<憑依>サタンクロース①~ぼっち~

メリークリスマス!

けれど、彼はくりぼっちだった。
仲良し4人組男子の中で、
一人だけ彼はくりぼっちだったのだ。

彼は決意する。
友達のリア充どもに、悪夢をプレゼントする、と。

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12月22日。

とある教室の高校で4人の男子が楽しそうに話していた。

そのうちの一人、
倉橋 良哉(くらはし りょうや)は、
ため息をついていた。

「---あ、良哉!お前は今年もくりぼっちか!?」
友人の一人、我妻が言う。

我妻はお調子者で、クラスメイトの汐音(しおん)と
付き合っている。

クラスメイトの坂下 汐音は、
大人しく、真面目、けど奥手で恋愛からは一線を
引いているような子だった。

とても可愛く、”狙っている”男子もいると噂されている
汐音を、我妻は射止めたのだった。

「--俺は汐音ちゃんとデートだぜ」
我妻の言葉に舌打ちする。

「-俺は、夜にイルミネーションを見に行く約束をしてる」
ーーイケメン男子生徒、増森(ますもり)が言う。

「---僕は、ファミレスでお食事です」
インテリ男子生徒の都留(つる)が言う。

我妻も、増森も、都留も…。

「お前は?」
我妻が、ニヤニヤしながら訪ねる。

「--お、、俺は…
 俺は、クリスマスイベントで忙しいんだよ!
 エロゲーとスマホのな!」

倉橋は叫んだ。

「---それは大変そうだな。頑張れよ!」
皮肉にしか聞こえない増森の言葉に
倉橋は腹を立てた。

普段、4人はとても仲が良い。
だが、クリスマスだの、バレンタインデーだのになると、
決まって倉橋は冷やかされる的になってしまう。

倉橋はー、
何故か昔から彼女が出来なかった。

別に”いらない”と思っているわけでもない。

なのに、なぜだか知らないが、一向に彼女が出来ないのだ。

不思議だった。

「--ま、僕たちは楽しみますから、
 倉橋くんも楽しむといいですよ。
 イベントをね…ふふふ…」
メガネインテリ、都留が笑いながら言う。

明らかにバカにしている。

倉橋は机をたたいた。

そして叫んだ。

「リア充、爆発しろ!!!!!!!!!!」  と。

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下校。

「はぁ…畜生、何だってんだよ?
 あいつらクリスマス本来の意味知ってんのかよ!」

倉橋が一人呟く。

怒りが収まらない。

「クリスマスなんて、ケーキ屋の陰謀だね!」

そんな倉橋に、背後から
一人の女性が声をかけた。

「---ねぇ…」

「--え?俺?」
倉橋が振り返ると、そこには、
ライダースーツに身を包んで、
フルフェイスヘルメットを被った女性の姿があった。

顔が見えなくても、その美しい体つきから
女性だと分かる。

「---悔しい?」
女性が訪ねてくる。

「え?」
倉橋が意味も分からず聞き返す。

すると、女性が、ポケットからとある液体の入った
容器を取り出した。

「---リア充を酷い目に合わせたいんでしょう?
 あなたに、その力をあげる」

女性が、容器を倉橋に差し出す。

「な…なんだコレ…?」
倉橋が受取りながら、疑問を口にすると、
女性は笑った。

「---人に憑依するための薬よ。
 それを使って、あなたが憎むカップルの幸せを
 壊してみたらどうかしら」

そう言うと、女性はバイクにまたがって
走り去ろうとした。

「---ちょっ!マジで憑依できるのか!?」
倉橋が叫んだが、
女性が

「信じるも、信じないもあなた次第」

と言って、そのまま走り去ってしまった。

「---憑依・・・?」
倉橋は、一人、容器の中を見つめた…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

23日と24日は連休だ。
23日の間、倉橋はこの薬を使うかどうか考えた。

そしてーー
使うことにした。

もし、何かの罠だったとしても、
どうせクリスマスイベントでニヤニヤするだけの人生だ。

何かあっても悔いはない。

それにーー。
”もし、本当ならー?”

倉橋は決意した。
3人の友人のクリスマスを滅茶苦茶にしてやろう、と。

我妻は自宅デート。
ちょうど両親不在の汐音の自宅を我妻が訪れることになっている。
確か、昼前には行くと言っていた。

続いて、インテリの都留が、
夕方から、ファミレスで彼女とディナーを楽しむと聞いている。

最後に、夜にイケメンの増森が、彼女とイルミネーションを
見に行くと言っていた…。

「・・・まず我妻たちを滅茶苦茶にして…
 次に都留、最後に増森だ」

倉橋は不気味にほほ笑んだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

24日。

意を決して倉橋は「憑依薬」を飲んだ。
すると…

「---うっ!?」

気づくと、自分の体が宙に浮いていた。

いや…自分の体が下で倒れている。

「え…まさか、俺、死んだの?」
苦笑いする倉橋。

だが、すぐにとある考えに辿り着いた。

「いや…これが、幽体離脱か…?
 この状態なら、憑依できるのかもしれねぇ!」

そう言うと、倉橋は、最初のターゲットである、
汐音の家へと向かった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---もうすぐかな…」
汐音はドキドキしながら、彼氏・我妻の到着を待っていた。

奥手な汐音にとっては、
彼氏がいるのも、彼氏を家に呼ぶのも初めてだった。

控えめに束ねられた髪とメガネが特徴的な汐音。

服装も控えめだ。

「---あぁ…緊張してき…うあっ!?」

突然、体に異常な衝撃が走った。

何にぶつかったわけでもないのにー。

「---あっ…え…??ひっ…か、、、からだが…?
 うごか…」

汐音は恐怖に表情をゆがめた。

「---い…いや…誰か…」
スマホに手を伸ばす汐音。

そして、汐音は、、必死に手を伸ばして
スマホをその手につかんだ。

だがー

「ふふふふふ…」
汐音は不気味に笑い始めた。

「ふふふ、ははははははははは!
 マジで!マジで憑依できたよ!!!
 うははははははははは~~!」

いつも出さないような大声で笑い始める汐音。

目には、さっきの恐怖で、
浮かんだ涙がまだ残っている。

「あはははははは!
 あはっ!あはっ!」

自分の胸を両手でわし掴みにして
揉みまくる汐音。

涙ぐんだ目で大笑いしている。

「あはははっ!はははははははは!
 すごい!すごい!すげぇ~~~~!」

あまりに興奮してしまい、
その場で汐音は座り込んだ。

「はぁっ…♡ はぁっ…♡」

そして汐音は呟いた。

「---我妻…お前にクリスマスプレゼントを
 してやるよ!

 彼女の本性と言う名のクリスマスプレゼントをな!

 ククク…ひひひ!は~はははははは!」

倉橋は思った。
自分は、3人のリア充どもに悪夢をプレゼントする。

そうーー。
”サンタクロース”いや、
”サタンクロース”となって。。

「---大人しい汐音が…」

そこまで言いかけて、汐音は不気味な笑みを浮かべた。

「大人しい”わたし”が変態だと知ったら、
 ど~んな反応するかな!?えへへへっ!」

笑いながら汐音は、服を脱ぎ捨て始めた。

「ふん!可愛いのに、こんな地味な服装なんて
 罪だよ!」

乱暴に服を脱ぎ捨てる汐音。

「ふふ・・・わたし、大変身しちゃうから!」

そう言うと、母親の部屋と思われる部屋に侵入して、
化粧品を一式、乱暴に取り出した。

自分の顔を見つめながら、
汐音の顔を妖艶に変えていく。

汐音もノーメイクではなかったようだが、
ほとんど化粧はしていない印象だった。

その汐音の顔を、
汐音の意思に関係なく、変えていく。

化粧の仕方も、必死に昨日、勉強した

口紅を塗る。

「--ふふふ♡たまらない…」
”変身”した自分の顔を見て微笑む汐音。

そしてー、

「--お届け物です」

「来た来た・・・!」
汐音はそう呟きながら、とりあえず、適当な服を着て、
それを受け取った。

昨日、汐音の家に届くように手配しておいたものだ。

網タイツに、超がつくほどのミニスカートのドレス。

「くくく…くふふふふ♡」

今まで来ていた服を引きちぎりながら、脱ぎ捨てる汐音。

そして、ドレスと網タイツを身につける。

「くはははっ…♡
 もう、汐音ちゃんじゃないじゃん!わたし!
 あっははははは♡
 完全に別人みたい!」

あのおとなしい汐音が、挑戦的な格好をして、
化粧をして、自信に満ち溢れた表情で鏡を見ている。

「そして…」
髪を束ねていたゴムを引っ張りぬいて、
髪を降ろす。

「ふふ・・・すげぇ…
 これが汐音ちゃんか…♡

 これが、、、ふふふ・・・
 完全に別人じゃんか!!!」

汐音はかけていたトレードマークのメガネをも投げ捨てた。

愛用していたメガネをゴミ箱に投げ捨てる。

「---ふ~ん…素顔も可愛いじゃん!」

視界がぼやけているが、そんなこと
どうでもいい。

汐音は、注文していた”おもちゃ”を容赦なく
あの場所へと持っていく。

「ふぉぉぉぉぉぉぉっ♡」

あまりの快感に、
汐音の体が激しく震える。

「おぉぉぉぉっ♡ あっ♡ あぁ♡
 あぁあああああ♡

 汐音、壊れちゃう♡ 壊れちゃうよぉ~♡

 って…もう
 壊れてるか!あはははははは~♡」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

我妻が家にやってきた。

インターホンを押しても返事が無い。

「---入っていいのかな?」
我妻が玄関の扉に手をかけると、
扉は開いた。

中へと入っていく我妻。

「---汐音ちゃん?お邪魔するぜ?」

2階から物音がする。

家の中が散らばっている。

「---何かあったのか?」
我妻はそう思いながら、2階の汐音の部屋の扉を開いた…

「はぁ~♡ うふぅん♡ はぁっ♡」
喘ぎ果てた姿になった汐音が、床に仰向けになって倒れていた。

部屋中、愛液まみれ。
イヤらしい香りにつつまれている。

床に放り投げられた大人のおもちゃ。

ミニスカート姿で、だらしなく寝転んでいるため下着も見える。

しかも、その下着はびしょ濡れだ。

胸元もだらしなくめくれていて下着が見えていて、
網タイツが引きちぎれて生足が見えている。

「は~~~~♡」

汐音はうつ伏せになると、床に落ちていた自分の愛液を
舐め始めた。

「んふぅ…♡ ふふっ♡ ふぅっ♡」
嬉しそうにペロペロと、クチュクチュと音を立てながら
それを舐める汐音。

「---し、、、しおん…?」
我妻が唖然として名前を呼ぶ、

汐音は、笑いながら振り返った。

その手には、学校の制服のスカート。

「うふふ・・・♡ こ、れがぁ!わたしの本性。
 あぁ~興奮が!!興奮が止まらない!
 わたし、わたし、狂っちゃう!!えへへへぇ♡」

そう言うと、スカートのニオイを嗅いで、
奇声を上げ始めた。

「うふふぅ ふいううぅぅぅううふふふ♡」

「---……」
我妻は首を振った。

「汐音ちゃんが…こんな子なんて思わなかった。

汐音はスカートをハサミで切りながら笑う。
自分の学校の制服をハサミで切り刻んでいる。

「---ごめん。俺、ついていけないわ。
 別れよう」

我妻の言葉を無視して、汐音はスカートの切れ端を
口に放り込んでおいしそうに食べている。
自分の体を両手で抱きしめながら。。

「----おい!」
返事がないことにいら立って我妻は叫ぶ。

「----舐める?」
指についた愛液を我妻の方に差し出す汐音。

「--もういい!」
我妻はそのまま怒って帰ってしまった。

その様子を見て汐音は笑う。

「やったぁぁあああああ♡
 リア充、だいばくはーつ!」

そして、汐音は部屋の扉から、屋根の上に乗って
大声で叫んだ。

「メリークリスマース!あっははははははは♡」

屋根の上で胸を揉みながら大笑いする汐音。

「あははははははは あ・・・」
突然、汐音が白目を剥き、そのまま痙攣しながら倒れた。

「---十分だ」
倉橋が汐音から離脱した。

「さて…と、次は…」

次は夕方からデートのインテリ男子・都留と、
その彼女、古田 彩恵(ふるた さえ)に
クリスマスプレゼントを贈らなくてはならない。

サタン・クロースとして。

②へ続く

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コメント

倉橋君の暴走タイムはまだまだ止まらないようです。

ちなみに、憑依されていた汐音は、ちゃんと生きてます。
無事です。
精神面がどうなるかは知りませんけれど…(他人事)

憑依<サタンクロース>
憑依空間NEO

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