とあるお店でクレームがついた。
そのクレーマーは誠意を見せろ、と叫ぶ。
困惑するお店側。
クレーマーが要求する”誠意”とは、
店員の身体だった…。
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とあるコンビニ。
今日もいつものように、忙しい時間を迎えていた。
弁当が売れるー。
タバコが売れるー。
ホットスナックが売れるー。
次々と色々な商品が売れていく。
店長も、レジの方に出て、3台のレジをフル回転させて、
お客様への対応を続けていた。
「ありがとうございました~」
女子大生アルバイトの金原 真琴(かなはら まこと)も
忙しそうにしながらも、丁寧な接客を行っている。
「少々お待ちください~」
真琴の隣では、フリーター男性の宅野 弥助(たくの やすけ)が、
接客を行っている。
「---こ、これはこっちで良いですか?」
店長に尋ねるのは、バイトを始めて1か月の
女子高生アルバイトの真崎 美陽(まざき みよ)
初々しくて可愛らしい店員だ。
店長、真琴、美陽、弥助。
4人はいつものように必死に混雑時間を
乗り越えたー。
「--はぁ…ひと段落かな」
弥助が言うと
「お疲れ様でした」と、
真琴がほほ笑みながら言う。
女子大生アルバイトの真琴は、
綺麗に整った黒髪と、大き目な目が特徴的な
典型的な美少女と言えるような少女だった。
「--あ、あぁ、金原さんもお疲れ様」
弥助が言う。
その時だったー。
ちょっと太り気味の神経質そうな男が店にやってきた。
店長が、レジに立つ女子高生バイトの美陽に
小声で話しかける。
「あの人、すぐクレームつけてくる人だから注意して」
その言葉に、眼鏡女子の美陽は「はい」と小声で答えた。
弥助jは乱れた売り場の整理に向かい、
店長は一度事務所の方に引っ込んだ。
そして、美陽と女子大生の真琴が
それぞれレジの担当をしていた。
「あ、そろそろMチキなくなっちゃうなぁ~」
真琴がそう言いながら、ホットスナックのMチキの
補充作業をやりはじめた。
「---これ」
そのタイミングで、太った男が、
レジにやってきた。
「--いらっしゃいませ~」
愛想よく、美陽が、レジの入力を始める。
今日はクレームになりそうにない。
「--温めお願いできる?」
男が言った。
購入したグラタンの温めだ。
「温めですね~」
美陽がグラタンを電子レンジに入れる。
真琴は、男がよくクレームをつける人物だと
知っているため、ホットスナックの用意をしながらも
注視していた。
近隣の同業のコンビニが、この男にクレームを
つけられた挙句、閉店になってしまったのだ。
理由は不明だが、SNSによれば店員の人が
乱交を始めたのだとか。
「--20秒多めで」
男がグラタンのさらなる加熱を要求した。
言われた通りに加熱する美陽。
そして、電子レンジ調理が終わる。
グラタンを取り出して持つ、美陽。
しかし、20秒も多く加熱していたことでー
悲劇が起きた
「あつっ!」
思わずグラタンを落としてしまう美陽。
「---あ、申し訳ございません。
今、新しいモノとお取替えしますので」
容器が壊れて、グラタンが床に散乱している。
「---取り換える?」
男が言った。
「--落ちたグラタン勿体ないだろうがよぉ?あぁ?
ったくよぉ!責任持ってレジやれよ!」
男が怒鳴り出した。
この辺じゃ有名なクレーマー・穂崎 五郎(ほざき ごろう)。
30歳の無職男で、普段は家に引きこもっているが
時々外に出ては、こうしてクレームをつけているのだと言う。
「--も、申し訳ありません」
美陽が頭を下げる。
だが、この男の怒りはとどまらなかった。
「--学生バイトか?へっ!
仕事をなめやがって!」
自分のことを棚に上げて叫ぶ五郎。
そして言った。
「グラタンの交換はいらねぇよ。
でもよ、食べ物粗末にするのは、許せねーんだよな」
五郎の言葉に
美陽は「はい、申し訳ありません」と頭を下げる。
しかし、男の怒りは収まらない。
散々美陽を否定する罵声を浴びせた末に言った。
「--誠意を見せろ」
クレーマーの常套手段である言葉を口にする五郎。
「--は、、はい」
美陽は怖がって震えている。
真琴はカバーに入ろうとしたが、他の接客で手が離せない。
弥助は、わざと気づかないふりをしているようだ。
店長は、事務所で「ドン勝ちだー!」と叫んでいて
クレーム対応をしようとしない。
ゲームで遊んでいるようだ。
「---床に落ちたグラタン、舐めろ!」
男が言う。
「--そ、それは」
美陽の言葉を遮り、五郎はカウンターを
勢いよく叩いた。
「---そ、、それはできません」
美陽が言うと、五郎は不気味に笑いながら頷いた。
「ふ~~~ん、分かったよ。
じゃあ、お前のせいで、大変なことになるよ」
五郎はそう言うと、太った体に汗をポタポタと
流しながらポケットから液体を取り出した。
「憑依薬ー」
そう呟くと、男はそのままそれを飲み干して、
その場に倒れたー。
「--ひっ…!?」
美陽は怯えた様子で、倒れた五郎を見つめる。
弥助は、騒動に関わりたくないのか、
意味もなく、雑誌コーナーの雑誌の並べ替えに
ご熱心だ。
店長は「ぐおおおーーーー!」と事務所で悲鳴を
あげている。
ゲームで負けたのだろうか。
「--せ、先輩、どうしましょう…」
美陽が涙目で、隣にいる女子大生の真琴に声をかけた。
すると真琴が近くにやってきて、
突然美陽の顎をつかんだ。
「--ダメじゃない、
ちゃんとお客様に誠意を見せなきゃ」
真琴は笑いながらも、力強く、美陽の顎を
握っている。
「ひっ…せ、先輩…す、、すみません…」
美陽が涙目で謝ると、
真琴が笑う。
「--だからさ、誠意を見せろってんのよ」
真琴の目から笑みが消える。
いつも優しい真琴が怒るのを見るのはこれが始めてだ
「そ、そんなことより、、た、、倒れたお客様は?」
他の客も騒然としている。
クレーマーの五郎は倒れたままだ。
「---うるせぇな」
真琴が乱暴な口調で言った。
「いいか、今からわたしが、誠意ってものを
見せてやるから、よく見てるのよ」
乱暴な口調で言うと、
真琴はその場に四つん這いになって、
こぼれたグラタンを舌で舐めはじめた。
「--うふぅん♡ これが、誠意よ♡」
甘い声で、床に落ちたグラタンを舐める真琴
「せ、先輩、ちょっと!やめてください!」
美陽が言うが、真琴はグラタンを
舐めるのをやめようとしない
「--辞めないわよ、これがお客様への誠意だもん。
あんたのせいで、わたしがこんな目にあってるの」
真琴はさらに舌を勢いよく動かしてグラタンを
舐めている。
他の客が唖然としてその様子を見ている。
不気味がって出ていく客もいるぐらいだ。
「--や、やめてください、先輩!」
美陽が叫ぶと、
真琴がほほ笑んで立ち上がった。
「じゃあさ、あんたが舐めなさいよ」
真琴が言うと、美陽が首を振った。
「そ、、そんなことまでするなんて、おかしいですよ」
美陽が言う。
「--いいから舐めろってんだよ!」
真琴が大声で怒鳴る。
レジでの騒ぎを聞いた
フリーターの弥助は、トイレに移動した。
とことん関わりたくないようだ。
騒然とする客。
「おら!見せもんじゃねぇぞ!あぁ?」
真琴が激しい形相で怒鳴り声をあげる。
普段おだやかで可愛らしい声の真琴が、
激しく怒鳴りつける。
客のほとんどが退店していく。
「ど、どうしちゃったんですか先輩…」
美陽が泣きながら言うと、
真琴は微笑んだ。
「--あんたが誠意を見せないからこうなるのよ」
そう言うと、倒れている五郎のポケットを勝手に
漁り始めた真琴。
そして、ポケットから何かを取り出す。
「--憑依薬。知ってる?」
真琴の言葉に、美陽が首を振る。
「これ飲むとね、人の身体を乗っ取ることができるの。
それで、わたし、今、この男の人に
身体も心も乗っ取られちゃってるの…ふふふ」
真琴が色っぽく笑った。
「---う、、嘘…」
美陽が恐怖に身体を震わせる。
「--嘘じゃないわよ。うふふ・・・
お前が俺に誠意を見せないから
この女を乗っ取ってやったんだよ」
真琴が笑いながら自分の胸を触る
「くふふ・・・♡ この女、いい身体してるよなぁ!
あはははははははっ!」
両手で胸をわしづかみにしながら笑い続ける真琴。
「--や、やめて!」
美陽が叫ぶと、
真琴が鋭い目付きで美陽を睨んだ。
「--じょ、冗談はやめてください!先輩!
早く救急車を呼ばないと」
美陽はこの後に及んで、まだ、真琴が憑依されたという
事実を受け入れることができていないようだ。
「--冗談?」
真琴が不気味にほほ笑む。
「---じゃあさ、証拠を見せてやるよ!」
そう言うと、真琴が自分の左手をホットスナックを
揚げている油に突っ込んだ。
「ひぃあぁあははははははあぁああああああ!」
悲鳴と笑い声が混じったかのような叫び声を
あげる真琴。
その顔には涙と狂気的な笑みが浮かんでいる。
「わたしがぁこんなことすると思う?
あは、あはははははははははあああぁ
いってええええええええ~~はははははははは!」
真琴が真っ赤になった手を抑えながら言う。
「や、、やめて…お願い!先輩を傷つけないで…!」
美陽もようやく信じる気になったのか、悲痛な叫びをあげる
「--じゃあさ、誠意見せろよ」
真琴が真っ赤になった左手をペロペロ舐めながら笑う。
「---ーーーーうぅ…」
美陽が泣きながらグラタンを舐めはじめる。
その美陽の頭を上から踏みつけて、
美陽の頭を地面にこすりつけた。
「--おら!もっと美味しそうに舐めろよ!あぁ?」
真琴が大声で怒鳴る。
美陽の泣き声と
真琴の怒鳴り声が響き渡る。
店長は事務所で再び「ドン勝ちだ~」と叫んでいる。
何かのゲームをやっているようだ。
弥助はトイレから出てこない。
「---おら!おら!」
真琴が、美陽の頭に唾を吐き捨てる。
「はははは!無様な姿だなぁ!ああ!?」
泣きじゃくる美陽。
そんな美陽を見つめて、
真琴は微笑んだ。
「もういいよ」
その言葉に、泣きながら立ち上がる美陽。
「せ、、、先輩を返してください…」
美陽の言葉に、真琴は笑った。
「じゃあ、もっと誠意を見せろよ」
そう言って真琴はニヤリと笑った。
「今ここで、服、脱げよ」
冷たい口調でそう言うと、真琴は美陽を睨みつけた。
②へ続く
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クレーマーに憑依されてしまった女子大生バイト。
身勝手な要求はエスカレートしていきます!
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