<憑依>身勝手なクレーマー①~誠意~

とあるお店でクレームがついた。

そのクレーマーは誠意を見せろ、と叫ぶ。
困惑するお店側。

クレーマーが要求する”誠意”とは、
店員の身体だった…。

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とあるコンビニ。

今日もいつものように、忙しい時間を迎えていた。

弁当が売れるー。
タバコが売れるー。
ホットスナックが売れるー。

次々と色々な商品が売れていく。

店長も、レジの方に出て、3台のレジをフル回転させて、
お客様への対応を続けていた。

「ありがとうございました~」
女子大生アルバイトの金原 真琴(かなはら まこと)も
忙しそうにしながらも、丁寧な接客を行っている。

「少々お待ちください~」
真琴の隣では、フリーター男性の宅野 弥助(たくの やすけ)が、
接客を行っている。

「---こ、これはこっちで良いですか?」
店長に尋ねるのは、バイトを始めて1か月の
女子高生アルバイトの真崎 美陽(まざき みよ)
初々しくて可愛らしい店員だ。

店長、真琴、美陽、弥助。
4人はいつものように必死に混雑時間を
乗り越えたー。

「--はぁ…ひと段落かな」
弥助が言うと
「お疲れ様でした」と、
真琴がほほ笑みながら言う。

女子大生アルバイトの真琴は、
綺麗に整った黒髪と、大き目な目が特徴的な
典型的な美少女と言えるような少女だった。

「--あ、あぁ、金原さんもお疲れ様」
弥助が言う。

その時だったー。
ちょっと太り気味の神経質そうな男が店にやってきた。

店長が、レジに立つ女子高生バイトの美陽に
小声で話しかける。

「あの人、すぐクレームつけてくる人だから注意して」

その言葉に、眼鏡女子の美陽は「はい」と小声で答えた。

弥助jは乱れた売り場の整理に向かい、
店長は一度事務所の方に引っ込んだ。

そして、美陽と女子大生の真琴が
それぞれレジの担当をしていた。

「あ、そろそろMチキなくなっちゃうなぁ~」
真琴がそう言いながら、ホットスナックのMチキの
補充作業をやりはじめた。

「---これ」

そのタイミングで、太った男が、
レジにやってきた。

「--いらっしゃいませ~」
愛想よく、美陽が、レジの入力を始める。
今日はクレームになりそうにない。

「--温めお願いできる?」
男が言った。
購入したグラタンの温めだ。

「温めですね~」
美陽がグラタンを電子レンジに入れる。

真琴は、男がよくクレームをつける人物だと
知っているため、ホットスナックの用意をしながらも
注視していた。

近隣の同業のコンビニが、この男にクレームを
つけられた挙句、閉店になってしまったのだ。

理由は不明だが、SNSによれば店員の人が
乱交を始めたのだとか。

「--20秒多めで」
男がグラタンのさらなる加熱を要求した。

言われた通りに加熱する美陽。

そして、電子レンジ調理が終わる。

グラタンを取り出して持つ、美陽。
しかし、20秒も多く加熱していたことでー
悲劇が起きた

「あつっ!」
思わずグラタンを落としてしまう美陽。

「---あ、申し訳ございません。
 今、新しいモノとお取替えしますので」

容器が壊れて、グラタンが床に散乱している。

「---取り換える?」
男が言った。

「--落ちたグラタン勿体ないだろうがよぉ?あぁ?
 ったくよぉ!責任持ってレジやれよ!」

男が怒鳴り出した。

この辺じゃ有名なクレーマー・穂崎 五郎(ほざき ごろう)。
30歳の無職男で、普段は家に引きこもっているが
時々外に出ては、こうしてクレームをつけているのだと言う。

「--も、申し訳ありません」
美陽が頭を下げる。
だが、この男の怒りはとどまらなかった。

「--学生バイトか?へっ!
 仕事をなめやがって!」

自分のことを棚に上げて叫ぶ五郎。

そして言った。

「グラタンの交換はいらねぇよ。
 でもよ、食べ物粗末にするのは、許せねーんだよな」

五郎の言葉に
美陽は「はい、申し訳ありません」と頭を下げる。

しかし、男の怒りは収まらない。
散々美陽を否定する罵声を浴びせた末に言った。

「--誠意を見せろ」
クレーマーの常套手段である言葉を口にする五郎。

「--は、、はい」
美陽は怖がって震えている。

真琴はカバーに入ろうとしたが、他の接客で手が離せない。
弥助は、わざと気づかないふりをしているようだ。
店長は、事務所で「ドン勝ちだー!」と叫んでいて
クレーム対応をしようとしない。
ゲームで遊んでいるようだ。

「---床に落ちたグラタン、舐めろ!」
男が言う。

「--そ、それは」
美陽の言葉を遮り、五郎はカウンターを
勢いよく叩いた。

「---そ、、それはできません」
美陽が言うと、五郎は不気味に笑いながら頷いた。

「ふ~~~ん、分かったよ。
 じゃあ、お前のせいで、大変なことになるよ」

五郎はそう言うと、太った体に汗をポタポタと
流しながらポケットから液体を取り出した。

「憑依薬ー」
そう呟くと、男はそのままそれを飲み干して、
その場に倒れたー。

「--ひっ…!?」
美陽は怯えた様子で、倒れた五郎を見つめる。

弥助は、騒動に関わりたくないのか、
意味もなく、雑誌コーナーの雑誌の並べ替えに
ご熱心だ。

店長は「ぐおおおーーーー!」と事務所で悲鳴を
あげている。

ゲームで負けたのだろうか。

「--せ、先輩、どうしましょう…」
美陽が涙目で、隣にいる女子大生の真琴に声をかけた。

すると真琴が近くにやってきて、
突然美陽の顎をつかんだ。

「--ダメじゃない、
 ちゃんとお客様に誠意を見せなきゃ」

真琴は笑いながらも、力強く、美陽の顎を
握っている。

「ひっ…せ、先輩…す、、すみません…」
美陽が涙目で謝ると、
真琴が笑う。

「--だからさ、誠意を見せろってんのよ」
真琴の目から笑みが消える。

いつも優しい真琴が怒るのを見るのはこれが始めてだ

「そ、そんなことより、、た、、倒れたお客様は?」

他の客も騒然としている。
クレーマーの五郎は倒れたままだ。

「---うるせぇな」
真琴が乱暴な口調で言った。

「いいか、今からわたしが、誠意ってものを
 見せてやるから、よく見てるのよ」

乱暴な口調で言うと、
真琴はその場に四つん這いになって、
こぼれたグラタンを舌で舐めはじめた。

「--うふぅん♡ これが、誠意よ♡」
甘い声で、床に落ちたグラタンを舐める真琴

「せ、先輩、ちょっと!やめてください!」
美陽が言うが、真琴はグラタンを
舐めるのをやめようとしない

「--辞めないわよ、これがお客様への誠意だもん。
 あんたのせいで、わたしがこんな目にあってるの」

真琴はさらに舌を勢いよく動かしてグラタンを
舐めている。

他の客が唖然としてその様子を見ている。
不気味がって出ていく客もいるぐらいだ。

「--や、やめてください、先輩!」
美陽が叫ぶと、
真琴がほほ笑んで立ち上がった。

「じゃあさ、あんたが舐めなさいよ」
真琴が言うと、美陽が首を振った。

「そ、、そんなことまでするなんて、おかしいですよ」
美陽が言う。

「--いいから舐めろってんだよ!」
真琴が大声で怒鳴る。

レジでの騒ぎを聞いた
フリーターの弥助は、トイレに移動した。
とことん関わりたくないようだ。

騒然とする客。

「おら!見せもんじゃねぇぞ!あぁ?」
真琴が激しい形相で怒鳴り声をあげる。
普段おだやかで可愛らしい声の真琴が、
激しく怒鳴りつける。

客のほとんどが退店していく。

「ど、どうしちゃったんですか先輩…」
美陽が泣きながら言うと、
真琴は微笑んだ。

「--あんたが誠意を見せないからこうなるのよ」
そう言うと、倒れている五郎のポケットを勝手に
漁り始めた真琴。

そして、ポケットから何かを取り出す。

「--憑依薬。知ってる?」
真琴の言葉に、美陽が首を振る。

「これ飲むとね、人の身体を乗っ取ることができるの。
 それで、わたし、今、この男の人に
 身体も心も乗っ取られちゃってるの…ふふふ」

真琴が色っぽく笑った。

「---う、、嘘…」
美陽が恐怖に身体を震わせる。

「--嘘じゃないわよ。うふふ・・・
 お前が俺に誠意を見せないから
 この女を乗っ取ってやったんだよ」

真琴が笑いながら自分の胸を触る

「くふふ・・・♡ この女、いい身体してるよなぁ!
 あはははははははっ!」

両手で胸をわしづかみにしながら笑い続ける真琴。

「--や、やめて!」
美陽が叫ぶと、
真琴が鋭い目付きで美陽を睨んだ。

「--じょ、冗談はやめてください!先輩!
 早く救急車を呼ばないと」

美陽はこの後に及んで、まだ、真琴が憑依されたという
事実を受け入れることができていないようだ。

「--冗談?」
真琴が不気味にほほ笑む。

「---じゃあさ、証拠を見せてやるよ!」
そう言うと、真琴が自分の左手をホットスナックを
揚げている油に突っ込んだ。

「ひぃあぁあははははははあぁああああああ!」
悲鳴と笑い声が混じったかのような叫び声を
あげる真琴。

その顔には涙と狂気的な笑みが浮かんでいる。

「わたしがぁこんなことすると思う?
 あは、あはははははははははあああぁ
 いってええええええええ~~はははははははは!」

真琴が真っ赤になった手を抑えながら言う。

「や、、やめて…お願い!先輩を傷つけないで…!」
美陽もようやく信じる気になったのか、悲痛な叫びをあげる

「--じゃあさ、誠意見せろよ」
真琴が真っ赤になった左手をペロペロ舐めながら笑う。

「---ーーーーうぅ…」
美陽が泣きながらグラタンを舐めはじめる。

その美陽の頭を上から踏みつけて、
美陽の頭を地面にこすりつけた。

「--おら!もっと美味しそうに舐めろよ!あぁ?」
真琴が大声で怒鳴る。

美陽の泣き声と
真琴の怒鳴り声が響き渡る。

店長は事務所で再び「ドン勝ちだ~」と叫んでいる。
何かのゲームをやっているようだ。

弥助はトイレから出てこない。

「---おら!おら!」
真琴が、美陽の頭に唾を吐き捨てる。

「はははは!無様な姿だなぁ!ああ!?」

泣きじゃくる美陽。

そんな美陽を見つめて、
真琴は微笑んだ。

「もういいよ」

その言葉に、泣きながら立ち上がる美陽。

「せ、、、先輩を返してください…」
美陽の言葉に、真琴は笑った。

「じゃあ、もっと誠意を見せろよ」
そう言って真琴はニヤリと笑った。

「今ここで、服、脱げよ」
冷たい口調でそう言うと、真琴は美陽を睨みつけた。

②へ続く

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クレーマーに憑依されてしまった女子大生バイト。
身勝手な要求はエスカレートしていきます!

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