<憑依>赤ちゃん女子高生

ある日起きた悲劇ー

それはーーー。

妹の身体にーー
”赤ちゃんの霊体”が憑依してしまったのだー。

兄の運命はー?

-------------------------–

中瀧 敬之(なかたき たかゆき)は、
平凡な男子大学生だ。

現在高校生の妹がいる。

妹の真凛(まりん)からは、
最近は避けられてしまっている。

真凛も思春期の女の子だから、
仕方がないと言えば仕方がないのかもしれない。

露骨に、避けなくても…
とは、思うのだが。

敬之は、とある調べごとをしようと思って
英和辞典を使おうとした。

がーー。

昨日の夜、妹に英和辞典を貸したままだった。

避ける割に、甘えるところは甘えてくる。
自分勝手なモノだー。

今すぐ英和辞典を使いたかった敬之は、
妹の部屋の方に向かう。

「・・・・・今日部活で遅いって言ってたしな」
ため息をついて、妹の部屋の扉を開く。

年頃の女の子らしい部屋ー。
「--な、何もみねぇからな」
敬之は呟きながら、目的の英和辞典を見つけた。

「--ふぅ~さっさと調べごとを終わらせてっと」
敬之は呟く。
妹が帰ってきたときに英和辞典が無くなっていれば
”勝手に部屋に入った”だのとわめき出すのは
目に見えているー。

だから、早めにー

そう考えながら、部屋の出口に向かう敬之。

ふと、目を上にやると、
そこには、制服姿の妹が居たー。

「--へっ…?」
敬之は思わず間抜けな声を出してしまう。

「--…ちょっと…」
妹の真凛は唖然とした表情で敬之を見つめている。

「--か、、勝手に私の部屋に入らないで!
 このクソ兄貴!」

そう言うと、真凛は敬之を睨みつけるようにして、
「本当にきもい!」とつぶやいた。

敬之は「い、いや、英和辞典がさ…」とつぶやく。

しかし、真凛の怒りに溢れた言葉に、
言い返すことはできず、黙り込んでしまう。

「---ねぇ、本当に最低!
 色々見たんでしょ?」
真凛が言う。

「--み、見てねーよ!」
敬之がムキになって反論する。

「--あ~あ、あんたみたいな兄貴、
 いなければよかったのに!」

可愛らしい容姿で、愛嬌もある妹。
礼儀正しく、学校での素行も良い。

なのに、兄である敬之にだけは
とても、冷たい。

「--なぁ、…真凛…なんで、
 なんでそんなに俺のこと嫌がるんだよ!」

去年ぐらいまでだろうかー。
去年ぐらいまでは、なかよし兄妹だったはずなのにー

どうしてー

「--うっさい!出てけ!変態!」
真凛が喚き散らす。

敬之は、「わかったよ!」と言いながら
イラついた様子で部屋から出て行こうとしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

全く別の場所ー
そこで一つの”悲劇”が起ころうとしていた。

オペ室で、
医師たちが必死の処置を行っている。

しかしー

「ダメだ、二人を生かすことはできない」
医師が叫ぶ。

「--先生、どうしますか?」
助手が叫んだ。

「--患者さんの希望を優先しよう」
医師はそう言って、”2つの命”を救うことを諦めた。

妊婦の出産ー
しかし、妊婦の健康状態に予期せぬトラブルがあり、
緊急手術が行われることになったー

そして、手術の結果ー、
父親の希望通り、「母体を優先して助けた」のだったー

芽生えていた小さな命は、
外の世界を知ることなく、死んだー。

しかしー

その赤ん坊は、”無意識のうちに”
生に対する執着を抱いていたー

そのまま消滅せず、霊体となった赤ん坊はー、
自分が消えてしまう前にー、と、
本能で身体を探し求めたー

そしてー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---ひぅっ!?」

妹の真凛が突然、
悲鳴のような声をあげた。

「--あぁ?なんだよ?」
喧嘩状態になってしまい
イラついていた敬之が返事をして
振り返ると、真凛が、顔を真っ青にして
頭を押さえていた。

「--ま、真凛?」
敬之はただ事ではないと思い、
真凛の方に駆け寄る。

真凛は頭から手を離して、
苦しそうに呟いた。

「だ、、、、大丈夫、、、来ないで!」
真凛は、この後に及んでも、兄を拒む。

「うぅぅぅぅぅ…あんたが部屋に入ってくるから
 きもくて…きもくて調子崩しちゃったの…
 うううううう…」

頭を押さえながら
さらに苦しそうに言う。

真凛は、この激しい頭痛が何なのかと、恐怖を
感じながらも、強がって、叫んだ。

「---何だよ!じゃあ勝手にしろよ!」
敬之は叫ぶ。

しかし、真凛は激痛に耐えられなくなって叫んだ。

「---お兄ちゃん……助けて…」
いつも強がっている真凛は怯えきって
泣いていた。

「---真凛」
敬之も振り返り、真凛に駆け寄ろうとする。

しかし、真凛は激しく痙攣を
初めて、敬之の呼びかけにも応じなくなり、
やがて、眠るようにして動かなくなった。

「お・・・おい?」
一瞬、死んでしまったのかと思った。

けれどもー
違った。
ちゃんと、穏やかな寝息を立てている。

「おい!おい!」
敬之が真凛を必死に呼ぶと、
真凛は、目を覚ました。

「---ううぅ…あぁ」
意味不明な事を口走る真凛。

「お、おい、大丈夫か?」
そう呼びかけるが、
真凛はキョロキョロしたまま、返事をしない。

そして…

「うわぁぁぁああ」
突然悲鳴のような泣き声をあげて、
その場で赤ん坊のように泣きだしてしまった。

「--お、、おい!」
敬之は叫ぶ。

その場でだらしない格好で、
寝転んだ状態の真凛。
スカートの中まで見えてしまっている。

「ちょっと!どうしたんだよ?」
敬之が呼びかけても、
真凛は赤ん坊のように泣き続けている。

「---ま、まだ痛いのか?頭?」
敬之が言うが、
真凛は泣いていて、何も答えない。

「--おい!赤ん坊じゃないんだから、ちゃんと答えろよ!」
敬之が焦って、そう叫ぶ。

しかし、それでも真凛は泣き続けるだけだった。

真凛にはーー
近くの病院で数分前に命を落とした赤ん坊の
霊体が憑依してしまっていた。

赤ん坊の霊体は、
生命の本能として、生き延びるために
近場の身体に憑依したのだった。

「---まったく」
敬之は、真凛が自分をからかっているのかと
思い、ため息をついた。

ふと部屋の端っこにあった鈴の飾り物を
触ると、その鈴が音を立てた。

「--きゃはははははは!ははははは」
真凛が笑い出した。

振り返ると、
真凛が赤ん坊のように手を叩いて笑っている。

「…な、、、何だよ、気味悪いな」
敬之が言う。
しかし、真凛はそんな敬之をお構いなしに、
だらしない格好で座りながら、
手を叩いて拍手している。

そして、ハイハイしながら、
敬之の方に近づいてきた

「ばぁ」
真凛が物欲しそうな目で言う。

「--え、、鈴?ああ、、ホラ」
鈴を手渡すと、子供のように笑いながら
真凛が無邪気にその鈴をいじっている。

「--まじかよ。 
 赤ちゃんに退行でもしてしまったのか?」

ため息をつきながら
周囲の見渡すと、そこには真凛の日記があった

「日記?
 ツイッターとかじゃなくて、紙に書いてるなんて
 真凛もいまどき珍しいな」

そう呟きながら日記を真凛の目の前で開いて見せた。

だがー
真凛は笑っているだけで、反応しない。

明らかにおかしい。
いつもの真凛なら”勝手に見るな”と叫ぶはずなのだ。

「ーーーー!!」

日記の最後のページ、
昨日の日記には

”お兄ちゃんのことは本当は大好きだけど
 最近上手く話せない…
 今日もきもいって言っちゃった…

 どうしよう…嫌われちゃう…”

と書かれていた。

「真凛…」
そう呟いて、真凛の方を見るが、
真凛は「ばぶ、ばぶ」と言いながら手を叩いている。

まるで、赤ん坊のように。

「----」
よく見ると、真凛はとても可愛い。
しかも、その綺麗な太ももが、だらしなく見えているのに
本人は今、気にしていない。

敬之はだんだん興奮してきた。

「---」
敬之は近づいて、真凛の綺麗な髪の毛を
撫でてみた。

「きゃははは!きゃっきゃっ!」
真凛は無邪気に喜んでいる。

サラサラの髪の毛を触っても
怒らない真凛。

「--どうしたんだよ?真凛」
そうは言いつつも、今なら…と
どんどん邪悪な気持ちに支配されていく。

「---…真凛」
真凛の顔を見つめて、
そしてーー
敬之は、真凛にキスをした。

真凛は拒むことなく、
兄のキスを受け入れた。

唇の柔らかい感触。
敬之を興奮させるには十分な要素だった。

「--うぁ?」
真凛がわけがわからない、という感じに
首をかしげる。

そしてー
敬之は次に胸を見た。

ずいぶんと立派になってー。

「これ・・・今なら」
敬之はつばを飲み込み
”今なら触っても大丈夫かもしれない”と思った。

そしてー
胸に手を振れた。

思ったよりも、柔らかい感触。

「んあぁっっ♡」
真凛が無意識のように声を漏らす。

「--ふへへ、、真凛!真凛!」
真凛が怒らない。
何をしてもー

何が起こっているのかは分からない。

けれどー
このチャンスを逃す手はない。

敬之は真凛の胸を両手でわしづかみにして
そのまま押し倒した。

「うわああああああん♡ あぁああああああ♡」
泣き声と喘ぎ声が混じったかのような
叫び声をあげる真凛。

敬之は興奮して、胸を触り続けた。

妹の胸で、こんなに興奮してしまうとはー

そしてー
乱れたスカートを見つめた。

今なら、スカートの中に手を入れても…

敬之は顔を真っ赤にしながら、
真凛のスカートの中に手を突っ込んだ。

「ふへっ♡」
完全にエロ男に成り果てた敬之は、
真凛の下着に手を触れようとしたー

その時だったー

生暖かい液体がー
大量に敬之の手に触れた。

ポタポタと液体が垂れてくる。

部屋に嫌な臭いが広がる。

「お、、、おい、、まさか…」
敬之は真凛を、見た。

真凛はーーー
おもらししてしまったのだーーー

「きっ…きったねぇぇぇぇ」

敬之が叫んだ。

「--どうした?」
早めに帰宅していた父親が部屋にやってきた。

おもらしした妹ー。
興奮して巨大化した股間。
妹の泣き声。

「---あ、、、、え…」

敬之は、このおかしな状況を
どうやって言い訳すれば良いかと、
脳をフル回転させたが、
良い言い訳は浮かばず、こう呟いた。

「おわった・・・」

と。

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

赤ちゃんに憑依されてしまう、というお話でした!
せっかく毎日書いているので、色々な
シチュエーションをやってみたいところです!

PR
小説

コメント