<憑依>娘は悪徳社長の秘書② ~悪夢~

最悪の娘が社長の秘書にされてしまった…。

憑依の影響により、嬉しそうに社長に尽くす娘。
娘を人質にする社長。

このまま、会社を訴えることはできるのだろうか。

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「さぁ、坂城、どうする?」

下着姿になった娘の絵梨奈はそのまま手を止めている。

「---私に従うか。
 それとも”娘を見捨てて会社を売る”か?」

金ヶ崎社長が狂気の笑みを浮かべる。

「…く、くそっ…
 え、絵梨奈!バカなマネはやめるんだ!」
隆吾は叫ぶ。

「---それは、お父さん次第でしょ?」
見下したような冷たい目で絵梨奈は父を見つめる。

父を応援していた絵梨奈。
しかし、社長に憑依されて”人格そのもの”を染め上げられた
絵梨奈は、今や父の邪魔をすることをー、
こうして父を苦しめていることに興奮すら覚えていた。

「絵梨奈!やめてくれ!服を着てくれ!」
絵梨奈が投げ捨てた服をつかもうとする。

「触らないで!このケダモノ!」
絵梨奈が叫んだ。
嫌悪がにじみ出ている。

「----」
隆吾は悲しそうに絵梨奈の方に近づく。

「なぁ、絵梨奈。
 社長に何を言われたのかは知らない。
 けど、心配するな。 
 俺はお前のことも、和代(かずよ)のことも
 必ず守るから」

和代とは、妻の名前だ。

隆吾の言葉に、絵梨奈はため息をついた。

「---ほんっとうにうざい!」
心からの侮蔑の言葉ー。

いつも、自分に向けていてくれた笑顔は
いずこかへと消えうせ、
今や、絵梨奈は心から父を憎んでいた。

「---絵梨奈…」
隆吾はその場に蹲ってしまう。

「どうして…どうしてなんだ」

そんな隆吾の様子を、
金ヶ崎社長は満足気に見ていた。

そして言う。

「どうだ?会社を訴えるのを、
 やめるつもりになったか?」

しかしー
金ヶ崎社長は隆吾を見縊っていた。

「---くくく、ははははははは」
笑い出す隆吾。

「--!?」
金ヶ崎社長が少し驚いた表情を浮かべる。

「はははははは!
 娘を人質に、俺を脅そうって腹か。
 でもな、そうはいかない。

 絵梨奈!…必ず俺が助けてやる。
 だから、信じて待っててくれ」

きっと、絵梨奈は脅されているだけだ。

金ヶ崎社長を徹底的に追い込めば
絵梨奈もきっと…

「はっ…坂城、お前は何もわかっちゃいない。
 絵梨奈!お父さんはお前を見捨てるようだ」

金ヶ崎社長がそう言うと、
絵梨奈は微笑んで、下着をも外し始めた。

「--お、おい!絵梨奈!」
隆吾は焦る。

「---綺麗だよ、絵梨奈」

「嬉しい…」

社長と絵梨奈は見つめ合うと、
お互いに抱擁して、キスをし始めた。

30代半ばの男と、女子高生の絵梨奈が
ディープキスをしている。

「---え、、、絵梨奈!」
隆吾も、流石に焦ってきた。
まさか絵梨奈がここまでするとは思わなかった。

本当に、脅されているだけなのか。

「---あぁ、気持ちいいぜ絵梨奈!」
金ヶ崎社長が絵梨奈の胸を触りながら笑う。

「私もです…♡ 社長ぉ♡」
快感に溺れる娘。

娘のこんな姿、見たくない。
隆吾は思わず目を逸らした。

「--あぁ♡ はぁん♡ しゃちょう♡ しゃちょうぉ♡」
絵梨奈が喘ぎ始めた。

「---!」
隆吾は、再び目を二人に向けると、
社長が、絵梨奈を犯そうとしていた。

「--てっめぇ!」
隆吾は社長の方に走って行って、社長を殴り飛ばした。

「ぐあっ!」
吹き飛ぶ金ヶ崎社長。
机が音を立てて、金ヶ崎社長は打ち付けた腰を抑えている。

「お前!俺の娘にこれ以上 手を出してみろ!
 今ここでお前の首、へし折ってやるぞ!」

隆吾が怒鳴る。

しかし、

「邪魔すんじゃねーよ!」
背後から、絵梨奈の声がして、隆吾は思い切り蹴り飛ばされた。

「ぐあっ!」
あまりの痛さにその場に倒れ込む隆吾。

「--わたしが気持ちよくしてたのにっ!
 邪魔しないで!」
絵梨奈が倒れた隆吾の上に馬乗りになり、
怒りの形相で、隆吾をグーで殴りつける。

「や、、、やめ…やめろ!やめてくれ!」
隆吾は必死に叫んだ。

けれども、絵梨奈は、怒り狂った様子で、
父親を殴り続けた。

血が吹き飛ぶ。

「やめなさい」
金ヶ崎社長が言うと、
絵梨奈は手をとめた。

「はぁ… はぁ…」

絵梨奈は暴力が嫌いだった。

生まれて、初めての暴力。

それを、自分の父親にしてしまった。
しかも、血がでるほどにー。

金ヶ崎社長はその後継を見ながら、たまらなく興奮した。

父を信じていた娘が
憑依してちょっと加工するだけでこのざまだ。

「---ーーえり…な」
隆吾は涙を流した。

「--教えてやるよ」
金ヶ崎社長が高らかに言う。

「君の娘は、わたしが”憑依”して、
 記憶の色々な場所をいじくってやった。

 きみの娘の体を一時的に奪って、
 脳の記憶や思考に干渉してやったんだよ」

金ヶ崎社長の言葉に
隆吾は唖然とした。

「憑依・・・だと」

絵梨奈の方を見る。
絵梨奈は服を着直していて、
腰に手を当てながら隆吾の方を見ていた。

「まさかー!
 脅されたのではなく…
 貴様…俺の娘を…!」

絵梨奈の方を悔しそうに見つめる
絵梨奈。

「ふふ、そうよお父さん。
 わたし、この人に体を奪われて、
 そして何もかも変えられちゃったの。

 うふふ・・・♡
 凄いでしょ?

 でも心配しないでお父さん。
 今、わたし、すっごく幸せ。
 社長の為に、尽くせるんだもの…♡

 もう学校なんて行かない!
 わたしの全ては社長のためにあるの」

絵梨奈が言った。

言わされているのではないー
今の絵梨奈は心からそう思っていた。

「--え、絵梨奈!やめろ!
 頼む!正気を取り戻してくれ!」
隆吾は叫ぶ。

「--彼女は、正気だよ」
社長は言った。

「これが、今の絵梨奈だ。
 わたしは何の命令も、洗脳もしていない」
金ヶ崎社長の言葉に、隆吾は再び激怒した。

「貴様ぁ!娘を元に戻せ!」
隆吾が叫ぶ。

「ふん。返してほしいか?」
金ヶ崎社長が言う。

「ならーー
 訴えるために使う証拠…
 全て破棄してもらおうか。

 俺を追いつめるか。
 娘を助けるか。

 道は2つに一つだ。」

隆吾は、その言葉を聞き、
絵梨奈の方を見た。

絵梨奈が不気味に笑う。

「私ね…
 憑依される瞬間まで
 ”お父さん、わたしのことなんか構わないで”
 って思ってた。

 お父さんのこと応援してたんだもの…
 当然よね?
 わたしがお父さんの足を引っ張るなんて…
 悲しい! 

 ずっと、そう思ってた。」

絵梨奈は、笑みを浮かべた。

「でも今は違う!
 ーお父さんがそうやって苦しんでるのをみると
 凄く興奮する!ゾクゾクする!!!

 ふふ・・・濡れてきちゃった…!
 もっと、もっともっともっともっともっと苦しんでお父さん!

 うふふ、、うはははははははは!」

大声で笑う絵梨奈。

「----」
隆吾はーー膝を折った。

金ヶ崎社長に、屈したのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー。

妻の和代には、絵梨奈のことは隠していた。
上手く誤魔化して、今は会社にいると伝えてある。

昨日の絵梨奈の表情が目に浮かぶ。
自分を嫌悪する顔ー
社長に見せた女の顔ー

あんな子じゃない。
絵梨奈はあんな子じゃ…

ピンポーン

インターホンが鳴った。

社長が、証拠品の回収にやってきたのだ。

娘が人質にとられては、
もうどうにもならない。
訴えは諦めるー。

あのままでは、絵梨奈は人生を奪われてしまう。

社長に従って、絵梨奈を元に戻してもらわなくては
ならない。

そう思いながら、玄関の扉を開けるとー。

そこにはーーーーー

黒いミニスカート姿のーー
絵梨奈が居た。

娘は男が苦手だから
男を誘うような格好は絶対にしない。

なのにー
今の絵梨奈は、まるで男を誘うかのように
肩や足を大胆に露出させていた。

「え、絵梨奈…」
隆吾が言うと、
絵梨奈はそっけなく
「社長は忙しいの。私が回収するわ」と言って、
隆吾の部屋のある2階へと向かっていく。

「--く、くそっ!」

隆吾は後を追う。

隆吾の部屋に入った絵梨奈は、
信じられない行動に出た。

乱暴に、隆吾の部屋の棚などを引き外しては、
裏返しにして、中のものをぐしゃぐしゃにし始めた。

「---許せない!
 社長に逆らうなんて絶対に許せない…!」

絵梨奈は怒りの言葉を口にしながら、
モノを散らかしていく。

そして、証拠書類を見つける度に、
怒りをあらわにして、それを回収していく。

「ーーおい、絵梨奈!」
隆吾の呼びかけには応じない。

机の引き出しを投げ飛ばし、
床にたたきつける。

机の上のスマホを投げ飛ばし、
何度も何度も踏みつけていく。

「--許せない!許せない!」
怒り狂っている絵梨奈。

あまりの物音に、母の和代も2階に上がってきた。

「え…絵梨奈…」
和代は戸惑う。

「--あんたも同罪だから」
絵梨奈は敵意をむき出しにして和代を見つめた。

驚いて立ち尽くす和代。
隆吾は、どうしていいか分からず、困惑する。

そして、絵梨奈は証拠品を全て回収すると、
立ち去ろうとした。

「---ねぇ、どいて。」
絵梨奈が言う。

「--え、絵梨奈…
 何があったの…?
 ねぇ!!!」

母の和代が言う。

けれどー、

「どけって言ってんだよクソババア!」
絵梨奈が大声で怒鳴った。

可愛い声ー。
けれども、恐ろしい声。

和代はあまりのショックに泣き崩れてしまった。

絵梨奈がスマホを手に取り、電話を始める

「あ、社長♡ 回収おわりました!
 はい、え、ほんとうですか!
 うふふ、、、社長とえっちできるなんて!!
 やったぁ♡」

そう言いながら絵梨奈は家から足早に
出て行ってしまった。

泣き崩れる和代。
隆吾は、その場で和代を慰めることしかできなかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

3日後。

「証拠品は確認した。
 絵梨奈は返してやろう」

金ヶ崎社長は言った。

「--明日、車で送り届ける。」

隆吾は金ヶ崎を睨んでいた。

だがー、
ここで揉めるわけにはいかない。

「おやおや、大丈夫だよ。
 心配するな…
 ちゃんと”元”に戻すから」

「---その言葉、嘘じゃないな?」
隆吾は確認した。

「あぁ、もちろんだとも。
 ビジネスマンは信用が第一だからね」

そう言うと、
隆吾は、社長に言った。

「---嘘だったら、俺はお前を殺す。
 覚悟しておけよ」

隆吾はそう吐き捨てて社長室から出て行った。

「---野蛮ですね」
奥から秘書に成り果てた絵梨奈が出てきた。

金ヶ崎は絵梨奈のからだを見て笑う。

昨日、一昨日と、2日続けて、
絵梨奈とヤッてしまった。

絵梨奈はーー
妊娠するかも知れない。

そうなれば、さらに楽しい事になる…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その夜。
絵梨奈は再び金ヶ崎に憑依されていた。

「---ふふん」
絵梨奈は腰に手を当てて、
高飛車な様子で立っていた。

「---いい体…」
絵梨奈は自分の唇を舐めはじめる。

「---ふふふふふ、わたし、社長の思うがまま♡」
絵梨奈はその場で胸を触り始めて、
ひとり、声をあげはじめた。

「はぁん♡ わたし、真面目に生きて来たのに、
 どんどん壊されちゃう♡
 ははは♡ うふふふふふ♡ ははははははははっ♡」

興奮のあまり、顔を真っ赤にして、
絵梨奈はその場で自分の体を力強く抱きしめた。

「あぁん!わたしは絵梨奈♡ えりな♡ えりなぁあ♡」

そのまま興奮を抑えられず、
自分が写った鏡にとびかかり、鏡を抱きしめながら押し倒した。

そして、絵梨奈は鏡に映った自分に、
何度も何度も、声をあげながらキスを繰り返したー。

③へ続く

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コメント

明日は”返却”。
果たして父と娘は、感動の再会をすることは
できるのでしょうか。

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