<入れ替わり>自分で捨てた幸せ①~強奪~

自分は美人なのに、どうして
モテないのかー。

そして、クラスにいる”ブス”はどうしてモテているのかー
彼女の不満は、爆発寸前だったー。
そんな彼女は”入れ替わり”という手段を使って…

※リクエスト原作の作品デス

下記は、リクエスト原文一部抜粋デス!
”美人だけど性格がわるくてモテない人がモテるブスと入れ替わってモテようし、
しかし、美人になったブスは美貌を生かしてさらにモテるようになる…”

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桜田 晶子(さくらだ あきこ)は、
怒りに震えていた。

晶子は、お嬢様育ちで、スタイルもよく、
容姿も、美人と言うに、ふさわしい人物だった。

しかしー、
何故だか男子からはモテないー。

それは、晶子自身の正確に問題があるのだが、
彼女は決してそれを認めようとはしなかった。

一方で、クラスでも一番のブスな女子生徒・
七瀬 幸恵(ななせ さちえ)は、
何故だかとてもモテていた。

幸恵の容姿は確かに”ブス”と表現できてしまうような
容姿だが、それでも優しく、穏やかな性格は、
男子たちの心をつかんで離さなかった。

昼休みになると、
いつも決められた女子生徒たちと集まって、
えばり散らしている晶子とは違い、
幸恵の周囲には、いつも男女問わず、
色々な生徒が集まっていて、
楽しそうな笑顔が絶えなかった。

ある日ー、
晶子は、幸恵を呼び出して、
連れの友達2人と共に幸恵を睨んでいたー。

「--あんた、調子に乗らないでくれる…?」
晶子が幸恵を睨みながら言う。

「--え、、、ど、、どういうこと…?」
幸恵は、訳も分からず、晶子にそう言葉を返す。

晶子は幸恵のそんな態度に腹を立てながら、
強い口調で言った。

「クラスの男子にモテてるみたいじゃない?
 一体どうやって男子を誘惑してるの?

 そんなブスなのに。」

晶子の言葉に、幸恵は困り果てた様子で言葉を返す

「べ、、別に私は何も・・・」
幸恵にも分かっている。
晶子は確かに美人だが、性格が悪すぎる

”そんな性格だからだよ”

と、幸恵は心の中では思った。

だがー
それを口にするほど、幸恵はバカじゃないー。

晶子にそんなことを言っても、
晶子はその言葉に納得するどころか、
さらに不機嫌になるだけだー。

だから、こういう時は、ひたすら謝っていた方がイイー。

その方が、早くコトが終わるからー

幸恵の予想通り、
晶子は無抵抗な幸恵に文句を言うことに飽きたのか
「いい?男子を誘惑するのはやめるのよ」と
だけ捨て台詞を残して、その場から立ち去って行った。

「はぁ…」
幸恵は、困り果てた様子で、
”ようやく解放された…”と思いながら
立ち去る晶子の後姿を見つめたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あ~腹立つ!何なのあいつ?
 可愛くもないくせに!」
晶子が叫ぶ。

友達の一人・愛衣(あい)が、
そんな晶子に向かって呟いた。

「--きっと、晶子ちゃんが、
 美人すぎて男子も近寄れないんだよ」

愛衣の言葉に
晶子は満足そうに笑みを浮かべながら「そうよね。でも、むかつく」と
呟く。

晶子と一緒に居る友達2人も、晶子がモテない理由は分かっている。
性格が悪すぎるからだー

けれどー。
陰険ないじめの対象になるのも面倒くさいから、
こうして一緒にいるのだった。

「---そうだ」
晶子の友達・愛衣が笑みを浮かべながら
あるものを取り出した。

「--なに、それ?」
晶子が、愛衣の持つ、謎のカプセルを見つめながら呟く。

「--お父さんの薬品会社が極秘で開発している
 ”入れ替わり薬”っていう薬なんだけど、
 晶子ちゃん、これ使ってみない?」

「入れ替わり?」

愛衣の突然の非現実的な言葉に
晶子は不思議そうに聞き返した。

そんな晶子に、愛衣は丁寧に入れ替わり薬について
説明した。

そしてー

「これで、あのブスの身体と晶子ちゃんの身体を
 入れ替えれば、モテモテじゃない?」

愛衣の言葉に、晶子は思う。

”確かに、魅力的なわたしが、あのブスの身体を
 手に入れれば、よりモテるようになるだろう”

とー。

「---ちょっと、考えさせて」
晶子は愛衣からお礼も言わずに、
入れ替わり薬を乱暴に取り上げると、
そのまま立ち去って行った。

残された友達2人は、
向き合って笑みを浮かべたー

そして、愛衣が呟いた

「--そういうところ、むかつくのよー」

と。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

家に帰った晶子は、
愛衣から受け取った入れ替わり薬を
使うかどうかで、悩んでいたー

モテない自分と
モテるブスー。

その差は何なのか。

単純に、自分では自分を可愛いと思っているけれど、
男子たちはあのブスの方が好きだということだろうか。

晶子は思うー。

わたしがモテないで、
あのブスがモテるなんて、
世の中はおかしいーと。

自分の美貌は、
そこらに居る、
ブスなアイドルたちよりも可愛いではないか、と
晶子は鏡を見ながら思うー

けれども、クラスでは、
ちょっと小太りで、化粧気も何もない
幸恵がモテている。

「あり得ないー」
晶子は呟いた。

この美貌を捨てるのは、勿体無いが、
それでも、晶子は決意したー

幸恵の身体を奪ってやる、とー。

自分が幸恵になって、男子にモテて、
そして、晶子になった幸恵を、
徹底的に見下してやるー、と。

「ふふふ…明日が楽しみだわ!」

晶子はそう呟くと、
嬉しそうにベットの上に横たわったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

朝ー。

幸恵が登校するのが早い事を
知っていた晶子は、
いつもより早めに登校した。

「---ねぇ!」
廊下を歩いていた幸恵を呼び止めると、
晶子から見て”ブス”で小太りな幸恵は振り向いた。

「---桜田さん?」
幸恵の不思議そうな顔を見て、
晶子はさらに腹を立てる。

そして、言った。

「ちょっと話があるんだけどー?」

と。

近くの空き教室に幸恵を連れていくと、
晶子は言った。

「ねぇ、どうしてブスのあんたがモテて、
 わたしがモテないの?」

晶子はいきなり本題を切り出した。
幸恵は”またなの?”と思いながら
それを表に出さず、答えた。

「そ、そんなこと言われても、わたしには…」

「ーーーふん、あんたばっかりいい思いして…
 ずるいじゃない」

晶子の言葉に、
幸恵は思う。

そもそも、幸恵は男子にモテたいとは別に思っていない。
穏やかな性格は、元々の性格だし、
男子に色気を振りまいているつもりもない。
そもそも、自分の外見上、色気を振りまいて意味が
ないことも分かっているし、そんなつもりもない

「わたしはただ、みんなと仲良くしたいだけ…」
幸恵の言葉に、晶子は笑った。

「ま、いいや。今日からわたしがあんたになるから」
晶子の言葉に幸恵は「!?」という様子で、
晶子を見た。

「何を…言ってるの?」

笑いながら近づいてくる晶子。

そしてー
晶子は、幸恵にキスをした。

既に入れ替わりの薬は服用したー。
あとはキスをするだけだー

「--ひっ!?離れて!」
幸恵は慌てて晶子を振り払った。

振り払われた晶子。
まだ身体は入れ替わっていない。

「くそっ!その身体をよこせ!」
晶子が乱暴な口調で叫ぶ。

欲しいものは今まで何でも手に入れていたー。
そう、自分は可愛くて何でもできるんだからー、
そのぐらいの資格はあるはずだー。

もがく幸恵を押し倒した晶子は微笑む。

そして、幸恵にキスをしたー

幸恵が動かなくなり、
晶子もそのまま、動かなくなったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「--おはよ~!」

教室に幸恵が入ってくる。
いつも以上にご機嫌そうだ。

「--お、七瀬さん!」
「--あ、幸恵ちゃん!おはよ~!」

クラスメイトたちが集まってくる。

テレビの話や、その他、色々な雑談を
してくるクラスメイトー。

幸恵は微笑んだー

”この人気が、今日からわたしのものー”

「---ふふふ…」
幸恵は微笑んだ。

ブスなのは仕方ないが、
それは今日から自分が努力すれば良い事。

幸恵を乗っ取った晶子は、
微笑んでいた…

自分の身体になった幸恵が
もうじき目を覚まして教室にやってくるだろう。

”身体を返して!”とでも、言うのだろうか。

でも、無駄なこと。

”入れ替わり”なんて、誰も信じないのだからー。

「----……」
晶子の友達の愛衣が、幸恵の方を見て微笑む。

それに気づいた幸恵も、愛衣に微笑み返した。

”入れ替わり成功”
という合図だ。

そしてーー

「---!!」
晶子が慌てた様子で教室に入ってきた。

「ちょーーー」
自分の身体を奪った晶子に対して、
そう叫ぼうとした、彼女を、
愛衣が呼び止めた。

「あ~ちょっと、ちょっと」
愛衣は、中身が幸恵の晶子を
教室の外に出すと、そのまま晶子に
何かを話し始めた。

「ふぅん…」
幸恵は思う。

”身体を奪われた”と叫ばれて
面倒なことにならないように
愛衣が気を利かせてくれているのだー。

案の定、教室に戻ってきた自分ー
中身が幸恵の晶子は、そのまま自分の座席に
ついて、教科書を眺めはじめた。

「ふふん…
 モテる人生は、わたしのものよ」
幸恵は笑みを浮かべたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

昼休み。
男子も女子も、幸恵を輪に入れて
談笑しているー。

自分が晶子であったころには、信じられない光景だ。

「--でも、あんたブスよね~!」
笑いながら幸恵が、集まっていた女子生徒の一人に言うと、
女子生徒は不愉快そうな表情を浮かべる。

「--でさ~」
男子生徒が昨夜のバラエティ番組の話をしている。

それを聞いた幸恵は
「え~マジ?そんな下らないもの見てるの~?」と
笑ながら言った。

周囲も笑っていたが、
幸恵の中に居る晶子は気づいていないー

”こういう無神経な発言が、周囲を遠ざけていることにー”

放課後。

一人下校する晶子の背後から
幸恵は声をかけた。

「--ふふふ、人気者ってのも大変ね」
勝ち誇った表情でつぶやきながら幸恵は、
”元”自分の身体の肩を触って微笑んだ。

「あんたの人生、わたしが貰うから」

それだけ言うと、
笑いながら幸恵は立ち去って行ったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

自宅。

「--貧相な自宅ね」

お金持ちのお嬢様であった晶子は、
幸恵の家につくと、そのレベルの低さに唖然とした。

父親に尋ねると、
母は、病気で入院中なのだという。
しかも、父も、頼りなさそうでもやしみたいな感じだ。

部屋についた幸恵は思う。

「---は~~~ほんとうにブスね。
 私服もだっさい!」

どうしてこんなやつがモテるのだろう。
そんな風に思いながらも、幸恵はおしゃれをしようと、
自分の所持金を確認した。」

「はーー?なにこれ…」

その金額は、幸恵となった晶子が
満足できる金額ではなかったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

一方、晶子として家に帰った幸恵は笑っていた。

「---綺麗…
 わたしが…今日から…お嬢様」

鏡を見つめながら晶子は呟いた。

そして、微笑んだー

「自分から”幸せを捨てる”なんて、、
 お馬鹿さん…」

クスっと笑いながら、晶子は満足そうに
部屋を見渡し始めた…

②へ続く
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コメント

リクエスト頂いた入れ替わりモノです!
今日と明日で書いていきますよ~!
明日もお楽しみに☆

コメント

  1. 飛龍 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    詳細を聞いた時は美人側の単なる自滅かと思ってましたが、取り巻きに図られた感じですね~。
    次回で破滅するのでしょうが、自業自得感が凄いです。

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 詳細を聞いた時は美人側の単なる自滅かと思ってましたが、取り巻きに図られた感じですね~。
    > 次回で破滅するのでしょうが、自業自得感が凄いです。

    コメントありがとうございます~☆
    リクエストを元に、プラスするのが
    書く側の楽しみでもあります!