないしね!」
微笑む恭一。
「--そっか」
卓がそう呟いて、時計を見る。
「あ、もうこんな時間か。
じゃ、そろそろ帰ろうぜ」
そう言って卓が恭一に背を向けると、
恭一が呟いた。
「あのさ…」
「ん?」
恭一に呼び止められて振り返る卓。
「あのさ…気持ち悪いかも、、だけど…
私…卓のこと…」
顔を真っ赤にして恭一が言う。
「---」
卓は、なんとも言えない表情で、美少女になった
恭一を見つめている。
「--卓のこと…わたし…・好きになっちゃって…」
はきだすように言う恭一。
「でも、、ダメだよね…
私…元々男だし…」
恭一は目から涙をこぼす。
卓は答えない。
「---私…男にも、女にもなれないーー。
好きになっても、、私は…」
元々は男だった自分は
完全に女になることもできないー
複雑な感情が溢れて、目から
涙をこぼし続ける恭一。
そんな恭一を、卓は優しく抱きしめた。
「---そんなことないさ。
俺も、お前のこと、好きだぜ、
京香…」
どこか気持ち悪くて、卓は恭一のことを
ずっと男の時の名前で呼び続けていた。
そんな卓が、恭一の意を察して、
初めて女としての名前を呼んだ。
「---卓…」
涙を浮かべたままの恭一を、今一度抱きしめて
卓は呟いた。
「いいよ…付き合おうぜ、俺たち…」
その言葉に、恭一は嬉しそうに、
笑みを浮かべたー
③へ続く
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コメント
3年間の~
なんてタイトルですが、
まだ1年目ですネ(笑
明日が最終回デス!
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