VR技術は進化した。
そして、ついに発売された新商品、
”TSF VR”
女性に憑依できるという仮想世界を
楽しむことのできるゲームを手にした男は…
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”お急ぎ便”で注文していた商品が届き、
俺は早速ダンボールを開封した。
心臓のドキドキが止まらない。
何故か。
それはーーー
俺はついにアレを購入したからだ。
”TSF VR”
今日発売の新商品!
VR空間で女に憑依できるという夢のような
VRゲームだ。
感触や、快感までを再現しているのだとか。
たまらねぇ。
大学2年の俺にはちょうど旬なゲームだぜ。
早速自室で俺はTSF VRのスタンバイを終えた。
と、言ってもゴーグルと、プレイ前に
1錠、錠剤を飲めばそれで準備開始らしい。
「…感覚などをより激しく、本格的に感じるために
この錠剤を飲め…と」
俺は、黄色の錠剤をのみ込んだ。
まるで、風邪薬のようだ。
「服用後10分で、ゴーグルをつけて、
電源をオンにすればプレイ開始…か」
説明書の下のほうに
※緊急停止時は仮想空間内の赤いボタンを
押すことで停止できます
と書かれていた。
緊急停止が必要なほどのめり込むアホが
いるのか?
確かに、VRの技術は進化した。
けれど、
そこまで現実と区別がつかなくなるバカなんているのか?
俺は説明書に目を通しながら
胸の高鳴りを止めることができなかった。
ドキドキする。
TSF VR。
どのような夢が待っているのだろうか。
バイトでお金を貯めて
9万8000円も払ったんだ。
クソゲーだったらクーリングオフしてやるぞ!
…と、10分経ったようだな。
早速ゴーグルを装着して、
スイッチ・オン!
その瞬間、俺の視界は仮想空間の表示で満ち溢れた。
「---むっ…
最初にゲームモードを選んでください…?」
俺は画面を…
目の前に広がる扉を見つめた。
いくつかの扉が存在する。
「憑依」「女体化」「寄生」
「入れ替わり」「催眠」「洗脳」「皮」
TSFとそれに類するジャンルが表示されている。
右端の2つの扉は
「アップデート後に使用可能になります」と
表示されていた。
最初から搭載しとけよ。と俺は思ったが
とりあえず「憑依」を選ぶことにした。
扉を開けるとー
”憑依対象”を選んでください。
と表示された。
「憑依対象…どのぐらいいるのかな?」
ズラ~ッと名前が表示される。
なんだか明るいポップな感じのBGMが
流れている。
ゲーム内BGMというやつだ。
そのうちサントラも発売されたりするのだろうか。
と、そんなことはどうでもいい。
俺はメニューを見た。
赤ん坊、幼稚園児、小学生、女子中学生、女子高生、女子大生などから、
OL、ナース、美人教師、デブ、ブス女、おばあさん、男装女子、
キャバクラ嬢、男の娘などあらゆるメニューが網羅されていた。
「うへぁ・・・すっげぇ…」
俺は、どの体に憑依するか、迷った。
とりあえず…誰にするか。
まず…
女子高生でも行ってみるか。
女子高生を指でタッチして選択すると、
プロフィールが表示された。
皆本 芹香(みなもと せりか)
高校2年生。
ピアノが得意なおしとやかな美少女
と書かれている。
いいじゃないか。
確認の表示が出てきたので俺は「OK」を押す。
すると、画面が光に包まれた。
「----うっ…」
俺が目を覚ますと、
そこはピアノが置かれている可愛らしいピンクが基調の
部屋だった。
「---……は、始まったのか」
俺の口から可愛い声が出ていることに気付く。
「えっ…嘘っ…」
心臓が爆発しそうなほど鼓動している。
本当に、爆発してしまいそうなほどに。
それだけ、俺はドキドキしていた。
女の子の声が、俺の口から出ている。
俺は思わず口元を抑えた。
すると、唇のぷるんとした感じが手に伝わってきた。
「あっ…♡」
思わず口から出た、甘い感じの声に、俺はさらに興奮した。
そしてーー
からだを見下すと、制服姿の自分のからだがあった…
真下には、膨らんだ2つの物体。
「く…くふ…くふふ・・・これがVRか…
ほ、本当に現実みたいだ・・・くふふ・・・」
俺は胸を触ってみる
「んぁっ♡」
思わず、自分の意思とは関係なく声が出てしまった。
な、なんだこれは、、、気持ちよすぎる。
今度は両手で胸を触ってみる。
男では絶対に味わえないような感覚
「あぁ…♡ あぁ…♡ ぁん♡
ぶいあーる♡ すっごぉぉぉい♡」
俺は女の子の口調で喋ってみた。
本当にすげー!
「はぁ♡ あふっ…♡ あ、♡」
腰を振りながら胸を声をあげながら
俺は気持ちよく揉みほぐしていた。
ふとーー
足元がひんやりすることに気付く。
「うはっ…♡ す、スカート!
な、なんか変な感じだ」
スカートから覗く綺麗な足が
風に当たってスースーとした感触を
俺に伝えてきている。
「~~なんか、頼りないなぁ~
こんなモンいつも着てるなんて
大変だなぁ」
足を触ってみる。
手からは本当の脚のような感触が伝わってきた。
やばすぎだろVR。
ーーーでも、
そういえば、ゴーグルつけただけなのに、
手触りまで再現されるなんてな。
俺はてっきり、手を動かせば俺の部屋のものが
手に触れて興ざめすると思っていたのだが、
そんなことは無かったみたいだな。
ふと、下着が濡れているのに気付く。
やばい。
この女の子を興奮させてしまった、ということか…
「うわぁ…えっろ…」
女の子にこんなことを言わせてるなんて…
なんだか、申し訳ないけれど、
今はこの子は俺の体なんだ…。
・・・って、VRだから、そこまで気にする必要はないか。
ふと、目の前に
チュートリアルが表示された。
”女の子のからだを堪能できましたか?
別の女性に憑依したい場合は、
ポーズ!と叫ぶと出現する仮想メニューパネルから
「からだの変更」を選択してください”
と書かれていた。
おいおい、親切なのはいいけど、
こっちがその気になっているタイミングで
説明文出すとか空気読めなさすぎだろ。
”また、各からだごとにミッションが用意されています
クリアしていくことで、新しい憑依対象を
アンロックすることができます
ミッションの達成を目指すか
からだで好き勝手遊ぶかは、自由です”
と続けて表示された。
「ミッションー?」
俺は、この芹香とかいう子のミッションを
確認してみた。
”高校で5人以上の男子を誘惑して、
エッチをする”
と書かれていた。
「--へぇ~~
一人ひとりにミッションが用意されてるのか!
楽しそうだなぁ」
ミッションを達成すると、からだが増える…
それもまた楽しそうだ。
けどーー。
「まずは、楽しまなくちゃな…
いや…
”楽しまなくちゃね!”うふふ♡」
男言葉のままではムードが出ない。
ここは女の子になりきるべきだ。
「わたしは芹香!
わたし、今から変態女子高生になっちゃいま~す♡」
そう言って、俺はポーズを決めてみた。
うわぁ…可愛い。
女の子ってこうやって意識的に誘惑できるのは
強みだよな…
服の制服のボタンに手をやる俺。
「--うふふ・・・♡
わたし、脱いじゃう♡」
服を脱いで、
スカートにも手をかける。
「ふふふ♡ ふふふふふふふふっ♡」
もっとましなセリフを考えようともしたが、
それが浮かばず、不気味な笑い声が
口から出てしまった。
そして、服を脱ぎ終えた俺は、
鏡に向かって、エロいポーズを
次々として見せた。
「うふん…♡ どう、わたしのか・ら・だ♡」
自分ひとりの部屋で、
誘惑するかのように囁く俺。
鏡の中の芹香ちゃんは
挑発的な笑みを浮かべて、
下着姿でモデルポーズをとっていた。
清楚な女子高生…
くふふ、それを俺が汚しているんだ。
「--わたし…」
ピアノの方を見る。
「--今日は、わたしの音色、聞かせてあげるね♡」
俺はそう言うと、
胸を力強く触って揉み始めた。
「ひぁゃあっ♡ す…凄い…♡
これが、、これが女の子の快感♡」
俺は顔を真っ赤に赤らめながら、
声を出した。
「あぁんっ♡ あん♡ あぁあああ♡
いくらでも、いくらでも、、、
か、、勝手に声が出ちゃうぅぅぅ♡
あぁんっ♡」
あまりの快感にわけもわからず
俺は、自分のからだを抱きしめた。
「あぁ♡ わたしは、わたしは芹香♡」
この子の名前を自分の名前かのように
呼んでみる。
やばい、興奮がやばい!
「あぁん♡ 芹香♡
わたしは、わたしは芹香 せりかー♡
あはははははははっ♡
せりか♡ せりか♡ せりかよ~♡」
あぁん…やべぇ…やべぇよ…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あぁん…
わたしは芹香ぁっ…」
・・・・?
TSF VRを楽しんでいる男には
弟が居た。
TSF VRを楽しんでいる彼は実家暮らし。
隣の部屋の弟が異変を感じて、
廊下に出た。
「あぁん…あぁああああん」
男が女のように喘いでいる?
「…きっしょ…」
弟は呟いて扉を開けた。
「おい兄貴、なにやってんだよ
昼間から気色わ…」
そう言いかけて、弟は口を止めた。
兄が、自分の体を抱きしめて、
服を脱ぎ捨てて、
嬉しそうに部屋の床を転がりまわっていた。
下着姿の兄がゴーグルをして、
涎を垂らしながら部屋をゴロゴロしている。
「うわぁ…」
弟は呟いた。
「ドン引きだわ」
そう言うと、弟は見なかったことにして、
兄の部屋の扉を閉めたのだった。
部屋に、説明書が落ちている。
<注意>の欄には
こう書かれていたー
”長時間のプレイは避けて1時間ごとに休憩をお取りください
長時間続けてプレイした場合には・・・”
そこから先は、折りたたまっていて見えない。
そんなことも知らずに、
彼は、VR空間の中で喘ぎ続けていた…
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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VRで憑依・・・いつの日かそんな商品が
出てくるかもしれませんネ!
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