彼女にとって
”お姉ちゃん”はとても偉大な存在だった。
本当に尊敬していたし、
本当に心から慕っていた。
だが、ある日を境に、それは変化していくー。
※「大好きなお姉ちゃんが憑依される話」というリクエストを元にした作品です!
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わたしは、お姉ちゃんのことがとっても好き!
いつも、優しくて、
いつも、一生懸命で、
とっても面白いお姉ちゃんがー。
妹のわたしから見ても、
お姉ちゃんは美人でスタイルもいいし、
お姉ちゃんには100年かかっても、敵わない!
そんな、お姉ちゃんがわたしは大好き。
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★1日目★
「---何ニヤニヤしてるの?」
突然、お姉ちゃん(近本 美優希(ちかもと みゆき))の
声が背後からして、わたしは驚いた。
「--わっ!お、お姉ちゃん!」
”大好きなお姉ちゃん”のことを考えて一人でニヤニヤしていたなんて
絶対にお姉ちゃんには言えない。
「--何か楽しいことでもあった?」
今日もお姉ちゃんの笑顔が眩しいー。
お姉ちゃんは、高校2年生。
バイトに、学校に、いつも何事にも一生懸命で、
わたしの憧れのお姉ちゃん!
人生の目標って感じかな?
わたしは、中学2年生。
あ、名前は那美(なみ)ね。
わたしは、この世の誰よりもお姉ちゃんが大好き。
「--う、ううん、別になんでもないよ」
わたしはそう答えながら
勉強机に向かった。
お姉ちゃんはクラスでも成績トップ!
わたしもお姉ちゃんに少しでも近づけるように頑張らないとね!
★2日目★
お姉ちゃんより、先に帰ってきたわたしは、
今日も勉強机で勉強中…。
わたしが苦手なのが数学と英語と国語…
って3教科全部じゃんって突っ込みは置いておいて…。
お姉ちゃんと違ってバカだから、
わたしはしっかりと勉強しないと、いけないの。
この前も英語のテスト38点だったし…
・・・。
・・・・・。
20時。
お姉ちゃん、いつもより遅いなぁ…
いつもはもうとっくに帰ってきてるんだけど…。
さっきLINEで”今日は遅くなるね”って連絡が
あったから、大丈夫だとは思うけど、
お姉ちゃんがいないと寂しい。
「--ただいま」
お姉ちゃんの声!
「おかえりー!」
わたしは満面の笑みでお姉ちゃんのほうを振り向いた。
けれどー。
「---チッ」
お姉ちゃんはわたしに向かって舌打ちをした。
え?どうして??
え??わたし、何か悪いことした??
「---部屋…一緒なの」
え???
何???
お姉ちゃんがボソッと言った言葉の意味が理解できず、
私は机で頭を抱えたー。
★3日目★
今日もお姉ちゃんは遅い。
昨日は、一日中不機嫌だった。
いつも明るいお姉ちゃんが、あんなに不機嫌に
なるなんて、何があったんだろう…?
彼氏が居るって、聞いたことはないけど、
彼氏と喧嘩でもしたのかな?
わたしには、分からないけど…
でもでも、お姉ちゃんだって人間なんだし、
そういうこともあるよね…!
「-----ねぇ…」
突然背後からお姉ちゃんの声がした。
「--あひっ!?」
まだ帰ってこないと思っていたわたしは
びっくりして変な声を出しちゃった。
あひっ って何よ…
「---よく見たら、可愛いじゃない…」
え…??え・・・??
お姉ちゃんが色っぽい表情でわたしを見ている。
何この展開??
「---ちょっとだけ、お姉ちゃんと遊んで…ネ?」
え…?
え……??
「お…お姉ちゃん…?」
お姉ちゃんのなんだか
色っぽい雰囲気にわたしは戸惑うことしかできなかった。
ぷるんとした唇がわたしに触れる。
「~~~~~~~~~~!!!」
え、、、え、、、
わたし、お姉ちゃんにキスされちゃった??
「--ふぇえええええええええ~~~~」
興奮のあまり、変な声を出しちゃった…。
大好きなお姉ちゃんにキスされちゃった…
これって、あれかな?
なんだっけ百合とかいうやつ…?
「ふふ・・・お姉ちゃん、興奮してきちゃった♡」
よ、よく見たら、今日のお姉ちゃんは
なんだか雰囲気が違う。
なんだか、大人っぽい服装で、
とっても綺麗…
って、お姉ちゃん、服を脱ぎ始めてる??
「--一緒に、女の興奮に溺れましょ?」
お姉ちゃん、今、なんて…??
あぁ、もうダメ!
これ以上はわたし、おかしくなっちゃう!
「ダ…ダメ!」
わたしは思わずパニクって、お姉ちゃんを
突き飛ばしてしまった。
「---ぎゃっ…」
扉に腰を打ったお姉ちゃん。
「あ、、ご、、ごめん お姉ちゃん…だ、大丈夫?」
わたしが慌ててそう言うと、
お姉ちゃんは舌打ちして、二段ベットの下の段に潜り込んでしまった。
ーーあぁ…ドキドキが止まらない…
大好きなお姉ちゃんの…
大人の一面??っていうのかな???
もうダメ。
わたしは、壊れちゃう…
★4日目★
今日は、お姉ちゃんが帰ってこない。
一体どうしたんだろう?
お母さんも心配してるけど…。
わたしがLINEを送っても、既読がつくだけで
返信が来ない。
不機嫌だったり、
急に大人っぽくなったり…
やっぱりお姉ちゃん、
彼氏でもできたのかなぁ?
なんだか、やきもちやいちゃう!
★5日目★
「ーーーーふん」
帰ってきたお姉ちゃんが、わたしを見て不機嫌そうに
言った。
「--あ、お、、おかえり」
わたしとお姉ちゃんは部屋が一緒だから、
喧嘩をするととても気まずい。
わたしはお姉ちゃんのことが大好きだし、
お姉ちゃんはとても優しいけど、
それでやっぱり喧嘩をすることはある。
人間だし、仕方がないよね。
「---お、、一昨日はごめんね。
急なことだからびっくりしちゃって…」
わたしが謝っても、
お姉ちゃんはスマホをいじったまま、
反応してくれない。
「--お姉ちゃん…ごめんね…」
涙が出てきちゃった…
わたし、嫌われたのかな?
ーー今日は、お姉ちゃんにほとんど口を
聞いてもらえなかった。
そういえば、ベットに潜ったお姉ちゃんが時々、
「うぅ…ん」みたいなうなり声を上げていたけど、
どこか、体調でも悪いのかな?
ちょっと心配。
★6日目★
今日は、友達と話していて、帰りが遅くなっちゃった。
お母さんとお父さんは、今日は仕事で遅いから
居ないけど、
お姉ちゃんを心配させちゃう!
早く、帰らなきゃ。
もう、お姉ちゃん、帰ってきてるだろうなぁ…。
「--うふ…あぁん♡ 気持ちいい・・♡
もっと♡ もっとわたしを滅茶苦茶にして…♡」
部屋の前で、
わたしは変な声を聞いた。
お姉ちゃんの声…?
でも、なんだか変な感じ…。
「美優希…お前は最高だぜ!
こんなエロい女だったなんてな…」
男の声…?
やっぱり、彼氏が出来たんだ。
だからー。
「うふふ♡ そうでしょ?
わたし、えっちな女の子になっちゃったの♡
うふふっ♡」
真面目なお姉ちゃんもやっぱり、
女なんだなぁ…。
中学生のわたしにはよく分からないけど、
お姉ちゃんが気持ちよさそうで良かった。
「--”こいつの身体、乗っ取って正解だったぜ”」
お姉ちゃんが突然、変なことを言った。
”乗っ取るー?”
「--こいつの身体は俺のものだ!!
くくく…
まぁ、妹が居て邪魔くせぇけど、
あいつは放っておけばいいし…」
ーーーーーーーーーーー!!!
お、、お姉ちゃん…
どういうこと…?
「いざとなったらアイツの体に憑依して
廃人にしてやるから…
そうすればこの部屋はわたしだけのものだし…
うふふふふ♡」
部屋の中から聞こえる声。
わたしは、恐怖して、家の外に逃げ出したー。
3時間後…
こっそりと家に帰ると、
お姉ちゃんはもう、ベットで休んでいた。
「た…ただい…ま」
私はそれしか言うことができなかった…。
★7日目★
お姉ちゃんが帰ってきた。
昨日のお姉ちゃんの言葉。
あれはどういう意味だろう。
ショートパンツ姿の、男を誘うような格好の
お姉ちゃんがわたしを見ている。
そういえば…
なんだかここ最近お姉ちゃんが変だ。
ーーーー聞きたい
ーーーー聞かないといけない。
聞いてしまったらわたしは、どうなるか分からない。
けどーー
わたしはお姉ちゃんが大好きだから、
聞かずにはいられなかった。
”体を奪った”
そんなことがあるわけないけどー。
たぶん、えっちするときの楽しみ方の
一つなんだと思うけどーー
でも、不安。
「あのさ…お姉ちゃん」
わたしが声をかけると、お姉ちゃんはわたしを見た。
「---昨日の、男の人とのお話…
あれって…」
わたしはそこまで言って、震えが止まらなくなってしまった。
「--あぁ、聞いたの?」
お姉ちゃんは不気味に笑った。
わたしは”確信”したー
「---あ、あなた誰?
わたしのお姉ちゃんじゃ、ないーーー!」
わたしは、そう叫んだーー
②へ続く
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お姉ちゃんの身に何が起きたのかは、
明日の”おねえちゃん”編で、見てくださいネー!
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