憑依に入れ替わり、洗脳まで手にした
凶悪犯罪者の室井を、捕まえて、法の力で
裁くことはできるのか。
さらに過激化する室井の行動を前に、
佐伯警視長の次なる一手は…?
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「--人生は一度きり…」
ショートパンツ姿の女子大生が、笑いながら呟く。
「---法律?秩序?笑わせるな…」
女子大生は、自宅に遊びに来ていた
彼氏をその足で踏みつけると微笑んだ。
「--そんなものに縛られて何が楽しい?
敷かれたレールの上で生きて何が楽しい?」
彼女が語りかける先の、最愛の彼氏は、
既に、死んでいる―。
突然豹変した彼女が、首を絞めて
命を奪ったのだ。
「--人生一度きり、なら楽しもうぜ」
室井哲也に支配された女子大生は
そう言うと、彼氏の亡骸を乱暴に
蹴り飛ばして、そのままエッチを始めたー。
彼氏の命を奪ったばかりの女子大生の
喘ぐ声が部屋に響き渡ったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
佐伯警視官が、地下に秘密裏に
建設された対策本部に
自分の家族を呼び寄せた。
妻の英子(えいこ)ー。
本当は長女も呼び寄せたかったが、
27の長女はもう一人立ちしていて、
呼び寄せることはできなかった。
「--あなた、どういうことなの?」
英子が尋ねると、
佐伯警視長は言った。
「お前は何も心配しなくていい。
私を信じろ」
と。
そして、佐伯警視長は、
次なる対策を考えていた。
室井は、
”憑依”
”入れ替わり”
”洗脳”
3つの力を手にしてしまった。
憑依がどの程度の範囲にまで
届くのか分からない。
この地下まで室井がやってこれるとしたら、
自分が憑依されて、自殺させられる可能性もある。
入れ替わりと洗脳に関しては、
恐らくは、室井本人に近づきさえしなければ
問題はないだろう。
「---大変です!」
部下の春崎が、駆けつけてきた。
「今度は何だ!」
苛立った様子で佐伯警視長が言うと、
春崎が言った。
「--私と数名を除いて、誰も出勤していません」
春崎が言う。
この秘密裏に建設された
地下対策本部には、100名近くの警察官と
スタッフが居た。
しかしながら、春崎によれば、今日は12人しか
出勤していないという。
「--なんだと」
佐伯警視長が唖然としていると
背後のモニターの電源がついた。
「--くふふふ…
ご苦労様で~す!」
可愛らしいOLがモニターに映し出された。
「--貴様!室井!」
佐伯警視長が飲んでいたコーヒーを
モニターに向かって投げつけた。
「--くふふふ…!
佐伯さ~ん、みてみて~!」
馬鹿にするような態度でOLは言う。
スーツはところどころ濡れており、
室井がこの女性で何をしたのか、
その雰囲気からでも分かるかのようだった。
OLの背後のクローゼットを見て、
佐伯は唖然とした。
そこにはー
”皮”のようにペラペラになった
同僚たちの姿があった。
「--はっはーー!!!
お前の部下はな、全員”皮”にしてやったよ!」
そう言うと、OLが笑いながら、
そのうちの一つをつかんだ。
「たとえば、あんたのところで働いていたこの女・・・!」
そう言うと、OLは佐伯の部下だった29歳女性警官の皮を
そのまま着た。
着られた女性は、生気を取り戻し、
ニヤリとほほ笑んだ。
「くふふ・・・わたし、室井様のお洋服になっちゃいました~
な~んちゃって!いひひひひひひっ!」
佐伯は唖然とした。
部下たちが、全員”皮”にされたー
そんなバカなことがー。
「---くっ…」
佐伯警視長は、めまいを覚えて、その場でよろめいた。
「--驚くのはまだ早い!」
昨日まで、部下だった女性警官が叫ぶと、
突然「ひぅ…」と声をあげて倒れた。
「---!?」
佐伯がモニターを見つめながら首をかしげる。
そしてー
佐伯のいる部屋の扉が開いた。
「--英子?」
入ってきたのは、妻だった。
「--ぐふふふふ・・・
わたし、乗っ取られちゃいました
ごめんなさいね!」
妻が微笑む。
「--き…貴様…!」
佐伯警視長が青ざめて言う。
40後半の妻が、
胸を揉みながら笑う。
「くくく、ババアには興味ねぇんだけどよ」
英子が自分のことを蔑みながら
佐伯の方を見た。
「--どうするよ?
人の命をなんとも思わないあんたも、
家族を奪われたら、どうだ?」
英子が挑発的にほほ笑む。
「--くっ・・・」
佐伯が言葉を失う。
「ふふふ、あなたってば
自分勝手ね~!
他人の命はどうでもいいのに、
家族が人質に取られると、
すぐそうなる!」
英子は夫を馬鹿にするかのような
笑みを浮かべたー。
「--あなた如きじゃ、
室井は捕まえられない…
くくく…
お前じゃ俺は捕まえられ…」
バキュン!
銃声の音が響き渡った。
「---かはっ!?」
英子が、信じられないと言う表情で
目を見開いた。
その額には、穴が開いている。
「--黙れえええええ!」
佐伯は持っていた銃を、妻に
何度も何度も撃ち込んだ。
その衝撃で、床にたたきつけられる英子。
「きひひ……
前にも、、、、自分の恋人を撃った警官がいたよ…」
英子は血まみれになりながら笑う。
「でも……ざんねんだなぁ……
おれは……しなないんだよ…」
英子はそう言って息絶えた。
室井は、英子の遺体から離脱する。
「ーー許さん。絶対に…絶対に
叩き潰してやる」
佐伯は、目を涙で濡らしながら
怒りを爆発させて、壁を何度も何度も
殴りつけた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
佐伯警視長のやり方は
さらにエスカレートした
「ヤツが憑依できるのは、
憑依薬というものが存在するからだ。
憑依薬を根本から絶てば
室井はどうすることもできなくなる」
佐伯警視長の言葉は確かに正しいかのように思えた。
「--憑依薬を製造できる能力を有すると思われる
企業・工場、全てに立ち入り検査を行う。」
佐伯警視長の言葉に、
わずかに残った部下たちは反論した。
「---しかし、この人数では…
ほとんどの仲間が”皮”にされてしまいました
それに室井は、憑依・入れ替わり・皮・洗脳
あらゆる力を持っています。
もしかすると薬の力だけではないかも…」
警官が言うと
佐伯は叫んだ。
「--いいか!?私の妻が殺されたんだ!
これ以上は許されない!
疑わしきは罰する!
全てを根絶やしにするのだ!
少しでも怪しい企業や工場は、
全て叩き潰す」
佐伯警視長は、妻を失い、
常軌を逸脱していた。
「--海外の工場かもしれません」
部下の春崎が叫ぶと、
佐伯は言った。
「--おい、若造。
海外がなんだ?
海なら越えればいい。
海を越えて全世界を捜索しろ!」
佐伯の言葉に、春崎をはじめとする部下は
黙り込んでしまった。
できないのだー
人員的にも。
そして、法律的にも。
海外で、佐伯警視長が、過激な行動にでれば
それこそ、国家レベルの戦争になりかねない。
そんなこと、絶対にできないのだ。
「--佐伯警視長」
パソコンを操作していた部下が言った。
「--大変です。これを、ご覧ください」
部下は気まずそうに、
動画をスクリーンに映し出した。
「--30分前に、動画サイトに投稿された動画です」
佐伯警視長は、その動画を見て、目を見開いた。
「--今から、わたしの裸、見せちゃいま~す!うふふ♡」
最愛の娘が、笑いながら、服を脱ぎ捨てていく。
服を野獣のような笑みを浮かべて、
破り捨てている。
「--典子!」
佐伯警視長の一人娘・典子が、
室井に憑依されて、自分の身体を動画サイトに投稿したのだ。
「---室井~~~~~~!」
佐伯警視長は顔を真っ赤にして叫んだ。
「ねぇねぇおとうさん~
わたしが憎い??
こんな恥ずかしいことしちゃったわたしが憎いでしょ~?」
動画で佐伯に呼びかける娘。
そして…
「私に遭いたければ、
今日の18時、一人で東地区の廃工場に来なさい…
うふふふふっ♡」
そう言うと、娘は裸になった自分の身体を
嬉しそうに抱きしめて、動画は終了した。
佐伯警視長は時計を見ると
ただちに立ち上がった。
「--佐伯警視長!罠です!」
春崎が叫ぶ。
しかし、佐伯は聞く耳を持たずに、
地下対策本部から地上へと向かった。
「・・・・・・」
春崎は、残りの同僚にこの場を任せると、
暴走した佐伯警視長の後を追って、
地上へと向かった。
地上へ向かうエレベーターに乗りながら
春崎は”とある作戦”を思いついた。
これならー
室井を葬ることができるかもしれない、と。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
18:00-
佐伯警視長は指定された場所へと
やってきていた。
銃に弾が入っていることを確認する。
「典子ー」
佐伯警視長は娘を溺愛していた。
「---遅かったじゃない」
佐伯の前に、一人の少女が姿を現した。
可愛らしいロングヘアーの制服姿の少女。
室井に憑依されているのだろう。
「--始めまして、わたしは南波 裕香(ななみ ゆうか)」
裕香と名乗った女子高生が笑うー。
「南波ー?」
佐伯警視長は、その苗字に反応した。
「--うふふ・・・、
南波警視総監の孫娘の裕香です!ふふっ!」
警視総監の孫ー。
「--き、貴様!警視総監の娘にまで」
佐伯が叫ぶと、裕香は微笑んだ。
「--真面目な女の子を乗っ取って
悪いことをさせるのって、
ゾクゾクするよねぇ~」
そう言いながら裕香は挑発的な
笑みを佐伯に送る。
「--くそっ!室井!
お前のおかげで何人の人間が
犠牲になったと思っている!」
佐伯が叫ぶと、
裕香は笑った。
「--人生は一度きりー。
なら、楽しまなくちゃ。
自分の信じた道を」
裕香が邪悪な笑みを浮かべて笑う。
「---わ、、私の娘はどこだ!」
佐伯が叫ぶと、
裕香が笑った。
「---あぁ、あんたの娘ね。
27より、JKの方がいいから、
もう捨てたわ」
裕香が髪をいじりながら笑う。
「~~ほら、このスベスベの肌!
27の女より、そそるよなぁ!」
そう言うと、裕香は自分の手の甲を
ペロリとなめた。
「--貴様!まさか!」
佐伯警視長は叫ぶ。
娘は、殺されたのか?
「--安心しなさい。
殺しちゃいない」
そう言うと、裕香は奥から何かを引っ張り出した。
裸で四つん這いになり、鎖でつながれた
佐伯警視長の娘・典子だった。
首輪で繋がれた典子は、
舌を出しながらハッハッ、とよだれを垂らしている。
「--”自分は犬だ”と思い込ませる洗脳をしたの!
今じゃわたしのペットよ!あはははははっ!」
笑う佑香。
佐伯警視長は拳を握りしめていた。
「--ほ~ら!」
裕香がフリスビーを投げると、
典子が犬のように走りながら
それを口でキャッチして、裕香のもとに持って行く。
「--きゃはは!よ~くできました~!」
裕香は、四つん這いの典子の顔面を蹴り飛ばした。
「貴様~!」
佐伯警視長が叫び、裕香に殴りかかろうとした。
しかし、
裕香は機敏な身のこなしでそれをかわすと、注射器を
取り出して、佐伯警視長の首に刺した。
「かっ…」
慌てて佐伯警視長はその注射器を投げ捨てる。
「---ふふふ」
笑う裕香。
「--な、何をした?」
佐伯警視長が、恐怖で表情をゆがめると、
裕香は言った。
「--あんたには、女の子になってもらうわ…!
くふふふふふ♡」
女体化の薬―。
室井は、新たに女体化の薬も手に入れていた。
「----…!」
佐伯警視長の胸が膨らみだす。
「--くくく…あははははははははは!」
裕香の笑い声が工場内に響き笑ったー。
④へ続く
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コメント
やりたい放題の室井。
次回で最終回です!
その結末はー?
コメント
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たまには警察が逆転するのも見たいです
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> たまには警察が逆転するのも見たいです
コメントありがとうございます!
今回の結末をぜひお楽しみください! とだけ言っておきます!!