大学受験を控え、
毎日必死に勉強していた、女子高生。
努力家で心優しい彼女は、真面目にコツコツと
勉強していた。
しかし…彼女は全てを奪われてしまう。
ニート男に憑依されて、彼女はニートになってしまう…。
------------------------------—
女子高生、長野 香織(ながの かおり)が、
自分の部屋で髪の毛のニオイを嗅いでいた。
綺麗なストレートヘアーを嬉しそうに嗅ぐ香織。
「ふふふ…いい香り…」
香織が嬉しそうにほほ笑む。
さらに鼻息を荒くして、自分のニオイ…
女子高生の髪のニオイをうっとりとした表情で嗅ぎまくる。
高校の制服は乱れきっていて、
少しはだけている。
彼女はーーー
”さっきまで”優等生だった。
だが、今の彼女はーー”ニート”だ。
何故なら…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2日前…。
夕暮れ時に。
一人の男が、道端を歩いていた。
冴島 良哉(さえじま りょうや)
彼は25歳のニートだ。
実家暮らしをしている。
彼の信念は「働いたら負け」
大学卒業後に就職したが、彼は、上司から残業を頼まれた際に
「残業?それって美味いのか?」と返事を返し、孤立。
2か月後に辞職願を叩きつけてバックレしたという伝説を持つ男だ。
「---毎日大変だね~」
女子高生二人組が、良哉の近くを歩いている。
「--ううん、将来のためだし、頑張らないと!」
優しそうな、ロングヘアーの女子高生が言う。
ーー良哉は、彼女の名前を知っている。
香織(かおり)-。
友達が彼女をそう呼んでいた。
一度、彼女を見かけてから、良哉はいつもこの時間、
この辺りを散歩するようになった。
もちろん、何もするつもりはない。
ただ、彼女を見つめていたいだけだ。
「---お母さんのこと、早く楽させてあげないと
いけないから…」
香織が友達に向かってほほ笑む。
彼女の父親は、病気で他界している。
そのため、母子家庭で育った香織は、
母親思いの優しい子だった。
バイトもしながら、大学受験の準備と、
忙しい日々を送っている。
「----いい子だな」
良哉はそう呟くと、友人との待ち合わせ場所に向かう。
今日は、バーで友人と飲む約束があった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
グラスの中に入った氷が、グラスにあたり、
音を立てる。
「---お前は、まだ無職か?」
幼馴染の友人、貝瀬 亘(かいせ わたる)が言う。
「うるせぇな、ほっとけよ」
良哉が言うと、貝瀬は呆れた様子で言う。
「はは、お前みたいな小太りニート男なんて
流行らないぜ?
お前がもし可愛い女の子だったら、
ニートでも誰も責めないだろうし、
結婚っていう道もあっただろうけどな」
貝瀬が笑いながら言う。
「---誰が小太りニート男だって?」
良哉が舌打ちをする。
「--お前だよ」
冗談を言い合う中。
だが、貝瀬は大手薬品会社の新薬研究部に所属しており、
エリートコースだ。
良哉とは立場が違った。
「--ちょっと、かわや」
何故かトイレのことを「かわや」と呼ぶ貝瀬が立ち上がり、
トイレに向かう。
「--なんか、面白い新薬はねぇのかよ」
貝瀬がトイレに行っている間、
良哉は貝瀬のカバンをあさり始めた。
良哉は手癖が悪い。
「---おっ!」
貝瀬のカバンから、新薬らしきものを見つける良哉。
その新薬はー。
「憑依薬・・・」
良哉がつぶやく。
近くに入っていたメモ書きを見つめる。
”人の体に憑依することができる薬”
「---マジかよ!
貝瀬のやつ、なんてモン作ってやがるんだ」
そう呟いて、鞄に薬を戻そうとした良哉。
しかしーー
さっきの言葉を思い出した。
お前がもし可愛い女の子だったら、
ニートでも誰も責めないだろうし、
結婚っていう道もあっただろうけどな
「くく…そっかそっか、そうだよな」
良哉はそう呟く。
そしてーーー
いつも見かける下校中の女子高生、香織を思い出す。
「あんな可愛い子なら…
ニートでも良いってことだよな…」
彼はそう呟くと、
憑依薬をポケットにしまい、代金も支払わずに、
そのまま店を出た。
数分後。
貝瀬がトイレから戻ってくる。
「--あれ?あいつは?」
居酒屋の店主に尋ねる貝瀬。
さっき出て行った、と聞かされて首をかしげる。
「---おいおい、少しぐらい金おいて行けよ」
貝瀬がつぶやきながら、鞄から財布を
取り出すために鞄をあさる。
そして…
”気づいてしまった”
「---お、、、ちょっ…
まさかアイツ!」
貝瀬は会社で研究中の「憑依薬」が盗まれたことに
気づき、慌てた様子で叫んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2日後。
準備はできた。
香織の家に”荷物”を発送した。
そして、下調べも済んだ。
今日、香織の母親は仕事で遅くなる。
”憑依”するには絶好の機会だ。
これから俺は、女子高生の香織として生きる。
美少女、ニートとしてな…!
良哉はそう呟くと、
憑依薬を飲み干した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「---はぁ…勉強、頑張らなくちゃ!」
可愛らしいマグカップでお茶を飲み終えた香織は、
自分の机に向かう。
セーターと控えめなロングスカート姿の彼女は、
机に向かい、難しい表情をする。
「あぁ~…歴史とか苦手だなぁ…」
そう呟きながら
勉強を再開する香織。
しかし…
既に、”悪魔”が部屋に侵入していた。
そうー
憑依薬を飲んで霊体となった良哉が・・・。
「---女子高生ニートか…
楽しみだぜ!」
そう言うと、彼は霊体を香織の方に向けて
突進させた。
「---ひっ!?」
香織の体が激しくビクン!とい跳ね上がり、
椅子ごと後ろに倒れてしまう。
「あっ…あっ、、、な、、、なに…」
香織は身動きをとることができず、
突然襲ってきた激しい頭痛に頭を抱える。
「うっ…う……い、、、いたい……」
香織がスマホの方に手を伸ばそうとする。
この痛み、尋常じゃない。
香織はそう思った。
救急車を呼ばなくちゃ!
そう思った。
「---うっ…」
香織が胸を抑える。
何故だか息苦しい。
そしてーー
突然激しい痙攣が始まった。
「うっ…うああっ…あああっ…あっ…あああ!」
激しく上下する体。
床にあおむけの状態で、体がビクンビクンと跳ね上がる。
「---た、、たすけーーーー」
その言葉を最後に香織は意識を失った。
香織が白目を剥き、痙攣して泡を吹いている。
しばらくすると、痙攣が止まった…。
そしてーー
「----くくく…激しい…憑依だったぁ…」
目に涙を浮かべ、口元から泡を吹いた状態で香織が立ち上がる。
綺麗なロングヘアーが乱れてしまった。
「ん・・・くふふ、マジで憑依できるなんてな…」
そう言って、鏡を見つめる香織。
「確かに…この姿なら、ニートでもやっていけるかもな…」
自分の口から出る、高く、可愛い声。
「つーか、やべぇなこの声!
香織ちゃんに俺が声を出させているってだけで、
興奮がやべぇ!」
涎をだらしなく垂らしながら笑う香織。
「---ーーうふふっ♡ わたしは香織!」
可愛らしいポーズを決めてみる。
もしも良哉がこんなことをしたら周囲の人間は
不快感を現して、罵倒するだろう。
だがーーー
「あははっ!こーんなポーズが決まるなんて、
面白すぎるぜ!」
香織はそう言うと、
自分の机を乱暴にあさり始めた。
生徒手帳を見つけて微笑む香織。
「へぇ…長野さんか…」
そして、鏡に向かって、
もう一度、あざといポーズを決める。
「わたしは、長野 香織♪
今日からニートになっちゃいまーす♡」
部屋の隅にある、
高校の制服を見つけた香織は呟く。
「---こんなに可愛いのに、
控えめなセーターとロングスカートとかありえねぇよ……」
そこまで言って言葉を止める。
「--コホン、コホン」
喉の調整をして、彼女は再び口を開いた。
「わたし、こんなに可愛いのに
こんな控えめな服装とかありえないよね!
もっと、女を楽しまなくちゃ!」
そう言うと、香織はセーターとロングスカートを脱ぎ捨てて、
そのまま手近な袋にゴミのように投げ捨てた。
こんな服は、必要ない。
そして、香織は制服に目を向ける。
「うふふ・・・♡ 香織、勉強なんてやーめた!」
これからは、自分が香織として生きていく。
だから、良哉は香織になりきることにした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そしてーーー
香織は高校の制服に着替えて、髪の毛のニオイを
嗅いでいた。
「っ…はぁ~~~~♡」
甘い息を吐き出す香織。
「たまんねぇ…ううん、たまらない…」
香織が、普段見せないようなエロい表情でつぶやく。
顔をベタベタと触る。
唇を色っぽくなめてみる。
スカートから覗く太ももをこするようにして触りまくる。
そして、胸をイヤらしく触ってみる。
「んあっ…♡」
変な声を出して微笑む香織。
「くふふふふ・・・
わたしのからだ、興奮しちゃってる!
こんなこと絶対普段はしないだろうけど、
興奮しちゃってる!!!
俺の意思で!うははははは♡」
笑うと、香織がさらに胸を触りまくって喘ぎ声をあげる。
「えへへへへへっ♡
あははははっ♡ あぁんっ♡
わたしは、わたしは♡ かおりぃ!!」
嬉しそうに胸を揉みまくり、
最後にはそのまま満面の笑みで、
その場に倒れ込み、
大笑いしながら、自分の体を抱きしめた。
少しして、落ち着いた香織は立ちあがった。
「---」
机の方を見る。
「---東大合格…か… うふふっ♡」
机の近くの壁に
「東大合格!」と可愛らしく書かれた紙が
貼られていた。
香織が自分で目標を立てたのだろう。
香織は笑みを浮かべながらそれに近づいた。
そしてーーー
「ばっかみたい!!!!!!!!!!!」
そう叫ぶと、その紙をびりびりに破り捨てた。
「---人生、働いたら負けよ♡
うふふっ♡」
香織はーーー
将来有望な優等生からーー
転落した。
香織がこれから進むのはーーー
堕落した道ー。
香織のニート生活が始まる…。
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
今年の小説第1号、スタートです!
明日は香織が、堕落したニート生活を満喫します!
スナック菓子を寝ころびながら食べたり、
エロゲーをプレイして、興奮したり…
お楽しみに!
コメント
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
なんとなく干物妹うまるちゃんみたいですねw
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
> なんとなく干物妹うまるちゃんみたいですねw
次回以降の内容は…
…あ、ここでは言わないでおきます!