憑依されたお嬢様は執事にやりたい放題していく。
そんな中でも執事は懸命にお嬢様を守ろうとする。
その先に待つものとは…?
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執事の酒井は、
お嬢様である智恵の元へと向かう。
「---どうかされましたか?」
別の執事・益実(ますみ)に声をかけられた酒井は
足を止める。
「----いえ、別に何もございません」
酒井は誰にでも低い物腰で話す男だ。
憑依のことを誰かに言えば、お嬢様は
外で大暴れさせられてしまって、
その人生を壊されてしまう。
そんなことを、させるわけにはいかない。
「-ーー左様でございますか」
益実は不審そうな顔をしながら
そのまま立ち去って行く。
酒井はほっとしながら、
智恵の部屋に入る。
「--お嬢様、おはようございます」
いつもの朝。
だがーー
部屋のベットの横に立っていた智恵は、
いつもの智恵では無かった。
髪をおろし、
そのニオイを下着姿で嗅ぎまくっていたのだ。
「---お、、お嬢様…」
酒井が顔を赤らめて言うと、
智恵は振り返った。
「あぁ、おはよう。
酒井、今日からお前には
ちゃ~んと働いてもらいますわよ。ふふ♡」
そう言うと、智恵は服を身に着けて、
酒井の方に近づいた。
「これ、用意してくれる?」
智恵がほほ笑みながら、紙を酒井に手渡した。
その紙にはーー
バイブ…
つまり、大人のおもちゃが描かれていた。
「------」
酒井は額から汗をかく。
お嬢様に憑依している(たぶん)男は
お嬢様に何をさせるつもりなのだと、
酒井ははらわたが煮えくりかえる思いでそれを見た。
「--あら?返事は?」
智恵が腕を組んで、不機嫌そうに酒井を見つめる。
「----お嬢様…」
酒井が歯ぎしりをする。
「---返事。」
智恵がイライラした様子で足をトントンとしている。
「---それだけは、できません」
酒井が首を振った。
「あぁ!?」
智恵が声を荒げて酒井の胸倉をつかもうとする。
だが、酒井はそれよりも早く土下座をした。
「お嬢様、おやめくださいませ!それだけは!!
お願いします!お願いします!」
酒井が頭を下げる。
どこまでも清純なお嬢様を汚させるわけにはいかない。
「--お願いします。それだけはぁ…!」
酒井はひたすらに頭を下げる。
だがーー。
「お前、自分の立場がわかってねぇみてぇだな」
智恵が酒井の胸倉をつかむ。
酒井はお嬢様の顔を見て、恐怖する。
まるで、闇の世界に生きるもののような目だ。
「---お前に選択権なんか、ないんだよ
いいか?今、お嬢様は俺の意思一つで
どうにでもできるんだよ?
このまま飛び降りて死ぬことだってできる。
外に行って男どもとヤッちまうことだってできる。
”お父様”を毒で殺すことだってできる。
あ?そのこと分ってんのか?」
自分にとって悲しい事を、智恵は嬉々として語る。
「--お嬢様!目を覚ましてくださいませ!
お嬢様!お嬢様!」
酒井が必死に智恵を呼びかける。
「--ムダだって言ってんだよ!」
智恵が酒井をグーで殴り飛ばした。
「ひぃっ!」
酒井は壁に打ち付けられる。
「---はっ、非力なからだだぜ!
俺の拳だったらお前の顔なんて砕けてたぜ!」
そう言いながら智恵は酒井に近づく。
「あぁ、、、興奮する♡
やさしいわたしが、こんなことしてるなんて♡
あぁ、、、最高ですわ!!!!」
お嬢様口調に戻った智恵は、
酒井を1発、2発と殴り続けた。
「ほら!ほら!
どう??私に跪くつもりになった??
ほら!
この無礼者め!!
このわたしに、改めて忠誠を誓いなさい!」
ボロボロになった酒井を投げ飛ばす。
酒井は体の痛みも忘れて、すぐに土下座をした。
「--お嬢様、申し訳ございませんでした」
酒井が心からの言葉で叫ぶ。
「---ふふふ、ようやくわかったのね」
智恵が胸を触りながらベットに座る。
「早く、バイブ持ってきてね。
で、ないとわたし、興奮を抑えられなくなって
外の男とヤッちゃうから!
うふふふふ♡」
酒井はその言葉を聞いて、慌てて走り出した。
「----どうした!」
酒井は廊下で呼びとめられた。
いつも、冷静な執事の酒井が走っている。
それだけで異常事態だ。
智恵の父、光男が酒井に詰め寄る。
「---どうした?その顔のキズは?」
光雄の言葉に酒井は首を振る。
「---いえ、何も…」
”言ったら”智恵が何をされるか分からない。
だからーー。
「---何も??
智恵に何かされたのか?」
光雄がさらに問い詰める。
だが、酒井は「いえ、私のミスでございます」とだけ言って
足早に立ち去って行った。
「・・・・・・・・・」
光雄は酒井の背中を見ながら、
”娘も難しい年頃だからな”と首を振った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
夜。
「---お嬢様…バイブですが…
明日到着予定でございます」
酒井が伝えると、
智恵が悲しそうな顔で酒井を見た。
「---……バイブ……?」
智恵が不安そうな表情をしている。
「---お嬢様!
……お嬢様でございますか?」
酒井が言う。
そうだーー
憑依している男は早寝だ。
「----わたし……酒井に
何か酷いことしてるの…?
その、傷は?」
智恵が不安そうに尋ねるのを見て
酒井は首を振った。
「--大丈夫です。
お嬢様の事は、わたしがお守りします。
何の心配もいりません」
そう言うと、智恵は目から涙をこぼした
「おねがい・・・私を見捨てないで…
おねがい…助けて…」
嘆願するように言う智恵。
酒井は心を強く傷め、
頷いた。
この子に、、お嬢様に
こんな顔をさせてはならない、と改めて決意したのだった。
部屋から出る酒井。
酒井が部屋から出たのを確認して、
智恵は表情をゆがめた。
「くくく…最高だぜ…
夜は本人の意識が出てくるなんて、、
そんなことあるわけねぇだろ!」
そう言うと、智恵はつばを吐き捨てて
そのままベットに寝転んだ。
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翌日。
”大人のおもちゃ”が届き、
智恵の部屋に届けると、
智恵はお嬢様とは思えないようなラフな格好をして
待ち構えていた。
「---あら、遅かったじゃない」
そう言うと、酒井からバイブを取り上げて、
微笑む。
智恵が嬉しそうにそれの準備をしている。
「-----」
そんなお嬢様の姿見たくない!
そう思った酒井は退席しようとした。
「待ちなさい!
愛しのお嬢様のエロい姿、
ちゃ~んと目に焼き付けなさい!」
そう言うと、智恵はバイブを挿入して
満面の笑みを浮かべはじめた。
「うはははは♡ すごい♡
あっ♡ あふぃっぃぃい♡
やば、、、やべぇ♡ 想像以上だ♡
ひぃぃああああああっ♡」
あまりの快感に体を激しく揺り動かして、
顔を真っ赤に赤らめる智恵。
「うほぉぉおっぉおぉぉぉ♡
あぁああああん♡ あぎっぎぎ♡
あはは♡ あは♡
これが、これが♡
女の快感♡ うふぇ♡ ふぇふぇふぇふ♡」
智恵の淫らな姿に、酒井は心を痛める。
「--ほら♡目をそらさずに見て♡
あぁあっ♡ どう♡ わたしの♡
喘ぎ狂う声はぁああ♡
っ・…あはぁあああああん♡」
ビクンビクンと体を震わせながら
激しい快感に身をゆだねている智恵。
髪は乱れ―
服は乱れ―、
表情は歪んでいるー。
智恵の快感の産声が、
部屋中に響き渡っている。
「---もう、、、おやめください!!!」
酒井が叫ぶ。
だが、
智恵は酒井を無視して、そのまま喘ぎ続けた。
酒井は唇をかみしめる。
悔しかったー。
目の前でお嬢様が、弄ばれているのに、
何もできない自分が。
絶対に救うと誓ったのに何もできない自分が。
そしてーー
喘ぎ狂うお嬢様を前にーー
少なからず興奮してしまっている自分がーーー。
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夕方。
再び智恵に呼び出された酒井は
智恵の部屋を訪れる。
「---ねぇ、、酒井?」
智恵が学校の制服姿でほほ笑んでいる。
憑依されてからの智恵は学校も
無断欠席を続けている。
「---さっき、、興奮してたでしょ?」
近づいてきて、甘い声で囁く智恵。
「い、いえ、そのようなことは」
酒井が言うと、
智恵は酒井のソレを手で優しく触った。
「からだはしょうじき…。
わたしを見て、興奮しちゃったんでしょ?」
智恵はさらに甘い声で言う。
「---お、、おやめ、、おやめください!」
酒井が必死に叫ぶが智恵はやめなかった。
「--今なら…わたしのこと、襲っても大丈夫だよ♡
酒井!」
誘うように言う智恵。
酒井はつばを飲む。
理性がはじけ飛びそうだった。
「--ーーほら、酒井…
わたしも、興奮してきちゃった…」
制服をわざと着崩して微笑む智恵。
さらに智恵は、
わざと髪をほどいて、女の要素をふんだんに
アピールした。
「----さかい♡ だいすき♡」
智恵の甘い誘いに酒井の理性が壊れてしまった。
「お、お嬢様ぁあああ!申し訳ございません!」
酒井は涙を流しながら智恵のからだを押し倒した。
智恵は笑うー。
邪悪に…。
これから起こることを想像して…。
③へ続く
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明日で最終回です!
3話構成だと余裕を持って書けますね!
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