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今回は、少し前に書いた
夏空に消える花 ~花は散るもの~で、私が考えていた
バットエンドバージョンを公開します!
コメント欄で、「バットエンド版もみたい!」とコメントを下さりましたので
没にした「バットバージョン」を特別公開です!
途中までは同じ内容なので、途中から。
少しの違いから、最後の結末の違いまでをお楽しみ下さい!
今回のは、あくまでも「もしも」の話です!
2人はちゃんと幸せな再会を果たしました!
—————————-
(途中までは同じなので、途中からです)
「---じゃ、お互い花火大会、楽しみましょう」
春樹はそう言って今一度、背を向けて立ち去ろうとした。
「---待って…」
友香が声を出した。
大きな花火の音で、その声はかき消された。
「---待って……行かないで…」
目から涙が溢れる…。
どうして…
どうして、こんな大切なことを忘れていたのだろう…。
どうして…?
友香は、全てを思いだした。
そう、春樹はーーー
自分の大切にするべき人間は不良の和樹なんかじゃない。
自分は、あの男に憑依され、
記憶を塗り替えられて、弄ばれたー。
そして、春樹との大事な絆を、奪われた…。
ーーーでも、
”思い出した”ということはーーー。
そうーーー。
”あのこと”まで思い出してしまったー。
でも、今はそんなことはどうでもいい。
目の前に、春樹がいるのだから。
「---春樹!!!!!!」
友香が叫んだ。
花火にも、負けない声で。
「・・・・え?」
春樹が振り返る。
友香が駆け寄ってきて、
突然、春樹に抱きついた。
春樹は驚いて、慌てた様子で言う。
「ど、、、どうしたんですか急に!?」
ーーーその言葉に、友香は
涙を浮かべながら言った。
「---春樹、、わたし、、
友香よ!」
その言葉に春樹は、混乱する。
”友香”
オルゴールを見るたびに、よぎった名だ。
この子はーーー
「----す、、すみません、
俺、、記憶が曖昧で…」
春樹が言うと、友香が叫んだ
「来年もまた見に来ようねって
約束したじゃない!!!!
思い出して!!!春樹!!」
友香が泣きながら叫んだ。
春樹もーー
あの不良男に、憑依されて記憶をいじられている。
そんなことは分かってる。
けれど、
思い出して欲しかった。
「----来年…も」
花火が大きく爆発音を立てる。
周囲から歓声が聞こえてくる。
「こんな瞬間がずっと続けばいいのになー」
春樹はハッとした。
去年のーーーーーー
去年の花火大会、俺は友香とーーー。
そしてーー
「…と、、、友香…」
春樹も、全てを思い出した。
何もかも。
「そっか…」
春樹は切ない表情を浮かべる。
けれどー。
目の前の友香は…。
優しく笑いながら、
春樹は、友香をそのまま抱きしめた。
「そっか…
そうだよな…。
…ごめん、友香。
大切なこと、忘れてたよ…」
春樹が涙を流すー。
そうだー
1年前のあの日、二人で花火大会を見に来て…
”また来年も”って約束したんだー。
春樹は、不良グループに友香が憑依されたことを
思い出したー。
そうだ…
不良の和樹に、無気力な人間に変えられてーー
それでーーー
春樹は”思い出した”
全てをー。
そう、”全てをー”
「---春樹…ごめんね…
わたし、、大切にする”樹”を間違えちゃった…」
友香の彼氏は、”和樹”ではなく”春樹”ー。
和樹に憑依されて、和樹に忠実な女に染め上げられてー
そしてーーー自分勝手にも被きは友香を捨てたー。
和樹のことしか考えられなくなっていた友香はーー
”絶望の淵”に居た。
けれどーー
”来年も、また来よう”
その約束だけ、
強く、友香の記憶に残っていた。
だから、春樹のことを忘れていたのにも関わらず、
今日、ここに来た。
それは、春樹にとっても同じこと。
「-----」
春樹が友香の方を見つめる。
「--でも、わたし…」
友香が悲しい表情で言う。
「---いいさ…たぶん、”俺も同じ”だからー」
春樹にとって、そんな些細なことはどうでもよかった。
”友香が戻ってきてくれた”
それだけでーー。
花火が空に打ち上がる。
あの時と同じようにー。
綺麗にー。
「----今度はもう、離さないから…」
春樹が涙を流しながら言う。
「--うん、、、ずっと、一緒だよー」
友香も、涙を流しながら、微笑んだー。
そうーーーーー
ずっとーーーー
ずっと、、、一緒だからーーーーーー。
永遠にーー
もう、誰にも、邪魔をされないからー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・っかし、やな日だったな、今日は!」
年配の警察官が若手の警察官に言う。
「そうですね…」
若手の警察官は疲れきっている。
今日は、
2つの現場を訪れた。
同じ日に、同じ管轄の場所で、
”自ら命を絶った”若者が出るなんて思わなかった。
一人は、女性ー。
”和樹”なる男に振られたのだろうか。
部屋中に赤い文字で”和樹”と書き綴った挙句、
自ら命を絶ったらしいー。
そして、もう一人は男性。
オルゴールを手に抱えたまま、
”餓死”していた。
この男も振られたのだろうか。
”友香”--
誰だか思い出せないけど、ずっと、大好きだからー
そう書かれたメモが机の上に置かれていたのだ。
そして、何故か二人とも、
笑顔だった。
最後の瞬間に、何か望む光景でも見えたのだろうか。
「---ったく…若い者の考えていることは分からんよ」
年配の刑事がため息をつき、若手刑事のほうを見て、
やれやれという様子で立ち去って行った。
春樹と友香の”再会の場所”は
”この世”ではなく”あの世”だった。
2人は、今度こそ、幸せになれるのだろうかー。
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
こういうバットエンドも浮かんでました~!
ですが、私が思いとどまったので、
春樹と友香は”現世”で幸せな再会を果たしました!
良かったデス(笑)
今回のは、あくまでもifですから、
二人の物語の正史ではありません!
コメント
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てっきりまた憑依されるのかと思った
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> てっきりまた憑依されるのかと思った
憑依していた不良(和樹)はもう、友香には
飽きてしまったようです^^
バットエンドの世界では、彼はまだ
色々なところで憑依を続けています