<憑依>お嬢様、おやめくださいませ②~跪きなさい!~

憑依されたお嬢様は執事にやりたい放題していく。

そんな中でも執事は懸命にお嬢様を守ろうとする。

その先に待つものとは…?

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執事の酒井は、
お嬢様である智恵の元へと向かう。

「---どうかされましたか?」
別の執事・益実(ますみ)に声をかけられた酒井は
足を止める。

「----いえ、別に何もございません」
酒井は誰にでも低い物腰で話す男だ。

憑依のことを誰かに言えば、お嬢様は
外で大暴れさせられてしまって、
その人生を壊されてしまう。

そんなことを、させるわけにはいかない。

「-ーー左様でございますか」
益実は不審そうな顔をしながら
そのまま立ち去って行く。

酒井はほっとしながら、
智恵の部屋に入る。

「--お嬢様、おはようございます」

いつもの朝。
だがーー
部屋のベットの横に立っていた智恵は、
いつもの智恵では無かった。

髪をおろし、
そのニオイを下着姿で嗅ぎまくっていたのだ。

「---お、、お嬢様…」
酒井が顔を赤らめて言うと、
智恵は振り返った。

「あぁ、おはよう。
 酒井、今日からお前には
 ちゃ~んと働いてもらいますわよ。ふふ♡」

そう言うと、智恵は服を身に着けて、
酒井の方に近づいた。

「これ、用意してくれる?」
智恵がほほ笑みながら、紙を酒井に手渡した。

その紙にはーー

バイブ…
つまり、大人のおもちゃが描かれていた。

「------」
酒井は額から汗をかく。

お嬢様に憑依している(たぶん)男は
お嬢様に何をさせるつもりなのだと、
酒井ははらわたが煮えくりかえる思いでそれを見た。

「--あら?返事は?」
智恵が腕を組んで、不機嫌そうに酒井を見つめる。

「----お嬢様…」
酒井が歯ぎしりをする。

「---返事。」
智恵がイライラした様子で足をトントンとしている。

「---それだけは、できません」
酒井が首を振った。

「あぁ!?」
智恵が声を荒げて酒井の胸倉をつかもうとする。
だが、酒井はそれよりも早く土下座をした。

「お嬢様、おやめくださいませ!それだけは!!
 お願いします!お願いします!」
酒井が頭を下げる。

どこまでも清純なお嬢様を汚させるわけにはいかない。

「--お願いします。それだけはぁ…!」
酒井はひたすらに頭を下げる。

だがーー。

「お前、自分の立場がわかってねぇみてぇだな」
智恵が酒井の胸倉をつかむ。

酒井はお嬢様の顔を見て、恐怖する。
まるで、闇の世界に生きるもののような目だ。

「---お前に選択権なんか、ないんだよ
 いいか?今、お嬢様は俺の意思一つで 
 どうにでもできるんだよ?

 このまま飛び降りて死ぬことだってできる。
 外に行って男どもとヤッちまうことだってできる。
 ”お父様”を毒で殺すことだってできる。

 あ?そのこと分ってんのか?」

自分にとって悲しい事を、智恵は嬉々として語る。

「--お嬢様!目を覚ましてくださいませ!
 お嬢様!お嬢様!」
酒井が必死に智恵を呼びかける。

「--ムダだって言ってんだよ!」
智恵が酒井をグーで殴り飛ばした。

「ひぃっ!」
酒井は壁に打ち付けられる。

「---はっ、非力なからだだぜ!
 俺の拳だったらお前の顔なんて砕けてたぜ!」

そう言いながら智恵は酒井に近づく。

「あぁ、、、興奮する♡
 やさしいわたしが、こんなことしてるなんて♡
 あぁ、、、最高ですわ!!!!」

お嬢様口調に戻った智恵は、
酒井を1発、2発と殴り続けた。

「ほら!ほら!
 どう??私に跪くつもりになった??
 ほら!
 この無礼者め!!

 このわたしに、改めて忠誠を誓いなさい!」

ボロボロになった酒井を投げ飛ばす。

酒井は体の痛みも忘れて、すぐに土下座をした。

「--お嬢様、申し訳ございませんでした」
酒井が心からの言葉で叫ぶ。

「---ふふふ、ようやくわかったのね」
智恵が胸を触りながらベットに座る。

「早く、バイブ持ってきてね。
 で、ないとわたし、興奮を抑えられなくなって
 外の男とヤッちゃうから!
 うふふふふ♡」

酒井はその言葉を聞いて、慌てて走り出した。

「----どうした!」
酒井は廊下で呼びとめられた。

いつも、冷静な執事の酒井が走っている。
それだけで異常事態だ。

智恵の父、光男が酒井に詰め寄る。

「---どうした?その顔のキズは?」
光雄の言葉に酒井は首を振る。

「---いえ、何も…」
”言ったら”智恵が何をされるか分からない。
だからーー。

「---何も??
 智恵に何かされたのか?」
光雄がさらに問い詰める。

だが、酒井は「いえ、私のミスでございます」とだけ言って
足早に立ち去って行った。

「・・・・・・・・・」
光雄は酒井の背中を見ながら、
”娘も難しい年頃だからな”と首を振った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夜。

「---お嬢様…バイブですが…
 明日到着予定でございます」

酒井が伝えると、
智恵が悲しそうな顔で酒井を見た。

「---……バイブ……?」
智恵が不安そうな表情をしている。

「---お嬢様!
 ……お嬢様でございますか?」
酒井が言う。

そうだーー
憑依している男は早寝だ。

「----わたし……酒井に
 何か酷いことしてるの…?
 その、傷は?」

智恵が不安そうに尋ねるのを見て
酒井は首を振った。

「--大丈夫です。
 お嬢様の事は、わたしがお守りします。
 何の心配もいりません」

そう言うと、智恵は目から涙をこぼした

「おねがい・・・私を見捨てないで…
 おねがい…助けて…」

嘆願するように言う智恵。
酒井は心を強く傷め、
頷いた。

この子に、、お嬢様に
こんな顔をさせてはならない、と改めて決意したのだった。

部屋から出る酒井。

酒井が部屋から出たのを確認して、
智恵は表情をゆがめた。

「くくく…最高だぜ…
 夜は本人の意識が出てくるなんて、、
 そんなことあるわけねぇだろ!」

そう言うと、智恵はつばを吐き捨てて
そのままベットに寝転んだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。

”大人のおもちゃ”が届き、
智恵の部屋に届けると、
智恵はお嬢様とは思えないようなラフな格好をして
待ち構えていた。

「---あら、遅かったじゃない」

そう言うと、酒井からバイブを取り上げて、
微笑む。

智恵が嬉しそうにそれの準備をしている。

「-----」
そんなお嬢様の姿見たくない!
そう思った酒井は退席しようとした。

「待ちなさい!
 愛しのお嬢様のエロい姿、
 ちゃ~んと目に焼き付けなさい!」

そう言うと、智恵はバイブを挿入して
満面の笑みを浮かべはじめた。

「うはははは♡ すごい♡ 
 あっ♡ あふぃっぃぃい♡
 やば、、、やべぇ♡ 想像以上だ♡
 ひぃぃああああああっ♡」

あまりの快感に体を激しく揺り動かして、
顔を真っ赤に赤らめる智恵。

「うほぉぉおっぉおぉぉぉ♡
 あぁああああん♡ あぎっぎぎ♡
 あはは♡ あは♡
 これが、これが♡
 女の快感♡ うふぇ♡ ふぇふぇふぇふ♡」

智恵の淫らな姿に、酒井は心を痛める。

「--ほら♡目をそらさずに見て♡
 あぁあっ♡ どう♡ わたしの♡
 喘ぎ狂う声はぁああ♡
 っ・…あはぁあああああん♡」

ビクンビクンと体を震わせながら
激しい快感に身をゆだねている智恵。

髪は乱れ―
服は乱れ―、
表情は歪んでいるー。

智恵の快感の産声が、
部屋中に響き渡っている。

「---もう、、、おやめください!!!」
酒井が叫ぶ。

だが、
智恵は酒井を無視して、そのまま喘ぎ続けた。

酒井は唇をかみしめる。

悔しかったー。
目の前でお嬢様が、弄ばれているのに、
何もできない自分が。

絶対に救うと誓ったのに何もできない自分が。

そしてーー
喘ぎ狂うお嬢様を前にーー
少なからず興奮してしまっている自分がーーー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夕方。

再び智恵に呼び出された酒井は
智恵の部屋を訪れる。

「---ねぇ、、酒井?」
智恵が学校の制服姿でほほ笑んでいる。

憑依されてからの智恵は学校も
無断欠席を続けている。

「---さっき、、興奮してたでしょ?」
近づいてきて、甘い声で囁く智恵。

「い、いえ、そのようなことは」
酒井が言うと、
智恵は酒井のソレを手で優しく触った。

「からだはしょうじき…。
 わたしを見て、興奮しちゃったんでしょ?」
智恵はさらに甘い声で言う。

「---お、、おやめ、、おやめください!」
酒井が必死に叫ぶが智恵はやめなかった。

「--今なら…わたしのこと、襲っても大丈夫だよ♡
 酒井!」

誘うように言う智恵。

酒井はつばを飲む。
理性がはじけ飛びそうだった。

「--ーーほら、酒井…
 わたしも、興奮してきちゃった…」

制服をわざと着崩して微笑む智恵。

さらに智恵は、
わざと髪をほどいて、女の要素をふんだんに
アピールした。

「----さかい♡ だいすき♡」

智恵の甘い誘いに酒井の理性が壊れてしまった。

「お、お嬢様ぁあああ!申し訳ございません!」
酒井は涙を流しながら智恵のからだを押し倒した。

智恵は笑うー。
邪悪に…。
これから起こることを想像して…。

③へ続く

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明日で最終回です!
3話構成だと余裕を持って書けますね!

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