怨霊によって、
女子生徒たちが次々と命を落としていく。
鳴り響く不気味なチャイムー。
この悪夢から逃れる方法は?
そして、衝撃の事実とは…?
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女子は、よってたかって、僕を苛めた。
「気持ち悪い」
「あっち行ってよ」
「生きている価値あるの?」
影で陰険ないじめが繰り返され、
僕は追い詰められていった。
”あいつらは”先生の前ではイイ顔をする。
他の男子生徒の前でもー。
顔は可愛いけれど、中身は悪魔だ。
そんな僕にも、
頼りにしている子が居た。
幼馴染の女の子だー。
でも、彼女も手を差し伸べてくれなかった。
よく相談に乗ってくれていた彼女こそ、
”本当の悪魔”だった。
いじめを主導していたのは彼女だった。
そのことを知った僕は、
彼女を問い詰めた。
すると、彼女は態度を豹変させて笑った。
「ーーあんたはわたしのおもちゃよ」
とー。
僕は、その日の放課後ー、
あいつらを憎みながら、
憎悪の感情をたぎらせながらー、
自ら命を絶った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
鏡に映る可愛い顔を見つめて、微笑む。
「ようやくー、
ようやく復讐のための器を手に入れたんだ」
少女は、目を赤く光らせて微笑む。
「---ずっと待っていた。30年間。
女たちに復讐してやる!
憎い!憎い!憎い!」
怨霊にとって、
鏡に映る自分の顔でさえも憎かった。
激しい形相で、
拳を握りしめて鏡を殴りつける。
何度も、何度も、
鏡を殴りつけた。
手から血が流れるー。
「は~っ…は~っ」
彼女は荒い息をしながら、
憎悪に満ちた表情で鏡を見つけた。
誰も、逃がさない。
先生も、保護者も、世間も、
この学校で起きていることには無関心だ。
そうなるように、憎悪の念で、
この学校を支配した。
”これから”のために。
一人、一人、地獄に落としていくために。
別に、この学校に恨みはない。
けれどー、
女子高生たちのことを、
どうしても許すことができないのだ。
「-くくく…ほら!ほら!ほら!」
少女は自分の胸を揉み始める。
30年前。
自分を追いつめた女子という生き物を、
今、こうやって、自分が支配している。
「ふふふふ・・・どう??
好き勝手される気分は??
どう???ほら、言ってみなさいよ!」
ムキになって叫び始める少女。
「ほら!どうなんだよ!?
言ってみろよ!!!」
大声で、自分が支配している少女に向かって叫ぶ。
胸を狂ったように揉みながら
”支配”している快感を噛みしめる。
「---ど、、どうしたの?」
他の女子生徒が入ってきた。
「---何でもないわよ!」
彼女は叫んで、お手洗いから飛び出した…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
放課後。
美琴は、ため息をついた。
親友である瑠那が怨霊に支配されている。
どうにか、瑠那を助けなくてはならない。
けれど、どうたら、
どうしたら、瑠那を助けることができるのだろう。
でも、あの日のことを知っているのは自分だけ。
周囲からは既に「おかしなやつ」だと
思われ始めている。
自分がどうにかしなければならない。
さっき、昼休みも騒ぎになっていた。
誰かが、トイレで鏡を割ったのだとか。
やっぱり、瑠那の仕業なのだろうか。
ゴーン ゴーン ゴーン
”不気味なチャイムがまた鳴った”
「ひっ…」
箕子t歩は恐怖の声を出す。
目の前が真っ赤になった。
そしてーー
目と耳をふさいだまま、
美琴は走り出した。
早く止めなきゃ
瑠那をー。
空き教室に辿り着いた美琴は、
先に待っていた瑠那と対峙した。
瑠那は少しだけ笑みを浮かべた。
「--瑠那!ねぇ、もうやめて!」
美琴が入るなり叫ぶ。
「ーー瑠那!目を覚ましてよ!瑠那!」
美琴が瑠那の肩を掴みながら、瑠那を揺さぶると、
瑠那が手を振り払った。
「--やめてよ美琴!どうしたのよ」
瑠那が言う。
臆病な瑠那は、少し震えている。
「---とぼけないで!」
美琴は叫んだ。
「あんたが瑠那を操っているのは分かってるの!」
美琴が言うと、
瑠那がまた、少し笑った。
「-----」
美琴は、悲しい表情で瑠那を見た。
あの大人しい瑠那が、怨霊なんかに。
「---うふうふふふふふふふ…」
瑠那が不気味に笑う。
「はははははははははは!」
美琴が警戒を露わにしながら瑠那を見る。
自分も”あのチャイム”に殺されるかもしれない。
「----美琴さぁ…」
瑠那の目がーーーー
赤く・・・
光ることはなかった。
「--笑わせないでよあまり、うふふふふ・・・」
瑠那があきれ果てたように言う。
「最近、美琴、おかしいよ…?」
瑠那の言葉に美琴が首をかしげる。
「だって、みんな死んでるんだよ!」
美琴は叫んだ。
「---そんなことは分かってる!
けど…美琴は最近、変だよ!」
瑠那が叫び返した。
女子生徒たちが、クラスメイト達が
次々と死んでいるのに、登校を続けているのも、
怨霊の怨念による影響だ。
「おかしい」「怖い」と思いながらも
彼女たちは”登校しなければならない”と
暗示をかけられている
「---瑠那!
もうこれ以上、あんたの中に居る
怨霊の好きにはさせない!
出てきなさい!」
美琴が叫ぶと、
瑠那は少しイライラした様子で言った。
「---いい加減にしてよ!」
瑠那の言葉に美琴も少しむっと
なって叫び返した。
「--昼休み、トイレで騒ぎがあったよね!
鏡が割れたとかなんとか…
あれも、瑠那の仕業でしょ!!」
美琴が叫ぶー。
すると、瑠那が声をあげた
「---何言ってるの?」
瑠那の気色悪いものを見る様な顔を見て、
美琴は言葉を止めた。
「--鏡割ったの…”美琴でしょ?”」
ーーーーーーー!?
美琴は、自分の手を見たー。
何故、今まで気づかなかったのだろう。
自分の右手に、包帯が巻かれているー。
「えーーー、な、、、な、、、何これ?」
美琴は動揺して自分の手を見た。
「--友達だと思ってたのに、
最近の美琴おかしいよ…
もう、私に近寄らないで!」
瑠那はー、
気弱な性格。
けれど、”嫌い”と判断した相手には
容赦ない性格だった。
最近、失笑したり、
態度が悪くなっていたのは、
美琴が奇行を繰り返すため。
「---なんで、わたしが…なんで!?」
美琴がわけもわからず叫ぶ。
昼休みにトイレの鏡を壊したのは、
わたしー?
その瞬間、目の前が真っ赤になった。
ゴーン ゴーン ゴーン
”あのチャイム”が鳴った。
あのチャイムはーー
”美琴の頭の中”で響いていた。
だから、誰にも聞こえない。
瑠那が振り返る。
”美琴”の目が赤く染まっていた。
「--あぁ~~あ・・・
この女、気づいちゃったぁ…」
美琴が不気味に笑っていた。
「ひっ…!」
瑠那が足を止めて悲鳴を上げる。
あの日ー
廃校の肝試しに来ていた瑠那に憑依した怨霊はー、
そのあと、美琴を捕まえて…
”美琴”に乗り移った。
何故なら美琴は、
30年前、自分を裏切った幼馴染に、
よく似ていたからだー。
瑠那から、あの日、怨霊は美琴に移動していた。
そして、二人の廃校での記憶を”夢”だと
思うように暗示をかけて、解放したー。
憑依されていたのは
瑠那などではなかった。
クラスメイトを死に追いやっていたのはー
美琴自身だった。
「うそ…わたしが…
わたしがみんなを…」
美琴は目を赤く染めながら笑う。
視界が見えない。
チャイムが鳴るたびに、視界が赤くなったように感じていたのはー
自分の目が赤く光っていたからー、
チャイムは、怨霊が美琴の頭の中で叫んでいた憎悪の声。
「--はは、わたしが…
わたしが…うふふふ・・・
うふふ、あはははははははははは!」
美琴の理性がはじけたー。
美琴の自我が急速に怨霊のものと交じり合っていく。
「---み、、み、、、美琴…?」
瑠那が震えながら後ずさっていく。
「--ふふふふふ 瑠那ぁ~
ごめんねぇ。
憑依されてたの…わたしだったのに、
瑠那を疑っちゃったぁ…」
口元をゆがめてーーー
唇がはちきれるほどにゆがめて、美琴は笑う。
「--ーーうふふふふふふ」
美琴は、笑いながら親友の”瑠那”に暗示をかけたー。
これまでの生徒と同じようにー。
「----!」
瑠那は恐怖に満ちた表情を浮かべて、
自分の手で自分の首を絞めはじめた。
「あ・・・あ・・・あ・・・み、、、美琴!たすけて!」
瑠那が苦し紛れに叫ぶ。
けれどー
美琴はもう、
美琴でなくなっていたー。
自分が憑依されていたという真実を受け入れることが
できず、美琴の心は壊れて、
怨霊の意識の干渉を受けてしまった。
「----がっ…」
瑠那がその場に倒れ込む。
美琴は瑠那を見下して笑った。
「みんな、みんな、復讐してやるーーー
僕の憎悪で消し去ってやるー!」
美琴のからだから、黒い煙が噴き出して、
美琴を鬼のような形相に変えたー。
「---全員、消してやる」
美琴が教室から、出て行く。
美琴と混ざり合った怨霊もまた、影響を受けていた。
正反対の意思が混ざり合ったことで、
美琴は、暴走したー。
「---ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ」
クラスメイト達はまだ、昇降口付近に大量に居る。
美琴は、目を赤く光らせながら、
不気味な笑い声を上げ続けて、
クラスメイトたちが居る校門付近へと向かった。
その数分後、校門付近では女子生徒たちの
恐怖の叫び声が響き渡るのだった・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1年後・・・
髪が幽霊のように伸び、
色白で、
唇や目に生気のない女が、
一人、微笑んでいた。
ーここは、1年前、
女子生徒が大量死したことにより廃校になった高校。
「---うふ・・・ うふふ・・・」
幽霊のような少女は、その廃校を、一人徘徊していた。
「---こんなところにオバケなんているわけないでしょ!」
その声に、幽霊のような少女ー
一年前まで”美琴”だった、その少女は、
振り返った。
地元の女子中学生が3人で、肝試しに来ていた。
「------」
美琴は、唇から血を流しながら、
不気味にほほ笑んだ。
ギギギギギギギギ・・・
奇声をあげながら、美琴は中学生たちの方に
歩いて行った・・・
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
私は人に恨まれるようなことはしていません!
・・・たぶん。
コメント
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どうでしょう?
少なくとも、バッドストーリーが多い人は私は好きになれませんが。
あと一応自分は大丈夫だと思っても意図せず人に迷惑掛けてるかもしれない、と考えたりもします。
まああまり考え過ぎてもキリ無いからやはり普通のほどほどが一番だけど