<女体化>三年間の心変わり②~心境~

高校1年生の男子生徒が、女体化してしまった。

彼は「俺は男だ!」と叫び、
女になってしまったことを否定する。

しかし、ある日、事件は起きた…

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女体化してしまった
高校1年生の恭一は、髪を切り、
男子用の制服で登校した。

だが、結局、先生に
「それだけはやめてくれ」と言われて
翌日からセーラー服で登校することになった。

だが、彼は決して「自分は男だ」という主張を曲げず、
体育の授業も男子に混ざって受け、
クラスでも今まで通り振る舞った。

「---くそっ!」

ある日の放課後、恭一は叫ぶ。

「---仕方ないだろ?男子と女子の差なんだから」
友人の卓が言う。

体育の授業で、リレーをやった際に、
恭一は、女体化する前よりもタイムが大幅に遅くなっていて、
そのことに腹を立てていたのだ。

「うるせぇ!俺は男だ!」
そう叫ぶ恭一。

すると突然、卓が恭一を、壁際に追いつめて睨みつけた。

突然の親友からの壁ドンに思わず、「ひっ!」と声を
あげてしまう恭一。

恭一を睨みつける卓は、
まるで獣のような表情をしていた。

「お…お前…やめろ!何をするつもりだ!」
唇を近づけてくる卓を見て、
恭一は悲鳴をあげた。

そしてー
卓はニヤッと笑った。

「怖いだろ?」

と。

そこまで言うと、卓は、壁から手を離して
真剣な表情で恭一を見た。

「いいか?お前が男だ!って叫びたいのはわかる。
 けどな、身体は女の子そのものなんだ。
 お前は自分が男だと思っても、
 まわりはそうは思わない。

 お前が恭一だと分かっていても、
 中には、エロい目で見るヤツもいるだろう」

そんな卓の言葉に
「でも、俺は!」と叫ぶ恭一。

恭一の言葉を遮り、卓はさらに続けた。

「---男子に交じって体操服に着替えたりだとか、
 他の男子に胸を触らせたりだとか、
 スカートの中が見える座り方をしたりだとか、
 そういうことはやめろよ。

 俺はお前のためを思って言ってるんだ。
 今の俺みたく、急に男子に襲われたら、どうするつもりだ?」

卓の言葉をそこまで聞くと、
恭一は言った。

「そのときは力づくでなんとか…」

ガッ!

ーー!?

卓が、恭一の華奢な腕を力強くつかんだ。

「--…な、、何するんだよ!はなせ…
 ・・・!?」

恭一は、その時、初めて気づいたー。

自分の力じゃ、卓の腕を振り払うことが
できないー、
ということに…

「な…く、、、くそっ…」

悔しがる恭一。
卓はそのまま腕をつかみながら言った。

「---俺はまだ本気じゃねぇぞ」

と。

「いいか。お前は女の子の身体になったんだ。
 だからーーー
 もう、男の時とは違うんだよ。」

そこまで言うと、卓は手を離す。

「う…うるさい…俺は!俺は男なんだ!」
恭一は女の声でそう叫ぶと、
そのまま不貞腐れたように走って行ってしまった。

”卓の手を振り払えないー”

それは、恭一に強くショックを与えたー

「…お、、俺は…俺は男なんだ!」
彼は、女体化してしまった自分を受け入れられず、
否定したー。

その日から、親友だった卓との間に距離感が生まれた。
卓の忠告も聞かず、恭一は、女体化した自分を受け入れず、
男として振る舞い続けた。

そしてー
半年ほど流れて、文化祭の日がやってきたー

「-----はぁ…」
文化祭巡りにも疲れて、校舎裏のベンチで、
恭一は股を広げて座っていた。

スカートの中身が見えるが、
そんなことは気にしない。

彼は、女体化してから半年が経過してもなお、
”俺は男だ”と、そう主張していた。

「----お?」
そこに、茶髪や金髪のガラの悪い生徒たちが
やってきたー

2年生の不良生徒たちだ。

「--ひゅう!可愛いねぇ?1年の子?」
茶髪のチャラそうな男が言う。

「---あ?」
恭一は不機嫌そうに返事をした

”可愛い”
女の子扱いされる言葉を恭一は何よりも嫌う。

「--うひょ~!見えてんじゃねぇか!
 そんな座り方してていいの?」

「--いやいや、俺らに見せてんじゃね?」

不良3人組が笑う。

「---うるせぇな」
恭一はうんざりとしてベンチから立ち上がり、
その場を立ち去ろうとする

しかしー
突然、胸を触られた。

「---うへへ…いい身体だね?」
金髪の男が笑う。

「--ちょ…!離せよ!」
そう叫ぶ恭一。

しかし、不良三人組は、そのまま近くの、物陰に
恭一を引っ張り込んだ。

「-ーーあんなすわり方してたってことは
 欲求不満なんだろ?」

「俺らが、遊んでやるぜ!」

不良たちが笑う。

「や…やめろ…おい!やめろ…!」
三人組に動けないようにされて、
胸を触られたり、髪を触られたりする恭一。

「ふぁ♡ あぁああ♡ やめ…やめろぉ♡」
胸を触られて感じてしまう恭一。

「---へへ…いい声だすじゃねぇか」
不良の一人が、スカートの中に手を突っ込みながら笑う。

「-あっ♡ ばか♡ そこは、、ダメ♡ やめろ♡ やめろぉ♡」
恭一は喘ぎながらやっとの思いで叫ぶ。

「--へへへ…
 お~ら!もっとだ!」

不良が、恭一のスカートの中をいじくりまわすー
そして、アソコに手を触れて笑う。

「ひゃあぅ♡」

恭一は、快感を感じて喘いでしまう。
悔しさに涙を流しながらー。

こんな不良たちを振り払えない自分にー
こんなことで快感を感じて、甘い声を出してしまう自分にー

腹が立っていた。

「--へへっ!可愛すぎだろ!
 やっちまおうぜ!」

不良の一人が言うと、
残りの2人が笑った。

「やめ…やめてぇ!!!!」
恭一は無意識のうちにそう叫んだ。

「おい!!!!!」
背後から、声がした。

不良生徒たちが、そちらを振り向くと、
恭一の親友・卓の姿があった。

「---なんだぁ、お前は?」
不良生徒たちが叫ぶと、
卓は迷わず言った。

「-ー俺の彼女に手を出すな!」

とー。

「はぁ?」
恭一は思わず声をあげてしまう。

卓はそんな恭一を見て指で「静かにしろ」と
合図をすると、不良生徒たちの方を見た。

「---ケッ!1年が先輩様にたてついてんじゃねぇよ!」
不良生徒が叫んで、卓に襲い掛かろうとするー。

しかしーー
「なんかあっちで喧嘩やってるぞ」と
別の生徒の声が聞こえたため、
不良たちは舌打ちして、そのまま退散していった。

「----はぁ…」
卓はその様子を見てため息をつく。

乱闘になれば、自分も無事では済まない。
が、最悪の事態を避けることができたー

「大丈夫か?恭一?」
卓が手を差し伸べると、
恭一は顔を赤らめながら言った。

「---お、、、お前…俺の…彼女って?」

卓が助けに来た時のセリフを思い出して
顔を赤らめる。

「--え?あ、いや、
 あれは、そう言った方があの不良たちが、
 気圧されるかと思ってよ

 つか、恥ずかしい事言わせるなよ」

卓の言葉に、
恭一は「ありがとう…」と小さい声で呟いた。

「---あとよ…
 前にも言ったけどさ…
 お前は、女なんだ。
 心は男だったとしても、もう身体は女子そのものだ。

 少しは自覚しないと、
 また絡まれるぞ」

卓の言葉に、
恭一は「ごめん…」と呟く。

「--男みたいな行動とか言動でもいいけどよ、
 そういうのに誘われるやつらもいるんだ。
 それに、、いざとなったとき、お前の力じゃ、
 今みたいに、やられるがままになっちまうし、
 今はたまたま俺が通りかかったからいいけど、
 俺だってずっと…」

「--分かったよ…」

卓の言葉を遮って、
恭一が涙を流しながら言う。

「--女になれば、、いいんだろ…」
と。

髪をバッサリ切っていても、可愛いその顔が
浮かべた涙に、卓は少しドキッとしながら
呟いた。

「泣くなよー」

と。

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それからも、時が流れるー

そして、文化祭を境に、
恭一は、男としての振る舞いをやめて、
女としての振る舞いや羞恥心を身に着けた。

学校でも、”俺は男だ!”と言わなくなったし、
名前も、最初に先生に提案された通りー
京香と名乗るようになった。

次第に、恭一が男だったことは
忘れられていき、
クラスの女子たちも、それを受け入れていた。

「---ねぇねぇ見て~!
 これ可愛くない~?」

女子生徒が言う。

「え~本当だ!可愛い~!」
恭一…
すっかり女子として馴染んだ京香は、
そう返事をした。

そんな姿を教室の端から見つめながら
卓は少し悲しそうに呟いた。

「---もう、恭一は居なくなった…
 ってとこかな」

自分でああは言ったが、親友の恭一が
変わって行くー
心まで女になっていくのは、
少しさみしかった。

「---元に戻す方法…
 見つけてやるからな」

卓は、そう呟く。
父は研究者だ。

親友である恭一が突然女体化したことを
父には話してある。

父は、協力を約束してくれた。
何年かかるか分からないけれど、
恭一の為に男に戻れるよう、全力を尽くすー

と。

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クリスマスの日ー。

「---しかし、お前もすっかり女っぽくなったよな」
卓や恭一と、クリスマスを過ごしながら呟いた。

髪は長くなり、
格好も女の子のような格好になった。

女らしい振る舞いをするようになったからか、
とても可愛い。

「え?そうかなぁ…ありがと!」
恭一が微笑む。

「--俺といる時は、男のお前でもいいんだぜ?」
卓が言うと、
恭一は首を振った。

「ううん…私はもう、こうやって、生きていくって決めたの…
 卓が教えてくれたんだしね…!
 身体はもう戻らないんだから、受け入れるしかないしね!」

微笑む恭一。

「--そっか」
卓がそう呟いて、時計を見る。

「あ、もうこんな時間か。
 じゃ、そろそろ帰ろうぜ」

そう言って卓が恭一に背を向けると、
恭一が呟いた。

「あのさ…」

「ん?」
恭一に呼び止められて振り返る卓。

「あのさ…気持ち悪いかも、、だけど…
 私…卓のこと…」

顔を真っ赤にして恭一が言う。

「---」
卓は、なんとも言えない表情で、美少女になった
恭一を見つめている。

「--卓のこと…わたし…・好きになっちゃって…」
はきだすように言う恭一。

「でも、、ダメだよね…
 私…元々男だし…」
恭一は目から涙をこぼす。

卓は答えない。

「---私…男にも、女にもなれないーー。
 好きになっても、、私は…」

元々は男だった自分は
完全に女になることもできないー
複雑な感情が溢れて、目から
涙をこぼし続ける恭一。

そんな恭一を、卓は優しく抱きしめた。

「---そんなことないさ。
 俺も、お前のこと、好きだぜ、
 京香…」

どこか気持ち悪くて、卓は恭一のことを
ずっと男の時の名前で呼び続けていた。

そんな卓が、恭一の意を察して、
初めて女としての名前を呼んだ。

「---卓…」
涙を浮かべたままの恭一を、今一度抱きしめて
卓は呟いた。

「いいよ…付き合おうぜ、俺たち…」

その言葉に、恭一は嬉しそうに、
笑みを浮かべたー

③へ続く

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コメント

3年間の~
なんてタイトルですが、
まだ1年目ですネ(笑

明日が最終回デス!

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