超がつくほどのオタクと、
超がつくほどの美少女ー
その二人が入れ替わってしまったときー
何が起きるのか…?
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「グフフ…」
太って汗をまき散らし、
ふぅふぅ言いながら、大量の美少女グッズを
購入している男が居たー。
彼の名前は 尾田 九郎(おた くろう)。
両親にそんなつもりは無かったのだが、
名前の通りオタクになってしまった。
オタクは別に悪い事ではない。
人に迷惑をかけていなければ、どんなものを好きになろうが、
それは個人の自由だ。
しかしー
九郎は、他人に迷惑をかけるタイプのオタクだった。
ネットでは、自分の考えと違う人を徹底的に叩き、
35にして実家に引きこもり、働くことも一切せず、
親に暴力を振るって、お小遣いをもらい、
そのお金で秋葉原の街を豪遊するー。
お世辞にも、褒められる人間ではない。
「でゅふふ、デュフフ…」
帰りの電車内で、恥ずかしげもなく、美少女ゲームの
パッケージを舐めながら笑っている。
羞恥心というものも彼には存在せず、
さらには人間とのコミニュケーションもまともにとることができない。
世間で同じ”オタク”に分類される人間も、
彼を見たらこういうだろう。
「一緒にしないでくれ」
と。
それほどまでに、
彼は、歪んだ人間だった。
「---なんか、キモくない?」
同じ電車に乗っていた女子高生が言う。
その女子高生と一緒に居た
眼鏡をかけた黒髪の女子高生が言う。
「--ダメだよ、そんなこと言っちゃ」
彼女の名は、雨宮 結花(あまみや ゆうか)
真面目で大人しい性格の心優しい女子生徒。
典型的な美少女と言える感じの子で、
クラスでもとても人気がある子だった。
「---ーー」
友達の失言を窘めながらも、
結花は、そのオタク男を見つめる。
内心では”確かに気持ち悪いかなぁ”と
思いながらも、目を合せないようにして、
そう思っていることを顔に出さないようにした。
「---ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
九郎が突然大声で叫んだ。
美少女ゲームのパッケージを開けた九郎は、
中に入っていた特典に描かれていた
キャラクターを見てあまりの興奮に大声をあげたのだった。
周囲の乗客は、苦労に目を合せないようにした。
シルバーシートに座って
3人分の幅を使い、美少女ゲームやグッズを
開封している九郎は、迷惑以外の何物でもなかった。
電車が止まる。
「---さ、いこっか」
女子高生二人が、電車から降りる。
「そういえば、結花さ、テストどうだった?」
「え?テスト…う~ん」
二人は女子高生らしい会話をしながら
駅の階段に向かう。
その時だった。
「---ふぉぉぉぉぉぉ!?」
同じ駅で降りていたオタク男の九郎が、
大量の荷物でバランスを崩して、
階段から転がり落ちた。
「---結花!危ない!」
「え?」
友達にそう言われて慌てて振り返った結花ー。
しかし、手遅れだった。
オタク男の九郎と共に、結花は
階段を転がり落ちてしまったのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「結花!大丈夫?結花!」
友達の声で目を覚ました結花。
「--え…」
結花は目を開けて、周囲を見渡す。
「結花!?大丈夫・・・?良かった…」
階段から転がり落ちた結花。
しかしながら幸い、大した怪我はなかった。
「---あ、、、あ、、、あ、、あ、あ、あ、あの…?
え…?」
結花は、挙動不審な事を口走りながら、
自分の口から出た可愛らしい声に違和感を感じて、
自分の身体を見下す。
そこにはー
膨らんだ自分の腹ではなくー
胸があったー
「----!!」
結花は顔を真っ赤にする。
「だ、、大丈夫?」
友達が不思議そうに尋ねる。
この友達も、美少女ゲームに出てきそうな
ツンデレ系の少女に似ているー。
「---ふぉ……」
変な声を出してしまう結花ー。
「---あ、ごめん…
そろそろバイトの時間だから…」
友達が言う。
結花のことは心配だったが、バイトに遅刻するわけにも
いかないし、とりあえず結花の怪我も心配なさそうだ。
「う、、、う、、うん、大丈夫・・・あ、、、あ、あ、あ、ありがとう」
結花はーー
いや、今、結花になっている九郎は確信した。
この可愛い女子高生と、体が入れ替わってしまったのだと。
階段から転落してしまった際の
入れ替わり。
なんともありがちな展開ではあるものの、
九郎にとって、そんなこと、どうでもよかった。
まずは、楽しまなくてはならない。
「---あ、、、あの・・・」
駅員に対して声をかける結花。
「--ぼ、、ぼく、、、いえ、、
わ、、わたしと一緒に転がり落ちた人は・・・?」
そう言うと、駅員が答えた。
「ーーあっちの人は、まだ意識が戻らない・・・
けど、目撃してた人も、あっちの人が勝手に
転がり落ちたってみんな言ってるから、
きみは心配しなくても大丈夫」
駅員の物言いに、
”まるで転がり落ちた自分が悪い”みたいな
ことを言われた気がして腹が立った。
けどー
今は、自分が、女子高生なのだ。
そんなことはもう、どうでもい。
少し警察に質問されたりしたが、
すぐに結花は解放された
「むふふ…ふふふふふ」
胸を軽く触ってみる結花。
本当だったらここで、胸を揉みまくりたい。
だがー
ここは外だし、流石にそれをやったら、
いくら女子高生と言えど、通報されてしまうかもしれないー。
「---そ、そうだ・・・」
結花は気味の悪い笑みを浮かべる。
今日、結花の両親は不在だった。
確か、夫婦旅行が何とかとか・・・
「ぐふふ・・・僕の家で、やりたい放題できるじゃんか・・・!」
そういうと、結花は嬉しそうに
アニメソングを大声で歌いながらスキップして
自分の家に向かい始めた・・・。
周囲が驚いた表情で、結花のことを見ていたが
そんなことは関係ない。
ようやく自分の家についた結花は、
キョロキョロしながら自宅へと入って行った。
近所に見られると厄介だ。
自宅に入った結花は、さっそく自分の部屋へと
駆け込んだ。
「うへへへへへへ…やったぁああああああ~!」
大声でガッツポーズして叫ぶ結花。
眼鏡をかけた大人しそうな顔が、
とても嬉しそうに歪んでいる。
早速、狂ったように、自分の胸を
両手でわし掴みにして揉み始めた。
「うへ…♡ ひゃあっ♡
す、、すげぇ、、お、、女の子ってこんなもの
身体にくっつけてるのかよ・・」
胸を揉む手が、さらに激しく動く。
「デュフ、デュフフフフフフ…」
気持ち悪い笑い声を出しながら、
涎をポタポタと垂らす結花。
たまらなく興奮した。
身体がゾクゾクするー。
胸の、九郎が想像していたよりも
柔らかい感触。
身体を駆け抜ける快感、
思わず口からあふれ出る声ー
しかも、その声は、可愛い色っぽい声だ。
さらにー
スカート特有の不思議な感覚。
「--んはぁあああああ~~~!」
結花は奇妙な声をあげて、
美少女キャラクターが描かれた
抱き枕に抱き着いた。
「えへへへへへっ えへへへへへへへ~~~」
抱き枕を思いっきり抱きしめて、
胸があることの違和感を感じながら、嬉しそうに
部屋を転がりまわった。
「--ぼ、、、ぼく、、ぼくが…ぼくが
女子高生だ…
ぐへへへへ!」
手の平を見つめて、結花は、
手をベロで舐めはじめた。
「んふぁぅ♡ はっ♡ おいしい…おいしいよぉ…」
自分の手が美味しいなどと言うことはあるはずがない。
しかも、外から帰ってきて、手も洗っていない。
きわめて不衛生だが、今の結花は、
自分の手を舐められることに対して快感を
感じていた。
指を1本、1本、口に加えて、
ひとつひとつ丁寧に舐めていく結花。
「きひひひひひひひっ ひひひひひひ」
唾液まみれになった両手で
顔をこすり、大笑いしては、
また指を舐めている。
「はぁぁぁあ~」
今度はスカートの中に手を突っ込んで、
「一度触ってみたかったんだぁ~」と
スカートの中を触りまくる結花。
そのうちに我慢できなくなり、アソコを
弄び始めて、大声で喘ぎ始めた。
「んひぃぃぃぃぃぃ♡」
初めての快感にー
自分が今まで何回もしたような快感とは
比べ物にならない感覚に、結花は
身を震わせた。
「はぁ…♡ はぁ…♡ そ、、、そうだ!」
結花は髪の毛を振り乱しながら、
モノが散乱した部屋の中から、
アイドル衣装のようなものを取り出した。
好きな美少女キャラのコスプレ衣装。
彼が好きなアニメの「雫ちゃん」という
キャラクターのコスプレ衣装だ。
九郎は男だし、これを着たことはなかったが、
毎日のように、眺めて、ニオイを嗅いでは
笑みを浮かべていた。
「--こ、、こ、、、こここ、これが着れるぞぉ!」
興奮して顔を真っ赤にしながら、結花は、
制服を脱ぎ捨てて、
コスプレ衣装を身に着けた。
アイドル衣装のような服を身に着けて、
結花はピースポーズを決める。
「---雫だよ!
は、、恥ずかしくなんてないんだからっ!」
ツンデレキャラの雫のセリフをまねて見せる結花。
「---んんんんんんんっ~~
ふぉぉおおおおおおおおおおおおおお~~~!」
興奮のあまり、結花は絶叫した。
自分が女子高生になり、
さらには好きなキャラのコスプレをしている。
最高だ。最高すぎる。
「あ~~~~ん!」
結花は、脱いだ自分の制服に頭を突っ込んで、
ニオイを嗅ぎまくった。
完全な変質者だ。
しかし、今は”自分の服”のニオイを嗅いでいるだけ。
何の問題もない。
「---ぐふ…」
結花は笑みを浮かべる。
SM嬢衣装やメイド服のコスプレ衣装、
チャイナドレス…
九郎はあらゆるものを集めていた。
男だが、自分の部屋にそういうものがある、
というだけで興奮できたからだ。
「----うふふ」
結花は、机に乗せてあった大人のおもちゃ、
バイブに目をやった。
「ついにこれを使う日が来たか~ぐへへへ!」
そう言うと、歪んだ表情の結花が、
それを使おうとした。
しかしー
スマホに着信が入る。
帰りが遅い事を心配した
”結花の両親”からだった。
「--あ、う、、、うん、今から、帰るね」
電話を終えると、結花は舌打ちした。
しかし、この子の身体になってしまった以上、
帰宅しないわけにはいかないー。
「--お楽しみは、お預けだなぁ」
結花はそう呟くと、自分の制服に着替えて、
生徒手帳でこの子の住所を確認し、
結花の家へと向かった。
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夜―。
病院で、九郎は目を覚ました。
「----…ここは!?」
自分の口から出た声に違和感を感じる九郎。
近くにあった鏡で、自分の顔を見ると、
そこには、電車で見かけたオタク男の
顔があった。
「きゃあああああああああああ!」
九郎になってしまった結花は、大声で悲鳴をあげた。
②へ続く
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コメント
入れ替わってしまったオタクと美少女。
次回は、二人が再会しますが、果たして
どうなるのでしょうか!
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