幸せな大学生カップル。
しかし、とある男が、悪魔のような憑依により、
二人の幸せを壊す。。
「---あなたが犯罪者です」
------------------------------—
とある大学生カップルが、
久しぶりの家デートを楽しんでいた。
二人とも、一人暮らし。
今日は、彼氏の赤坂 幸保(あかさか ゆきやす)の家に、
彼女の西崎 秋穂(にしざき あきほ)が遊びに来ていた。
秋穂は、大人しい雰囲気とは裏腹に
結構活発で元気な女子大生で、
そのギャップから人気も高い。
「---で、大丈夫なのか?」
幸保が言うと、
秋穂が頷いた。
「大丈夫大丈夫!
ほら、わたしって、こんな感じだし、
弱弱しくみられることも多いのよね…」
顔立ちや雰囲気がおしとやかで、大人しそうな
美少女スタイルなため、
どうにも秋穂は勘違いされやすい。
「---なら良かった」
幸保が言う。
今日の秋穂は、ミニスカート姿に、
可愛らしいセーター姿だった。
「---そのストーカー、営業マンなんだっけ?」
幸保が尋ねる。
秋穂はーー、
ストーカーに付きまとわれていた。
自宅を訪ねて来た営業マンの
中田 雄太(なかた ゆうた)。
秋穂に一目ぼれしたのか、
一度自宅にネット回線の営業に来て以降、
何かと付きまとうようになっていた。
最初は、秋穂も
「ごめんなさい…」だとか
「困ります…」だとか、外対応モードで相手をしていたが、
キリがなかったため、
この前、付きまとわれた際に
「いい加減にしてくれる!?わたし、アンタに興味ないの!」と
怒りを露わにした。
その日を最後に、
中田の付きまといは終わったのだった。
ガチャ ガチャ
「…ん?」
幸保が玄関の音を察知して違和感を感じる
「--え?今日誰か来るの?」
秋穂が尋ねると、
幸保が首を振った。
「いやぁ、そんな予定はないはずだけど」
幸保の言葉に秋穂が意地悪そうな笑みを浮かべる。
「まさか浮気してないよね?」
「してるわけねーだろ!」
幸保が笑いながら言うと、
「誰だ誰だ?」と言いながらインターホンの方に向かおうとする。
ガチャ…
鍵が開いた。
「なっ…」
玄関の方に向かっていた幸保が立ち止まる。
「か…鍵を持ってるってことは…
そうか!オヤジだな!
勝手に来るなっていつも言ってるじゃないか!」
幸保がそう叫ぶ。
だがーー、
玄関に入ってきたのは”オヤジ”では無かった。
「--どうも。初めまして」
営業マン風のスーツを着た男。
「あ、あんた…」
奥に居た秋穂が声をあげる。
「---まさかお前・・・!」
幸保はすぐに男の正体に気付いた。
「---はい。秋穂さんの彼氏の
中田 雄太と申します」
名刺を渡す中田。
幸保は中田の名刺を振り払った。
「ふざけるな。
秋穂は俺の彼女だ。
聞いたぞ?
お前、秋穂につきまとってるらしいな。
…つーか、何で俺の家の合鍵
持ってんだよ!」
幸保が怒鳴ると、中田は笑った。
「秋穂さんの事は全部調べたんですよ…ひひひ。。
当然、彼氏を名乗るあなたのことも…ね」
中田はそう言うと、不気味な笑みを浮かべて続ける。
「---合鍵は、私が勝手に作らせて頂きました」
「--ふざけるな!」
幸保が叫ぶ。
「犯罪だぞ!」
だが、中田は意にも介さず、秋穂の方を見た。
「ほら…秋穂さん、ダイヤの指輪です。
…私と、結婚しましょう」
中田が指輪のケースを開いて、秋穂に差し出す。
「---や、、やめてって言ったでしょ!
どうして私に付きまとうの!」
秋穂が恐怖から涙ぐんで叫ぶと、
中田は言った。
「…泣かないでください。
あの男が怖いのですよね。
わたしが、守ってあげます」
自分に”都合の良い”方向にしか解釈しない中田が笑う。
「---違うわよ!あんたが怖いのよ!」
秋穂が泣き叫ぶと、中田の表情が曇った。
「---おい!お前!いい加減に…!」
幸保がそう言うと、中田が舌打ちした。
「--そうか、そうか。
つまりお前が、秋穂さんを洗脳してるんだな」
中田が敵意をむき出しにして幸保を睨む。
「てめぇ…何を言ってやがる…!」
幸保が負けじと中田を睨み返す。
だが、中田はそれを無視して、
秋穂の肩に手を触れた。
「--秋穂さん!目を覚ましてください!
あなたはあの男にいいように利用されているんです!
秋穂さん!秋穂さん!」
だがー、
秋穂は洗脳などされていない。
全て、この中田と言う男の”思い込み”だ。
「---やめてって言ってるでしょ!」
秋穂が中田を突き飛ばし、
幸保の方に駆け寄る。
「--ちっ、ちっ、ちっ、ちっ」
中田が舌打ちを繰り返す。
「--許せない…!」
中田が幸保の方を見る。
「秋穂さんを洗脳して!!
思いのままに操って!!!
…それに、、そんな男に洗脳されて、
好き勝手にされる秋穂さん!
あなたのことも許せない!」
中田がヒステリックにわめく。
「--秋穂、警察だ!」
幸保が言うと、中田が叫んだ。
「---お前を殺す!」
幸保の方を指さしている。
「--ふざけるな!やってみやがれ!」
幸保が叫び返すと、
中田はニヤリと笑みを浮かべる。
「---えぇ、やってやりますとも。
ただし…、私は罪を犯しませんがね」
中田が言うと、
中田の体が透明になっていく。
「--ひっ…」
人間が透明になっていくと言う光景を見て
恐怖を覚えた秋穂が慌てて警察に電話をする。
「--あなたが、犯罪者ですー」
中田が秋穂の方を指さすと、中田の姿が消えた。
「--な、、何なんだあいつは!
と、とにかく警察を!」
幸保が叫ぶ。
秋穂はうなずいて、110した。
しかしーーー
「--もしも・・・ うっ…!?」
秋穂の体がビクンとなって、動きを止める。
相手の警察官が
どうしました?と、繰り返し呼びかけをする。
ーー少しして…
秋穂の口元が歪んだ。
「---何でもありません。ご迷惑をおかけしました」
そのまま、赤色のスマホの電源を切る秋穂。
「---あ、秋穂…?」
幸保が違和感を感じて呼びかける。
「---ふふふふふふふ♡
幸保…わたし、、これからあなたを殺すね♡」
甘い声で呟いた秋穂。
「---は!?な、、何言ってるんだよ!」
秋穂は微笑みながら、台所に向かい、
包丁を取り出した。
「ちょ、、、待て!な、、何だよ急に!」
幸保がパニックを起こして叫ぶ。
「--ふふ、許せない。
お前のことも…、お前にたぶらかされた、わたし自身も!」
秋穂が幸保に近づく。
「---おい!どうしたんだよ!おい!」
壁際に追い詰められた幸保が叫ぶ。
だが、秋穂はーー
中田に憑依されていたー。
意識もからだも、完全に支配されて、
秋穂は中田の思うが儘だった。
「秋穂、これから犯罪者になっちゃうの!
うふふ、
でも仕方ないよね!
お前みたいな人に騙されたわたしが悪いんだもん!」
包丁を幸保に向ける秋穂。
「---ま、、まさか!」
幸保が”最悪のこと”を頭に浮かべる。
しかしーーー
「---あははははははははははっ♡」
秋穂が容赦なく、幸保に刃物を振り下ろした。
「ぎゃあああああっ!」
幸保が、必死に秋穂を振り払おうとする。
けれどー
無理だった。
”守るべき彼女”に対して、どこか躊躇のあった幸保は、
満足に抵抗できないまま、めった刺しにされてしまった。
「ふぅぅぅぅぅぅぅぅ~♡」
満足そうに声を漏らしながら、幸保の血がついた刃物を
嬉しそうに放り投げる秋穂。
返り血を浴びた手を、ペロペロと舐めはじめる。
「うふふふふ♡
わたし、彼氏を殺しちゃった!
わたしがやりました~~~♡
な~んて!あはははははははっ!」
近くにあった鏡を見つめて、秋穂は微笑む。
「秋穂さん…
ううん、、わたしが秋穂…
うふふふふ♡
わたしが、秋穂!
わたし、秋穂!!!」
何度も何度も自分の名前を呼んでは、
嬉しそうな笑みを浮かべる秋穂。
「--うわぁ…秋穂さんの…
ううん、わたしの足だ~
きれい~~~~」
うっとりとした表情で秋穂が自分の足を見つめる。
両手で足をこするようにして
撫で回す秋穂。
その表情は獣のように歪み、
あまりの興奮に涎を垂らしている。
「あふふふふっ♡
大好きな彼氏、殺しちゃった
あふふふふっ♡」
俯いた秋穂は、からだを震わせている。
自分のしたことの重大さに気付いたのだろうか。
それとも…。
「ーーーくくくくくく♡
殺しちゃった♡
うふふふふふふふ、あははははははははははは!」
震えは歓喜の震えだった。
目からは涙を流しているー。
歓喜の涙か、それとも秋穂本人の意思かーー
「ぶっ殺してやったぜ!!!ああはははははははは♡」
自分の体を思いっきり抱きしめながら、
”大好きな彼氏を殺した”という興奮から、
秋穂の下着はびしょ濡れになっていて、
太ももにまで、液体が流れ出はじめていた。
「うわぁぁ、、わたし、興奮しちゃってる!!
人殺ししたのに、興奮してる!!!
あは、変態、変態ぃぃ!!!!」
興奮をこらえきれずに、自分の胸を狂ったように
揉み始める秋穂。
「いひひひ♡ あん♡ あぁん♡
壊れちゃう!!!秋穂、、壊れちゃう♡
ひぃん♡ あぁん♡ あんっ♡ あぁあああああん♡」
大声で喘ぎまくる秋穂。
髪を振り乱し、
セーターをかきむしるようにして滅茶苦茶にして、
スカートも乱れきっている。
「ふぅぅぅ♡ ふふ♡ あぁん♡
秋穂♡ あきほ♡ あきほぉぉ♡」
顔を真っ赤にして、大声で産声をあげる秋穂。
「わたしはあきほ♡
わたしがあきほ♡
あきほあきほあきほあきほあきほあきほ♡
あきほあきほ♡ あぁあああああああ~~~♡」
大声で狂ったように喘ぎ続けている秋穂。
興奮でどうにかなってしまいそうだった。
完全にあたまがおかしくなりそうだった。
いや、もうおかしくなっているのかもしれない。
「---たすけて…あきほを…たすけて…!」
声が聞こえた。
秋穂が我に返り、振り向くと、
まだ死んでいなかった幸保が、警察に電話していた。
「あきほを…あきほを…たすけてやってくだ…」
「----舐めたマネしてんじゃねぇよ!」
秋穂が大声で怒鳴りつけて
幸保を蹴り飛ばした。
「---うっふぅ~♡
幸保~~~~ばいばい!!!」
そう言うと、今一度幸保に刃物を突き立てて、
幸保は動かなくなった。
「---ふぅぅぅぅぅぅ♡」
警察が来てしまう。
だが、まだ時間はある。
「わたしの全て、楽しんじゃおっと♪」
秋穂はそう言うと、セーターを脱ぎ始めた…。
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
この先に待つのは絶望のみ・・・ですね(汗)
どうなるのかは明日です!
コメント