入れ替わり薬を手に入れ、暴走を続ける凶悪犯罪者の室井。
そして、秘密裏にそれを処理しようと躍起になる、警察組織。
数多の女性が踏みにじられていく中、
ついに警察は室井のアジトを突き止めた…!
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「お待ちください!」
娘を室井に奪われた警察官・光輝が、
悲痛な叫び声をあげた。
上層部の男、早川警視正が足を止める。
「---秩序を維持するためには、
多少の犠牲は仕方がない。
既に、御子柴(みこしば)率いるチームを
室井のアジトに送り込んだ」
早川警視正は淡々と語った。
「--じゃ、、じゃあ、私の娘は…!」
光輝が悲しそうに言う。
凶悪犯罪者の室井は娘の身体を奪った。
と、いうことはー
娘は誰かと入れ替えさせられている可能性が高い。
つまりは、別の身体で、室井のアジトに居る可能性が
非常に高いのだ。
「---残念だが」
早川警視正はそれだけ言うと、光輝を放置して
そのまま立ち去った。
「---室井。王手だ」
警視正は、そう呟いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「--あぁん♡ さいこぅっ♡」
女子大生の里音は、
嬉しそうに自分の身体をベタベタ触っていた。
チャイナドレス姿で、自分の太ももを舐めるように
して触っている。
その傍らには、
女子高生の菜月美と、可奈恵が拘束された状態で
その様子を見ている。
菜月美の身体には、警察官の娘である可奈恵が、
可奈恵の身体には、女子大生に扮した潜入捜査、里音の
意識が入っている。
「---あぁぁ♡ 女の子って…さいこう♡」
里音の身体を奪って、里音の身体で喘ぎまくるー。
「---」
もうすぐ、早川警視正が送り込んだチームがここに来るはず。
だが、それまでの間だとしても
自分の身体が弄ばれるのは不愉快だった。
可奈恵になった里音は、自分の一人エッチから
目を逸らす。
「うふっ…♡ あはっ…♡ あははははははははっ♡」
里音が絶頂に達したその時だった。
パァン…!
銃声が響いた。
次々と響く銃声
聞こえてくるのは、室井の配下たちの悲鳴。
「---なにっ?」
里音が叫ぶ。
可奈恵と菜月美の身体を拘束している部屋から
里音が銃を持って外に出ていく。
しかしーー
パァン!パァン!パァン!
容赦ない銃声が響き渡り、
血まみれになった里音の身体は床にたたきつけられた。
「いやあああああっ!」
可奈恵になった里音は叫んだ。
”自分の身体”が撃たれているー
どうして?
早川警視正は、わたしを助けてくれるんじゃ?
彼女はそう思った。
「かっ・・・あ・・・がはっ…」
里音は、信じられないと言う表情で
入ってきた警察たちを見た。
「--け、、警察が…こんなことして…」
里音は喉から声を振り絞った。
「--”表”が全てではない。
終わりだ。室井」
秘密裏に動く警官隊を率いていた男、
御子柴は容赦なく引き金を引き、
里音を射殺したー。
凶悪犯罪者の室井もろともー。
静まり返る部屋。
「---ど…どうして!」
可奈恵が叫んだ。
可奈恵の中には潜入捜査官の里音が居る。
「--わ、、わたしの身体…!
室井を確保したあとはわたしを元に戻してくれるって
警視正は…」
パァン…!
可奈恵の身体が、跳ね上がるようにして衝撃を受け、
痙攣して、間もなく動かなくなった。
「----”跡形もなく消し去れ”と
警視正からの指示だ」
御子柴は、可奈恵を射殺した。
決して表ざたにならない秘密の処理部隊。
それが、早川警視正の率いる部隊。
秩序を保つためなら、
非人道的なこともする。
「あ・・・あぁ…あ」
菜月美がおびえて震えている。
菜月美の中には、可奈恵が居る。
「--お嬢ちゃん。悪いな」
御子柴が銃を向ける
「え…や…やめて!」
菜月美になった可奈恵が叫ぶ
「わ、、わたしは、生田 可奈恵…
父が警察官をやってるんです!
お願いです!わたしはこの人たちの関係者じゃありません!」
既に屍になっている里音の方を見て叫ぶ。
タスカリタイー。
その、一心で。
「---悪いが、それは出来ないんだ。
”入れ替わり”を知る人間は一人でも多く処理しろ
それが、上からの命令だ」
御子柴は銃を菜月美に向けた。
「---け、、警察が、こんなことするんですか!」
菜月美が叫ぶ。
「---警察にも”表”に出来ないことがあるんだよ」
御子柴が引き金を引こうとすると、
背後から声がした。
「やめろぉ!」
可奈恵の父、光輝だった。
「---生田さん」
御子柴は光輝の後輩にあたる人物だった。
「---お前、可奈恵か?」
菜月美の姿をした少女に声をかける。
「---う、、うん・・・」
涙を流しながら答える菜月美。
その横には可奈恵の身体が冷たくなって
横たわっている。
「貴様!」
光輝は御子柴の胸倉をつかんだ。
「---先輩。分かってるでしょう?
きれいごとだけじゃこの世の秩序は保てない。
入れ替わり薬のことが、世間に広まったら、
どうなると思ってるんです?
それこそ、大混乱ですよ。
今までもこうして、表にできない事件を
我々が処理してきた。
だからこの国は平和が保たれてるんですよ」
御子柴の言葉に、光輝は御子柴を睨んだ。
「--それでも、何の罪もない人まで
消す必要はないだろうが」
光輝が御子柴をつかむ腕に力を込めた。
「---先輩…!」
光輝の熱意が伝わったのか、
御子柴は悲しそうな表情を浮かべた。
パァン!
否ー。
”光輝も処理”しなければならなくなったことにー
御子柴は悲しそうな表情を浮かべた
「き…きさ…ま」
その場に倒れる光輝。
「いやぁああああ!おとうさん!」
菜月美になった可奈恵が叫ぶ。
「---ごめんな」
御子柴がそう呟くと、再び銃声がアジトの中に響き渡ったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「---ご苦労だったね」
早川警視正が感情のない声で言う。
「は…」
御子柴が頭を下げて、警視正の部屋から出ていく。
一人になった早川警視正は窓の外を見つめた。
「--これも、世のため。
秩序を維持するためには、犠牲も必要だ」
ガチャ
誰かが部屋に入ってきた。
「---おとうさん!」
早川警視正の娘で、現役女子大生の美亜子だった。
「---ん?どうしたんだ?こんなところまで」
冷徹な早川警視正も、娘の前では”父”だった。
嬉しそうに笑いかける父。
「--おとうさん、忘れものよ!」
そう言うと、美亜子がスカートに隠れた太ももの部分に
巻きつけていたナイフを取り出し、父の首に突き立てた。
「---!?」
早川警視正は首を抑えながら
驚いて目を見開く。
「み…美亜子…?」
美亜子は微笑んだ。
「お父さん…あの世への切符、
忘れてるよ?ふふふ♡」
自分の手を真っ赤に染めながら嬉しそうに言う美亜子。
「---が…あ・・・どうして…?」
驚いたまま必死に声を振り絞る早川警視正。
娘が、その父の身体を乱暴に押し飛ばして、
頭を踏みつけながら言った。
「---俺だよ…室井だよ」
その言葉に早川警視正は薄れ行く意識の中、驚く。
「何故だ…アジトで射殺したはず…」
「事前に強襲されるという情報が入ってな。
あのとき、アジトに居た里音の中には、
もう俺はいなかった。
強襲直前に、近くに居たホームレスを捕まえて
俺とそいつで入れ替わりをした。
俺はホームレスになってアジトから抜け出し、
ホームレスは里音とかいう女の身体になって
喜んでた…
お前らが、俺だと思って射殺した里音とかいう
女の中には俺ではなくそのホームレスが居たんだよ」
美亜子は、狂ったような笑みを
浮かべながらそう告げた。
「---貴様・・・わ、、わたしの娘・・・を!」
警視正が叫ぶと、
美亜子は笑った。
「可愛い女子大生じゃねぇか。
でもさぁ、
わたし、お父さんを殺しちゃうから、
もう人生終わりだね♡
でも、今のわたし、すっごくゾクゾクしてる!」
美亜子が嬉しそうに全身を震わしている。
「わたしの娘を返ーー!」
そこまで叫んだ時点で、首に鈍い痛みを感じて、
早川警視正は息絶えた。
「--はぁ~あ!ばいばい、おとうさん♡」
美亜子が嬉しそうに刃物を放り投げて、
父が座ってた机の上に座り、足を組んで微笑んだ。
「--入れ替わり薬があれば、
誰も俺を捕まえられない!」
「---どうかしましたか!?」
たまたま近くを通った新人婦警が
部屋にかけこんできた。
「こ・・・これは…」
早川警視正が血まみれで倒れていて、
警視正の机の上に足を組んで微笑む
女子大生が居る。
「---あ、、、あなたは・・・」
婦警がそう言うと、
美亜子は笑った。
「あぁ・・・こいつはもう犯罪者だから、
この体に居るのはよくないな」
そう言うと、美亜子は婦警に近づいて、
そのままキスをした。
「---ふ・・・ふふふ♡」
婦警は不気味にほほ笑み、美亜子は倒れる。
「---だ、、誰か!誰か!」
婦警になった室井は大声で助けを呼び始めた。
「---違います!違います!
わたしは、、わたしは!!!」
連行されながら、自分は美亜子じゃないと必死に
叫ぶ美亜子。
だが、周囲の警官はそんな言葉を聞き入れずに
美亜子を連行した。
何故ならー
一般の警察官に”入れ替わり薬”のことは
伝えられていないからだ。
「--ふふ」
新人婦警の有香(ゆか)はそのまま更衣室に向かうと、
自分の私服に着替えて、警察官の制服を
ゴミ箱に捨てた。
「--何が正義だ」
歪んだ表情でつぶやく有香。
「捕まえられるものなら捕まえてみろってんだ」
そう吐き捨てるようにして言うと、
有香は結んでいた髪をほどき、
そのまま嬉しそうに警察署を後にした。
その後の室井の足取りは、誰も知らないー。
彼を捕まえることのできる日は、来るのだろうかー。
おわり
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コメント
逃げられてしまいました・・・。
どうやって捕まえましょうか・・・(汗)
ご覧いただきありがとうございました!
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