100万アクセス記念短編①~悪の魂 忘れられしモノ~

憑依空間がついに100万アクセスに到達しました!
ありがとうございます!

まさかここまで来れるとは思いませんでした!
本当に一人ひとりの皆様に感謝です!

皆様へのお礼と、記念の意味で、短編を10個お送りします!

まずは
100万アクセス記念短編小説①デス!

①では、憑依空間の初期から時々書いている
「悪の魂」の短編をお送りします!

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検死官・ジョーは
ワイングラスにぶどうジュースを注ぎ、
それを美味しそうに飲みながらテレビを見ていた。

「--私が、みんなを守る!イェイ☆」

美少女が悪の怪人と戦っていく
アニメだ。

このアニメは、15年前ほどにブームを起こし、
10年前には放送終了、現在では
忘れ去られた存在となっている。

ジョーは、
その”忘れられた美少女キャラ”の悪の魂を
引き出した。

「--まさか、テレビの中からも
 悪の魂を引き出せるとはな」

ジョーは、もはや自分の力が神の領域に
到達していることを確信した。

見ていたブルーレイを停止すると、
ジョーは微笑んだ。

「みおんちゃん…
 君に新しい身体を、与えてあげよう」

ジョーはそう呟くと、悪の魂をもっと
悠々自適と外出した。

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とある高校。

”みおん”の悪の魂を持ったジョーは
不気味にほほ笑んだ。

そして、呟く。

「あの子がいいな…」

人気美少女アニメの主人公”みおん”は
ツインテールの少女。

ならば、同じツインテールの少女に
みおんの魂を放り込むべきだろう。

「---それでさ~」
「え~、そうなの~」

校門前で談笑している女子生徒の一人が
ちょうどツインテールだった。

ジョーは、その女子生徒に、
悪の魂を投げつけた。

「ひぅっ!?」
ツインテールの少女が、変な声を出す。

「--!?どうしたの?奈津美?」
もう一人の女子生徒が言う。

ツインテールの少女・奈津美はすぐに、
「え、、あ、、だ、大丈夫」と答えた。

ジョーは笑う。

「どのように、変化していくのか、楽しみだ」

と。

それから1日、2日と
ジョーは、奈津美のことを密かに観察した。

ジョーはカメレオンのように姿を消すこともできるから
見つかる心配はないのだ。

「---…」
奈津美は、いつもと変わらず生活している。

「--やはり、2次元から取り出した魂では、
 人間を浸食できないのか?」

ジョーはそう呟いた。

その時だった。

「--どうしたの?奈津美?:」
一緒に居た女子生徒が奈津美の異変に気付いた。

奈津美はーー
泣いていた。

「--え?あ、、、あれ?どうしてだろう??
 私、何で、涙なんか?」

奈津美は混乱した様子で自分の涙をふき取った。

ジョーは確信した。
”みおん”の魂に奈津美が浸食され始めていることに。

「--浸食は芸術だ」
ジョーはそう呟くと、奈津美の様子を嬉しそうに見つめ続けた。

その夜ー

奈津美は、自分の自宅で、
一人、泣き続けていた。

「どうして、みんな、わたしを忘れちゃうの…
 どうして…
 あんなに、あんなにわたしのこと…」

奈津美はただただ涙を流している。

「--わたし…わたし…」

ジョーはニヤリと笑みを浮かべて、
消していた姿を、普通の状態に戻し、
奈津美の前に姿を現した。

普通は、自分の部屋に見ず知らずの男が現れたら、
驚くものだろうが、
今の奈津美にはそんな余裕もなかった。

「---世間では、
 美少女戦士みおん はもうオワコンになっている」

ジョーはそう呟いた。

「--お、、おわこん・・・?」
奈津美は泣きながらジョーの方を見る。

「そう。終わったコンテンツだ」
ジョーはドヤ顔でそう呟いた。

検死官ジョーは”悪の魂”というシリーズ自体も
オワコンになりつつあることを一瞬危惧したが、
それは気にしないことにした。

「--ひどい」
奈津美が泣きじゃくる。

ジョーは奈津美の耳元で囁いた。

「私はな、今でもみおんちゃんの大ファンだ。
 どうだ?
 みおんちゃんを忘れたやつらに、復讐しようではないか?」

ジョーがそう言うと、奈津美がジョーの方を見た。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。

高校では悲鳴が上がっていた。

「--どうして!どうしてみんなわたしを忘れちゃうの!」
奈津美が大声で叫んでいる

「あんなにチヤホヤしてたのに!
 あんなに玩具化されてたのに!
 用済みになったらポイ?ふざけないで!」

叫ぶ奈津美。

奈津美は叫びながら教室で暴れていた。

周囲のクラスメイトはまるで意味が分からんぞ!と
言わんばかりに困惑している。

「---奈津美!どうしたのよ!」
友人が叫ぶ

すると奈津美は鋭い目付きでその子を睨み
怒鳴りつけた。

「わたしはみおんよ!」

唖然とする周囲。

ジョーはその様子を見ながら笑った。

「この子も、浸食されたか。」
そして、興味が失せたかのように、
ジョーはその場から立ち去って行った。

「--私が、みんなに復讐する…くくく☆」
奈津美は、
かつてのみおんの決め台詞をもじったセリフを言うと、
クラスメイトたちに襲い掛かった…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夜。

ジョーはベートーベンの曲をピアノで
奏でながら悦に浸っていた。

音程は外れていて、どうしようもない。

ジョーがテレビに視線をやる。

そこには
”憑依空間100万アクセス記念”と書かれていた。

「--ひょういくうかんひゃくまん?」
ジョーはそう呟くと、ほほ笑んだ。

「--どこの馬の骨だか知らんが、
 ま、私には関係のないことだ」

そう言うと、ジョーは立ち上がった。

月を見つめて微笑む。

そして、呟いた。

「わたしはまだ、オワコンではないー」
と。

おわり

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コメント

久しぶりの悪の魂を100万アクセス記念に
書いてみました!
オワコン…いえいえ、今後も定期的に
書きますよ~

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憑依<”悪の魂”>

コメント

  1. より:

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    オワコンってそういう意味だったのか。
    普通に聞いても雑魚共にバカにされるだけだからこうやってこっそり知識を得てます。
    ただオワコンかどうか分からないが、一部ファンにはかなり年月が経ってもいまだ根強い人気があったりするから、そういう点ではまだ終わってない、のかなあ?と思ったりも