100万アクセス記念短編!
8つめは「地獄の真実」の後日談。
病死した男の彼女は、数多くの男と関係を持つ悪女だった!
あまりの悪女ぶりに、彼氏も呆れて成仏してしまいましたが…?
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男子大学生・福留 光保(ふくどめ みつやす)は、
病気により、世を去った。
心優しい最愛の彼女である
星川 藍那(ほしかわ あいな)に看取られて…
しかし、光保の死後、藍那は豹変した。
いやー、本性を現した。
藍那は二股どころか、あらゆる男と関係を持っていた。
そのことに激怒した光保は、藍那や、藍那の関係者に
憑依して、藍那の人生を滅茶苦茶にしようとした。
しかしー
藍那の本命の彼氏はー
光保自身の父親だった。
あまりの衝撃に光保はあきれ果てて、
成仏してしまったのだ。
そしてー
あれから2ヶ月。
「宗助(そうすけ)もそろそろ飽きたなぁ」
自分の部屋で、派手な格好をしながら
藍那は微笑む。
外では”大人しくて優しい女子大生”を演じている。
でも、
自分は”可愛い”
こんなに可愛い自分を男は放って置かない。
だからー
藍那は男たちを自分の魅力で、
自分のものにする。
「--ふふふ、男はわたしのアクセサリ-よ」
藍那は、光保の霊が消えた後も、
好き放題やっていた。
大学は光保に憑依された件で
退学になってしまったが、
今は専門学校に通っている。
そこで、新しい彼氏の小田切(おだぎり)とも出会い、
毎日楽しい生活を送っている。
彼女いない暦=年齢だった小田切を誘惑して
手ごまにした。
もちろん、彼はそう思ってはいないだろう。
こちらも奥手で、初々しい女子を
演じているからだ。
今、大学では大人しいメガネっ子を
演じている。
これがまだ、男受けがイイ。
「--ふふ・・・
またプレゼント買ってもらおっと!」
藍那は、悪女の笑みを浮かべたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
藍那は、バイトを終えて
夜の街を歩いていた。
そこにー
藍那のかつての浮気相手の一人ー
眞城幸之助(ましろこうのすけ)が姿を現した。
死んだ光保が、最初にその存在を知った
浮気相手だー。
光保が藍那に憑依して、妊娠したと嘘ぶいて、
幸之助は逃走し、藍那と連絡を絶っていたはずだった。
「よぉ。久しぶりだな」
幸之助が笑う。
「--ーー」
藍那は憑依されている間に、幸之助に連絡を
絶たれており、その経緯を知らない。
「--どうして、わたしの前から姿を消したの?」
藍那が尋ねると、
幸之助がニヤリと笑った。
「クク…お前が妊娠したと言ったからだろ?」
幸之助が、
前と変わらない金髪を輝かせながら笑う。
「-妊娠?」
藍那が思わず声をあげる。
そんなこと言った記憶もない。
「--でもよぉ、妊娠、嘘だったんだってな!
お前・・・、俺以外にもたくさんの男、
作ってたらしいじゃねぇか!」
幸之助が怒りに満ちた声で言う。
「--ほ、、本命は幸之助く…」
「--うるせぇ!このビッチ女!」
幸之助が叫んだ。
そして、ナイフを取り出すと、
幸之助はそれをペロリと舐めた。
「--俺をよぉ、騙した罪は、
高くつくぜ!」
藍那は思い出したー。
幸之助は、高校時代と中学時代に、2度、
傷害事件を起こしているー。
超がつくほどの危険人物なのだ。
「---ひっ!」
藍那は逃げ出した。
そして、男の一人の電話をかけようとする。
しかしー
スマホの充電を忘れていて
電源が切れてしまっていた。
「--役立たず!」
藍那はスマホを怒りにまかせて振ると、
後ろを追ってきている幸之助から逃れるために、
全力疾走したー
ただ、ただ、逃げたかった。
もしかしたら、自分は
殺されるかも、しれないー
ふと、今までに、自分と付き合った男の
中で、一番優しかった男の顔が浮かんだ―。
病気で世を去った光保の顔がー
「--光保ーー助けて…!」
藍那は目に涙をうかべながら呟いた。
しかしー
その声はもう、届かないー
そして、
仮に届いていたとしても…
「や…やめて…助けて!」
人気のない林の中に逃げ込んだ
藍那は転んでしまった。
男は手玉に取るもの。
そう思っていた藍那は
全力で命乞いをした。
「--藍那ぁ、俺を裏切ったってことが
どういうことだか、教えてやるよ!」
幸之助はナイフを手に、
藍那の髪を引っ張った。
幸之助に、藍那を殺すつもりはない。
だが、ちょっと脅してやらなければ気がすまない。
だからー
「やめてぇえええええええ!」
藍那がパニックを起こして、
幸之助を叩き始めた。
「このやろ・・・!」
幸之助と藍那はもみ合いになる。
そしてー
「うっ・・・」
ナイフが、貫いたー。
藍那の、胸を・・・
「あっ…あっ・・・」
藍那は、自分の胸部に刺さったナイフを
見つめて、信じられない、という表情を浮かべる。
「ひっ・・・!」
藍那を殺す気のなかった幸之助も、
驚きの表情を浮かべる。
そのまま逃げる幸之助。
「---いや・・・だ・・・」
藍那が最後に見たのは、
自分を捨てて逃げる幸之助の後姿だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・
気がつくと、一面が花畑のところに居た。
自分は死んだのだろう。
藍那はそう思った。
そしてー
視線の先には光保が背を向けて
立っていた。
光保は、藍那のことを待ってくれていたのだ。
やっぱり、自分には、光保しか居ない!
藍那は目に涙を浮かべながら叫んだ。
「光保ー!」
そう言うと、光保は言った
「待ってたよ、藍那ー」
そして、振り返った。
「--お前を、俺は絶対に許さないー」
光保の顔は、悪魔のように変貌していたー
藍那は、恐怖に顔をゆがめたー
そしてーーー
藍那の永遠の苦痛が始まるのだったー
おわり
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コメント
悪女・藍那は
あの世で光保くんと再会してしまいました。
どうなってしまうのでしょうね・・・。
コメント
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ハッピーエンドありがとうございます!!!
よし今日は何かうまいもん食うわ俺
冗談はさておき、死後苦しむのがまさに本当の地獄かもしれませんね
その後死体は結局白骨化したまま風化されてしまい忘れ去られ、幸之助は発狂死し真相は闇の中、なんてね。