35万アクセス記念短編!「凶悪犯罪者・室井 ~聖夜~」

憑依空間が35万アクセスを達成しました!
30万からここまであっという間でした!
ありがとうございます^^

今回は、記念短編
「凶悪犯罪者・室井~聖夜~」をお送りします
過去の凶悪犯罪者・室井はこちら)

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警察の追撃を振り切った凶悪犯罪者・室井哲也。

あれからも室井はあらゆる女性に憑依しては
その人生を壊したり、大切な人を抹殺したり、
やりたい放題をしていた。

だがー
逃亡に疲れた室井は、ここ半年間、
とある家庭の妻に憑依して、ずっと平凡に暮らしていた。

どこにでもいるごく普通の家庭。
笠井家。

普通のサラリーマンの夫・笠井 信成(かさい のぶなり)と、
妻・笠井 藍(かさい あい)、
そして一人娘の笠井 葉菜(かさい はな)の3人暮らし。

葉菜は5歳。

そして母である藍は、早くに子供を産んだので、まだ25歳だった。

この一家の藍に憑依して、室井は半年間を過ごしてきた。

「---くく…最愛の妻が憑依されたってのに
 半年も気づかないなんてな」

自分の部屋で、汚らしくガムを噛みながら笑う藍。

藍は美人だった。

元々、主婦なこともあり、普通の服装が多かったが、
室井が憑依してからは攻めるような、男を誘惑するような
服装を好んで着るようになった。

今日もショートパンツ姿で、生足を大胆に披露している。

夫の信成も喜んでいるし、
藍にとって不都合はなかった。

クリスマスイヴの朝。

「藍、話があるんだ」
信成が藍を呼ぶ。

「ん?なぁに?」
甘えた様子で藍が微笑む。

夫の信成は稼ぎもよく、家事もよく手伝ってくれる。
心から藍を愛している様子だった。

だからこそ、藍が家事をほとんどしなくても、
信成も悪い顔、ひとつしない。

だから、しばらく藍の体で休むことを決めたのだ。

「---藍…俺さ…」
信成が言う。

「会社やめて、フリーになろうと思うんだ」
「え?」

藍がクリスマスパーティの用意をしながら言う。

「ほら、会社で得た知識を生かして自分で企業しようと
 思ってさ…。

 …大丈夫。
 最初は苦しいかもしれないけど、必ずなんとかするから。」

信成の言葉に藍は、キッチンでケーキの用意をしながら
包丁を握りしめた。

「--それは、わたしに手伝えってコト?」
自分の太ももを触りながら呟く藍。

「---…あ、、まぁ、苦労はかけるかもしれないけど……
 だいじょうぶ、必ず成功させるから」

「---…」
藍は舌打ちした。

そんな面倒なことしてられるか! と。

半年過ごしたこの家ともお別れだな。。 と…。

「---くくくくくくくく」
藍が表情をゆがませて笑う。

「--藍?」
信成が不思議そうに藍の方を見る。

「あははははははははっ!
 つっかえね~~~男だな!」

藍は本性を現すと、唾を吐き捨てて
夫の方に近づいた。

「あ・・・あい…?」
急な豹変ぶりに驚く信成。

そしてーー

「ぐふっ!」
信成の腹部に刃物が突き立てられた。

「あ・・・・」
驚きの目で妻を見る信成。

「いっひひひひひひひ!
 ひっさびさだぜ、この感触ぅ~~~!」

狂人のように体をくねらせて笑う藍。

そして、血まみれで倒れた、信成に
向かって叫んだ。

「教えてやるよ!
 お前の妻、この女はな~
 半年前に、俺に憑依されたんだよ!

 お前は半年間、そうとも知らずに
 この女を愛していたんだよ!

 ひひひひひひひひひひ!」

藍が笑う。

「---う…うそ…だ!」
信成が叫ぶ。

「--嘘じゃねぇよ!間抜け男!」

藍が包丁をもう1本、信成に突き立てる。

返り血を浴びた太ももを見ながら微笑む藍。

「---いやあああああ!」
5歳の娘が叫んだ。

「--くふふふ。あらぁ、、、葉菜ちゃん!」
藍が笑いながら、葉菜に近づく。

そしてーーー

最愛の娘の息の根を母の手で止めた。

そして、二人の家族の血をケーキに塗りながら
満面の笑みでケーキを汚らしく噛み砕いた。

「くふっ…くくく…
 メリー…クリスマス~~~~♡」

ケーキを少し食べると、
室井は夫の亡骸にケーキと唾を吐き捨てて笑った。

「---あはははははははははっ!
 またまた逃亡生活の始まりだぜ~~~
 はははははははははっ、はははははははははは!」

血のついた太ももを大胆に露出したまま、
外に飛びだした藍。

周囲の人だかりが騒然とする。

「ーーー」
塾帰りの女子高生が、驚いた表情で藍を見る。

ーーー藍と目があった。

「---くくく…次は・・・あなたにするね!」
藍がそう言うと、
藍はその場に力なく倒れた。

半年間の憑依から解放され、
痙攣を続ける藍。

体が、脳が、何が起きたのか理解できておらず、
泡をふきながら痙攣している。

「----」
塾帰りの女子高生が、さっきまでの大人しい表情とは別人かのような
笑みを浮かべて呟いた。

「……今度は女子高生!
 うふふ・・・♡」

と…。

室井の極悪非道な憑依逃亡は終わらない。

おわり

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コメント

いつか、室井はなんとかせねばなりませんね(汗)

35万アクセス、ありがとうございます!

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