アイドルの梓紗に憑依した、
ファンの男・シンジは、梓沙に引退宣言を行わせて、
梓紗を自分のものにしようと画策した。
そして、”ファンに対する重大発表”の日が
やってきたー。
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”ファンへの重大発表が行われる”
梓紗の突然の発表に、ファンたちは震撼した。
この時期の重大発表、
そして事務所からの告知の仕方ー、
”梓沙が引退発表をするのではないか”という和差が
ネット上を中心に流れ始めたのだ。
そんな中、重大発表を明日に控えた梓沙は、
自分の部屋で、一人、お楽しみの最中だった。
実は、憑依してから3日間、
ずっと仕事が立て込んでいた他、
女性マネージャーの監視もあり、
なかなか自由にできなかったのだ。
ようやく、今日は自由にできる。
私服に着替えた梓沙は鏡を見つめる。
「ふふ、梓沙の私服姿も可愛い!」
そう言うと、クルッと回って、
スカートをふわりとさせてみた。
なんとも言えない風の感覚。
「んっん~♪」
梓紗は思わぬ快感に、
何度も何度もクルリと回っては、鏡の前で
嬉しそうに微笑んでいた。
♪~~~~
スマホに連絡が入る。
梓紗は、スマホのロックをスムーズに解除したー。
シンジは、梓沙の”必要な記憶”引き出せるようになっていた。
憑依して梓沙の脳をも支配したのだろう。
だが、あえて”必要以上”の記憶は引き出さなかった。
その方が、ドキドキするからだ。
「--ふぅん、彼氏いるんだ」
梓紗は心底失望した目付きで、LINEの画面を見つめる。
本当だったら、喜ぶはずの彼氏のからのLINEを、
氷のような目線で見つめる梓沙。
”大好きだよ”
と書かれている。
「ふん、バッカじゃないの!」
梓紗は心底嫌悪感を丸出しにして、
吐き捨てるようにして言うと、
”わたしは、アンタなんか大っ嫌い”と
返事を送って
そのままブロックしてやった。
「あ~せいせいする」
手を広げて、ベットの上に寝転ぶ。
そして、自分の胸に手を触れてみる。
「んふっ…♡」
何回触っても、気持ちよくなってしまう。
梓紗は寝転んだまま自分の胸を触ったり、
股を弄んでみたりした。
「はぁっ♡ うふっ♡ はっ・・♡
清楚なアイドルの梓紗ちゃんが…♡ こんなこと、
してるなんて♡」
梓紗はベットの上で体を反り返らせたりしながら、
甘い声を出している。
「--あぁん♡ もう我慢できない♡」
梓紗は、机の上に置かれていた、
ボールペンを手に取った。
”デビューおめでとう”
そう書かれているボールペン。
梓紗にとってはとても大切なモノなのかもしれない。
でもー
「今のわたしは…、
えっちなことしか考えられないから♡」
梓紗は、そのボールペンを自分の秘部に
躊躇なく突っ込むと、
大きな声で喘ぎ始めた。
「んぐぅぅぅぅぅ♡ あひぃぃぃぃぃぃぃっ♡」
あまりの気持ちよさに奇怪な叫び声をあげる梓紗。
グショグショとあそこが濡れ始めて
ボールペンもびしょびしょになっている。
「うふふふふふ♡
梓沙、大切なボールペン、ぐっしょぐしょにしちゃった!
えへへへへへ♡ させちゃってるぅ♡
やばい、興奮が、、トマラナイよぉ♡」
梓紗がビクンビクンと体を跳ねあがらせて、
ベットの上を汚しまくっている。
「はぁ…♡ あぁぁあぁ♡」
汚れきったボールペンをごみのように
投げ捨てると、
「デビューおめでとう」と書かれたペンは、
ドロドロの状態で、床の上にむなしく転がり落ちた。
”中央区の一軒家から、
一人暮らしの男性の遺体が見つかりました”
ふと、さっきエロアニメを見るために使ったテレビからニュースが
流れてきた。
「--はぁ…♡ はぁ…♡」
快感の余韻に浸ったまま、梓沙はそのニュースをなんとなく見つめた。
するとー
”死亡したのは、中央区在住の亀村 真治さん(25)で
あることが警察の調べで分かりました”
「----!!」
梓紗に憑依しているシンジは震撼した。
気持ちよさなど吹っ飛んでしまい、
震えあがる。
まだ3日だー
身体を放置していても、そんなすぐにはー
「ーーー!!」
梓紗は慌てて、憑依薬の出品者である愛染に
電話を入れた。
「--ど、どういうことだ!」
可愛い声で叫ぶ梓沙。
「どういうことって?」
出品者の愛染が購入前とは異なる不遜な態度で
返事をした。
「--お、俺の身体が!俺の身体が!」
梓紗が言うと、愛染は笑った。
「あぁ、この前、落札してくれた人ですね。
残念だけど、君はもう、元の身体には戻れないんですよ。
僕はね、人に憑依しようなんて考える奴らが
死ぬほど憎いんだよ。
だから、君たちのようなやつらに憑依薬を売りつけて、
お金を搾り取り、そして、地獄に落とす。
ま、中には、永遠に女の子になれる、とか言って
喜んでるやつもいるけどね」
愛染の言葉に、梓紗は怒りをぶちまけた。
「ふざけんな!警察に言ってやる!
お前に、悪い評価をー!」
梓紗がそこまで言うと、愛染は言った
「調子に乗るなよ…
お前の出方次第では、お前の家族や知り合い全員を
憑依薬で滅茶苦茶にしてやるぞ」
愛染の怒りに満ちた声に、梓紗は震え上がってしまう。
「僕はお前らの様な人に憑依したいと言う人間から
全てを奪い取ってやる」
何か過去にあったのだろうか?
そう思いながらも、梓沙を奪った後は、自分の身体に
戻るつもりだったシンジは叫ぶ。
「俺の身体を返せ!」
梓紗の声でそう叫ぶと、愛染は失笑した。
「--無理だね。
最初に言ったはずだ
ノークレーム、ノーリターンでお願いします、とね」
愛染はそれだけ言うと、電話を切ってしまった
「くそっ!」
可愛らしいスマホを壁に投げつけて、
梓紗は怒りのままに暴れまわった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日。
梓紗による重大発表が行われる。
「--あなたの好きなように、やってきなさい」
マネージャーが言う。
「はい…」
梓紗はそう答えた。
何故、このマネージャーは、これから梓沙が
発表する内容を気にしないのだろうか。
単に、優しいだけなのか、
それとも…。
まさか梓紗がこの場で引退発表を
するなんて思ってもいないのだろう。
梓紗は笑みを浮かべながら、
ステージ上に姿を現した。
「みんな~お待たせ!梓沙だよ♡」
いつも梓沙がやっているようなポーズを自分が
取って見せる。
シンジは思う。
まさか、自分が梓沙になれるなんて、と。
スカート特有のスースーした感覚を
味わいながら、今ここで、欲望に
狂いたい気分になった。
けれどー
それを抑えた。
梓紗は今日、ここで引退宣言を行い、
表舞台から姿を消す。
そして、この憑依薬の力で、梓紗を染め上げて
自分のものにするつもりだったが…
自分の身体が死んでしまった今、
自分自身が梓沙として、生きていくことにするほかない。
ファンたちがかたずをのんで見守っている。
「--今日は、わたしから重大な発表があります」
梓紗が言うと、
ファンたちがとても悲しそうな目をしているのに気付いた。
ふと、梓紗に憑依しているシンジは思う。
もし、自分が、まだ”向こう側”に居る立場だったら、
やはり、梓沙が引退したら、悲しむだろう。
「--梓紗ちゃん!やめちゃうのかよ…?」
「やめないで!」
引退宣言をするのだと察したファンたちが
悲鳴にも似た声をあげた。
泣いている者もいる。
そしてーファンは、アイドルオタクだけではなかった。
無邪気な親子連れや、
弱弱しそうなおじいさん、
女子大生のような子までー
梓紗はあらゆる人に愛されていた。
「--わたしは、本日で…」
梓紗は、迷いを抱きながらそう呟いた。
会場からは泣き出すものも現れている。
梓紗を引退させて、どうするー?
それに、もう、自分は梓沙として生きていくしかない。
ならーーー
「ーーーわ、わたしは、、今年の夏、
スペシャルライブを開くことに決定しました~」
梓紗はつい、そう言ってしまった。
ファンとしての気持ちが分かるシンジに、
ファンを裏切ることはできなかった。
ファンたちが一斉に歓喜の声をあげる。
何故だか、それを見ていて、
自分も嬉しくなった。
梓紗としてファンと一緒に喜びを分かち合う。
そうだー、
自分は梓沙として生きていこう。
シンジは、梓沙本人の意思のことなど考えずに、
そう決めたのだった。
楽屋に戻ると、美人マネージャーが部屋に入ってきた。
「ねぇ…梓沙ちゃん」
マネージャーが言った。
「はい?」
勝手にライブを決めたことを怒られるのだろう。
梓紗はそう思った。
しかしー
「--どうして?どうして引退しなかったの?」
「--え?」
マネージャーの思わぬ言葉に、梓沙は戸惑う。
「どうして?引退して、所有物にするんじゃなかったの?」
マネージャーが怒りをあらわにしている。
「--えっ…え?」
梓紗は戸惑いを隠せず、混乱した。
「---シンジさん」
女性マネージャーが言った。
「---!!」
梓紗はそのマネージャーの目を見た。
そして、気づいた。
「お前・・・ヨウスケ!」
梓紗のファン仲間、ヨウスケの目つきだー。
まさか…
「そう!僕ですよ!
僕も愛染から憑依薬を買ったんですよ!」
マネージャーがいやらしい笑みを浮かべて笑った。
このマネージャー、憑依されていたのか。
だから、梓沙について何も口出しを…
「--僕も梓沙ちゃんに憑依しようと思ってたんだけど、
あの握手会の日、シンジさんに先を越されちゃいましたからね!
仕方がないから、マネージャーに憑依して、
梓沙ちゃんと一緒になろうとしたんですよ」
マネージャーが不気味笑う。
「引退した梓沙ちゃんと、一緒にえっちなこと
しまくろうと思ってたのに…」
マネージャーの言葉に梓沙は言った。
「だって…ファンのみんなが!」
その言葉をマネージャーはさえぎった。
「うるせぇ!自分ひとりだけ梓沙ちゃんになって
いい思いをしようとしたってそうはいかない!」
マネージャーはスーツを脱いで、梓沙を
押し倒した。
梓紗に馬乗りになったマネージャーは
欲望に満ちた顔で梓沙を見つめる。
「ふふふ…あなたはこれからわたしの
操り人形…。
わたしの言うこと聞いてもらうわよ」
ヨウスケに憑依されたマネージャーが笑う。
「そ…そんなこと!」
反論しようとした梓沙に、マネージャーは言った。
「憑依してること、世間にばらすわよ
そしたら、わたしもあなたも終わり。
わたしは、破滅する覚悟はできてるの」
マネージャーの言葉に、梓沙は震える。
”憑依”のこと明るみになれば、確かに自分は終わる―。
「--ふふふ、分かったらわたしに全てをゆだねなさい」
マネージャーが梓沙にキスをした。
梓紗は黙ってそれを受け入れるしかなかった…
③へ続く
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コメント
今日はここまでです~!
明日が最終回!
私は、アイドルのイベント事情はよく知らないので、
想像で書いています(笑)
実際と違っても、フィクションなので、許してください…!
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