怪しげな団体が、”神”を、女子高生に憑依させて
復活させてしまった。
しかしー。
色々あって、その神は女子高生の身体から抜け出した。
清二は、平穏な日常を取り戻したのだった。
儀式の続編です!
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怪しげな宗教団体に拉致された彼女の亜実。
神様に憑依されてしまった亜実。
しかし、清二が困惑している中、
団体の残党が神様を回収し、亜実は助かったのだった。
1週間後。
平穏な日々を送っていた清二だったが…
「---探したぞ」
背後から声がした。
清二と亜実が振り返ると、
そこにはカロリーメイトを大量に持った
女子中学生の姿があった。
「---しもべよ。
また、続きをやろうではないか」
女子中学生が、容姿に似合わぬ口調で喋る。
「---???」
清二が首をかしげると、
女子中学生が近づいてきて、清二の手を掴み、
その手を自分の胸に押し付けた。
「--ちょ、ちょっと?」
亜実が叫ぶ。
「---あぁ…♡ 気持ちイイ…♡」
女子中学生が顔を赤らめる。
「え、ま、、まさか、、神様…!」
女子中学生の身体に憑依させられた神は、
ローブ男を蒸発させ、清二を探し続けていた-
そして、今日、ようやく見つけた。
「--ま、まずいよここは!」
高校の校門前。
絶対にやばいー。
「--うるさい。我を楽しませよ!」
そう言うと、彼女は制服を脱ぎ始めた。
”今度こそ、終わった”
清二は、そう思ったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「---ふふふふ!気持ちよかったぞ!
この前は、ほら!
この前みたいに我の胸を触るが良い」
神様に憑依された女子中学生が
制服を脱ぎ捨て終えると、
体を露出させながら微笑んだ
「お、おい なんだよアレ…!」
「しっ!見ちゃダメよ!」
「警察呼んだ方がいいんじゃね?」
「清二のやつ、何公然エッチしようとしてるんだよ」
周囲の生徒たちがざわめいている。
高校の校門前。
完全にアウトだ。
「だ…だ…だめだって、
服を…服を着て!」
清二が慌てて言う。
やばいよ…
やばすぎるよ。
もう手遅れかもしれないけど、
頼むから服を着てよ。
清二はそう思った。
「服?くだらぬ。
こんなもの、肉体を縛り付ける牢屋のようなものではないか!」
女子中学生が脱ぎ捨てた制服を踏みにじる。
「---中条さ…」
彼女の亜実に助けを求めようとして、
亜実の方を見たー
亜実は、目を逸らしていた。
「え、た、助けて!」
清二は叫んだ。
けれど、亜実は目を逸らしていた。
「ーーひどいよ」
そう呟く清二に、
女子中学生が抱き着いてくる。
「ーーおいおいおいおい やばくね」
「最低っ!」
周囲から、声があがる。
「ぼ、僕だって、好きでこんなことしてるんじゃ…」
清二が言いかけると、
女子中学生は「うるさい!早く準備をするのだ!」と叫んだ。
「えぇぇ…だ、だめだって!この世界にはルールが…」
「え~い!黙らぬか!」
女子中学生に言われて、
清二は困り果ててしまう。
「--こらぁ!何をしている!」
先生たちが駆け付けた。
清二と女子中学生は取り押さえられた。
「--離せ!無礼者!」
少女がわめいている。
「ーーーあ、あの、、僕は…!」
先生に弁明する清二。
しかし、清二も生活指導室に連行された。
やがて、警察も駆けつけてきた。
「--と、いうことなので、関谷君は、
一方的に抱き着かれただけなんです」
先生に、亜実が事実を証言してくれたおかげで
「本当かぁ?」と疑われつつも、
清二はなんとか解放された。
一方の神様に憑依された少女は、
意味の分からないことを叫び続けていた。
「我に対して無礼だぞ!」
少女が叫ぶ。
「---何を言っているんだ君は!」
先生と警察官たちは、困り果てていた。
少女の意図が、まるで分からない
この少女は、、何を求めているのか。
「早くカロリーメイトを持ってこぬか!」
少女が叫んだ。
「ーー莉子!何してるの!」
高校から連絡を貰った母親がかけつけた。
「----」
先生と警察が起きた出来事を説明した。
突然やってきた莉子が、
服を脱ぎだして、生徒の一人に抱き着いた、と。
「り、莉子、どうしてそんなことするの!」
母親が娘に手を振れる。
「---ごちゃごちゃうるさい者どもだな。
カロリーメイトを持って来いと言ったのが
聞こえぬのか?」
莉子が言うと、
母親が「ふざけるのはやめなさい!」と
娘を怒鳴りつけた。
「ーーーふざける…?我が?
ふざけているのはお前たちだろう」
パチン!
母親が莉子をビンタした。
母親の目には涙が浮かんでいる。
「----我に…何をした?」
ビンタされた莉子の目に怒りがにじみ出ている。
莉子の眼が真っ赤に光り、職員室で悲鳴があがった…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
きゃあああああ!
生活指導室から出た清二と亜実の耳に
悲鳴が聞こえてきた。
「悲鳴…?」
亜実が不思議そうに言う。
「--上からだ!」
悲鳴の聞こえた2階に駆け上がると、
そこにはーー
”制服の残骸”が大量に残されていた。
「---愚か者どもが!驚か者どもが!」
女子中学生、莉子が目を真っ赤に光らせて、
生徒たちを蒸発させている。
「ーーーひっ…」
亜実が怯えた様子で声をあげる。
「ーーー」
神様が振り返った。
「ーーか、神…様」
清二も怯えていた。
職員室をチラリと覗くが、誰も居ないように見える。
まさかー。
「ーーーみ、みんなをどうしたの?」
そう問いかけると、莉子は答えた。
「--我を侮辱した。
許さぬ。」
それだけ言うと、莉子は清二の方に
近づいてきた。
「--人間は、我を怒らせた。
その罰を受けさせてやる」
莉子が怒り狂った様子で言う。
「---や、、やめてよ…!
お願いだよ!カロリーメイトなら買ってくるから」
清二が言うと、莉子は首を振った。
「要らぬ。人間は我を受け入れる気がないようだ。
だから、消す」
莉子の言葉に、清二は震える。
「か…神様が、、ルールを守らないから
いけないんじゃないか!」
清二が叫ぶ。
「ルール…?
我には記憶がない…
仕方のないことだろう?」
莉子が当然と言わんばかりに言う。
「仕方なくないよ!僕が洋服に関しては
教えたじゃないか!
神様が僕の言葉に聞く耳を持たなかっただけだろ!」
清二の叫びに、莉子は口を閉ざす
「何が神様だ!
最初はちょっと可愛いと思ったけど、
ただ、傲慢なだけの頭でっかちじゃないか!」
清二の叫びに、莉子は舌打ちした。
そして、亜実の方を見る。
「許さん」
亜実を消そうとしている。
そう感じた清二は神様の前に手を広げて立った。
「消すなら、僕を消せ」
足は震えている。
けれど、亜実を、守る為。
「ーーーーー」
莉子は、清二を睨んでいる。
「--頭でっかちのお前は、
神様なんかじゃない!ただの暴君だ!」
清二が叫ぶと、
莉子は清二をより鋭い目付きで睨んだ。
「ーーーお前を、消すぞ」
その言葉に、清二は手足をガクガク
震わせた。
「消せるものなら、消してみろ!」
清二は、最大限の勇気を振り絞って、
神様を睨んだ。
「・・・・・・・・・」
神様の眼が赤く光る。
「-----亜実」
清二は目を閉じて、考えた。
消える瞬間とは、どういうものなのだろうか。
痛みはあるのか。
それとも、一瞬で…。
”お前の勇気、見事だった。
消えるのは、我だったようだ”
そう、聞こえたー。
「---!?」
清二が目を開けると、
そこにはーー
倒れた女子中学生の莉子ー
そして、職員室には、消されたはずの先生や警察官たちが
倒れていた。
「ーーか、神様!?」
神はーー
清二の勇気に心を打たれて、自分を消す、選択をしたのだった。
「--関谷君!大丈夫?」
清二に駆け寄る亜実。
「う、うん…大丈夫…」
ほどなくして、校舎内は騒然とし始めた…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
神様は、あれ以降、姿を現していない。
本当に、消えてしまったのだろう。
あの神様が、何者だったのか。
それは、清二には分からない。
もう、二度と会うこともないかもしれない。
けれど、清二には、
あの神様が悪い神様だとは思えなかった。
「--暴君なんて言って、ごめんね」
清二は、神様と最初に出会った場所の付近を
通った際に、そう呟いた。
「--あ、今日発売のスイーツ、食べたいな~」
彼女の亜実が言う。
「えぇ?また!?」
清二がそう言うと、亜実は微笑んだ。
「わたしの胸、見たんだよね?」
亜実が意地悪そうに笑う。
なんだかーー
亜実こそ、暴君のような気がしてきたー。
清二は、そんな風に思っていたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
謎の建物内で、
怪しげなローブの男たちが呪文を唱えているー。
神が消えたことにより、
怪しげな宗教団体のメンバーもまた、復活していた。
「---エデン様をお呼びするのだ」
彼らは
過ちを繰り返そうとしていたー。
懲りずにまた、神を呼び出そうとしていたー。
おわり
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コメント
リクエストにお応えして「儀式」の続編を書いてみました!
お読み下さり、ありがとうございます!
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