最悪の娘が社長の秘書にされてしまった…。
憑依の影響により、嬉しそうに社長に尽くす娘。
娘を人質にする社長。
このまま、会社を訴えることはできるのだろうか。
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「さぁ、坂城、どうする?」
下着姿になった娘の絵梨奈はそのまま手を止めている。
「---私に従うか。
それとも”娘を見捨てて会社を売る”か?」
金ヶ崎社長が狂気の笑みを浮かべる。
「…く、くそっ…
え、絵梨奈!バカなマネはやめるんだ!」
隆吾は叫ぶ。
「---それは、お父さん次第でしょ?」
見下したような冷たい目で絵梨奈は父を見つめる。
父を応援していた絵梨奈。
しかし、社長に憑依されて”人格そのもの”を染め上げられた
絵梨奈は、今や父の邪魔をすることをー、
こうして父を苦しめていることに興奮すら覚えていた。
「絵梨奈!やめてくれ!服を着てくれ!」
絵梨奈が投げ捨てた服をつかもうとする。
「触らないで!このケダモノ!」
絵梨奈が叫んだ。
嫌悪がにじみ出ている。
「----」
隆吾は悲しそうに絵梨奈の方に近づく。
「なぁ、絵梨奈。
社長に何を言われたのかは知らない。
けど、心配するな。
俺はお前のことも、和代(かずよ)のことも
必ず守るから」
和代とは、妻の名前だ。
隆吾の言葉に、絵梨奈はため息をついた。
「---ほんっとうにうざい!」
心からの侮蔑の言葉ー。
いつも、自分に向けていてくれた笑顔は
いずこかへと消えうせ、
今や、絵梨奈は心から父を憎んでいた。
「---絵梨奈…」
隆吾はその場に蹲ってしまう。
「どうして…どうしてなんだ」
そんな隆吾の様子を、
金ヶ崎社長は満足気に見ていた。
そして言う。
「どうだ?会社を訴えるのを、
やめるつもりになったか?」
しかしー
金ヶ崎社長は隆吾を見縊っていた。
「---くくく、ははははははは」
笑い出す隆吾。
「--!?」
金ヶ崎社長が少し驚いた表情を浮かべる。
「はははははは!
娘を人質に、俺を脅そうって腹か。
でもな、そうはいかない。
絵梨奈!…必ず俺が助けてやる。
だから、信じて待っててくれ」
きっと、絵梨奈は脅されているだけだ。
金ヶ崎社長を徹底的に追い込めば
絵梨奈もきっと…
「はっ…坂城、お前は何もわかっちゃいない。
絵梨奈!お父さんはお前を見捨てるようだ」
金ヶ崎社長がそう言うと、
絵梨奈は微笑んで、下着をも外し始めた。
「--お、おい!絵梨奈!」
隆吾は焦る。
「---綺麗だよ、絵梨奈」
「嬉しい…」
社長と絵梨奈は見つめ合うと、
お互いに抱擁して、キスをし始めた。
30代半ばの男と、女子高生の絵梨奈が
ディープキスをしている。
「---え、、、絵梨奈!」
隆吾も、流石に焦ってきた。
まさか絵梨奈がここまでするとは思わなかった。
本当に、脅されているだけなのか。
「---あぁ、気持ちいいぜ絵梨奈!」
金ヶ崎社長が絵梨奈の胸を触りながら笑う。
「私もです…♡ 社長ぉ♡」
快感に溺れる娘。
娘のこんな姿、見たくない。
隆吾は思わず目を逸らした。
「--あぁ♡ はぁん♡ しゃちょう♡ しゃちょうぉ♡」
絵梨奈が喘ぎ始めた。
「---!」
隆吾は、再び目を二人に向けると、
社長が、絵梨奈を犯そうとしていた。
「--てっめぇ!」
隆吾は社長の方に走って行って、社長を殴り飛ばした。
「ぐあっ!」
吹き飛ぶ金ヶ崎社長。
机が音を立てて、金ヶ崎社長は打ち付けた腰を抑えている。
「お前!俺の娘にこれ以上 手を出してみろ!
今ここでお前の首、へし折ってやるぞ!」
隆吾が怒鳴る。
しかし、
「邪魔すんじゃねーよ!」
背後から、絵梨奈の声がして、隆吾は思い切り蹴り飛ばされた。
「ぐあっ!」
あまりの痛さにその場に倒れ込む隆吾。
「--わたしが気持ちよくしてたのにっ!
邪魔しないで!」
絵梨奈が倒れた隆吾の上に馬乗りになり、
怒りの形相で、隆吾をグーで殴りつける。
「や、、、やめ…やめろ!やめてくれ!」
隆吾は必死に叫んだ。
けれども、絵梨奈は、怒り狂った様子で、
父親を殴り続けた。
血が吹き飛ぶ。
「やめなさい」
金ヶ崎社長が言うと、
絵梨奈は手をとめた。
「はぁ… はぁ…」
絵梨奈は暴力が嫌いだった。
生まれて、初めての暴力。
それを、自分の父親にしてしまった。
しかも、血がでるほどにー。
金ヶ崎社長はその後継を見ながら、たまらなく興奮した。
父を信じていた娘が
憑依してちょっと加工するだけでこのざまだ。
「---ーーえり…な」
隆吾は涙を流した。
「--教えてやるよ」
金ヶ崎社長が高らかに言う。
「君の娘は、わたしが”憑依”して、
記憶の色々な場所をいじくってやった。
きみの娘の体を一時的に奪って、
脳の記憶や思考に干渉してやったんだよ」
金ヶ崎社長の言葉に
隆吾は唖然とした。
「憑依・・・だと」
絵梨奈の方を見る。
絵梨奈は服を着直していて、
腰に手を当てながら隆吾の方を見ていた。
「まさかー!
脅されたのではなく…
貴様…俺の娘を…!」
絵梨奈の方を悔しそうに見つめる
絵梨奈。
「ふふ、そうよお父さん。
わたし、この人に体を奪われて、
そして何もかも変えられちゃったの。
うふふ・・・♡
凄いでしょ?
でも心配しないでお父さん。
今、わたし、すっごく幸せ。
社長の為に、尽くせるんだもの…♡
もう学校なんて行かない!
わたしの全ては社長のためにあるの」
絵梨奈が言った。
言わされているのではないー
今の絵梨奈は心からそう思っていた。
「--え、絵梨奈!やめろ!
頼む!正気を取り戻してくれ!」
隆吾は叫ぶ。
「--彼女は、正気だよ」
社長は言った。
「これが、今の絵梨奈だ。
わたしは何の命令も、洗脳もしていない」
金ヶ崎社長の言葉に、隆吾は再び激怒した。
「貴様ぁ!娘を元に戻せ!」
隆吾が叫ぶ。
「ふん。返してほしいか?」
金ヶ崎社長が言う。
「ならーー
訴えるために使う証拠…
全て破棄してもらおうか。
俺を追いつめるか。
娘を助けるか。
道は2つに一つだ。」
隆吾は、その言葉を聞き、
絵梨奈の方を見た。
絵梨奈が不気味に笑う。
「私ね…
憑依される瞬間まで
”お父さん、わたしのことなんか構わないで”
って思ってた。
お父さんのこと応援してたんだもの…
当然よね?
わたしがお父さんの足を引っ張るなんて…
悲しい!
ずっと、そう思ってた。」
絵梨奈は、笑みを浮かべた。
「でも今は違う!
ーお父さんがそうやって苦しんでるのをみると
凄く興奮する!ゾクゾクする!!!
ふふ・・・濡れてきちゃった…!
もっと、もっともっともっともっともっと苦しんでお父さん!
うふふ、、うはははははははは!」
大声で笑う絵梨奈。
「----」
隆吾はーー膝を折った。
金ヶ崎社長に、屈したのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー。
妻の和代には、絵梨奈のことは隠していた。
上手く誤魔化して、今は会社にいると伝えてある。
昨日の絵梨奈の表情が目に浮かぶ。
自分を嫌悪する顔ー
社長に見せた女の顔ー
あんな子じゃない。
絵梨奈はあんな子じゃ…
ピンポーン
インターホンが鳴った。
社長が、証拠品の回収にやってきたのだ。
娘が人質にとられては、
もうどうにもならない。
訴えは諦めるー。
あのままでは、絵梨奈は人生を奪われてしまう。
社長に従って、絵梨奈を元に戻してもらわなくては
ならない。
そう思いながら、玄関の扉を開けるとー。
そこにはーーーーー
黒いミニスカート姿のーー
絵梨奈が居た。
娘は男が苦手だから
男を誘うような格好は絶対にしない。
なのにー
今の絵梨奈は、まるで男を誘うかのように
肩や足を大胆に露出させていた。
「え、絵梨奈…」
隆吾が言うと、
絵梨奈はそっけなく
「社長は忙しいの。私が回収するわ」と言って、
隆吾の部屋のある2階へと向かっていく。
「--く、くそっ!」
隆吾は後を追う。
隆吾の部屋に入った絵梨奈は、
信じられない行動に出た。
乱暴に、隆吾の部屋の棚などを引き外しては、
裏返しにして、中のものをぐしゃぐしゃにし始めた。
「---許せない!
社長に逆らうなんて絶対に許せない…!」
絵梨奈は怒りの言葉を口にしながら、
モノを散らかしていく。
そして、証拠書類を見つける度に、
怒りをあらわにして、それを回収していく。
「ーーおい、絵梨奈!」
隆吾の呼びかけには応じない。
机の引き出しを投げ飛ばし、
床にたたきつける。
机の上のスマホを投げ飛ばし、
何度も何度も踏みつけていく。
「--許せない!許せない!」
怒り狂っている絵梨奈。
あまりの物音に、母の和代も2階に上がってきた。
「え…絵梨奈…」
和代は戸惑う。
「--あんたも同罪だから」
絵梨奈は敵意をむき出しにして和代を見つめた。
驚いて立ち尽くす和代。
隆吾は、どうしていいか分からず、困惑する。
そして、絵梨奈は証拠品を全て回収すると、
立ち去ろうとした。
「---ねぇ、どいて。」
絵梨奈が言う。
「--え、絵梨奈…
何があったの…?
ねぇ!!!」
母の和代が言う。
けれどー、
「どけって言ってんだよクソババア!」
絵梨奈が大声で怒鳴った。
可愛い声ー。
けれども、恐ろしい声。
和代はあまりのショックに泣き崩れてしまった。
絵梨奈がスマホを手に取り、電話を始める
「あ、社長♡ 回収おわりました!
はい、え、ほんとうですか!
うふふ、、、社長とえっちできるなんて!!
やったぁ♡」
そう言いながら絵梨奈は家から足早に
出て行ってしまった。
泣き崩れる和代。
隆吾は、その場で和代を慰めることしかできなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3日後。
「証拠品は確認した。
絵梨奈は返してやろう」
金ヶ崎社長は言った。
「--明日、車で送り届ける。」
隆吾は金ヶ崎を睨んでいた。
だがー、
ここで揉めるわけにはいかない。
「おやおや、大丈夫だよ。
心配するな…
ちゃんと”元”に戻すから」
「---その言葉、嘘じゃないな?」
隆吾は確認した。
「あぁ、もちろんだとも。
ビジネスマンは信用が第一だからね」
そう言うと、
隆吾は、社長に言った。
「---嘘だったら、俺はお前を殺す。
覚悟しておけよ」
隆吾はそう吐き捨てて社長室から出て行った。
「---野蛮ですね」
奥から秘書に成り果てた絵梨奈が出てきた。
金ヶ崎は絵梨奈のからだを見て笑う。
昨日、一昨日と、2日続けて、
絵梨奈とヤッてしまった。
絵梨奈はーー
妊娠するかも知れない。
そうなれば、さらに楽しい事になる…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その夜。
絵梨奈は再び金ヶ崎に憑依されていた。
「---ふふん」
絵梨奈は腰に手を当てて、
高飛車な様子で立っていた。
「---いい体…」
絵梨奈は自分の唇を舐めはじめる。
「---ふふふふふ、わたし、社長の思うがまま♡」
絵梨奈はその場で胸を触り始めて、
ひとり、声をあげはじめた。
「はぁん♡ わたし、真面目に生きて来たのに、
どんどん壊されちゃう♡
ははは♡ うふふふふふ♡ ははははははははっ♡」
興奮のあまり、顔を真っ赤にして、
絵梨奈はその場で自分の体を力強く抱きしめた。
「あぁん!わたしは絵梨奈♡ えりな♡ えりなぁあ♡」
そのまま興奮を抑えられず、
自分が写った鏡にとびかかり、鏡を抱きしめながら押し倒した。
そして、絵梨奈は鏡に映った自分に、
何度も何度も、声をあげながらキスを繰り返したー。
③へ続く
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コメント
明日は”返却”。
果たして父と娘は、感動の再会をすることは
できるのでしょうか。
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