世の中には、
縛られることに快感を感じる人間も居る。
あるところに、拘束されることに快感を感じる男が居たー。
そんな男が憑依薬を手に入れた。
これは、危険な憑依の物語ー。
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とある高校。
仲良しの優等生カップルが居た。
西条 義輝(さいじょう よしてる)ー
生徒会書記を務める男子生徒で、
成績優秀、スポーツも万能な生徒だ。
そして、
竹内 綾菜(たけうち あやな)-
生徒会副会長を務める生徒で、
学年一の美少女として、男子生徒から人気のある生徒。
けれども、本人は気取ることなく、優しく、おしとやかな性格の
ため、男女問わず慕われている。
「---綾菜も毎日大変だよなぁ…」
学校帰り。
二人で歩きながら義輝が言う。
背中を照らす西日が温かい。
夏は日陰に居たいモノだけれども、
冬場はこの日差しがありがたい。
”大変”
真面目にやっている義輝の目から見ても、
綾菜は大変そうだった。
生徒会副会長に、
演劇部の活動、
それにバイトまで。
「---大変…かぁ…。
わたし、そういう風に思ったことがないな…」
綾菜がほほ笑む。
「わたし、毎日を楽しむようにしてるの。
何か悩みがあっても、疲れてても、
クヨクヨするより、楽しんだ方が、いいかな?って!」
その言葉に、義輝が言う。
「…前向きだなぁ…綾菜は。
俺も少し見習わないとな!」
義輝と綾菜は、時間が合えば、いつもこうして
一緒に下校している。
優しい美少女という雰囲気の綾菜。
そして穏やかそうな好青年の義輝。
二人はお似合いのカップルだった。
しかしーー
そんな二人の様子を見ている茶髪男と金髪男が居た。
「--けけっ…可愛い子みーっけ!」
茶髪男が言う。
「--彼氏も居るのか。
より楽しめそうだな」
金髪男がニヤリと笑みを浮かべた。
「--さっそく”拉致”ろうぜ」
茶髪男が言うと、金髪男が笑った。
「そうだなー。
でも、彼氏とあの女が別れてからだ。
騒がれると面倒だしな」
懸念の表情を浮かべる金髪男。
だがー茶髪男は笑った。
「へへっ…
嫌がりやしねぇよ…。
”からだ”は喜んで俺たちの言うとおりにするぜ…
なんせ、”俺が憑依するんだから”よー。」
茶髪男が「緑色」の液体を手にして笑ったー。
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「じゃあまた明日!」
義輝が手を振ると、綾菜も微笑んで手を振った。
「--うん、明日ね!」
綾菜が元気よく返事をして、そのまま立ち去って行く。
綺麗な髪をなびかせながら立ち去る綾菜の
後姿を見て、
義輝は改めて、
”本当に可愛いなぁ…”などと、のんきなことを考えていた。
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綾菜が一人、道を歩いている。
冬の日没は早い。
既に日は沈み、綾菜は寒そうにしながら
マフラーの位置を調整している。
「うぅ…さむぅい…」
綾菜が一人そう呟いた時だった。
「---ひっ!?」
背後から手で押さえられ、そのまま近くの路地に
連れ込まれた。
金髪男の
江州山 卓雄(えすやま たくお)が、
もがく綾菜の口を塞ぐ。
「んっ…ん~~~~~~~!」
綾菜が驚いた表情で必死に身を動かす。
だがー
卓雄は、先ほどとは違い「泡立った」緑色の
液体の容器を開けた。
既に、相方の茶髪男、
絵夢谷 泰(えむたに やすし)が、
別の薬の力で、この緑色の液体の中に同化し、
憑依のときを待っていた。
この絵夢谷の意識が混ざっている薬を
彼女に飲ませれば、
絵夢谷は綾菜に憑依できる。
「---やめてぇ!」
綾菜が必死に振り払って、江州山をビンタして、逃げようとする。
だが、江州山はさらに強い力で綾菜を押さえつけると、
綾菜に緑色の液体を無理やり飲ませた。
「ひっ…ぐっ…た、、たすけて…」
もがく綾菜。
必死にじたばたとしている。
綺麗な髪や、スカートが乱れていく。
それを必死に抑える江州山。
そしてーー
次第にその動きは落ち着いていき、
綾菜は、もがくのをやめた。
「くくく…
憑依される瞬間、もがく少女を押さえつけるのは
たまらねぇな」
金髪男・江州山が言うと、
綾菜がニヤッと笑みを浮かべた。
「ふふふ…やっぱいい体…♡」
目に涙を浮かべながら笑う綾菜。
それに気づいた綾菜は涙を指につける。
「あはは…この子…ううん、
私ったら、怖くて泣いちゃったのね…可愛い!」
そう言うと、綾菜は、自分の涙をつけた指を
その舌でなめた。
イヤらしい表情を浮かべる綾菜。
「胸もなかなかの大きさだな~
あんっ♡ 感度もイイ!」
綾菜が自分で胸を触りながら、
顔を赤らめて笑っている。
スカートから覗く足を、内またにして
こすり合わせてみる。
「くふぅ…女の子の足ってたまらねぇ…」
あまりの快感に綾菜が涎を垂らしながら
笑う。
「おいおい、下品なやつだな。
少しは可愛らしく振る舞えないのか?」
江州山が言うと、
茶髪男の絵夢谷が憑依している綾菜は笑う。
そして、江州山のカサカサで乾燥した、
お世辞にも綺麗とは言えない唇に
躊躇なくキスをした。
「うふふっ…
私・・・まだ、彼氏とキスしてないのに、、、
江州山くんとキスしちゃった♡」
色っぽく言うと、
江州山は満足そうに笑みを浮かべた。
すっかりと暗くなった夜の街。
綾菜のスマホに連絡が入る。
「あん?うっせーな」
綾菜が乱暴な口調で面倒くさそうにスマホを見る。
”六車店長”
バイト先の店長からだった。
「あ~あ、わたし、今日バイトだったんだぁ~
真面目なわたしが、バイトさぼって
裏路地で男とキスしてる!
くふふっ!最高のシチュエーションね!」
そして綾菜はスマホに出る。
「もしもし?綾菜ちゃん?
今日シフトだけどさ、何かあったのかい?」
六車店長が言う。
その言葉に、綾菜は笑う。
「店長~わたし、今、裏路地で男の人と
抱き合ってるんです~♡」
甘い声で言う。
「へっ…?」
六車店長が間抜けな声を出す。
綾菜は、江州山に合図をすると、江州山が綾菜を抱き、
綾菜の胸を乱暴に触り始めた。
「あぁん♡ て、んちょぉ!
聞こえますかぁ?
わたしの♡ あっ♡ 喘ぐ声ぇ♡ あぁん♡」
綾菜が気持ちよさそうに声をあげる。
彼氏の義輝と、綾菜はお互い、恋愛には奥手だった。
だから、綾菜自身がこんなことをするのは
初めてだった。
「わたし、女である前に、メスなので!うふふ♡」
綾菜が電話に向かって嬉しそうに叫ぶと、
六車店長は「……」とため息をついて、そのまま電話を切った。
「あはは!」
綾菜は笑う。
そして、そのまま江州山と熱い抱擁とキスを交わしたー。
10分後。二人はようやく落ち着いて、江州山が口を開いた。
「さて、いつものを始めるか」
江州山が言うと、綾菜が「うん!」とほほ笑んだ。
江州山と絵夢谷。
彼らは地元の大学を卒業後も就職せずに、
適当に遊びほうけていた。
暴走族に所属していたこともある。
ある日ー、
茶髪男の絵夢谷が憑依薬をとあるルートで手に入れた。
それ以降ー
彼らの生活は変わった。
仲の良さそうなカップルに憑依しては、
彼氏を呼び出し、身代金を要求するのだ。
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江州山と絵夢谷が根城としている
倉庫にやってくる。
床に散らばっている小物を乱暴に蹴り飛ばす綾菜。
「ふっふふ…あの彼氏
どんな顔するか楽しみ!」
綾菜が言うと、倉庫のモノを乱暴に投げ捨てながら、
パイプ椅子をつかみ、倉庫の真ん中に置いた。
「じゃ、いつものお願い!」
綾菜がそう言って座ると、
江州山が笑った。
「--お前は本当にドMだな、絵夢谷」
江州山が言うと、綾菜は笑う。
「江州山くんは、本当にドSね?」
そう言うと、二人は倉庫の中で大笑いした。
そして、江州山が倉庫内の鎖を持ちだすと、
綾菜をその鎖でパイプ椅子にしばりつけた。
「あんっ…鎖で胸が締め付けられる感覚…
たまらない…!ぁははぁああ」
快感に身を震わせる綾菜。
今の彼女は、男に拉致されて、鎖できつく縛られて、
快感を感じていた。
「--けへへ、変態だなぁ!」
江州山が縛られて抵抗できない状態の綾菜の胸を
イヤらしくつつく。
「あっ・・・♡」
ピクンと体が動いて、顔を赤らめる綾菜。
「抵抗できない状態で触られるのがそんなに楽しいか!綾菜!」
江州山があえて、からだの名前を叫ぶと
綾菜は
「もっと、もっと私を苛めてぇ~もっと~~~」
綾菜がパイプ椅子に体をしばられ、
足と手の自由も聞かない状態で叫ぶ。
「おいおい、もう感じちゃってるのかよ」
江州山が綾菜のスカートをめくって、
下着が濡れているのを確認して呆れる。
「元々、その子が変態だったのか?
それとも絵夢谷、お前が変態なだけか?」
綾菜はエロさ全開で笑う。
「---さてさて、そろそろ始めようぜ」
江州山が言うと、綾菜が頷いた。
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自宅に帰っていた義輝は、
彼女の綾菜からLINEの返信がないことを心配していた。
バイトはもう終わっている時間帯だ。
それなのに、何故?
ーーースマホが鳴る。
綾菜からだった。
「---もしもし?綾菜?どうした?」
義輝が言う。
しかしー電話から聞こえてきた声は
男の声だった。
「---よぉ、彼氏さん。
お前の大事な彼女の綾菜チャンは預かったぜ。
返してほしけりゃよぉ、10万円、持って来い」
江州谷が10万円を要求した。
額が低いのは高校生でバイトをしていれば
ギリギリ払えそうな金額を選んでいるからだ。
もしも相手が警察に通報すると、
この計画は失敗する。
綾菜の体を捨てて、また一から憑依しなくては
ならないので面倒なのだ。
「--誰にも相談するな。
1時間以内に俺の指定する倉庫に来い」
江州山の要求に、
義輝は声を荒げた。
「おい!ふざけるな!
俺は騙されないぞ!」
義輝は悪戯だと思い叫んだ。
綾菜のスマホから電話をかけてきている。
でも、信じたくはなかった。
「---助けて!義輝くん!」
綾菜の声が電話から聞こえた。
「綾菜!!!」
彼女の綾菜が拉致されたーーー
その現実を、義輝は受け入れるしかなかった…。
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電話を切った江州山は笑う。
「---始めようぜ、絵夢谷。
いつものやつをよ!」
「--うふふふ・・・そうね…楽しみ!」
美女と野獣ー。
その二人が倉庫内で狂ったように笑い声を響かせたー
②へ続く
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コメント
明日はドS、江州谷と 憑依されて、ドMとなった綾菜の
快感の宴(?)です。
助けに来た義輝君は果たしてどうなるのでしょうか。
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