憧れのクラスメイトに告白ー
勇気を出して告白することに成功したものの、
彼女の口からとんでもない事実がー。
衝撃と誘惑の「皮モノ」です!
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「ぼ、僕は、今日こそやるんだ!」
男子高校生・島野 明人(しまの あきと)は、
顔を赤らめながら呟いていた。
その視線の先には、
クラスメイトの、永井 麻美(ながい あさみ)の
姿があった。
生徒会会長を務めており、
容姿も、性格も良く、クラスの人気者だ。
選挙管理委員の仕事はやったときに、
明人は、麻美と話をする機会が増えて、
麻美のことを忘れられなくなってしまった。
そんな中、麻美には彼氏がいないことを知り、
告白することを決心したのだった。
「---どうせ今日も口だけでしょ?」
背後から笑い声がした。
ポニーテールが良く似合う可愛らしい少女、
松井 香澄(まつい かすみ)。
明人とは幼馴染で、小学生からの付き合いだった。
最近、急に可愛らしくなった香澄に
明人は少しドキドキしていたが、それでも
昔からの友人、という感じで恋愛対象としては見ることはできなかった。
「---う、うるさいな!」
明人が叫ぶ。
「--だって、もう先週からずっと言ってるじゃない?
今日こそは告白するんだ!って」
香澄が呆れたように笑うと、
明人は叫んだ
「今日こそは告白するんだ!」と。
そして、明人は、立ち上がると、
麻美の方に歩いて行って、
麻美に声をかけた。
「あ・・・あの、、永井さん」
明人がそう言うと、
麻美が「なぁに?」と優しく返事をした。
麻美と目が合い、
顔を赤らめる明人。
いつもこの後に、明人が適当な話題を振って、
逃げてきてしまう。
それの繰り返しだ。
今日もきっとそうだろう。
遠目から、明人の様子を見ながら、
香澄は苦笑いした。
しかしー
「---放課後!話があるんだ…!」
明人が意を決した様子で言った。
「---!!」
香澄は、思わず驚いた。
「へぇ~、ついに言うんだ…!」
「話って?」
そう言いながら首をかしげる麻美。
「--だ、大事な話なんだ」
明人が言うと、
「わかった」と麻美は微笑んだ。
そして、明人は嬉しそうに
香澄の方に戻ってくると、
「どうだ!僕の底力!」と
嬉しそうに自慢した。
「---呼び出すだけじゃ、
まだ分からないでしょ?」と
香澄が笑う。
確かに、呼びだしただけで告白できずに
終わる可能性も十分にある。
しかしー明人は決意していた。
必ず、必ず、告白を成功させる、と。
「--ま、頑張りなさい~!」
香澄がふざけた様子でそう呟いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
放課後。
空き教室にやってきた
麻美はいつものように微笑んだ。
「--島野くん、話って?」
これからされる話を楽しみに
しているかのような様子だ。
呼び出して、話があるー
そんな状況であれば、
どんな話かある程度想像はつくはずだ。
こんなににこにこしているということは
”脈あり”かもしれない、
明人はそう思った。
「あ・・・あの…実は僕…」
明人が緊張しながら言う。
一瞬、他愛のない話をして逃げようと思った。
でも、ここで逃げていたら、何も変わらない。
また、いつものように負け犬になるだけだー。
「--ボク、、永井さんのことが好きです!」
ひと思いに叫んだ。
結果がどうであろうともー
これで、後悔はしないー
「---ふふふ、これで”4人目”」
麻美は不気味な笑みを浮かべたー
「---え?」
告白したのが、自分で4人目という
意味なのだろうかー。
「--そんなに、”可愛く”振る舞えてるんだわたし…
ふふふふふ…
中身は”おっさん”なのに」
麻美がいつもとは違う、
イヤらしい笑みを浮かべている。
「--え?な、何?」
明人は戸惑いながら返事をする。
今、中身がおっさんだとかなんとか
言ってなかっただろうか?
「--この女の見た目と、
わたしの演技につられて、
み~んな、わたしにメロメロね」
麻美が笑う。
そして、明人を見つめた。
「---ど、、、どういうこと…?」
明人は、やっとの思いで、そう口にした。
「---知りたい?」
夕日が、空き教室に射し込む。
夕日をバックに不気味にほほ笑んだ麻美が、
悪魔のように見えた。
「--じゃあ、教えてあげる…」
そう言うと、麻美の後頭部のあたりが
”開いた”
まるで、着ぐるみのように…
「えっ…えっ…あひっ!?」
明人は思わず情けない声を出した。
「---そんなに驚かなくてもいいじゃない」
麻美の声が、男の声に変わっていく。
そして、麻美が、床に力無く横たわった。
まるで、脱皮によって捨てられた昆虫の皮のようにー
麻美の中からは、
痩せ襲った、中年の男が出てきた。
「---こういうことだよ…島野くん」
男の言葉に、明人は震えて、
尻餅をついてしまった。
「--俺はね、ずっと女の子に蔑まれて生きてきた。
一度も彼女もいたことが無い。
会社では居場所もない、さえない中年男だった。」
男が語り出す。
「--でもね、ある日、手に入れたんだよ。
ヒトを”皮”にする薬をね。
その薬で、道端で見かけたこの子を
皮にして、俺が着ているんだ」
あまりにも現実離れした話。
しかし、目の前で実際に麻美は皮のように
しわしわになり、中から男が出てきている。
現実離れした話であっても、
こうして目の前で見せつけられてしまっては、
信じざるを得なかった。
皮になった麻美をつかんで、
それを振って見せる男。
「どうだ?可愛いだろ?この女。
いまじゃ、俺の着ぐるみ状態だ」
顔の部分を引っ張って笑う男。
脱ぎ捨てられた皮は、笑ったままで、
表情が動くことはなかった。
「---な、永井さんはどうなったんだ?」
明人は疑問を口にした。
皮にされてしまった麻美はどうなってしまったのか。
そう思ったのだ。
「--着ぐるみと同じだよ。
誰かが着なければ、ただの、皮だ」
男は笑う。
「--な、、永井さんは死んだってこと?」
明人が尋ねると、
男は考える様な仕草をしたあとに笑った。
「それは少し違うな。
皮にするとき、皮にされる人間は今までに経験
したことのないような、この上ない快感を
味わうんだ。
この女もそうだった。
最初は、怖がって泣き叫んでいたが、
最後の瞬間には、笑って興奮していたよ
そしてー
自由と意識を奪われたあとは、
永遠に興奮の絶頂を味わい続けることになる…
そう、皮にする薬をくれた人は言ってたよ。
だから、この女の意識は今もどこかで
興奮し続けているはずさ」
男は笑った。
「高校の入学式の日に俺はこの子を皮にしたー」
男が目をつぶって、その時のことを思い出す。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
桜が散り始めているー
そんな中、麻美は、不気味な中年男に
追い詰められていた。
特殊な薬品により、人を皮にする力を
手に入れていた男は、
手持ちのお金も尽きかけて、絶望しながら
歩いていた際に、麻美を見かけた。
そしてー
その天使のような可愛さに心を打たれた。
すぐに彼は行動した。
人気のない道に入った麻美に声をかけ、
麻美に手をかざした
「え…な…何で・・・?身体が…うごか…」
身体が動かなくなった麻美は、恐怖に怯えた。
後頭部に男が手をかざすと、
経験したことのないような違和感を感じた
「やめて…やめて!助けて!」
麻美が泣き叫ぶ。
後頭部から背中にかけて”切り開かれた”感触がする。
同時に、なんだかとても、興奮して、ゾクゾクした
「あぁ♡ やめ♡ やめて♡ あぁああ・・・なんだろう…
気持ちイイ!とっても気持ちいい♡」
麻美は興奮を抑えられない様子で、
叫んだ。
男がニヤリと笑う
「今日から俺は、女子高生として生きるよ。
これまでの人生、ごくろうさま」
男は、人生を奪われる麻美に対して
ねぎらいの言葉をかけ、
そしてー、
後頭部から背中にかけて出来上がった
ファスナーを一気に引き下げた
「んあああああああああああっ♡」
それが、麻美がこの世で最後に発した言葉だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「----そ…そんな」
明人は唖然とした。
初恋の相手の中に
男が入っていたなんて…
ふと気づくと、男は麻美を着こんで、
再び麻美に戻っていた。
「--告白されるとね、優越感に浸れるの…
くふふ・・・
でもね、特定の男と付き合う気なんてない。
だから、いつも告白してきた男に、
本当のことを告げて、恐怖させてあげるの」
麻美は胸を触りながら微笑んだ。
「--島野くん。
このこと言ったら…
君も”皮”にしちゃうからね…」
冷たく、冷徹な微笑み。
麻美の冷徹な笑みに、明人は凍りついた。
「あ・・・あ・・・」
方針状態の明人を見て、麻美は微笑むと、
空き教室から出て行こうとした。
今まで告白してきた男子もそう。
脅せば、誰にもこの秘密は言わないー
それに、万が一、誰かが言っても、
誰も信じやしないー
「---永井さん!」
明人が叫んだ。
麻美が振り返る。
「----あ、、、あ、、、あの…!」
明人がまだ何かを言いたそうだ。
「---何?」
麻美が愛想なく返事をすると、
明人は叫ぶ
「--永井さんの家に、今度、お邪魔してもいいかな!」
明人は叫んだ。
「---は、、はぁ?」
麻美が思わず変な声を出す。
麻美は、高校生でありながら一人暮らしだ。
両親には、真実を告げてある。
その上で、妹も皮にしてやるぞ?と脅し、
今では一人暮らしをしながら、親からお金を
送ってもらっている。
「---あ、、あの…か、、、皮…
皮について…も、、もっと知りたいんだ!」
明人は叫んだ。
未知なる”皮”について知りたくなったー
好奇心がわいてきたー。
別に、自分が誰かを皮にしたいわけじゃない。
でもーとっても興味がわいてきた。
一瞬、幼馴染の香澄の姿が脳裏によぎったが、
明人はすぐにそのイメージを振り払った。
香澄を、皮にして、もしも自分が着こんだら―
僕は、、香澄に…?
おかしな考えが浮かび、慌てて首を振る明人。
「-----ふふ」
麻美は微笑む。
こんなやつ初めてだ。
今まで告白してきた3人は、
皮の真実を知ってみんなびびってしまった。
しかしこいつはー
「いいわよ…」
麻美は呟く。
そして、明人の方を見たー
「----今週末、わたしの家に、
来てもいいよ」
麻美がにっこりとほほ笑むと、
明人は、緊張した表情のまま「ありがとう」と告げたー。
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
次回は麻美の家で、皮の魅力に取りつかれた明人が、
狂気の決断をしますー
お楽しみに!
コメント
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無名さん、いつも小説投稿お疲れ様です。
皮モノの連続投稿!凄く楽しみです。
今日の第二話ではどんな展開になるのか、ワクワクしています。
SECRET: 0
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> 無名さん、いつも小説投稿お疲れ様です。
> 皮モノの連続投稿!凄く楽しみです。
> 今日の第二話ではどんな展開になるのか、ワクワクしています。
ありがとうございます!!
皮モノはたまにしか書かないので上手くできるか分かりませんが
頑張ります~!