<皮>皮の中に潜むモノ

一見すると、何の変わりもない少女ー。

しかし、彼女達は、支配されていた、
内側に潜むモノにー。

彼女たちは気付いていないー
自らが、皮にされていることにー。

※皮+人格改変のリクエストのお応えした作品です!

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「---ねぇ、きもいんだけど!」
女子生徒の声が響き渡る。

「--ね~本当にきもい!」
横に居たもう一人の女子生徒が笑う。

2人の女子生徒に笑われている男子生徒2人は
美少女キャラクターのカードゲームを持ち合って
それを眺めている最中だった。

「な・・・なんだよ!何が好きだって人の勝手だろ!」
男子生徒の一人が言う。

もう一人も、怒りを露にしている。

「~~そ~いうのがキモいっていうの!」
女子生徒・阿久津 由実(あくつ ゆみ)が言う。

横に居る女子生徒で、妹の
阿久津 愛華(あくつ あいか)も笑う。

「--本当に軽蔑する!
 そんなエッチな格好した女の子のカード
 集めてニヤニヤしてるなんて!」
由実の言葉に、愛華も

「ほんとだよね~最悪!」と笑う。

阿久津姉妹は、
気の強いお嬢様的な性格の持ち主で、
よく、気弱な男子生徒たちをこうして
いじめるような行為を行っていた。

そして、ターゲットにされる男子たちは、
気が弱いため、阿久津姉妹に言い返すことはできない。

この日も、阿久津姉妹は散々男子生徒をからかって
そして笑いながら立ち去っていった。

最近は、
ボードゲーム部に所属する男子生徒2人、
憲太郎と速人の二人が、いじめの対象になっていた。

「--いつも偉そうに」
憲太郎が言うと、速人が呟いた。

速人は細身で、眼鏡の、
ちょっと何を考えているか分からない一面も持つ生徒だ。

「---いいものがあるよ」
速人は、いつもキシシシ…という感じの不気味な笑い方をする。
憲太郎からすると、ちょっとそれが不気味に思えることもあったし、
何を考えているかもわからないようなやつだが、
それでも趣味は合っていたし、
気も合うので、仲良くしていた。

「--これだよ」
速人は、不気味な紫の液体が入った試験管を、
2つほど取り出した。

「それは?」
憲太郎が尋ねると、速人はキシシシ…と笑った。

「--人間を皮にする薬だよ」
速人の言葉に、憲太郎は首をかしげる。

そんな憲太郎の様子を見て、速人は笑った。

「まぁ見てなって」

そう言うと、速人は笑いながら教室から飛び出し、
阿久津姉妹の後を追って、
嬉しそうに走り出した。

「お…おいっ!」
憲太郎の制止も聞かずに走り去る速人。

憲太郎もその後を追う。

速人は、足だけは早かった。
その姿が見えなくなる。

放課後の校舎。
既に、部活終わりの生徒と教職員の半分ぐらいしか残っておらず
人気は少ない。

「きゃああああああっ!」
近くの廊下から悲鳴が聞こえた。

慌てて憲太郎が駆け付けると、
そこには倒れた阿久津姉妹と、
速人の姿があった。

「お、おい、お前、まさか…」
憲太郎は唖然とした。

まさか、この2人を殺したんじゃないか?と。

しかし、速人はキシシシ…と笑った。

「見ろよ!」
速人が言う。

憲太郎が首をかしげながら
倒れている二人を見ると、
倒れている二人は、皮のように
ペラペラになっていた。

「な…なんだこれは?」
憲太郎が驚いて問いかけると
速人は言った。

「こいつらを”皮”にしてやったんだよ」

と。

そういえば、さっき、人間を皮にする薬が
なんとかかんとか言っていた気がする。

「--こいつらを、着てみようぜ」
速人が笑う。

そして、速人は阿久津姉妹の姉・由実の皮の中に
入り、まるで着ぐるみを着るかのように、
それを身に着けた。

うつろな目をしていた由実が
生気を取り戻し、
目の輝きを取り戻した。

「---あ、、、あの…?」
憲太郎が戸惑った様子で話しかけると、
由実が笑った。

「--くくく、僕だよ、速人だよー」

と。

由実の高飛車な雰囲気が歪み、
不気味な笑みを浮かべている。

「--ちょっと試したいことがあるんだ。
 憲太郎くん、協力してくれよ」

そう言って、速人は、憲太郎に
妹の愛華の皮を着るように
促した。

憲太郎は言われるがままに
愛華の皮を身に着けると、
感覚が流れ込んできてーー

「--うわっ、本当に愛華のやつに
 なっちまった!」

可愛らしい声で言う愛華。

「--こいつらで好き勝手やろうってことか!」
愛華が嬉しそうに胸を触りながら言うと、
由実は首を振った。

「いや…違うよ…
 僕たちはね…」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「う…」
由実が目を覚ました。

隣には、愛華が倒れている。

「あ、愛華!大丈夫!?」
愛華を叩き起こす由実。

「う、、、うん、あれ??わたしたち…」
愛華が首をかしげながら起き上がる。

確か、
あの気持ち悪い速人に
追いかけられて、そしてーー

「---…何ともない」
由実が自分の身体を確かめたあとに言う。

「---ゆ、夢だったのかな?」
愛華が不思議そうに言う。

二人は気味悪い思いをしながら
自分の身体を確認したが、どこにも
異常はなかった。

「--帰ろうか」
由実がそう言うと、愛華も頷いて、
二人は学校から下校した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

自宅に帰った夕美は、
自分の部屋で、一つ疑問に思うことを
考えていた。

自分はー、
あの速人とかいう気持ち悪い男子に
襲われなかっただろうか?

何か、とてつもないことを
されたような気がするが、
気のせいだろうか?

けれどー。
何ともないのだから、何ともないのだろう。

なんだか、背中がムズムズするような気がする。

由実は、気味の悪さを感じながら、
”今日はもう、寝てしまおう”と思うのだった。

由実も愛華も知らないー。
自分たちは既に”皮”にされていて、
自分たちは”着られている立場”であることを。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。

学校に登校すると、
そこに、憲太郎と速人の姿はなかった。

二人はー
欠席していたのだ。

「---…あいつら、欠席みたいね!」
愛華が笑いながら言う。

「きっと、変なゲームとかやってて
 夜更かしして体調崩したんじゃない?」
愛華が呆れた様子で言う。

しかしー
由実は、違和感を拭えなかった。

何かがおかしいー

けれど、
その違和感の正体をつかむことはできず、
”焦り”の感情だけが膨れ上がっていく。

自分たちに、何が起きたのかー。

放課後ー

ふと、洋品店の前で、由実は足を止めた。

そこには、露出度の高いスカートや
セクシーな服が売られていた。

「----」
由実は思う。
”ちょっと欲しい”と。

だがー、
阿久津姉妹は、二人とも、
落ち着いた服装を好んでいた。

こんな露出度の高い服は着たことがない。
けれど、無性に、この服を、着たいー。

しかし、由実も妹の愛華も、
こういう格好は嫌いだったし、
むしろ軽蔑していた。

男を誘うような格好はきもい、と
そんな風に言いながら、
笑っていた。

「---……」
それでも、何故か無性にこれが
欲しい。

胸を強調した服ー
見えてしまうのではないかと思うぐらいの
ミニスカート

これを身に着けて
エッチな気持ちになってみたい。

由実は、そんな欲望に
支配されていた。

けれどー、
そんなことを言えば、
妹の愛華から、何を言われるか分からない。

自分たちは、お金持ちの家の生まれだ。
下々のものたちとは、違うのだ。

「---お姉ちゃん」
ふと、愛華が口を開いた。

「---この服、可愛いね」
愛華が手にしていた服は、
由実が見ていたのと同じような
露出度の高い服…。

「--え、、」

愛華は顔を真っ赤にしている。
姉に、何か言われると思ったのだろう。

しかしー

「そ、、、そうだよね!
 わたしもこれ可愛いと思ってた!」

顔を赤らめながら由実も返事をする。

二人は、何で自分たちがこんな服を
着たくなったんだろうと、
思いながらも、嬉しそうに自宅へと帰って行った。

夜ー
二人は自分たちの部屋で、
買ったばかりの服を着て、
ファッションショーを楽しんでいた。

「--うっ♡ あぁ、♡ あっ♡ あふっ♡」
由実が、自分の胸を触りながら笑う

「どうして、、♡ どうして、、♡ こんな、気分にぃ♡」
由実は、興奮を抑えきることができずに、
ひたすらに胸を触り続けている。

「あぁあああああっ♡ ふぁぁあああああああっ♡」
由実は大声で喘いでしまった。

「ーーーーーあ」
由実は、隣の愛華の部屋に聞こえてしまったのでは
ないかと心配した。

こんなことしているなんて、さすがにーーー

「あぁあああああぁああん♡ あぁぁん♡」

ーー!?

隣の愛華の部屋からも喘ぐ声が聞こえてきた。

「--ふふ、、愛華もわたしと同じなんだ!」
由実は嬉しそうに、
大声で喘ぎ始めた。

姉妹の喘ぎ声が家中に響き渡る。

その日から、姉妹は次第に変わって行った。

露出度の高い服を好むようになり、
学校では女子とばかり話をする。

そして、家では、毎晩のように
エッチなことを楽しむようになった。

彼女たちは、気づいていない。
自分たちが”皮”にされていることに。

そして、自分たちが”着られる”側の立場であることに。

彼女たちは”着ている側”の人間の
意思に染まり始めていることにー。

「ーーーうああああああぁぁ♡」

「あぁん…♡ はぁっ♡ はぁっ♡」

由実と愛華は、二人で百合エッチを
楽しみ、燃え尽きていた。

「はぁ…♡ はぁ…♡」
二人は、毎晩のようにエッチなことを
してはー、欲望に身をゆだねていた。

もう、由実も、愛華も、
自分たちの異変に疑問を想うことも
できなくなっていたー。
これが普通なのだとー
これで、良いのだとー。

そしてー

笑いながら、身体を舐めあっていた
由実と愛華がペロリと、真っ二つに割れて、
中から憲太郎と速人が姿を現したー

真っ二つに割れて
笑みを浮かべたままの由実と愛華が
ぺたんと床に落ちる。

裸の憲太郎と速人が二人を半分
着たまま微笑む

「キヒヒヒヒ!どうだい?皮の中で過ごすのは?」
速人が笑う。

「--あぁ、最高だな!」
憲太郎が言う。

「どうするー?
 この2人はもう十分エッチな女に変わり果てたー
 このまま二人から出て行っても良し…
 それともーーー」

速人がそこまで言うと、
憲太郎が答えた
「きまってるじゃねぇか」とー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日

「おっはよ~!」
愛華が教室で元気よく言う。

「おはよ~!」
由実も元気よくクラスメイトたちに言う。

愛華と由実は、
変わったー。

エロくて、イヤらしくて、
男を惑わす女にー。

そしてー
憲太郎と速人は、消息を絶った。

二人はーー
二度と見つかることはなかったー。

何故、見つからないかー。
それは、彼らのみが知るー。

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

リクエストをもとに作品を書いてみました!
もっと時間をかけてじっくり変えていきたかった気もしますが、
とりあえずこんな感じになりました!

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小説

コメント

  1.   より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    リクした者です!無名さんありがとうございます!
    丁寧に書いてもらって凄く嬉しいです。
    心理描写と逆転描写も細かく書いてもらって感動です!
    これからもご活躍期待しています~!応援していますね!
    このたびはありがとうございました!

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > リクした者です!無名さんありがとうございます!
    > 丁寧に書いてもらって凄く嬉しいです。
    > 心理描写と逆転描写も細かく書いてもらって感動です!
    > これからもご活躍期待しています~!応援していますね!
    > このたびはありがとうございました!

    ありがとうございます~!
    こちらこそリクエストありがとうございました!
    本当は2話、3話と使えばもっと丁寧に描けたのですが
    今回はこんな感じになりました!

    楽しんでいただけたのであれば嬉しいです!