憑依とは何か。
憑依に求める快感とは何か。
憑依作品に求める愉悦とは・・・?
憑依好きの皆様に贈る、憑依小説デス★
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とある高校ー。
音楽の授業を終えて教室に戻ってきた
男女二人組。
滝本 和馬(たきもと かずま)と、
その彼女、寺川 陽香(てらかわ ようか)。
和馬は、ごく普通のちょっと正義感の強い男子生徒で、
陽香は、和馬の幼馴染で、心優しい少女。
今日も談笑しながら
教室へと戻ってきた二人。
音楽室から、一番早くに外に出たため、
まだ、だれも教室に戻ってきていない。
「あれ・・・?」
和馬が、とある生徒の机の中に、
目をやった。
「---これって・・・」
和馬が手にしたものは、タバコだった。
机の中から煙草の箱が半分飛び出していたため、
和馬に気付かれてしまったのだ。
森松 順治(もりまつ じゅんじ)。
クラスの中でも素行不良で問題になっている生徒だ。
「--どうするの?」
陽香が尋ねる。
「--どうするって、見ちまったら放っておくわけには
いかないだろ?」
正義感の強い和馬は言った。
そしてー。
森松が戻ってきた。
「---なっ!」
森松は、タバコの箱を持っている和馬を見て叫び声をあげた。
「---森松、これはどういうことなんだ?」
和馬が言うと、
森松は突然、土下座を始めた。
「すまん!すまなかった!
頼む!滝本!言わないでくれ・・・!見逃してくれ!」
森松が必死に頭を下げる。
「--どういうことだよ?」
和馬は呆れた様子で言うと、
森松が叫んだ。
「--いや、また停学になっちまったらよ、
兄貴にぶん殴られちまう・・・!
頼む、今回は見逃してくれ!」
叫ぶ森松。
彼の兄は、筋金入りの悪で、
不良の森松自身も、兄のことをとても恐れている。
以前、停学になった際には散々脅されたようだ。
「---そんなの知らないよ」
和馬が言う。
森松は、顔を上げる。
「--お前の都合がどうあれ、
違反は違反だ。
先生には報告するからな」
和馬がそう言うと、森松は「くそっ!」と叫んで
地面をたたいた。
「--はい!学活の時間を始めますよ~」
担任の、山崎 祥子(やまざき しょうこ)先生が入ってきた。
まだ28歳のスタイル良い美人教師だ。
「--先生!」
和馬が手を上げて、
森松の机に入っていたタバコを提出した。
和馬が事情を説明すると、先生は森松の方を見る。
そしてーー
森松に停学処分が下された。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
夜。
妹の螺菜(らな)から
中学校の勉強が分からない、とダダをこねられた
和馬はため息をつきながらも、1時間かけて
その勉強を教えた。
「えへへ…さっすがお兄ちゃん!ありがと!」
可愛らしいツインテールの螺菜。
その満面の笑みを見ていると、
どんな我儘でも、許してしまう。
「また分からないことがあったら聞けよ~」
と言いながら、和馬は自分の部屋へと戻った。
彼女の陽香とLINEを始める和馬。
しかし、和馬は知らなかった。
既に”悪意”が動き出していることをー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
夜―
森松は、兄から殴られていた。
「ったくお前は小さいころから
本当に、使えねーな!
停学になると、お前が午前中から家に
居て、鬱陶しいだろうが!」
兄に殴られ続ける森松。
しかしー
彼は、兄に対して憎しみを抱かなかった。
自分の事を先生にチクった和馬のことを
憎んで、憎んで、憎み続けた。
兄から暴行を受けながら、
唇を噛みしめる。
そして、呟いた。
「滝本 和馬ァァァァァァァァァ」
彼は、自分が以前手に入れた”憑依薬”の
存在を思い出し、兄に暴行されながらも
笑みを浮かべた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーーー」
生徒会長・黒田 麻美(くろだ あさみ)は
自宅で勉強を続けていた。
昼間の停学騒動には、彼女も呆れていた。
森松のような同級生がいることは、
とても、恥ずべきことだ。
森松は既に、退学直前とも言われている。
”早く退学になってくれればいいのに”
麻美は、そんな風に思っていた。
けれどー。
ガタッ
「--?」
何か物音がした?
麻美は振り返る。
赤淵の可愛らしい眼鏡が特徴的な
麻美は、可愛くて、成績も良いのだが、
少し堅物なところが、キズでもあった。
振り返った先にはーー
透明人間のような姿の、森松が居た。
「ひっ…?な、、森松くん?」
麻美が怯えた様子で言うと、
透明な姿の森松は笑った。
「-ー協力してくれよ」
森松が笑いながら言う。
「--協力?」
麻美が首をかしげながら言うと、
森松は笑った。
「--和馬のヤツへの復讐だ。
あの野郎のせいで、俺は停学になっちまった!
だからよ、お前にも復讐、手伝ってほしいんだ」
森松がニヤニヤと笑っている。
麻美はあきれ果てて言った。
「冗談はやめてよ!
わたしはあなたになんか協力しないし、
そもそも、悪いのはあなたでしょ?
タバコ吸っちゃいけないって、わかってるはずよ」
麻美がそう言って協力を拒むと、
森松は言った。
「そっか。でもさ、別にお前に協力してもらわなくてもいいんだ」
森松の穏やかな声。
諦めたのだろうか。
「---お前の身体さえくれれば」
「---!?」
麻美が驚きの表情を浮かべた直後、
透明な状態の森松が自分の身体の中に
入って行った。
「えっ・・・?」
麻美が驚きの表情を浮かべる。
そしてーー
次第に意識が遠のいていく。
「え、なに・・・やめて・・・!?」
麻美がパニックを起こす。
「た・・・すヶ・・・」
声が出ないことに気付き、
麻美はそのまま部屋から飛び出して
両親に助けを求めようとした。
しかしー
部屋の外に出た時には、
麻美は不気味な笑みを浮かべていた。
「---ふふ・・・
わたし、滝本くんに復讐するの、
手伝うね・・・♪」
麻美は、目に涙を浮かべたまま、
悪そうな笑みを浮かべた・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日。
「これで森松くんも少しは懲りるかしら」
彼女の陽香が言う。
「-さぁなぁ・・・でも、アイツ、これまでも
何回も停学になってるけど、
懲りる様子ないからなぁ」
和馬が呆れながら言うと、陽香も「確かにそうね」と
答えた。
いつものように、談笑しながら教室へと
やってくると、生徒会長の麻美から声をかけられた。
「ねぇ、滝本くん」
和馬に声をかける麻美。
なんだか、いつもと雰囲気が違う気がする。
そう思いながらも、和馬は「うん?どうかした?」と
返事を返した。
すると、麻美は愛想のない様子で言った。
「今日の放課後、お話しできるかしら?」
麻美の言葉に、和馬を首をかしげる。
しかし、特に断る理由もない。
その申し出を受けると、
麻美は放課後に西校舎の空き教室に来るように指定した。
「--何の用かな?」
陽香が言う。
「--さぁ」
心当たりのない和馬は、首をかしげることしかできなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
放課後。
指定された空き教室にやってきた和馬は
目を疑った。
麻美が、机の上に座って、タバコを吸っていたのだ。
「---なっ」
和馬は思わずその場に固まった。
「ーーうふふ・・・どうしたの?滝本くん。
先生に、言いつける?」
麻美が甘い声で笑う。
「な、、ななな、何やってるんだよ、黒田さん」
和馬が言う。
麻美は堅物だが、真面目で素行も良く、
浮いた話も無いようなそんな子だった。
それが、何故?喫煙を・・・?
「ーーや、やめろよ・・・!黒田さん、
そんなことやめろよ」
そう言うと、麻美は、和馬に近づいて
タバコの煙を吹きかけた。
思わず咽る和馬。
「--私だと、言わないんだ?」
麻美は不機嫌な様子で言う。
「森松くんの時は言うのに、
わたしのときは、言わないんだ?」
麻美の言葉に和馬は言葉を詰まらせる。
「だ、、だって、黒田さんは、いつも真面目に・・・」
「へぇ・・・そっかそっか。
私だったらいいんだ?
へぇ~~~そっかぁ~!」
麻美がイラついた様子で近くの
机をガンガンと蹴りながら呟く。
「ーーーそれって差別だよね?
なぁ?差別だよな?
あぁっ?」
麻美が突然凶暴な口調になって、
和馬の胸倉をつかんだ。
「--お、、おい・・・ど、、どうしたんだよ!?」
麻美は煙草を投げ捨てると、
和馬を睨みつけた。
「--ゆるさねぇぞ和馬・・・!
俺だよ、森松だよ!」
麻美が表情をゆがめながら言うと、
和馬から手を離した。
「な・・・なんだと?」
和馬が麻美の方を見ると、
麻美は制服のボタンをいくつか外し、
胸元を見せつけながら笑った。
「くくく、どうだ、生徒会長の胸?
案外、おっきいだろ?くふふ・・・」
麻美が表情をゆがめながら
胸を触っている。
「な、何なんだ・・・おい!黒田さん!」
和馬が叫ぶと、
麻美は、ケラケラと笑いながら言った。
「憑依って知ってるか?」
麻美の言葉に、和馬はごくりと唾を飲む。
そういう、ジャンルの話があることは
知っている。
だが、それはあくまでも、フィクションの話のはずだ。
「今さぁ、俺、黒田さんの身体、乗っ取ってるんだよねぇ、
ホラ、わたし、こんなことするコじゃないでしょ?
うふっ♡ ふふふふふふふっ♡」
麻美が胸を触りながら嬉しそうに笑う
「ふふふふふふっ♡ あぁ、気持ちイイ!
興奮しちゃう♡ 今、ここでヤッちゃおっかなぁ♡」
麻美が顔を真っ赤にしながら笑う。
「や・・・やめろ!」
和馬は、麻美が森松に憑依されているという
話を信じるしかなかった。
そんな和馬を見て、麻美は笑う。
「--俺に謝れ。
今、ここで、土下座をして
”申し訳ありませんでした”と
言いながら、俺の靴の裏を舐めろ」
麻美が強い口調で足をあげながら言う。
「--ふ、ふざけるな!
俺は、死んでもお前になんか屈しないぞ!」
正義感の強い和馬は、それを拒んだ。
「---あっそ・・・。
じゃあ、わたし、このまま校内走り回るけど、
いい?」
胸を曝け出したまま笑う麻美。
「--ふ、ふざけるな・・・」
和馬は、それでも頭を下げることはしなかった。
すると
「そっか・・・じゃあ、面白いことしてあげる」
麻美が言うと、
麻美は突然、何かをぶつぶつつぶやき始めた。
そしてーーー
「ンあぁっ♡ あぁああっ♡ あぁ♡ ううぅぅぅ♡
あぃ・・・ぎっ…ぎぃぃぃぃぃぃあぁああああ♡」
麻美が苦しそうに頭を押さえながらもがいている
「あぁあ♡ 塗られていく♡ あぁ♡ ああぁっ♡
うふふ♡ わたしの、わたしの♡ きおくがぁ♡
塗られて・・・いくぅぅぅぅ♡」
もの凄く苦しそうに、けれども嬉しそうにもがく麻美
「---な、、黒田さん!どうしたんだ」
和馬が叫ぶ
「ーーーーあぁああああっ♡
あぁあああああっ♡
ぎひっ♡ ぎぃぁあぁあああぎっしうあさあ♡」
言葉にならない悲鳴をあげて、
そして、麻美は、動きを止めた。
「---く、黒田・・・さん?」
和馬が言うと、
麻美は笑った。
「---あ~あ、
”わたし”書き換えられちゃった・・・
森松くんに忠実で、わる~い女に・・・」
不気味に笑う麻美。
「な、、、なんだって・・・?」
和馬が言うと、麻美は笑う。
「---憑依した子の記憶を
染めることができるんだよ・・・
黒田さんの思考を塗りつぶしたんだ
こいつはもう、俺に忠実な女だぜ」
麻美が笑いながら言う。
「う・・・ 嘘だ!」
和馬が言うと、
麻美は馬鹿にしたように鼻で笑って言った。
「--お前のせいで、黒田さんの人生、
変わっちまったな!ハハ・・・!」
そう言うと、麻美はふっと糸が切れたかのように倒れた。
そしてーーー
麻美は目を覚ました。
「黒田さんーーー」
和馬が言うと、
麻美は和馬を睨んだ
「--私に話しかけないで!」
そう言うと、不機嫌そうに麻美は
その場から立ち去ってしまった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
土日明けの翌週。
森松の停学が終わったー。
和馬は、彼女の陽香と話しながらも、
生徒会長である麻美の座席を見ていた。
彼女も、まだ登校していない。
「----!!」
和馬は目を疑った。
茶髪になった麻美が、
森松とイチャイチャしながら登校したのだ。
教室に入るなり、キスをして、
嬉しそうに互いの座席に向かう。
ざわつくクラス。
「--く、黒田さん」
和馬が麻美に声をかける。
しかし麻美は「話しかけないでくれる?」と
敵意をむき出しにして言うのだった。
森松が近づいてくる。
「--お前が俺に土下座するまで、
お前の身の回りの女を、どんどん壊して行ってやるよ。
お前に、地獄を見せてやる」
「--ふ、ふざけるな」
和馬は森松を睨み返した。
「---いつまでそう言ってられるかな?
なぁ、麻美!」
森松が麻美に話しかけると、
麻美は笑う。
「そうね・・・わたしみたく
み~んな変えられちゃうかもよ?
あんたのせいで・・・!
きゃははっ!
ま、わたしは今、と~っても幸せだけど!」
麻美の言葉に、和馬は戸惑う。
「---ふざけるな、俺はお前になんか屈しない!
悪いのは、お前だろうが!」
和馬が森松を睨む。
森松は不気味に笑いながら言った。
「ーーいいぜ、後悔するなよ」
「--お前が俺に”土下座”したら
麻美をもとに戻してやる・・・!」
それだけ言うと、森松は座席へと戻った。
和馬も、森松を睨みながら座席へと戻る。
和馬はまだ知らない。
さらなる地獄が始まることをー。
②へ続く
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コメント
憑依好きの人様によるサイト、憑依ラヴァー様の
作風を目指して作った小説です。
わたしなどでは、全然及ばないと思いますが・・・(汗
少し似通った雰囲気の部分もあるかもですが、
お許しください!
最後の展開は、オリジナリティあふれる・・・はずです!
コメント
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僕が一番好きな展開です(笑)優等生が不良に脳を染められて不良になるだなんて最高です。これで特撮系で洗脳悪堕ちというのもアリではないでしょうか(笑)リクエストしたいくらいです(笑)
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> 僕が一番好きな展開です(笑)優等生が不良に脳を染められて不良になるだなんて最高です。これで特撮系で洗脳悪堕ちというのもアリではないでしょうか(笑)リクエストしたいくらいです(笑)
ありがとうございます!
明日以降もゾクゾク展開が待ってます…笑
特撮系洗脳悪堕ち…は考えておきますね~
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PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
投稿お疲れ様です!
個人的にこの展開が一番好きで、憑依→書き換え→バッドエンドの流れがほんとに好きです!
どういった展開になるのか期待です!
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PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
> 投稿お疲れ様です!
> 個人的にこの展開が一番好きで、憑依→書き換え→バッドエンドの流れがほんとに好きです!
> どういった展開になるのか期待です!
ありがとうございます!
結末もなかなか…
楽しみにしていてください!