<憑依>儀式③~おわった~(完)

神に憑依された亜実が、
家でとんでもない行動をし始めた。

親からは誤解され、慌てふためく清二。

一体どうすれば良いのか、
途方に暮れる清二の決断は…?

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鼻血を止めた清二は心を落ち着けて言う。

「--あの…
 こ、、これ、、着てくれません?」

清二が、神に憑依された亜実に言うと、
亜実は、不機嫌そうに答えた。

「--なぜ、そのようなものを
 着なければならぬ?
 このほうがラクではないか」

裸の状態の亜実が身体を振り回しながら言う。

「た、、確かにそうかもしれないけど!
 この世界にはルールがあるから」

清二が言うと、
亜実が不機嫌そうに続けた。

「ルール、ルール、ルール、ルール。
うるさいやつだなお前は」

そう言いながら、髪のゴムも乱暴に
引き剥がし、長い黒髪を下に垂らす亜実。

「---あ…」
思わず見とれて顔を真っ赤にする清二。

「--と、、、というか…もう無理!
 お願いだから着て!」
清二が顔を真っ赤にしながらスカートや
下着を亜実のほうに押し付ける。

亜実は、「うるさい!いらぬと言っておる!」と叫び、
スカートを清二の顔に押し付けた。

「ぐふっ…」
清二は、亜実のニオイを味わいながら、
その場に倒れた。

カロリーメイトを食べる音が部屋に響き渡る。

「……あのさ」
清二が、スカートを部屋の隅において、
真剣な表情で聞く。

「中条さん…じゃなくて、神様は…
 一体…何者なのかな?」

清二が尋ねると、亜実は無表情で答えた。

「分からぬ。
 だが、遠い昔に、何かしていた気がする」

無表情でカロリーメイトを食べ続ける亜実。

「…お、覚えてないの?」
清二が聞くと、亜実はそのまま頷いた。

「--我は誰だったのか。
 自分でも良く分からぬ」

そういうと、亜実は、立ち上がって、
清二のほうに近づいてきた。

清二の顔を間近で睨むようにして見る亜実ー。

「------」
亜実とこんなに近くで見つめ合ったことがない
清二は緊張のあまり顔をそむけた。

「---おい」
亜実が、顔を無理やり引っ張って
清二を自分の方に向かせた。

「---~~~~」
清二は顔を真っ赤にしながら亜実を見つめる。

神(?)に憑依されているとは言え、
見た目は亜実。
好きな相手に間近で見つめられて
清二の心臓はバクバク状態だった。

「---あ・・・あの…」
清二がやっとの思いで、声を出す。

「ーーーどうして、僕を…」
”どうして僕を見つめるのか”
そう聞こうと思った。

しかしーー

「----ふっ」
神に憑依された亜実が初めて笑った。

「---変な顔だな」

と。

「---なんだよ!まったく!」
散々緊張させられて何を言い出すのかと思えば
「変な顔」と言われたので、清二は不貞腐れてしまった。

「---それは何だ?」
亜実が指をさす。

そこにはーー
清二の緊張と興奮でズボンが破裂しそうな状態の
それがあった。

「--う、うるさい!放っておいてよ!」
清二が叫ぶ。

「---か、、神様が服を着ないから
 こうなっちゃうんだよ!」

清二が目を逸らしながら叫ぶ。

好きな子が、部屋に上がってきて、
しかも、服を脱ぎ捨てている。
清二に、耐えられるはずがなかった。

「---服?ふん…よく分からんな」
亜実が呟く。

「---ところで…」
亜実がさらに口を開いた。

「---これは、何だ?」
亜実が自分の胸を指さす。

「---はっ…はぁ!?」
清二が声をあげる。

これ以上、自分を惑わさないでほしい。
お願いだから解放してほしい。

清二はそう思った。
心から。

「---そ、、それは…あの、、
 その、色々と…」

狼狽えていると、亜実が、
清二の手をつかんで、自分の胸を触らせた

「~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」

奥手な清二は、爆発しそうな思いで、
震えた。

手から亜実の胸の感触が伝わってくる。

「---あ・・・あぁ…♡
 な、、なんだ♡ き、、、気持ちいい♡」
亜実が声をあげる。

「---も、、、もっとだ・・・!もっと手を動かせ!」
亜実が喘ぎながら言う。

「---い、、、も、、もうこれ以上は僕…」

「いい、、、いいから♡ 言われた通りにするのだ♡ あぁん♡」
亜実が顔を真っ赤にして嬉しそうにしている。

「---もうヤダ…」
清二はそう呟くと、興奮しながら亜実の胸を触り始めた。

胸の感触ー
亜実の喘ぎ声ーー

もうダメだ。

清二は、ズボンが濡れていくのを感じていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

家の外に居た白いローブ男が
とある装置を起動した。

「---まずは、我らが神をお迎えしなくては」

ローブ男は思う。

神は我々のもの。
清二とかいう高校生に連れていかれてしまったのが
誤算だった。

神は、無知だ。
うまく調教すれば、あの力を自分の手にできる

「---吸収装置…起動!」
白いローブ男は謎の装置を手に叫んだ。

これはーーー
”神”の魂を吸収する装置。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「--あぁん♡ あっ♡ アッ♡」

亜実が喘いでいる。

しかしーーー
突然、亜実の身体がビクンとなったー。

亜実に憑依していた神が、
外に居るローブ男の装置によって”回収”された。

「-----」
突然黙り込む亜実。

そうとは気づかずに、
清二は、胸を触り続けていた。

「-----え・・・」
亜実が意識を取り戻した。

清二の部屋ー。
自分の胸を揉む清二ー。
全裸の自分ーーーー

「---いやあああああああああ!!!
 変態!!!!!!!!!!」

大声で叫んだ亜実は、全力で清二をビンタした。

「--えっ…え…えぇぇ!?」
痛みと驚きで戸惑う清二。

「---な、、なにこれ・・・え???
 う、、、うそ…わ、、、わたしに何したの!?」
亜実が目に涙を浮かべながら、近くに投げ捨てられていた
制服で、身体を隠しながら言う。

「----え…え…ぼ、、僕が…僕が聞きたいよ!」

ーーー部屋の扉が開く。

清二が振り返ると、
そこには父の姿があった。

父の形相は鬼のようになっている。

泣きじゃくる亜実。
散らばる制服。

ーーーもうダメだ。

おわった。

清二はそう思った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

神を回収したローブ男は笑う。

この神を手近な少女に憑依させて、
今度は自らの手で調教するー。

無知なものは、自分色に染めやすいー。

あの、マスターを蒸発させた力を
自在に操れるようになれば…。

ローブ男は、ちょうど塾の帰りか何かの
女子中学生を見つけると、
神の魂を、その子に向かって放り投げた…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1週間後。

清二は、なんとか誤解を解くことに成功した。

と、いうのも、亜実自身が、ローブ男たちに
拉致されたところまで覚えていてくれたからだった。

相当時間はかかったが、何とか誤解を解けたのだった。

「-----これ、食べたいな」
ファミレスの新作スイーツを指さす亜実

「え…でも、、お金があまりないなぁ」
清二が笑いながら言うと、
亜実が顔を赤らめて不貞腐れた様子で言う。

「--わたしの…、胸…触ったんだよね?」
上目遣いで清二を見つめる亜実。

「----あ・・・あ・・・、、、た、食べよう!
 スイーツ食べよう!」

清二は、冷や汗をかきながらそう答えた。

「---探したぞ」
背後から声がした。

清二と亜実が振り返ると、
そこにはカロリーメイトを大量に持った
女子中学生の姿があった。

「---しもべよ。
 また、続きをやろうではないか」

女子中学生が、容姿に似合わぬ口調で喋る。

「---???」
清二が首をかしげると、
女子中学生が近づいてきて、清二の手を掴み、
その手を自分の胸に押し付けた。

「--ちょ、ちょっと?」
亜実が叫ぶ。

「---あぁ…♡ 気持ちイイ…♡」
女子中学生が顔を赤らめる。

「え、ま、、まさか、、神様…!」

女子中学生の身体に憑依させられた神は、
ローブ男を蒸発させ、清二を探し続けていた-

そして、今日、ようやく見つけた。

「--ま、まずいよここは!」

高校の校門前。
絶対にやばいー。

「--うるさい。我を楽しませよ!」

そう言うと、彼女は制服を脱ぎ始めた。

”今度こそ、終わった”

清二は、そう思ったー。

おわり

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コメント

「神が憑依する話」のリクエストを元に作りました!
神の憑依は「禁忌の村」という話でもありましたが、
あれとはまた別の内容にできたと思います!

ご覧くださりありがとうございました!

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憑依<儀式>

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