<憑依>童貞卒業①~屈辱~

童貞を馬鹿にする女子。
そんな女子に対して、彼は思う。

そんなに童貞を馬鹿にするなら、
お前で童貞を卒業してやるよー

と…。

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とある高校。

図書委員の話し合いに参加していた
男子生徒・増川 康太(ますかわ こうた)は、
話し合いをしながあ、ある生徒を見つめていた。

クラスメイトで、同じ図書委員会の
星谷 莉菜(ほしや りな)をー。

康太は莉菜に恋をしていた。
いつも優しくて、穏やかな雰囲気の莉菜を。

康太はある決心をしていた。

それは、今日、この話し合いが終わったら、
莉菜に告白する、という決意だ。

康太は、容姿も普通で、
性格も(自称)普通だが、
今までに彼女ができたことはない。
当然、性的な経験もない。

つまりは、童貞だ。

高校2年で童貞なんてたくさんいる。
が、逆に、童貞を既に卒業している人がいるのも事実だ。

だが、彼は別に焦っていなかったし、
それが恥ずかしいことだとも思っていない。

事実、別に恥ずかしがることではないだろう。

しかしー

「---ごめんなさい」
告白された莉菜は、申し訳なさそうに頭を下げた。

「--あ、ぁあ・・・」
康太はそれだけやっと振り絞るようにして言った。

そして、やっとの思いで、
「急な話だから、ごめん。
 全然気にしてないから」とだけ呟いて、
康太は走り去った。

康太の初恋は終わった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。

「まぁ、そうめげるなって!」
友人の陸次郎が笑いながら言う。

「--めげるよ…」
康太は落ち込んだ様子で、
いつも通りクラスメイトたちと談笑している莉菜の
方をチラリと見た。

莉菜は大人しそうに見える優等生だが、
女子たちで話している時には
明るく見える。

もしかすると、結構裏表があるのかもしれない。

「--これで、お前の童貞卒業は先送りだな!」
陸次郎が笑った

「お前も、童貞だろ?」
康太はそう呟いた。

陸次郎はいつも、康太のことを童貞ネタで
からかうので、康太が童貞だと言うことは
クラス中に広がっていた。

だが、まだ高校2年だ。
別に、そこまで童貞が珍しいものではなかったし、
クラスにも童貞はたくさんいたから、
陸次郎をのぞいて、ネタにするような人間はいなかった。

・・・・・・・・・・・・・・・

昼休み。

廊下を歩いていると、
廊下の物陰から声が聞こえてきた。

「え~~告白されたの?」

康太は物陰からその声に耳を傾ける。
この声は、莉菜と仲良くしている女子生徒の声だ。

「うん、でも断った」
莉菜の声がする。

「--あ~そうなんだ。どうして?」
莉菜の友達が言うと、
莉菜が笑いながら言った。

「だって、増川くん童貞だよ?
 ありえない!
 私なんて中学の時に初体験したし、
 私の前の彼氏も何人も経験してた!

 童貞とか、きもくない?」

莉菜が、普段、男子や先生の前では
見せない口調で言った。

「--そ、そうかなぁ、わたしは別に」
莉菜の友人が言うと、
莉菜が笑った。

「--童貞とか、ありえないから!
 本当にきもい!
 告白されただけで、寒気がしちゃった!」

その言葉を物陰から聞きながら
康太は拳を握りしめた。

大人しそうな顔して言ってくれるじゃないか。

康太はーーーー
そのままーーー

立ち去らなかった。

おれは陰キャラじゃねぇ!
言われたままここで隠れてたら、陰キャラだぜ!

康太は、物陰から飛び出した。

莉菜とその友達が驚いている。

「あ、増川くん!」
莉菜が何事も無かったかのように、
笑顔を振りまく。

これだから女ってヤツは怖いんだ!

「---童貞で悪かったな!」
康太は叫んだ。

「-----聞いてたの?」
莉菜が愛想を振りまくような声を辞めて、
少し低い声で言った。

「あぁ、聞こえたさ!
 俺がきもいって?
 俺からすればこの年齢でやりまくってる
 星谷さんとか、他の男の方がきもいね!」

康太が言うと、
莉菜は呟いた。

「そういうのがキモいってんのよ」

小声の呟きだったが、康太は
聞き逃さなかった。

「--何か言ったか?」
康太の言葉に、莉菜は「別に…」と答える。

そして、開き直ったような表情で続けた。

「聞かれちゃったなら、隠す必要もないから、言うけど。
 あんたみたいなやつは、一生童貞卒業なんか
 出来ないわよ!」

莉菜が言う。

優等生の仮面は、偽りか。

「--なんだって…」
康太は怒りに震えながら言う。

「--だって、増川君、男としての魅力が
 全くないもの!だ~れも、一緒になんか
 なりたがらないわよ!」

言いたい放題言う莉菜。

莉菜の友達は困っている。

そしてー

「ねぇ、莉菜、そのぐらいにしておきなよ」
友達にそ言われると、莉菜は「そうだね」とほほ笑んで
そのまま立ち去って行った。

「--ゆるせねぇ」
康太は呟いた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

帰宅した康太は、少し前にネットで購入した
怪しげな薬・憑依薬というものを手にしていた。

購入したものの、危ない薬なのではないか、と
怖くなり、使うのを躊躇していた薬。

だが、ここまで馬鹿にされて引き下がれるものか。
童貞で何か悪い?
童貞万歳!

「--くくく…お前が童貞を馬鹿にするのなら、
 卒業させてもらおうじゃないか!」

康太は呟いた。
童貞を馬鹿にするのなら、
責任とって、卒業させてもらおう、と

そう考えたのだ。

そしてーー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日、莉菜は、友達に呼び出された。
友達の江麻子(えまこ)。
昨日、童貞云々の会話を一緒に
していた女子生徒だ。

「どうしたの?江麻子ちゃん?」
莉菜が言う。

相変わらず、大人しそうで
優しそうな莉菜。

「---莉菜、昨日は、増川くんに
 どうしてあんなひどいこと言ったの?」

江麻子が言う。

「え?だって本当のことじゃない。
 高2で童貞だよ?信じられないでしょ?」

莉菜が言う。

「ーーわたしには、童貞を馬鹿にする
 莉菜の方が信じられない!」

江麻子が莉菜を睨みつける。
莉菜は何事なのかと、困惑する。

「--ちょ、ちょっと江麻子ちゃん…
 江麻子ちゃんだって、童貞はちょっと…
 って言ってたじゃない。
 急にどうしたの?」

莉菜は戸惑う。

江麻子は、莉菜を壁に追い詰めて、
壁ドンして、睨みつけた。

「---わたし、康太くんのことが大好きなの。
 よくも康太くんを馬鹿にしてくれたわね?」

三つ編みの可愛らしい江麻子が、
莉菜を鋭い目つきで睨む。

「え、、、え…嘘…?」
莉菜が戸惑う。

江麻子はーー
康太に憑依されていた。

童貞を馬鹿にした
莉菜への復讐のために。

「--あ、、あんなやつが好きなんて
 江麻子も変わってるね!
 今日なんか学校休んでるし!
 きっと、昨日…」

そこまで言った莉菜の言葉を遮って、
壁を思いっきり叩いて言う。

「童貞バカにするなら、
 責任とらなきゃね?
 莉菜が童貞卒業させてあげるの!」

江麻子が不気味に笑う

「ちょ、何言ってるの?」
莉菜が叫ぶ。

「童貞ってどうして童貞だか知ってる?
 女の子が見向きもしてあげないからよ?
 童貞を卒業させてあげないからよ。
 悪いのは康太くん?いいえ、違う。

 童貞を卒業させてあげない莉菜!」

江麻子が顔を真っ赤にしながら
怒り狂った表情で言う。

「--え、、、江麻子…ちゃん?」
莉菜は怯えた表情を浮かべる。
江麻子の言わんとしていることが
分からない。

「---バカにするなら
 責任とって、俺の童貞、卒業させてくれよ!
 なぁ!?」

江麻子が本性を現した。

「----!?」
莉菜が困惑する

「お、、俺って…ど、、どういうこと?」
莉菜が戸惑ういながら言うと、
江麻子は自分の胸を触りながら言った。

「俺さ~今、江麻子ちゃんに憑依してるんだよね?
 くくく…
 俺の童貞、馬鹿にしやがって」

江麻子が男言葉で言う。

莉菜は恐怖を表情うに浮かべながら言った。

「---う、、、じ、、、冗談はやめてよ!
 驚かさないでよ!」

憑依なんてこと、
友達からいきなり言われても、おそらくほとんどの
人間が悪戯だと思うだろう。
莉菜もそうだった。

しかしー

「---ふ~ん、でもさ、わたしが
 こんなことする?」

そう言うと江麻子が、廊下で莉菜にキスをした。

「うっ、、やめっ、、やめて、、あぁ?!」
莉菜が悲鳴をあげる。

江麻子は呟いた。

「---今から、俺さ、お前の身体を
 貰うよ…!」

その言葉を聞いて莉菜は恐怖し、
やっとの思いで「やめて…」と声を絞り出した。

「くくく…お前の身体を乗っ取って
 思考を歪めてやる…!
 俺のことが大好きな女に変えてやる…!

 お前は自分の意思で俺の童貞を卒業させるんだ!」

そう叫んだ江麻子は、
突然白目をむいて倒れた。

そして、莉菜はパニックを起こして逃げようとしたが、
「ひぅっ!?」と声を上げて、不気味にほほ笑んだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夜。

莉菜は自分の部屋で、
壁に貼りつけた写真に向かってキスをしていた。

その写真はー
莉菜に憑依している、康太の写真だった。

康太の写真に向かってキスをしまくる莉菜

「あぁん…康太くん♡ 大好き…大好き…」

虚ろな目で、自分に言い聞かせるようにして言う莉菜。

「わたし…あなたなしでは生きられない…♡
 あなたと毎日エッチしたい…
 康太君のことしか考えられない…」

莉菜は興奮で身体を濡らしながら、ほほ笑む。

憑依薬の説明書にはこう書かれていた。

”憑依時は、被験者(憑依されている人物)の
 脳を使用します。
 そのため、強い思考や感情は、被験者の脳に
 影響を及ぼす可能性があるため、
 十分に注意してご利用下さい”

つまりはー
好きだと念じ続ければ、莉菜はーー

「--好き、好き、好き、好き、好き、好き♡」
「康太くん♡ 康太くん♡ 康太くぅぅぅぅぅっぅうん♡」

胸を揉みながら大声で叫ぶ莉菜。

莉菜は康太の写真を舌でペロペロと舐めまくる。
唾液が壁を伝うー。

「--はぁ…♡ わたし…♡
 もう、康太君のことしか考えられないー♡」

莉菜の脳が染まっていくー
一晩かけてーーー

莉菜は、不気味にほほ笑んだ。

「明日から、莉菜は俺のものだぜ」

と。

②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

憑依されて染められてしまった莉菜!
康太くんは童貞を卒業できるのでしょうか!

あ、ちなみに、私は童貞の方に偏見を持ったりは
していません!
作中の莉菜の「童貞きもい」発言は、
あくまでも作品上の演出としてなので、
誤解しないでくださいネ!

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憑依<童貞卒業>

コメント

  1. 匿名 より:

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    投稿お疲れ様です!
    染められ物が一番好きなのでこれからの展開が楽しみです!

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 投稿お疲れ様です!
    > 染められ物が一番好きなのでこれからの展開が楽しみです!

    ありがとうございます!
    頑張ります~!
    染められモノ、いいですよネ!

  3. より:

    SECRET: 1
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    展開では無くシチュのリクエストですが
    ドラゴンボールgtと言うアニメで寄生生物がパワー開放した隙にのっとるってのがあったんですが
    例えば巫女さんや魔法少女が封印とか奥義食らわせるため力を開放した際に、倒されたと見せかけて、隙をついて乗っ取る、みたいなシチュが見たいです。
    可愛い上に強い娘の体を支配したらまさに鬼に金棒(題名これで良いかも笑)、手が付けられません。
    まああまりに強い場合は簡単にいかないので、外堀を埋める感じで攻めないといけませんが、そういう感じも良いです。
    色々追い詰めておいて、最終的には最強ヒロインの体が目的で、ヒロインがそれに気付いた時は手遅れ、的な。
    流石にアニメでも想像通りってのはなかなか無いけど、自分の思い描いた憑依展開になった時めっちゃおいしく感じました。