<憑依>ネオ・ビジネス~体は会社の備品~③(完)

取引先との交渉に2か月もの間、使われ続けた愛結。

酷使された愛結の体は体調不良を起こし、
肌は荒れはじめ、さらには妊娠までしてしまった。

社長は愛結の体を破棄することを決める。
だが、その前にー。

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愛結の彼氏、宗一は困惑していた。

2か月ほど前から、愛結は、会社に泊まり込むようになり、
宗一との連絡もほとんどが途絶えてしまっていた。

愛結に一体何があったのだろう?
もう、自分に愛想を尽かしてしまったのだろうか。

そんな風に心配していた矢先のことだった。

その愛結から、連絡があったのだ。

「これから家に言っていい?」と。

声が少し疲れた様子だった。

優しい愛結に何があったのか?
愛結の勤務先はブラック企業だったのか?

そんな風に思いながらも宗一は愛結の到着を待った。

そしてーーー

愛結が到着した。

玄関のカギを開けると、愛結が入ってきた。

「久しぶりぃ~宗一!」

愛結は、キャバクラ嬢のような服を着たまま家に入ってきた。

「な、なんだその格好は…!」
宗一が驚く。
そして、酒臭い。

「えへへへへ♡
 わたしね、取引先の部長さんと今、
 ヤッてきたところなの!」

信じられない言葉に宗一が青ざめる。

「--お、、おい、、愛結、
 お前、いつからそんなことするように…」

宗一が言うと、
愛結は大笑いしながら、宗一の方を見た。

「--えへへっ…
 わたし、こんなに可愛いんだから、
 女を武器に取引するのは当たり前でしょ?」

イヤらしく腰を振りながら、
挑発的に宗一の方を見る愛結。

「--か、会社にやらされてるのか!?」
宗一が声を荒げる。

愛結が自らの意思でそんなことをするはずがない。

そう思っていた。
いや、そう”願っていた”

「うふふ♡
 わたしが自分の意思でやったの。
 この2か月で、50人以上とヤッたかな!
 
 うふふふふふっ」

宗一は、ちょっとイヤらしい体つきになった愛結を見た。

「ど…どうしてそんな…」
宗一が言う。

「アンタには関係ないでしょ?」
愛結が勝手に冷蔵庫からビールを取り出しながら
それを飲み干して、空き缶を台所に投げ捨てた。

「--酔ってるのか?」
宗一が怒りを抑えて尋ねる。

「ーーーだったら何なのよ」
愛結がイライラした様子で髪をボサボサにしながらかきむしる。

「-ーーーおい、愛結!
 この2か月間、心配したんだぞ!

 なのになんだよ!体を売ってただって?
 ふざけんなよ!

 そんなでいいのかよ愛結!
 自分を安売りするなよ!」

宗一が叫ぶと愛結は笑った。

「あっはははははは♡
 わたしってば愛されてる~」

そして、そう言うと、真顔になり、
宗一の方を見た。

「わたし、妊娠しちゃった♡」

宗一は凍りつく。

部屋の中の空気がいつも以上に冷たい。

ーーー愛結が、妊娠しただって?

「---何度も何度も中に出してもらってちゃ、
 妊娠もするよねぇ~ うふふふふふっ♡」

よく見ると、愛結の肌が荒れているように見える。

そして、目の下には隈のようなものも出来ていて、
調子も良くなさそうだ。

「何、その目?
 何か不満なの?」

愛結が挑発しながら、
鞄から煙草を取り出し、火をつけた。

「--お前、いつから煙草をーー!
 あれだけ嫌ってたのに!」

宗一が悔しそうに叫ぶ。

しかし、愛結は美味しそうに煙草を吸いながら言った。

「くふふ・・・♡
 いいじゃない別に… げほっ…♡」

愛結はーー
毎日数箱…
時には10箱近く、タバコを吸っていた。

憑依している鴻上社長はヘビースモーカーだったが、
体を壊したため禁煙していた。

だがー
愛結の体は自分の体ではない。

だからー
タバコを狂ったように吸い続けた。

「--げほっ、、げほっ、げほっ」
愛結が咽る。

そしてイライラした様子で、タバコを水道に投げ捨てた。

「くっそ!使えねぇ体だな!」
愛結が乱暴な口調で言う。

「愛結…」
絶望的な表情で愛結を見る宗一。

可愛らしい表情は変わらない。

だがー
キャバクラ嬢のような男を誘う格好。
乱暴な言動。

まるで、愛結が愛結でないようにすら思えた。

「---はぁっ…」
愛結は肺の痛みに最近苦しんでいた。

もう、体のあちこちがボロボロだ。

からだは備品ー

備品は消耗品ーーー

これが鴻上社長の考えだった。

「--…愛結…」

愛結は宗一の方を見て笑う。

「最後にね、、、
 もっと”わたし”を味わっておこうと思って!うふふっ!」

そう言うと、突然乱暴に宗一を押し倒した。

「愛結…何を…?」

そう言いかけたところで、愛結の唇が宗一の唇を覆った。

「んはぁっ…♡
 この体、すっごいの…
 何回やっても何回ヤッても、めっちゃくちゃ気持ちイイ」

そう言いながら、愛結は荒い息で、
宗一のズボンを乱暴に脱がせ始めた。

もう片方の手では、宗一の手を強引に自分の胸に押し付けている。

「あんっ♡
 からだ、、壊れちゃっても♡
 わたし、どうでもいいのぉ!!!
 えへへへ!ははははははははははっ♡」

宗一は愛結の
「狂った雌」のような表情を見て、
ショックを受けた。

これが本当に、あの愛結なのかー?  と。

「やめろぉ!」

宗一は愛結を振り払う。

だが、愛結は舌打ちすると
「大人しくしろ!クソ野郎が!」と激しく怒鳴りだし、
宗一を再び押さえつけた。

宗一のズボンを降ろすと、愛結は宗一のソレを口に咥えようとした。

「やめろ!やめろ!!やめろぉ!」
宗一が叫ぶ。

愛結がイヤらしくソレを指でなぞると笑う。

「こんなに成長しちゃって…
 私のからだ、そんなに好きなんだ♡」

甘い声で笑う愛結。

時々咽ている愛結。

心配だったが、それどことではない宗一は
咄嗟に愛結を力強く振り払った。

吹き飛ばされる愛結。

「って…いてて…
 テメェ!ふざけやがって!」

愛結が鞄から鞭を取り出した。

「--お、おい!なんでそんなもの!」

パシィッ!

鞭の音が部屋に響き渡った。

「オラ!ホラ!
 ごめんなさいは!?
 わたしにごめんなさいは!?」

鞭を乱暴に振りまくる愛結。

その表情はもはやーー
愛結などではなかった。

狂った獣の表情。

嬉しそうに、笑いながら、
容赦なく、宗一にムチを振りかざしていく。

ボロボロになった宗一が倒れると、
そのまま愛結は宗一のソレを咥えて、
自らの欲望を満たした。

「はぁ…♡ はぁっ…♡

 けほっ、けほっ♡」

愛結がふと、手に目をやると…
”吐血”していた。

「はぁ…もうダメじゃん このからだ」

そう言うと、宗一を今一度乱暴に
蹴り飛ばして叫んだ。

「アンタとはお別れ!
 ばいばい、バカ男!」

そう叫ぶと、愛結は大笑いしながら
乱暴に玄関を開けてそのまま出て行ってしまった。

「あ・・・愛結…」

宗一はそう呟くのがやっとだった…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

自宅に戻った愛結は
フラフラの体でそのまま倒れた。

倒れた状態で笑う愛結。

「へへへ……もう限界だぁ…♡」

そう言うと、体がビクン!と震えて、
愛結は気を失った…

特殊な処理で、状態を維持してあった自分の体に戻った
鴻上社長は笑う。

”次はどうするかー” と。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

3日後…

気を失っていた愛結が目を覚ました。

「・・・・・うっ・・・」
愛結が異常にけだるい体を起こす。

床には吐血した後がある。

「ひっーーー?
 な、、、なにこれ・・・」

愛結はさらに、自分がセーラー服を着ていることに驚き、
悲鳴をあげた

「いやああああああっ!
 ど、、、どういう…」

そこまで言いかけて、吐き気をもよおした愛結は、
そのままトイレに駆け込み、吐き戻してしまう。

「はぁ…はぁ・・・
 ど・・・どうなってるの・・・」

目に涙をためながら鏡を見る。

自分の顔が、信じられないほどに、、青ざめている。

「---わ、、、わたし…」

フラフラ歩きながら机の上を見る。

すると、そこには
”受理された退職願”と”妊娠を示す結果”が置かれていた。

「---……」
愛結はあまりの絶望にその場に泣き崩れてしまう。

「なんなの……
 なにがおこったの…?」

泣きながら一人呟く愛結。

ーー慌ててスマホを見るーーー。
LINEで全ての友人を罵倒して、縁を切っていることが分かった。

「---酷い…なにこれ・・・酷い…」
愛結が目から涙をボタボタ落とす。

「けほっ…ゴホッ…!」
愛結が口から吐血する。

「ひっ…!!」

愛結はそのままその場で蹲り涙を流し続けた。

「---わたしには、もうなにもない…」

うつろな目で、愛結は絶望しながら、
部屋の端に捨てられていたタバコの吸い殻の山を見つめる。

あれもーー
自分が吸ったのだろうか。

「---」
愛結が”自らの死”を考えながら
涙を流し続けている。

体の調子がとても悪い。

何なんだろう…

全く意味が分からないーーー

「・・・・・・・ごめん・・・・宗一・・・」

愛結は彼氏のことを思い浮かべながら、
ただただ、泣き続けた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ガチャ・・・

玄関の扉が開いた。

「うっ…うっ…」

もう、どうでも良かった。

強盗だろうか。。。

何が起きたのかもわからないー。

もう、考える気力もないーーー

もし強盗なら、一思いに楽にして欲しい。

足音が目の前で止まった。

「-----愛結」

聞き覚えのある声だった。

一番聞きたかった、温かみのある声ー。

「----そう…いち…?」
愛結が涙目で顔を上げると、
そこには、宗一の姿があった。

顔に打撲ができている。
愛結自身が、鞭でたたいたものだが、
当然、愛結は知らない。

その顔で宗一は微笑んだ。

「---俺は…」

宗一は部屋の状況を見つめて、
”愛結は何かに巻き込まれたのだ”と悟る。

そしてー、
愛結には何も尋ねずに、優しく言った。

「いろいろ、あったんだな…」

優しく微笑む宗一。

「---宗一…」
愛結は目から涙をボロボロとこぼした。

ボロボロの体ー

でも…

「ーーーありがとう、宗一…」

何があったのかは分からない。

でも、こんな自分でもまだ、宗一は自分のことをーーー。

愛結は、彼氏の宗一に心から感謝した。

全て失った…
けど、、、宗一はまだ、自分のそばにいてくれるーーー。

宗一は、ほほ笑みながら、
愛結の方を見て呟いた。

「---愛結に暴行された件で
 被害届、出したからーーーー」

彼氏”だった”宗一の無情な言葉にーー
愛結の心が粉々に砕かれたーーー。

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

リクエストによる作品でした!

最後の最後に、救いを残すか迷いましたが
そのまま地獄に落ちてもらいました(笑)

え…鬼…??
なんのことでしょうか?

お読み頂きありがとうございました!

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憑依<ネオ・ビジネス>

コメント

  1. より:

    SECRET: 1
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    これは酷い
    ぜひとも救われルートも書いてほしいものだけど、作者も多忙だから難しいか