仲良しの高校生カップルに悲劇が起きるー。
謎の宗教団体に捕らえられてしまった彼女は、
団体が崇拝する”神”の器に選ばれてしまう。
彼女の運命はー?
そして、彼女を助けに向かう彼氏の運命はー?
※リクエストを元に作った小説です!
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関谷 清二(せきや せいじ)は、
モテナイ男子だった。
高校2年になるまで、彼女など、一度も出来たことがない。
けれどー
奇跡は起こった。
同じクラスメイトで、同じ美化委員会として
活動していた、女子生徒、
中条 亜実(なかじょう つぐみ)と、
2ヶ月ほど前に付き合うことになったのだ。
亜実は、おしとやかな生徒で、外見上も
とても落ち着いた真面目な女子生徒だ。
清二は、こんな可愛い子が自分の彼女で
いいのだろうか?といつも自問自答を続けていた。
そのせいか、亜実に対しても、必要以上に
気を使ってしまい、変な発言をしたり、空回りするような
ことが多かったー
この前も、
唐突に「な、、中条さんを見てえっちな気持ちになったりとか
絶対にしないから!」とわけの分からないことを言ってしまった。
下校中に唐突にこんなこと言われたら、気持ち悪いだろうな…と
清二も反省していた。
しかし…そんな不器用な清二のことを、
亜実は亜実で、おもしろがっていた。
「---ねぇねぇ、そろそろ1回ぐらい、手をつないでみようよ」
亜実が笑いながら言う。
「----ぶっ!」
飲んでいたペットボトルのお茶を噴出す清二。
「--ちょ、、ちょっと!き、汚い!」
亜実が、そうは言いながらも、面白そうに笑っている。
「--な、何だよ急に…
ぼ、、僕はまだ心の準備が…」
清二が言うと、
亜実は苦笑いした。
「--関谷くんって、本当に奥手だよね?」
その言葉に、清二は「からかわないでよ…」と
苦笑いする。
「--ふふ、でも、そういうところが可愛い」
かわいいと言われて顔を赤らめる清二。
亜実にはいつもからかわれてばかり居る。
けれどー。
真面目で、落ち着いた印象で、
それでいてお茶目な一面もある亜実のことを
清二は本当に大切にしていた。
これからも、亜実のことは、大切にしていきたい…
そう思っていた。
けれどー。
この日、全てが変わってしまうなんて、思いもしなかった。
「---おぉーーー!ついに見つけた・・・!」
背後から声がした。
「---?」
清二が振り返ると、そこには謎の白いローブを
羽織った男たちが立っていた。
「---な、、、何ですか?」
清二が驚いて言うと、
ローブの男の一人が言った。
「-----あなた様こそーー
”神”の器にふさわしい」
ローブの男が、亜実を指差している。
「--あ、、あの…?どういうことですか?」
亜実が怯えた様子で言うと、
ローブの男は不気味に笑うー。
「--ーーー」
ふいに、ローブの男の目が赤く光った。
「---!?」
清二が、驚く。
しかしー
特に何も起こった様子はない。
「-----ー」
亜実が、ふいに、歩き出した。
白いローブの男たちのほうに。
「--中条さん?」
清二が不思議に思い、亜実に声をかける。
しかしー
亜実はうつろな目をしたまま、
ゆっくりと、おぼつかない足取りで
白いローブ男のほうに歩いていく。
そしてー
ローブ男の前で立ち止まる。
「---ふふ、いい子だ」
ローブ男が、亜実の頭をなでると、
そのまま、近くに止めてあった白い車のほうに
亜実を連れて行く。
「え?ちょ…?中条さん?」
清二が叫ぶ。
しかし、亜実は清二の言葉に反応することなく、
虚ろな目をしたまま、車に乗り込んだ。
そしてーー
車は走り去った。
「---え…な、何だよこれ??
ゆ、誘拐?」
清二は、唖然としながらも走り去った車のほうに
向かって、猛ダッシュで走りはじめた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「---おぉ…神よ…」
謎の台の上に、亜実が意思なく、
虚ろな目で立っている。
「---ついにこの日が来たー」
白いローブの男は、
不気味に笑う。
宗教団体、
”ホワイト・エデン”
彼らは、”神”を崇拝する、怪しげな団体だった。
代表の男、通称”マスター”は、
神の古文書を自宅の裏庭から発掘し、
そこに記されていた神のお言葉に従って
この宗教団体を立ち上げたー。
「---さぁ、神よ…
いよいよ復活のときです」
彼らはー
亜実の身体に、神を憑依させて、
現世に神を復活させようとしていたー。
がらっ!
入り口が開いた。
「---はぁっ…はぁっ」
清二が、宗教団体の車を尾行して、
なんとか、追いついたのだった。
「--おや?君は?」
白いローブを被った男たちのリーダー、
通称”マスター”が不気味に笑う。
「な…中条さんに何をするつもりだ!」
清二が言うと、
マスターは微笑んだ。
「君は、この世界のはじまりを考えたことがあるかね?
人類の誕生の理由を考えたことがあるかね?」
マスターの言葉に、清二は”いかれている”と思った。
まともな人間なら、初対面の人間に対して
こんなことは言わない。
「---我々人類が誕生したのは、
我らが偉大なる神、エデン様のお力によるものなのだ」
マスターが叫んだ。
教会と思われる建物の天井には、
ひげを立派に生やした神と思われる絵が描かれている。
「ーーエデン様は、不本意ながらこの世を去られた。
だがー。わたしはついに見つけた。
偉大なる神を再びこの世にお迎えする方法を…!」
清二は、語るマスターを無視して、
スマホを取り出した。
「1 1 …」
スマホで警察を呼ぼうとした清二を見てマスターが叫んだ。
「儀式を開始しろ!」
「---?」
白いローブの集団が祭壇の上に、
亜実を横たわらせて謎の呪文を唱え始めた。
「---あの子は、神をお迎えするのにふさわしい子だ。
あの子の身体に、神を憑依させ、現世にお迎えする!」
マスターの言葉に、清二は手を止めて叫んだ。
「なっ…、やめろ!」
と、同時に清二は思う。
”神”なんて居るわけがないじゃないか。
どうせ、何も起こりやしない… と。
しかし…
「---おぉぉぉぉぉぉ!エデン様!」
教会の天井から、光が降り注いできた。
その光はーーー、
亜実の体に降り注いでいる。
「うっ・・・ うっ・・・・ あ・・・」
亜実が苦しそうに身体をビクンビクンさせながら
うめき声をあげている。
「---え…、、な、中条さん…
お、、お前らやめろ!あの光は何なんだ!?」
清二がパニックを起こしながら叫ぶ。
マスターは言った。
「神の御来光だーーー!」
と。
光が消えるー。
そして、亜実がゆっくりと起き上がった。
目には、光が宿っている。
「--な、中条さん…?」
清二は不安そうにその名前を呼んだ。
亜実は清二の方を一瞬見つめたが、
すぐに興味無さそうに目を逸らした。
無表情で、まったく清二に興味が無い、と
言わんばかりの態度。
「---ここは?」
亜実が高圧的な様子でマスターに尋ねた。
「おぉぉぉ…神よ…
ここは、我らが教会にございます」
マスターが頭を下げると、
亜実は、天井の写真を見つめた。
「---あれは、何だ?」
普段の可愛らしい話し方ではなく、
まるで機械的な様子で淡々と尋ねる亜実。
清二は、困り果てた様子でその場に立ち尽くす。
「ーーあれは、あなた様でございます」
ローブの男の一人が言う。
教会に描かれた神、エデンのイラストを
書いたのは、この男なのだろう。
「----我を侮辱しているのか」
亜実が語気を強めて言った。
「--へ?」
「---我はあのような醜い姿ではない!」
亜実がそう叫ぶと、目を赤く光らせたー。
次の瞬間、ローブ男の一人は、蒸発して消えてしまった。
「ひっ…!」
残る3人のローブ男たちがうろたえる。
「---な、中条さん…!な、、何やってんだよ…!
い、、、今のは?」
清二がうろたえた様子で尋ねる。
亜実は、一瞬清二の方を見た。
「---なかじょう?無礼者が…。控えよ」
亜実の高圧的な態度に、清二は委縮してしまう。
髪を邪魔そうにはらいのけながらマスターの方を見つめる亜実。
「お…おぉ…エデン様…
あのようなイラスト、大変申し訳ございませぬ」
マスターが頭を下げると、
亜実が叫んだ。
「無礼者が…!二度も我の名を間違えるな!」
亜実がそう叫び、目を赤く光らせると、
マスターは悲鳴をあげながら蒸発した。
残る2名のローブ男が混乱している。
亜実はため息をつくと、
用意されていた玉座のようなものに座り、足を組んだ。
「---腹がすいたな…。
何か馳走を用意せよ」
亜実が無表情で言うと、
ローブ男の一人が「も、申し訳ありません ここには…」と
言いかけた。
次の瞬間、そのローブ男も蒸発した。
「ひ…ひぃ~~~!」
残りの一人は、ローブを脱ぎ捨てて
短パン姿で逃走してしまった。
「--あ・・・あ」
目の前で3人の人間が”蒸発”した。
清二は恐怖で身を震わせていた。;
亜実が立ち上がる。
「----人間よ」
亜実の可愛らしい声―。
けれども、今の亜実の心はない。
高校の制服姿の亜実ー。
でも、今の亜実は、悪魔に見える。
「---我は、腹が空いた」
亜実が言う。
「--や…やめてよ…中条さん」
清二が恐怖に身を震わせて
ガクガクと震えている。
「----我を待たせるとは…」
無表情で、ゴミを見るように清二を見つめる亜実。
「うっ・・・ うっ・・・」
元々気弱な清二は、泣くことしか出来なかった。
「---ーーー」
亜実の手が触れた。
「---」
清二が顔を上げると、
亜実が清二が背負ったリュックサックの脇から、
何かを取り出していた。
「ーーあるではないか」
亜実が、清二の持っていた”カロリーメイト”を
取り出し、そのまま玉座の方に戻って行った。
「----……」
清二はまだ、恐怖に震えていた。
「----」
亜実が、カロリーメイトの箱を不思議そうに眺めている。
「……あ、、あの…」
清二が声をかけると、亜実が清二の方を見た。
そこに、笑顔はないー。
「--人間よ…これは、どうやって食べるのだ?」
亜実がカロリーメイトの箱を持ちながら清二に言った。
「あ・・・は…はい、これは…」
清二はそう言いながら、亜実の方に歩いていき、
カロリーメイトの食べ方…
箱を開けるところから教え始めるのだった…
②へ続く
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リクエストによる作品です!
以前の作品「禁忌の村」とは異なるかたちで
神の憑依を描いていきます!

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