憑依された幼馴染。
彼氏は、必死に彼女を助け出そうとするー。
時が経てば経つほど、彼女は”染まっていく”
早く助け出さなくてはならないー。
彼女を救い出したその先に、待つものとは…?
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「ーーーはぁ~い!ご苦労様!」
昼休みの空き教室で、
律夫は、ボロボロになっていた。
手に痣を作っている愛菜が笑う。
「どうだった?彼女のわたしに殴られる気分は?」
今日の”おねがい”はー
愛菜にひたすら殴られ続けること だった。
暴力や乱暴なことを心から嫌う愛菜に、
こんなことを…
「・・・ふざけるな…
お前は、、真面目な女の子に…そんなことをさせて
楽しいのか…?」
律夫が、腫れた顔で言う。
「---うん」
愛菜がほほ笑んで振り返った。
「楽しい!
わたしがしたくないことをわたしが
”させられちゃってる”
うふふふふふふ♡
ゾクゾクするよ!超興奮する!」
愛菜が体を震わせながら
自分の体を抱きしめているl。
「あぁ…わたし、こんなことしたくないのに、
いまは、喜んでしちゃってる…
あぁん…興奮する!!!興奮するぅ!!!!」
愛菜が興奮を隠しきれない様子で足をじたばたさせて
喜んでいる。
「----外道が!」
律夫はそう言うのが、精一杯だった…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日。
「---おはよう!」
愛菜が笑顔であいさつをしてきたー。
毎朝、昼休みに入るまで、
憑依している久松は、愛菜の奥底に潜んでいる。
つまり、午前中だけは愛菜本人の意思だ。
けれどー
愛菜は日に日に、久松の影響を受けているのか
”変わっている”
早く、早くしなければー。
今日は…
「--愛菜……ピアスはまずいだろ…?」
律夫が言う。
すると愛菜は笑った。
「怒られたら怒られたでいいし!
ってか、先生うざくない?
いつもいつも、偉そうにさ!」
愛菜の言葉に律夫は
「違うだろ!」と叫んだ。
「---何が?」
愛菜が不機嫌そうに言う。
「愛菜!お前はそんなやつじゃないだろ!?
俺、ずっと小さいころから愛菜のこと見て来たから
よく分かるんだ!
愛菜!!!しっかりしろよ!!
自分を見失うなよ!」
律夫が愛菜の肩をつかんで必死に叫んだ。
まだーー
まだ、なんとか、なるはずだ。
久松に憑依されていることは言えない。
何故なら、言えば久松が
”ゲームオーバー”だとして、
憑依した愛菜を全裸にして校舎内で暴走させると脅してきている。
そんなことーーー
させるわけにはいかない…。
「---知ったような口利かないで」
愛菜が不機嫌そうに言う。
昨日ぐらいからーーー
愛菜の性格にも影響が出始めている。
あれだけ優しかった愛菜がー、
刺々しい雰囲気に変わっていく。
久松に憑依されて、
久松に脳を使われているために、
脳の思考が徐々に歪んで行っているらしい。
「--ねぇ、律夫!律夫もわたし見たく自由に生きようよ!
律夫とわたしなら、毎日楽しいよ!?
真面目に生きるなんて、もうやめよ!
わたしと一緒に、楽しく生きよう!」
愛菜が満面の笑みで言う。
笑顔だけはーー
いつもの笑顔なのにーーー
「-----くそっ!」
律夫は愛菜の豹変に耐え切れず、そのまま
学校に向かって先に走り出してしまった。
「--愛菜!俺が必ず助けてやるから!!」
律夫は涙を目に溜めながらそう叫んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
昼休み。
律夫は、ハイヒールを履いた愛菜の
ハイヒールを掃除していた。
偉そうに腕を組んで、
意地悪そうな笑みで、愛菜が律夫を見下している。
律夫は、跪くようにして、愛菜のハイヒールを
舌で掃除していた。
「うふふふ・・・無様よね~
ちょっと前まで、わたしと仲良く
幸せそうにしてたのに!
今じゃこのざま!」
愛菜の言葉に律夫は、
激しい怒りを感じる。
「---終わったぞ」
舌の気持ち悪い感じを我慢しながら律夫が言う。
「----跪きなさい」
愛菜が高圧的に言う。
「ーーー…貴様!あんまり調子にの…」
律夫がそこまで言いかけて言葉を止める。
「---律夫…わたしを助けて…」
愛菜が弱弱しい表情で涙を流している。
律夫は、悔しそうに拳を壁に叩きつけると、
跪いた。
「---ふふっ…わたしが踏んであげる」
愛菜がそう言うと、
律夫の顔面を踏みつけ始めた。
「があああっ!」
律夫が悲鳴をあげる。
愛菜は歪みきった表情で汚らしく笑った
「あははははははははっ♡
さいこう!!!心優しい女の子のわたしが、
彼氏をハイヒールで踏んづけてる!!!!
あはっ♡ あははははっ♡」
律夫は、耐えるしかなかったーーーー。
耐えて、耐えて、耐えるしか…
チャイムが鳴る。
5分後には5時間目の授業が始まる。
「---ふん、こんなところかしら」
愛菜が言うと、舌打ちして、
「ハイヒール汚れちゃった」と不機嫌そうに言う。
律夫は顔の痛みに耐えながら、
蹲っていた。
「さ、最後よ。お舐めなさい」
愛菜が、足をあげてハイヒールを差し出した。
律夫が愛菜を見上げるー。
愛菜の表情は、
もう自分の知る愛菜じゃない…。
「くそぉおおおお!」
律夫は、そう叫んで、愛菜のヒールを舐めはじめた。
ーーー5ポイント。
あと2回。
あと2回、愛菜の願いを聞けばー
愛菜は解放される…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日の通学路。
律夫は愛菜と一緒に歩いていた。
「ねぇ、今度の土曜日なんだけど…」
愛菜が言う。
しゃべり方が男に媚びるような口調になっている。
律夫は、悲しさを表に出さないようにこらえた。
「---お父さんとお母さん、夜まで居ないから、
わたしの家に来ない?」
愛菜が可愛らしく微笑む。
「---愛菜の家に?」
律夫が首をかしげる。
確かに、このまま順調にポイントを稼げれば、
土曜日には愛菜は解放されている計算になる。
「---わたしと…えっちなことしよ?」
愛菜が嬉しそうに囁いた。
「は…はぁっ??だ、、だめだよ!
今、大事な時期だろ?」
律夫が言う。
受験だのなんだの、だんだんと
忙しくなる時期なのだ。
「わたし…我慢できないの…。
ねぇ、わたしを滅茶苦茶にして?」
愛菜が甘い声で言う。
「---わたしを抱いて…」
愛菜がうっとりした表情で言う。
「----駄目だ!愛菜!
目を覚ませよ!!!!
お前は…お前は…!」
これ以上言えない。
律夫は悔しくて、悔しくて
雄叫びをあげた。
「---ほら…わたしのこと、嫌いなの?」
愛菜が律夫の手をつかんで、
自分の胸に当てた。
「---やめろよ!」
律夫が手を振り払う。
「---どうして???
ねぇ!わたしを満足させてよ!」
愛菜が怒りの声をあげはじめた。
「---ーーー」
愛菜が不機嫌そうに少し黙り込むと、
愛菜は叫んだ。
「---わたしから誘ってるのに、
拒むなんて!
アンタ最低!」
そう言うと、愛菜はイライラした様子で早歩きで
学校に方に向かって行った。
「---くそっ!」
律夫が叫ぶ。
最短で、愛菜の救出は明日ーー
間に合うのか・・・?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「…おめでとう、6ポイント目ゲットだね・・・ふふふ…」
今日のおねがいも酷いものだった。
スカートをめくれ、から始まり、
胸を揉んでみろ、だとか、
愛菜の顔面を思いっきり殴ってみろ!だとか…
「---楽しいか!?」
律夫は叫んだ。
「---」
愛菜は笑っている。
「俺は小さいころから愛菜のことを知ってる。
愛菜はいつも、いつも、一生懸命だった。
その愛菜に、こんなことさせて楽しいか!?
頼むからもうやめてくれよ!なぁ!久松!」
「いい…」
愛菜が表情を歪めて笑う。
「いい!いいよ!律夫!
その絶望に満ちた表情!!!
藁にもすがる想いでわたしにお願いするその表情!
ゾクゾクする!
うふふふふふふ♡ はははははははっ♡」
興奮した愛菜が自分の胸を両手でわしづかみに
して喘ぎ始めた。
「あぁ♡ はっ♡ いい♡
もっと、もっと絶望して♡
あぁはぁん♡ さいこう♡」
愛菜が溢れだした愛液をボタボタと垂らし始めている。
「---貴様ぁ…」
律夫が憎しみを爆発させる。
「----うふふふふ♡
くやしい?くやしいよね!?
大好きなわたしがこんな目にあって???
悔しいよねぇ!!!
あははは!!!!
あははははははは!!!」
愛菜の言葉に
律夫はブチ切れて、壁を何度も何度も何度も
思いっきり殴りつけた。
「----くくく、飯がうまいよ!律夫!あはははははっ!」
愛菜はバカにした様子で叫んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
最後の日ーーー。
今日で”7”ポイント。
久松は言った。
愛菜は7ポイント貯めれば解放される…と。
「----愛菜」
今日は、通学路に愛菜の姿はなかった。
午前中は正気のはずなのに…。
愛菜は・・・
大丈夫だろうか…。
もう手遅れなのではないだろうか…
律夫はそんな不安を払しょくできないまま、
昼休みを迎えた。
「----愛菜!」
空き教室に入ると、
愛菜は気を失って倒れていた。
そしてーー
拍手の音が聞こえてきた。
「---久松!」
振りかえると、そこには久松の姿があった。
「---おやおや、律夫君、
どんな怖い顔するなよ。
最終日の今日は”見る”だけでいいんだ。」
久松が笑いながら、
空き教室に入ってくる。
「---なんだと?」
律夫が言うと、
愛菜が「う・・・ん」と声を出しながら
意識を取り戻した。
「愛菜!愛菜!」
律夫が愛菜を起こす。
パン!
「---!?」
愛菜が律夫の手を振り払った。
「触らないでくれる?」
愛菜が敵意むき出しの表情で律夫を見る。
「ま…愛菜・・・!」
悲痛な表情で愛菜を見つめる律夫。
「あぁ~~~ザンネン!
俺の”お前が嫌い”って感情が、
愛菜チャンにも移っちゃったみたいだなぁ!」
久松が、薄ら笑いを浮かべながら言う。
「----ふ、、ふざけるな!」
律夫が叫ぶ。
そして、再び愛菜の方を見て言った。
「愛菜!もう助かったんだ!
お前は久松の野郎に憑依されてたんだ!!!
大丈夫・・・
俺も手伝うから、少しずつもとに…」
「---だったら、何だって言うの?」
無情な愛菜の言葉ー。
愛菜が立ち上がると、久松の方に歩いていきながら言う。
「久松くんにお願いされて、わたしがいいよ、って言ったのよ。
そうやって、久松くんのこと悪く言うのはどうかと思うけど」
茶髪になったウェーブがかった髪を
かき分けながらイライラした様子で言う。
「あはは~だよなぁ~!」
久松が笑う。
久松の傍に行くと、
愛菜は”だいすきなもの”を見る目で久松を見た。
少し顔を赤らめている。
「---なぁ、愛菜、あんな奴と別れた方がいいぜ」
久松がそう言うと、愛菜が
「うん、久松君の言うとおりにする!」と
嬉しそうに微笑んだ。
「---愛菜」
唖然とする律夫。
愛菜が近づいてくると、
律夫が以前、愛菜にあげた可愛らしい腕時計を
引きちぎるようにして外した。
「あんたのもの、身につけてるだけで寒気がする」
乱暴に腕時計を投げ捨てて、
そして言った。
「もう、お別れ。
あんたの彼女なんて耐えられない」
愛菜が言う。
「ま、、、待ってくれ愛菜!
お前は久松に思考をーーー」
「うぜぇから言い訳しないで!!!!!」
愛菜が大声で叫んだ。
そしてイライラした様子で続けた。
「何なのアンタ?何様???
はぁ~~~ほんっとうにうざい!
わたしが別れるって言ってんの!!!
口答えしないでくれる?」
そこまで言うと、
愛菜は振り返り、久松の方を見た。
「---久松くん…わたしと付き合ってくれる?」
愛菜が優しい口調で言う。
「もちろんだよ」
久松はそう言うと、愛菜に優しくキスをした。
「んふっ…♡ いやだ、、久松君ったら!」
目の前で彼女がイチャイチャしているーー
自分に憑依していた男とーー。
久松は振り返った。
そして、優しくささやいた。
「---リア充、卒業おめでとう。
これで、7ポイントゲットだ!」
拍手する久松。
愛菜も、祝福の笑みを浮かべている。
「約束が違う!」
律夫が叫ぶ。
だがー
「あ?約束なら守ったさ。
愛菜チャンは解放した。
俺は約束、破ってねぇぞ?」
久松に続いて、
愛菜が微笑む
「そうよ。みっともないわよ。」
律夫が「愛菜!お願いだ!愛菜!」と叫ぶ。
久松と愛菜が顔を見合わせて、笑う。
「---みっともな~い!」
「ふふ、そうだな!」
とても仲良しな二人。
二人はそのまま抱き合って、
熱い抱擁とディープキスを始めた。
クチュクチュと音を立てる二人。
「うふん♡ 久松くん…ううん、隆康…
これから、わたし、、、あなたとずっといっしょだよ♡」
甘い声で言う愛菜。
「あぁ、俺も、もうお前を離さない」
久松が言う。
「うっ…うああああああああああああああ!」
律夫が現実を受け入れられず、
泣き叫んでその場に頭を叩きつけ始めた。
久松が愛菜の頭を撫でると、
久松が律夫の方に近づいた。
「---怖いよな。
女ってのは気まぐれでよ」
久松が律夫に耳打ちする。
「その辛さ、よ~く分かるよ。
けどな、人は前に進まなきゃならない。
どんなに辛くてもな…!」
その言葉に、
律夫は叫んだ。
「お前が愛菜を汚したんだろうがぁ!」
律夫が久松を殴りつける。
久松は笑いながら、
叫ぶ。
「ははっ!つらいよなぁ!
でもさ、俺は優しいから、お前に
一つプレゼントをやるぜ!!!!」
そう言うと、久松は指を鳴らした。
「きゃああああああああっ!」
愛菜が叫びながら廊下に飛び出す。
「---た、、助けて、
律夫がわたしを…!!助けて!!」
愛菜の泣き声を聞いて、
先生たちが駆け付ける。
「ーーーー」
唖然とする律夫。
久松が律夫の頭を優しくなでた。
もう、律夫に反論する力も残っていなかった。
「--俺と愛菜チャンがいちゃいちゃするのを
見るなんて、辛すぎるもんな。
同情するぜ。
だから…お前を退学にしてやる。」
律夫は泣き叫びながらその場に蹲る。
「優しい俺に、感謝しろよ!」
久松はそう言うと、笑いながら立ち去って行った。
律夫はーー
昼休み、愛菜に乱暴した男子生徒としてーー
即刻退学処分になったーーー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
生き地獄…
みたことはあるか?
ふふ・・・ないよな?
あるはずがない。
彼女を目の前で奪われて、
彼女を襲った変態男のレッテルを貼られて…
ネット上で晒されて…
もう、俺の人生は終わりだ。
でも、死ぬこともできない。
俺は…愛菜を…助けないといけないから…
生き地獄…
そう、これが生き地獄だよ。
本当の生き地獄をみんなは見たことがあるか?
ないはずだ。
くく…おかしくって笑えちまう…
これが生き地獄か…。
愛菜を助けられずー。
変態男にされー
家に誹謗中所の手紙が届き続け―。
母は失意のうちに自ら命を絶って、
父からは「ゴミのような息子」として見られるー
愛菜は久松のやつと…
涙が、、、止まらない。。。
これが、生き地獄だよ!!!!!!!!!!!!
ははははっ!ははははははははっ!
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
酷い話になりました。
染め上げて奪う…
この上ない恐ろしさです。
書いている私も戦慄しました(?)
ご覧いただきありがとうございました!
コメント
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続き頼みます
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> 続き頼みます
ありがとうございます!
更なる地獄を覗きたいのですね(笑)
いずれ、書いて見ます!