<憑依>拘束少女③~解放~(完)

拘束から解き放たれた綾菜。

後は一緒に帰るだけのはずだった。
だが、綾菜は自ら、飢えた表情で、江州山の方に
向かって歩き始めた。

義輝と綾菜の絆の行方は…。

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「わたし…♡もう、我慢できない♡」

綾菜が江州山の方に向かってそう言い放つ。

義輝には信じられなかった。
あの真面目な綾菜が、
どうして…?

女性経験のない義輝は思う。

女の子というのは、
自分の欲求をこうも抑えられないものなのか? と。

「綾菜!やめるんだ!」
義輝が綾菜の方に歩み寄る。

「邪魔しないで!」
綾菜が義輝を突き飛ばした。

突き飛ばされた義輝は尻餅をつきながら
信じられない、という表情で綾菜を見た。

「--ねぇ…私を抱いて♡」

これは、綾菜の意思ではないー。
綾菜は、今、絵夢谷と言う男に憑依されているのだ。

「ーーうふふふ♡、もうだめ♡
 あなたのせいでわたし、興奮しちゃった♡」

綾菜が普段聞いたことのないような
甘える声で江州山に近づくと、
服を脱ぎ捨てて、さらにスカートにまで手をかけた。

「やめろ!自分が何をしているか分かってるのか綾菜!」

だが、綾菜にはもはや、
義輝のことなど眼中になかった。

綾菜のスカートが音を立てて、床に落ちる。

綾菜の下着は太ももは既にビショビショだった。

「くへへ…イヤらしい彼女だな オイ!」
江州山が笑いながら義輝に言い放つ。

「ーーーーー」
義輝は放心状態で言葉を発することもできなかった。

「ーーーあなたのせいで、その気になっちゃった♡」
綾菜がショーツにまで手をかけ、
イヤらしい姿で、さっきまで座っていたイスに座った。

江州山がニヤリとうなずき、
自分のズボンを脱ぎ捨てる。

「おい!ふざけるな!何をするつもりだ!
 おい!」
義輝が我に返り叫ぶ。

綾菜が嬉しそうな顔で顔を赤らめて股を広げている。

「おっ、、おい!バカ!やめろ!綾菜!
 やめろ!!やめろって!」

義輝は涙ぐみながら叫ぶ。

けれどもー
二人は止まらない。

「いれるぜぇ!」
江州山がそう叫ぶと、

綾菜は「うん♡はやく早く♡」
と嬉しそうに言う。

「--うわああああああ!」
義輝が江州山の方に突進していく。

「うごっ!」
不意打ちを受けた江州山の体が吹き飛ばされて、
倉庫の奥の壁に激突した。

「ゆるさねぇ!綾菜がおかしくなったのは
 お前のせいだ!
 ゼッタイにゆるさねぇ!」

義輝は我を忘れて、倒れた江州山の胸倉をつかんだ。

江州山は笑っている。

「--綾菜はお前なんかに…」

その時、義輝は背後に強い衝撃を感じた。

「むぐっ!」
そのまま義輝は前に飛ばされて、床に倒れる。

「---邪魔すんじゃねーよ!」
綾菜だった。
胸だけを隠した状態の綾菜が、その足で義輝を背後から
蹴り飛ばしたのだった。

「あ・・・綾菜…どうして…」
義輝は思わず涙ぐんでしまう。

何がどうなってるのかさっぱり分からない。

「--早く、こんな男放っておいてやろっ♡」

綾菜は義輝を無視して再び、
江州山に向かって股を開いた。

「---綾菜!」
義輝が叫ぶ。

「俺…お前のこと誤解してた…
 こんな子だったなんて思わなかった」

信じてたモノに裏切られる―。

綾菜のこと、好きだったのにー。
こんな子だったなんてー。

義輝はその受け入れがたい事実を受け入れるしかなかった。

今、綾菜は”自分の意思”で江州山を受け入れようとしている。

「--いいのかよ…綾菜!そんなんで!」
義輝は泣き叫ぶようにして言う。

「もしも、、、妊娠とかしちゃったらどうすんだよ!なぁ!」
江州山と綾菜はニヤニヤしてその様子を見ている。

「--なぁ!!!綾菜!
 お前、そんなに簡単に股を開くような女だったのかよ!」

義輝が叫ぶ。

しかしー
綾菜は笑いながら、江州山のそれを受け入れた。

「むぐっ…ひやぁあああああう!?」
綾菜が苦痛と快楽が混じった声をあげる。

「くへへへへへ!行くぜぇ!苦しめ!
 お前の大好きな苦しみだ!」

江州山が綾菜の体のことを考えずに、
威勢よくコトを進める。

「ああああああっ♡
 やばい♡ やりすぎ♡ あぁっ、、あああぁああ♡

 あん♡ あぁん♡」

綾菜からは少し血も流れている。
どうやら彼女はーー。

「綾菜チャンよぉ、
 俺、お前のはじめてを頂いちゃったみたいだぜ!」

江州山が言うと、
綾菜が「うん♡ 江州山くんに全部捧げてあげる♡」
と嬉しそうにしている。

「あっ♡ もうダメ…♡ やめ♡
 あやな、おかしくなっちゃう♡
 うう♡ あぁん♡ はぁあぁぁぁっ♡」

甘い声を出しながら身を震わせている綾菜。

「---お…おい…」

こんな姿見たくなかった。
綾菜のこんな姿・・・見たくなかった。

「おらぁ!出すぜぇ!」
江州山が叫んだ。

「うおおおおおおお!」

「ひぃぃあああぁぁああああああっ!?」

あまりの激しさにパイプ椅子は倒れ、
綾菜はそのまま床に、江州山はそのまま上に覆いかぶさった。

綾菜は潮を吹き出しながら
幸せそうにつぶやく。

「江州山くんの全てが、、、
 あっ♡
 わたしのなかに…
 あやなの中に入ってくるぅ♡」

「ーーーはぁ…はぁ」
江州山が興奮した荒い息をあげている。

「--はぁ…♡ すごいよぉ…♡」

綾菜の幸せそうな顔をみて義輝は思う。

「俺は…彼女を満足させてあげられてなかったのか…」

そのまま、義輝は5分以上、今までの綾菜との日々を
思い出していた。

あの日々は、すべて嘘だったのだろうか。

男としてのプライドも傷つけられた義輝は失意のまま立ち上がった。

「---帰ろ!義輝!」
いつの間にか服を着ていた綾菜がほほ笑む。

「-----あぁ…」
不快そうに義輝はそう答えた。

江州山のいる倉庫から出る二人。

綾菜がさっきの行為について嬉しそうに語っていたが
義輝は一言も口を利かなかった。

そして、二人はそのまま、互いの家へと帰宅した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あれ…わたし…?」
綾菜は自宅の部屋で目を覚ました。

帰宅後、絵夢谷は綾菜の体から抜け出したのだ。

「--勉強してて・・寝ちゃったのかな?」

綾菜が驚かないように、絵夢谷は、後始末をし、
さらには記憶をあいまいにしておき、
”寝ていた”と思い込むように仕向けていた。

「---さ、、頑張らないと」
綾菜は何事もなかったかのように、
微笑んで、勉強を始めた…

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。

放課後に義輝に呼び出された綾菜は
義輝の指定した場所に向かった。

「義輝くん、どうしたの?」
綾菜がほほ笑みながら、義輝のところにやってくる。

義輝は、汚いものを見る目で綾菜を見た。

「ごめんー。
 俺、もう綾菜とは付き合えない。」

「えーーー?」

何も知らない綾菜は、
唖然とする。

そしてー
憑依されていたことを知らない義輝は続けた。

「---ごめん。
 ああいうことも、綾菜にとっては当たり前なのかも知れない。
 でもさ、俺はどうしても我慢できないよ」

義輝が淡々と言う。
綾菜にはその意味が理解できない。

「え…急にどうして!?
 ああいうことって…?
 
 ねぇ、、義輝くん、わたし、何か怒らせるようなこと
 しちゃったかな…?」

慌てふためいた様子で綾菜が言う。

昨日のことを知らないのだから、当然の反応だ。

「ねぇ、、何か不快なことしちゃったなら、ごめん。
 …わたし、義輝君のこと、本当に…」

「--もうやめてくれ!」

義輝は叫んだ。

「俺も…綾菜のことは”好きだった”けど、
 もうダメだ…

 今は綾菜のことが”汚れた子”にしか見えない」

義輝の言葉に綾菜が涙を流す。

「…どういうことなの…?」

その反応に、義輝は苛立った。

「お前が一番よくわかってるだろ!?」

そう言うと、綾菜は泣きながら言う。

「わかんないよーー。
 何か誤解してる!
 義輝くん、何があったの?どうして急に…!」

すがるようにして言う綾菜。

綾菜が義輝の服の袖に触れたその瞬間、
義輝はその手を振り払った。

「触るな!このビッチ女!」

義輝が声を荒げた。

「---ひどい…」
綾菜が泣きながらその場に蹲る。

「-------」
義輝は、その姿を哀れむような目で見つめて、
そのまま立ち去った。

「---泣きたいのは、俺のほうだよ…」
義輝は目を涙ぐませながら昨日の、
綾菜の嬉しそうな顔ー。
そして江州山との行為を思い出していた…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「うっ…酷い… うっ…」
綾菜は一人涙を流していた…。

彼女は知らなかった。

彼女の中で、”新しい命”が芽生えようとしていることをー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「最高だったぜ!江州山」
茶髪の絵夢谷が言うと、
金髪の江州山が10万円を握りしめながら笑った。

「--くくく、あの子、なかなか可愛かったよな。
 あの彼氏も必死こいてて笑えたしよ」

江州山が言うと、
絵夢谷がニヤリと笑う。

「確かに、あの義輝とかいうヤローは最高だったな!」

絵夢谷が写真を江州山に手渡す。

「これはー?」
江州山の手にした写真には可愛らしい女子中学生の姿。

「--あの義輝とかいうヤローの妹だよ。
 今度はこの子で、Mっちゃおうと思ってな!」

絵夢谷が笑みを浮かべる。

その笑みを浮かべて江州山は笑った。

「あの義輝ってヤロー、今度こそ発狂しちまうぜ?くへへへへ!」

笑う二人。

そして、
絵夢谷と江州山はーーー
次の標的を”義輝の妹”に定めたーーーー。

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

最後まで「憑依されていること」に気付けないパターンでの
完結になりました!
二人の絆はボロボロです。

それにしても、
義輝君にも、綾菜にも過酷な未来が待ち構えていそうですね…!

お読み下さり、ありがとうございました!

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憑依<拘束少女>

コメント

  1. 匿名 より:

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    やっと憑依から解放されたと思ったらなんて辛い結末なんだ(とっても興奮します)

  2. 無名 より:

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    > やっと憑依から解放されたと思ったらなんて辛い結末なんだ(とっても興奮します)

    ありがとうございます^^
    解放されているのに、結構酷い結末になりました!