<女体化>三年間の心変わり①~女体化~

人は、変わるー。

ある日、女体化してしまった男子高校生は、
戸惑い、困惑し、そして叫んだ。

「俺は男だ!」とー。

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「ーーっかし、お前は本当にいい加減だよな」
男子高校生の卓(すぐる)が笑いながら言う。

「いいじゃねぇか。真面目にやってりゃ。
 見た目を気にするなんて、時間の無駄だぜ」

高校1年の、棚井 恭一(たない きょういち)は、
笑ながら言う。

彼はイケメンなのだが、
身だしなみを一切気にしない男子だった。

髪の毛がぼさぼさになっていても気にしないし、
鼻毛が出ていても気にしない。
イケメンで、成績も良くて、真面目なのだが、
そういう部分には無頓着な男子だ。

とにかく、彼は面倒臭がり屋だったのだ。

「ふぁ~あ」
あくびをする恭一。

友人の卓は「そんなんじゃモテねぇぞ~!」と笑う。

「--モテなくてもいいんだよ!
 彼女とか、面倒くさいだけだろ~!」
恭一は笑いながらそう答えたー

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スマホのアラーム音で目を覚ます恭一。

今日も朝がやってきた

「ふぁ~あ」
めんどくさそうに起き上がる恭一。

恭一は頭をかきむしりながら
そのまま階段を下りていく。

”今日もめんどうくせぇ1日の始まりだ”

そんな風に思いながらそのままトイレに入った恭一は
首をかしげる。

「あん???」

用を足そうと思ったのだがー
そこにーーー

アレがなかった。

「---!!!!!!!!
 ね、、、ねぇええええええええええええ!」

大声で恭一は叫んで
慌てて部屋に戻った。

そして、手鏡を見るとー

彼はーーー
女になっていたーー

長い黒髪ー
可愛らしい目ー
膨らんだ胸ー
綺麗な肌ー

「--うっ…ええええええええええええええええええ!」
恭一は大声で悲鳴をあげた。

声も、カワイイ声だった。

「ちょ、ちょっと待てよ…
 なんだこれ?
 俺、女になってる?」

唖然としながら恭一は言う。

可愛い声が口から出てー
さらに違和感を感じる。

「--ど、どういうことだよ」
恭一は慌てて、下に降りる。

か、家族に何て言えばいいんだ?と思いながら。

「---か、、母さん!俺…
 俺、、、お、、女になっちゃった…!」

そう言う、恭一を唖然とした様子で見る母ー

数秒間の沈黙。
恭一は母がなんて言いだすかとドキドキしながら
沈黙に耐えた。

そしてー

「あら、、、そう…」
母親はそれだけ言うと、面倒くさそうに
キッチンの方に目をやった。

「反応うすっ!」
恭一は思わずそう叫んだ。

そうだー
棚井家はー
”面倒臭がり屋”ばかり揃っているー

自分も、母も、父もだー

母は、女体化した息子を見て、
面倒くさいとでも思ったのだろう

あっさりと、それを受け入れてしまった。

「---はぁ…」
母がため息をつく。

やっぱり混乱しているのだろうか。

「--女の子用の、洋服買わないとねぇ」

そこかよ!
恭一は突っ込まずには居られなかった。

普通、息子が女体化したらびびるだろ?

「---母さん!俺は男だぜ!
 女物の服なんて…」

恭一は叫ぶ。

すると、背後から出勤の準備をしていた父親が
やってきて、恭一の胸を背後からわしづかみにした

「ひゃあっ!?」
思わず変な声を出してしまう恭一

「いい胸してるじゃないか。
 それに、髪も」

父親が笑う。

「--お、、親父!気持ち悪い事すんなよ!
 ってか、何でおれ、女に…?」

恭一が言うと、
父親は笑った。

「考えるのも面倒臭いし、
 なっちまったものは仕方ないだろう」

とー。

どういう思考なら、こんなにあっさりと息子の
女体化を受け入れられるんだー?

そう思いながら恭一は叫ぶ。

「お、、俺は男だ!男に戻してくれ!」
恭一の言葉に
父親は首を振った。

「もう一晩、寝れば治るかもしれないぞ」

父親の言葉に
”確かにそうだな”と思い、恭一は、
今日、学校を休むことにして、
1日を家で過ごした。

「髪も胸も邪魔だなぁ…まったく」
あぐらをかきながら
みすぼらしいシャツ姿で、
ため息をつく恭一。

「あ~あ…寝るか」

こんな姿じゃ落ち着かない。
寝れば、治るかもしれない。

そう思って、恭一は寝ることにした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。

「戻ってねぇええええええええ!」
恭一は、大声で叫んだ。

「ねぇ、どうすんだよこれ…」
母親と父親を前に朝食を食べながら、
不貞腐れた様子で言う恭一。

父親がにやっと笑った。

「心配するな。学校には説明しておいた」

「はぁ!?」
父親の言葉に恭一が叫ぶ。

「説明したって、どうやって?!」
恭一が言うと、
父親は「ま、とにかく説明は済んだんだ」と
言って、玄関に置いてあった袋を持ってきて、
それを手渡した。

「女子になったからには、制服も替えなきゃな」

父親が持っていたのは、恭一が通っている高校の
セーラー服だった。

「えぇえええええええええええええ!」
恭一は叫ぶ

「そ、、、そんな恥ずかしいもの着れるかよ」
恭一の言葉に父親は言う。

「でも、女の子が男の制服着てたら変だろ?
 ほら、着るんだ」

父親の言葉に恭一は怒りながら叫んだ。

「俺は女の子じゃねぇ!俺は男だ!」

とー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「--くそっ!」
恭一はセーラー服姿で高校に向かって歩いていた。

結局、制服を着ることになってしまったのだ。

学校に登校すると、
先生が昇降口で待っていた。

「ーーー今日から転校してくる、
 棚原 京香さんだね?」

棚原 京香?誰だそりゃ。
俺は棚井 恭一だぞ。

「ーーーは?先生、俺は…」

そこまで言うと、先生は指を
口に開けてしーっという仕草をした。

「---女体化なんて、誰も信じるわけないだろう?
 だから、君のお父さんとお話して、
 棚井恭一は転校して、
 代わりに棚原京香が転入してきたー
 そういう設定にすることにした」

先生が言う。
混乱を避けるためだ、と言う。

「--ふ、ふざけないで下さいよ!
 俺は男だ!」

恭一が叫ぶと、
先生は首を振りながら鏡を見せた。

「どう見ても、女の子だー
 しかも、可愛い」

鏡に映る自分はー
完全に女の子だったー

「-----くそっ!くそっ!」
恭一はそう叫びながら、先生に連れられて
教室に向かうのだった。

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「うぉぉぉ~可愛いじゃないか!」
「--先生~!その子の名前は~!?」
教室に入った恭一は、
クラスメイトたちの大歓声を受けた。

「こいつら…」
恭一は拳を握りしめる。

”俺は男だ!”と叫んでやりたかった。

だが、確かに自分が女体化したなんて
誰も信じないだろう。

父と、先生の判断は
正しいー。

「ーーーたない…」

自己紹介をしようとすると、先生が咳をしてみせた。

”棚井じゃなくて棚原だろ?”
と目が訴えていた。

そうだー
新しい名前まで用意されているんだー

「--は、、、はじめまして…」
怒りに震えながら、恭一は声を出した。

可愛らしい声が出る。

自分に腹が立つ。
ここで、用意された名前で女の子として自己紹介することはできる。

けど、それは、自分自身に嘘をつく行為だ。

「---棚原…京香です…」
恭一はそう挨拶すると、

「お~京香ちゃん!」
と男子生徒の一部が声を上げた。

「ーー座席は、あそこが空いてるから」
先生が指を指す。

指をさした場所は、
友人の卓の隣だった。

「---お~~~!俺のとなりか!やったぜ~!」

笑う卓。

恭一は、スカートから覗く足にあたる空気に
違和感を感じて、落ち着かない足取りで、
自分の座席に向かう。

「よろしくな。棚原さん」
卓が手を差し出した。

恭一は、
我慢の限界だった。

「-------だ」
小声でぼそっと呟く。

「---え?」
卓が首をかしげる。

恭一はクラスメイトたちの方を見て叫んだ

「----俺は男だ!」

!?
騒然とするクラスメイトたち。

そして、恭一は叫んだ。

「何が棚原京香だ!
 俺は、棚井恭一だ!」

我慢できなかった。
女の子として生きろだ?ふざけるな!
俺は男だ!
その想いが、爆発してしまった。

「---お、、、おいっ!」
担任の先生が唖然としている。

「--昨日、朝起きたらこんなになってたんだけどよ…
 俺は男だ!」

恭一は、可愛い声で、そう叫んだ。

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クラスは大騒ぎになった。

恭一が突然転校したと聞かされて、
代わりに京香というカワイイ子がやってきたと思ったら
その子は女体化した恭一だった…

混乱しないはずがない。

だが、面倒臭がり屋の恭一の性格がー
周囲に恭一の女体化を信じさせることになったー

「--ちょっと、お前、その座り方はまずくね?」
卓が言うと、
恭一は笑った。

「俺は男だから、別にみられたってかまわないぜ」
カワイイ声でそう言うと、卓は溜息をついた。

「お前はそれでもいいかもしれないけどなぁ…
 今、お前は自分が可愛い女の子になってるってこと
 忘れんなよ?

 俺たち、目のやり場に困るし、
 それに変な気を起こすやつもいるかもしれねぇだろ?

 確かにお前の気持ちも分かるけどよ…
 女になっちまったんなら、
 それなりの過ごし方ってもんがあるだろ?」

卓の言葉に、
恭一は、うるせぇ!と声をあげる

「俺は男なんだよ!」

なんなら明日からズボンを穿いてきてやろうか?と
口にする恭一。

しかし、例え元男であっても、学校の規則上、
それは許されないとして、先生に却下されてしまった。

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「はぁ~あ」

自分の部屋でため息をつく恭一。

「髪の毛…邪魔くせぇな…」
自分の長い髪を触りながら
苛立ってくる恭一。

なぜ、自分はこんなになってしまったのか。
俺は男だ。
女になんてなりたくない。

この胸も邪魔だし・・・

恭一はイライラした様子で胸を力強く押し込んだ。

「くそっ!膨らみやがって!
 へこめ!へこめ!」

恭一に苛立ちは止まらない。

女体化すれば、喜ぶ男子高校生もいるだろう。
けれど、恭一はそうではなかった。
女になりたい、などという願望はなかったし、
普通に男として、高校生活を過ごしたいー

そう思っていた。

「くそっ!なんでこんなに可愛い顔になってるんだよ…」
鏡を見ながら恭一は自分を睨みつけた。

「くそっ!ふざけんな!ふざけんな!」
恭一は、自分の顔が映る鏡を、
何度も何度もこぶしで殴りつけたー。

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翌日ー

学校に登校した恭一を見て、
クラスメイトたちはざわついた。

長かった髪は男のように短く切られ、
メイクは何もしていない状態。

さらには、セーラー服ではなく、
男子用の制服を着て、登校したのだ。

「お…おい…お前!」
卓が驚いて言う。

「---うるせぇ!俺は男だ!」
可愛い顔、
可愛い声、
膨らんだ胸ー

それは消せない。

けれどー
自分は男なのという精一杯の反抗だった。

だがー

「棚井!ちょっと来てくれ」
恭一は、先生に呼び出されて、
そのまま連行されていくのだったー。

②へ続く

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ある日突然女体化してしまった男の子の物語デス!
このあと、どのように心境が変化していくかを
上手く描けたらな~、と思います!

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