<憑依>わたしはインテリア③~ちっぽけな復讐~(完)

家具にさせたまま、
変えられた自分をただ見つめる日々。

もう何もすることはできなー
弄ばれて、変えられていく自分ー

そして…

-------------------------

身体が重いー。
お父さんがくれた置物は、
無駄に重かったー。

だからだろうかー。
この置物に、わたしが憑依させられてから、
毎日毎日身体がとっても重いー。

それともー。
毎日のように変えられていく自分を見せつけられているからー
”わたし”の心が重いのかもしれないー。

・・・

もしかしたらー

身体を奪われたわたしはー
そう遠くないうちに、
消えてしまうのかもしれないー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「どう~!ほら、わたし、綺麗でしょ~!」

チャイナドレスを着たわたしが、
ポーズを決めて、茂とかいう人に
微笑みかけている。

「うわぁ~最高だよ!
 ちょっと太もも触っていいか?」

茂とかいう人は、
どんどん調子に乗っているー。

最初に家にやってきた日にいきなりエッチして、
今ではすっかりラブラブー。

最近はエスカレートしてきて、
わたしに対して、命令口調で何か言ったりしているし、
わたしはそれに反論もせずに、嬉しそうに命令に従っているー

でもー
わたしは、何もできないーー

「--あはははは!茂くんのエッチ~!」

「--結衣ちゃんの太ももがエッチなんだよ~はははっ!」

笑ながら楽しそうにしている二人。

「次はこれを!」

彼がそう言うと、わたしは、
エッチな下着姿になってポーズを決めた。

最低…!
それじゃ、痴女だよ!
もうやめてよ!!

「--どう?わたしの身体~!」

「---うっひゃあぁ~!最高だ~」

彼はわたしの胸に手を触れて、
わたしは、得意げな表情で、彼に胸を触らせている。

それ、わたしの身体なんですけど!!
ねぇ、、何であんたが得意げな顔してるの??

と、いうより、わたしの身体を勝手に
動かしているあなは誰??

わたしは怒りをにじませるー。
でも、言葉は届かない。

時々、妖艶な表情で、わたしが
こっちをちらちら見るのが、とても腹立たしいー。
まるで、わたしを「どう?今のわたし?」と挑発
しているかのようー

「いやぁ~、結衣ちゃんがこんなに大胆な子だとは
 思わなかったよ。
 大学では、大人しそうだったから…!」

彼がそう言うと、
わたしは
「これが、本当のわたしよ…?」
と言って、エッチな下着のまま、彼に抱き着いた。

「---わたしのこと・・・好き?」
甘い声で言うわたし。

「--あぁ、好きだよ!大好きだよ!」
彼はそう言うと、エッチな下着姿のわたしを
抱きしめた。

「あああぁ♡わたしも大好き♡茂君だいすき♡」

「--俺もだよ!結衣ちゃん!結衣ちゃん~~~!」

二人が床に寝ころんで、
わたしの視界から消えるー。

「あぁあっ♡ あぁん♡ そこ♡ そこはだめ♡ らめぇ♡」

「--ふひっ!結衣ちゃんの喘ぎ声、たまんねぇ~」

エッチな声だけが聞こえるー。

視界からだけじゃなくてー
この世から消えてくれればいいのにー

憎いー。
憎いよー。

どうして、
どうしてわたしが人生を奪われなくちゃいけないの…。

酷いよ…

動けないー
喋れないー

どうにもできないーー

酷い!!酷いよ!!!誰か助けてー

「あはははっ♡ あぁあああ♡ うんぁああああっ♡」

わたしの喘ぎ声とクチュクチュといやらしい音が
聞こえてくる。

何も楽しくないよ!

わたしの身体を勝手に興奮させないでー!

「ひゃっ♡ も、もうダメ♡ いっ、、イク♡ あっ♡ あぁあぁあっ♡」
「---俺も、、俺も、、うんぁああああああっ!」

ーーーーー。

最低ーー。

下品なカップルー。

本当に、、最低!!!

・・・・・・・・・・・・・・・・

それからもー
悪夢は続いたー。

わたしはー
茂とか言う男のヒトとのエッチを
毎日のようにみせつけられた。

やがてー

「ねぇ、わたしの家でいっしょに暮さない?」
わたしが言った。

「--ま、、まじで…?いいの?」
彼は言う。

「--当たり前じゃない!茂なしじゃ、
 もう、わたしは生きていけない!
 茂の言うことなら何でも聞くから!」

「--本当に!?やったぜ!
 分かったよ!準備もあるから、来週でいいかな?」

「--うん!大好き!」

わたしは、ついに、彼と同棲することに
なってしまったー。

彼が居る日は、
わたしは彼の言いなりになって、
彼の好きな服を着ているー。

今日はー
メイド服を着ているー。

もう、わたしは何も思わなくなってしまった。
変えられていくわたし。

でも、もう、どうでもい。

どうせ、何もできないのだからー。
どうせ…。

もう、いいー。

わたしの身体を取り返したいという気持ちよりも、今は、
”わたしが憎い”

その気持ちでいっぱいだったー。

何も出来ないままー。
目を背けることもできないままー

時ばかりが流れていくー。

クリスマスがやってきたー。

「---うふふ!今日はどうしよっか?」

”わたし”が嬉しそうに
彼に抱き着いている。

エッチな下着姿で、彼はわたしの胸を
嫌らしく触りながら微笑んでいる。

「--うぅ~ん、結衣は本当にエッチだな~
 最初はそんな風に、思わなかったよ~」

「ふふ♡誰だって、表では本当の顔を見せないものよ!」

色っぽく言うわたしー。

わたしはー
女として失格だったのだろうかー。

表情も仕草もいきいきとしているー
わたしの身体はー、
わたしだったときよりもー
喜んでいるのだろうかー

「---そういえば、元彼の童貞君にさ、
 ”メリークリスマス”って、先週からLINEとか
 送ってるんだけどさ~!
 全然反応ないの!ウケるよね~」

「まじかよ!結衣がせっかく祝ってやってんのに!
 馬鹿な奴だな!」」

二人してげらげらと笑う。

「--今日も、結衣の身体、堪能していいのか?」
彼が言うと、
”わたし”は微笑んだ。

「言ったじゃない わたしの身体と心は茂くんのものだって!」

違うー

ふざけないでー!

わたしはーー!
わたしはーーー!!!

「--家族とも友達とも縁を切ったし、
 わたしの大切な人は茂くんだ・け♡」

ふざけないでよ!!!

大声で叫んだー

もちろんー
この言葉は届かないー

最近では”わたし”はわたしの方を
見ることもなくなった。

もう、人の身体を奪ったことなんて
忘れてるのかもしれないー。

ガン!

わたしの部屋の扉が乱暴に
開かれた。

わたしもー
”わたし”もー
そして、茂とかいう男もー

入り口の方を見た。

そこにはー

わたしの彼氏ー

いえ、、、元彼にされてしまった
明人くんが居たー

その手にはー
”ナイフ”が握られていた。

「散々馬鹿にしやがって…!」
明人君が叫ぶ。

「--な、なんだお前は!」
茂とかいう男のヒトが叫ぶ。

「---あ、、明人くん…!
 な、、何してるの…!」

”わたし”がエッチな下着姿のまま叫ぶ。

「童貞、童貞、童貞、童貞
 うっせぇんだよ!
 何なんだよ!僕が何をした!?

 毎日のようにツイッターに僕の悪口
 書きやがって!

 お前は本当に最悪な女だよ!
 そんな女だと思わなかった!」

明人くんの言葉にわたしは傷ついた。

「--う、、うっさいわね!
 わたしと恋人気分味わえたんだから
 満足しなさいよ!」

”わたし”が叫ぶ。

「--おい!お前!出てけよ!」
茂とかいう人が、明人くんの手を掴む。

「うるせぇ!離せよ!」
「--あぁ?この童貞野郎!」

罵声が響き渡る。

そしてー
うめき声が響き渡った。

な…なに?

わたしの方に背を向けていた茂とかいう人が倒れる。

「---は、、、ははは」
明人くんの手が赤く染まっている。

「きゃあああああああああ!」
”わたし”は叫んだ。

明人くんが、茂とかいう人を刺してしまったー

「--はは、、、刺しちゃったよ…
 結衣…お前のせいだよ!
 ぜんぶお前のせいだよ!」

明人くんがわたしを睨んでいる。

殺されるー

わたしはそう思った

でもー
怖くなんて無かったー

もう、終わりにして欲しいー
これ以上、わたしを汚さないでほしいー

「いやあああああああ!」
”わたし”が悲鳴をあげて部屋のものを
投げながら暴れまわる。

「--結衣!結衣!いっしょに死んでくれよぉ!」

明人君が叫ぶ。

二人は乱闘状態になったー。

「あ・・・あ・・・」

乱闘の末に、明人君が動かなくなった。

「ア・・あ…あああ…
 いやあああああああ」

わたしが机の前に座り込んで泣きじゃくっている。
エッチな下着を着たままー

明人君は、動かないー

死んじゃったの…?

わたしにできることは何も…

何も…ない。

ーーーあれ?

わたしは自分の位置が変わっていることに気付いた。
部屋での乱闘で、机が揺らされてわたしが机の端っこに
来ていることに気付いた。

今にも、わたしは机から落ちてしまいそうー。

あ…

ふと見れば、わたしの乗っている机の真下に
座り込んで、”わたし”が泣いているー

今、ここからわたしが落ちればー

わたしは”わたし”の頭に直撃するー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

わたしが憑依させられている置物を
貰った時のことを思い出すー。

「重いよ~なにこれ~!」

「--有名な芸術家の美術品だぞ~!
 一人暮らしスタート祝いだ」

”重い”

父の愛が重いー

「--10キロ…いや、もっとだったかな?
 とにかく重いから、足に落としたりしないように気をつけろよ~!」

お父さんの愛が詰まっている、
愛が重いと感じたー

けど、今は思うー。

重くてよかったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

うごいて!!!!!!!!!!!!

わたしは、自分にそう念じたー

そしてー

わたしはーー
机から落ちたー

わたしの想いが通じたのかー
それとも、机の前で座り込んでよりかかっている”わたし”が
机を揺らしたのかー

わからないー

でも、もういいー

わたしはーーー

”わたし”の
後頭部に、直撃したーーーー

これが、わたしに出来る
最後の抵抗ー

もう、いいよね?

わたしは、わたしの手で
変えられてしまった”わたし”を終わらせるー

ゴツンと大きな音が聞こえたー

わたしはー
どうなったー?

泣き声が聞こえなくなったー

そっか、もう、終わったんだよねー。

なんか、眠くなってきたなぁ…
置物になってから
眠くなることもなかったのに、
どうしてだろう。

まぁ、もう、いいよね…

疲れちゃった。

おやすみ。

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

リクエスト題材の作品でした!
置物にされてしまった彼女のささやかな抵抗ー

もし皆様が置物にされてしまったらどうしますか…?

お読みくださりありがとうございました!!

憑依<わたしはインテリア>
憑依空間NEO

コメント

  1. 飛龍 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    誰も幸せにならない全滅エンド…
    無名さんは作風が広く、色々な結末を書きますが
    そのなかでも強く印象に残るタイプの結末ですね。
    それまでのやりたい放題されるダークな展開から、最後にささやかな復讐を遂げることで、悲惨な状況ながら不思議と読後感はすっきりしています。
    無名さんのこういう作風、私は好きですね。

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 誰も幸せにならない全滅エンド…
    > 無名さんは作風が広く、色々な結末を書きますが
    > そのなかでも強く印象に残るタイプの結末ですね。
    > それまでのやりたい放題されるダークな展開から、最後にささやかな復讐を遂げることで、悲惨な状況ながら不思議と読後感はすっきりしています。
    > 無名さんのこういう作風、私は好きですね。

    いつもありがとうございます~☆
    私も書いていてなんだか、書き終えたときは不思議な感覚でした!

    最後の展開は、
    私のこだわりの一つなので、
    これからも驚くような、印象に残るような
    最後の展開を作って行きたいデス☆

  3. 匿名 より:

    SECRET: 1
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ①大人に憧れる小学生の女の子が担任の男性教師と入れ替わります。同級生達に授業をしたり宿題をだしたり家庭では元の自分の年齢の娘の父親するのに快感を覚え担任の人生を乗っ取ると言う話です。

    ②性に目覚めた小学六年生の男の子が美人である女性担任を性の対象として見ていた。男の子は女性担任と入れ替わり女性担任になります。授業しながら他の児童にわからないようにオナニーしたり、男の子になった女性担任を誘惑したりしセックスをします。女性担任は元に戻してと言っていたが男の子の快感にめざめてしまいこのまま男の子で一生いたいと思うようになる。
    両者合意の元、お互いに一生成りすます事にする。元担任は元男の子以上にエロくなっていく。一方女性担任になった女性担任の小学生の息子にオナニーを教えセックスまでします。そして、妊娠してしまいます。

  4. 匿名 より:

    SECRET: 1
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    さらに追加で、リクエストします。
    ⓷ギャルで頭の悪い女子中学生か女子高生が男性教師から成績と問題行動を怒られます、その事に関して怒りを覚えて担任と入れ替わり担任の人生を乗っ取ることにします。男性教師は頭が悪くなり女の子の方は頭が良くなります。また、女の子としてオナニーやセックスをする事や問題行動を起こす事に快感を覚えていきます。逆に教師になった女の子は女の子になった男性教師を叱りつけ頭が悪かった自分が自分を見下げていた同級生に授業を行い成績をつける事、男性としてオナニーやセックスをする事、妻や子どもに教師になりすまして接する事に快感を覚えていきます。
    ④、⓷とよく似ていますが、不良、ヤンキー男子中学生か高生生が女性担任教師から成績や行動について怒られ担任と入れ替わり担任の人生を乗っ取ります。⓷と同じように教師を叱りつけ頭が悪かった自分が自分を見下げていた同級生に授業を行い成績をつける事、女性としてオナニーやセックスをする事、夫や子どもに教師になりすまして接する事に快感を覚えていきます。一方で教師は不良、ヤンキーをする事男子としてオナニーやセックスをする事に快感を覚えていきます。

  5. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    リクエストありがとうございます!
    確認致しました~!

    リクエストが溜まっているので、
    気長にお待ちください☆

  6. 匿名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    遅くなりました。リクエストしたものです。リクエストを書いて下さる事が発表されてからワクワクして待っていました。自分が想像していた展開をはるかに超える展開と結末最高でした。ありがとうございました。

  7. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 遅くなりました。リクエストしたものです。リクエストを書いて下さる事が発表されてからワクワクして待っていました。自分が想像していた展開をはるかに超える展開と結末最高でした。ありがとうございました。

    ありがとうございます~!
    私自身も楽しく書くことができました☆
    楽しんで頂けて何よりデス!

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