ごく普通の少女が、ある日、目を覚ますと、
視界に「G」の文字が浮かび上がっていた。
何もしても消えないその文字。
果たして、その、真相は!?
驚愕の憑依小説!
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私は近田 景子(ちかだ けいこ)。
ごく普通の高校2年生。
最近は、初めての彼氏が出来て
楽しい日々だったんだけど…
今日の朝、目が覚めてから、変なの。
何が変かって?
私の視界に「G」の文字みたいな
ものが浮かび上がっていて、消えないの。
最初は何かの残像かと思ったけど、
目をこすっても、目薬をさしても、
何をしても消えないの。
正直、すっごいストレス!
そんなに大きなサイズじゃないから、
見えないってわけじゃないけど、
なんだか、凄く邪魔!
今日、学校が終わったら、眼科に
行ってみよっと!
・・・・・・・・・・・・・・・・
「--異常はありませんね」
眼科で眼底検査を受けたけれど、
異常がないって、先生に言われちゃった。
どういうこと?
目にこんなにくっきり「G」みたいなかたちが
浮かび上がってるのに?
「--眼精疲労…
つまりは、目の疲れから来ているものかも
しれません。目薬を処方しておきますね」
先生が目薬を処方してくれた。
そっかぁ、目の疲れかぁ…
「ありがとうございました」
私はそう言って、眼科を後にした。
確かに、よくスマホをいじってるし、
目の疲れ、っていうのはあるのかも!
今日は目が疲れないようにして、
いつもより早めに寝ようっと!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆2日目☆
「・・・・・・・」
私は、恐怖した。
何故ならー
視界に映っている文字がーー
「G」「A」
2文字になっていたから…
どういうこと?
「--元気ないね?」
お母さんが、わたしを心配してくれた。
「--ううん。大丈夫」
大丈夫なんかじゃない。
でも、お母さんに心配をかけたくない。
今日、もう一度放課後に眼科に行ってみよう…。
・・・・・・・・・
「やはり、異常はありませんね」
それが、先生の言葉だった。
確かに、わたしの視界には
「G」みたいなかたちと「A」みたいなかたちが
浮かび上がっているのに!
どういうことなの?
「--原因は、脳の方かもしれません」
そう言われてドキッとする私。
脳に原因ーと
言われるとついつい大きい病気なんじゃないか、と
思っちゃう…
今日は近所の脳外科、やってないから
明日、診察を受けてみよう…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆3日目☆
もういやっ…
どういうことなの??
「---わ、、わたし、どうしちゃったの?」
わたしは思わず、恐怖して
その場に蹲った。
何が恐怖だったのか。
それはー
文字が、さらに一つ増えた。
「G」「A」「M」
寝る度に、一文字ずつ。
絶対何かがおかしい…
「もぅ!邪魔よ!」
叫ばずにはいられない。
邪魔!消えてよ!何なのこの文字ー!
・・・わたしは放課後、脳神経外科を受診した。
優しそうな先生が、脳の検査をしてくれた。
きっと、何かの病気なのかもしれない。
でなきゃ、こんな風に文字が視界に浮かび上がることなんて
あり得ない。
でもーー。
「--異常は、、ありませんね」
先生が首をふった。
「えー?でも、わたしの目に、文字が!」
私は叫んだ。
「---きっと、気にしすぎでしょう」
先生はそう言って笑った。
気に過ぎなんかじゃない。
わたしは、
わたしはーー!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆4日目☆
「G」「A」「M」「E」
何なのよこれ!
ゲーム?
さらに一文字増えた。
今日はもう一度眼科に行く!
どうにかしてもらわないと、
私の視界が文字で埋め尽くされちゃうよ!
「--元気ないね?」
お母さんが私の心配をしている。
「---……目の調子が悪いの」
私はそう答えた。
「そう…スマホのやりすぎじゃない?」
お母さんは何も分かっていない。
スマホのやりすぎで文字が浮かぶわけがない。
私は学校を休んで、
眼科に駆け込んだ。
「先生!助けて!私の目に毎日毎日
1文字ずつ、変な文字が浮かんでくるの…!
G A M Eって書いてあるの!」
私は叫んだ。
でも、先生は首をかしげている。
目にも、脳にも異常がないのだから。
当たり前かも…
「--精神科、ご紹介しますよ」
先生はす言った。
「--ふ、ふざけないで!私はおかしくなんてないの!」
私は思わず叫んでしまった。
周囲の患者が、私の方を見る。
先生が可哀想なモノを見る目で、
私を見る。
「もういいです!」
何なの!
何なの!
誰か、助けてよ!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆5日目☆
「G」「A」「M」「E」 「O」
何よコレ…
どこまで増えるのよ…
一文字人文字は小さいけど、
文字がどんどん増えていく。
どうすればいいの…?
どうすれば、この文字を、消せるの?
わたしの視界はこのまま、文字で
埋め尽くされちゃうの?
私は気づけば、死んだ目で
精神科を訪れていた。
精神科の先生は
「思春期のストレスでしょう」と告げ、
私に精神安定剤を処方した。
それを飲んでみる。
でも、文字は消えない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆6日目☆
「G」「A」「M」「E」 「O」「V」
また増えた
何の文字が出るか、わたし、分かっちゃった。
げーむおーばー。
ふふふ…
わたし、死ぬのかな?
ふふふ、なぁにこれ、、笑えるんだけど。
ゲームオーバーが表示されて死ぬとか。
ふふふ・・・
もう、どうにでもな~れ!
増えるところまで増えちゃえ!
あはははははははっ!
学校?
今日は土曜日だから休みだよ!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆7日目☆
「G」「A」「M」「E」 「O」「V」「E」
「ねぇ…お母さん!助けて!」
私は叫んだ。
もう、いやだ!助けて!誰か!
文字が消えない!消えない!
目を開いていても、つぶっていても、
私には、ギラギラ光る7つの文字がみえる
「はぁ・・・はぁ・・・」
先生に言われた分よりも多く
精神安定剤を飲む私。
でも、回復なんてしない。
「--おい、どうしたんだ?最近おかしいぞ」
お父さんが言う。
「--きっと、疲れてるのよ」
お母さんが言う。
違うー
違う違う違う違う違う
うわあああああああ!
私は、部屋に駆け込んで、
ドアを力強く閉めた。
「助けて…誰か、誰か助けて」
怖い、怖い、怖い。
私は狂ってしまったのかー
どうしたらいいの。
目を開いても、
閉じても、
そこには常にGAME OVE の文字。
きっと、明日には「R」が追加されて
GAME OVER になる。
そしたら
どうなってしまうの?
「---もう!」
私は部屋で怒り狂ったように暴れて、
そのまま眠りについた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆8日目☆
「G」「A」「M」「E」
「O」「V」「E」「R」
げーむおーばー
ついに揃っちゃった。
だから何ヨ・・・!
私は・・・
こんな文字に・・・
・・・!?!?!?
今まで、輝いている感じだった文字が急に
真っ赤に・・・?
なにこれ・・・
え・・・
え・・・???
ゲームオーバーの文字がどんどん大きく・・・
か、体が動かない・・・
あ・・・た、、助け・・・!?
こ・・・声も出ない・・・
体の感覚がなくなっていく。
踊るゲームオーバーの文字。
なにこれ・・・
わたし・・・
どうなっちゃ・・・
あ・・・
な・・・にも考えられ・・・な・・・い
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「---おはよ~!」
景子は、いつもにましてご機嫌そうに
登校した。
「よぅ」
背後から一人の男子生徒が声をかける。
「その様子だと、ようやく憑依完了ってとこか?」
男が言うと、
景子は、スカートを触りながら「まぁね」と微笑んだ。
景子は、クラスメイトの不良男子に
憑依されてしまっていた。
昨日までの怯えた表情が嘘かのように
自信に満ち溢れた表情で、
声をかけてきた男子生徒を見つめている。
「---っかし、悪趣味だよなぁ?
景子ちゃんの怯える様子を堪能してから
完全に乗っ取るなんて?
乗っ取ろうと思えば、1分もあれば
乗っ取れたはずなのに。」
男子生徒が言うと、景子は笑った。
「ふふふ…”わたし”の怯える感じ…
最高だったわよ」
胸を触り、
舌で唇を舐めながら笑う景子。
「景子ちゃんの身体の中に入り込んで
視神経を支配して、
”幻覚”を見せて、景子ちゃんを怖がらせるなんてな。
景子が見ていた
「G」「A」「M」「E」
「O」「V」「E」「R」の文字…
あれはー
憑依した男が、景子の脳に潜み、
視神経を支配し、
視神経に偽りの信号を送り、
景子に見せていた幻覚。
目の病気でも、
脳の病気でもない。
既に、景子はGが見え始めた日、
憑依されていたのだ。
GAMEOVERを表示していき、
狂っていく景子の姿を楽しんだ後、
男は完全に景子を支配した。
女の子の恐怖に染まる表情を
楽しみ、そして、自分が女の子になる。
彼は、1回の憑依で二粒の楽しみを
味わったのだ。
「---ってことで、今日から俺が、
ううん、わたしが景子!
よろしくね!」
色っぽく景子がほほ笑むと、
一緒に居た男子生徒は顔を赤らめながら頷いた。
おわり
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コメント
一風変わった憑依小説でした!
人の中に入り込む、ということは
意識を支配する以外にも
できることがあるんじゃないかな~
なんて、思ってみたり…。
コメント
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色々なパターンの乗っ取り方見てみたいですね!
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> 色々なパターンの乗っ取り方見てみたいですね!
ありがとうございます!
せっかく毎日書いているので、色々なパターンを
これからも作っていきたいです!
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確かにそうですがやり過ぎると・・・自滅フラグ立つかも
自分も妄想だけはなぜか結構捗るから、色々考えます。