<憑依>デンジャラス・バーガー① ~喰~

とあるハンバーガーショップに、
”狂気の男”が迫り来る。

バーガーショップの女子高生アルバイトを襲う悲劇とはー?

ハンバーガーショップを舞台とした
狂気の憑依作品です!

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とあるハンバーガーショップ。
人気チェーン店であるそのお店は、
今日も大繁盛していた。

そのお店に入る直前、友達と話していた
女子高生が笑う。

「じゃあ、私、バイトだから…
 また明日ね!」

高校2年の真上 清恵(まがみ きよえ)が
笑いながら、友達に手を振る。

「あ、そうだ、清恵!
 明日、”例のやつ”学校に持っていくから!」
友達が言う。

例のやつ とは、清恵と友人が好きな
アイドルグループのライブ映像のブルーレイだ。

「え?本当に?ありがと!楽しみ!」
清恵はそう言いながら、
バイト先であるハンバーガーショップへと入って行った。

友人が清恵の背中を見つめながら微笑んだ。

ーーそれが、最後の会話になるとも知らずに。

友人と入れ違いで、30代前半と思われる男が
バーガーショップの前に立った。

男の名は、菅原 益男(すがわら ますお)。

益男はニヤリと笑みを浮かべる。
ポケットの中にしまった「容器」を触りながら…。

彼はー”憑依薬”と言う薬を持っていた。
人に自由に憑依できる薬だー。

彼は、憑依に関わる人間の中でも
とびきり”異常”な性癖を持っていた

それはーーー

益男は、バーガーショップの影に隠れると、
憑依薬を飲み干した…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「清恵ちゃん、今日も頑張ってるね!」
バーガーショップの店長が言う。

清恵は微笑みながらも、
次のオーダーのハンバーガーの準備を急いでいた。

混雑時のバーガーショップは戦場だ。

「スマイルおねがいしまーす!」
客の高校生グループたちが接客している店員を
茶化している。

「--ふぅ」
清恵はひたすらハンバーガーを作り続ける。

毎日ハンバーガーを見続けていると、
不思議なことに「食べたいなぁ」という意欲が
薄れてくる気がする。

清恵も、バイトを始めるまではハンバーガーが
好きだった。

けれど、最近は嫌いになったわけではないものの、
なんとなくハンバーガーを食べる気が起きない。

バイトに入るたびに、
何個もハンバーガーを見ていて、飽きているのかもしれない。

セミロングヘアーで、どちらかと言うと美少女の部類に
分類されるであろう清恵。

そんな清恵と、
密かに一緒のシフトになることを楽しみにしている男も居て、
バイト先での人間関係は良好だった。

順調なバイトー。
順調な学校生活。

清恵は、このまま楽しい学生生活を送るはずだった。

けれどー
益男に”目をつけられたのが運のつき”

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2階の片づけのために、清恵がお店の2階に
足を踏み入れる。

「あ~こんなに散らかしちゃって」

さっきのスマイル注文高校生たちが、
座っていたと思われる場所は
滅茶苦茶に散らかされていた。

「はぁ~あ、まったく…
 ちゃんと片付けなきゃダメでしょ~」

清恵は一人呟きながら
片づけを始めたその時だった。

背後から男が清恵の肩を叩く。

「はいー?」
清恵が振り向くと、そこには、
菅原 益男ー、
店の前で憑依薬を飲んだ男が立っていた。

「ちょっと欲しいものがあるんだがー」
益男が言う。

注文かな?
そう思いながら清恵がスマイルを浮かべて微笑む

「はい、何を注文なさいますか?」

”注文は1階なんだけどな…”と思いながら
混雑時間帯が終わり、ガラガラになった2階で、
注文を尋ねる清恵。

その時だったー。

「君が欲しいー」
益男がそう口にした。

「えーーー?」
清恵の表情に一気に”警戒”の色が浮かび上がる。

が、その直後、、
「君の全てが欲しいー」と益男がつぶやき、
益男は清恵にキスをした。

「---ひっ…むぐっ…」
キスをした益男の体が突然収縮を初めて、
そのまま清恵の体の中に、口から吸いこまれていった。

「--え??な、、なに…い、、今、男の人が
 私の中に?」

清恵が慌てた様子で言う。
今の男が、口の中に吸い込まれていった?

「---ーーあれ…からだが…」

あれ…
”わたしは何でここにいるんだろう”

脳の機能が停止していくー

いや…
”心”と”脳”のリンクが遮断されていく。

脳の心が上手く繋がらなくなった清恵は、
考えがまとまらず、その場に蹲る。

”わたしはーー??”

”ここーーー、どこ…???”

”なにも・・・かんがえられない…”

清恵は、脳からの記憶の引き出しが上手くいかず、
その心の中で、ひたすら混乱した。

脳は既に、憑依した男、益男に掌握されていた。

清恵の心は、脳からはじき出され、
次第に何も考えられなくなっていく。

”わ・・・たし・・・??”

清恵の意識は、そこで途絶えた。

「く…ふふふ…」
清恵が笑みを浮かべる。

唇を指でなぞりながら、
妖艶な笑みを浮かべる清恵はーー

明るく優しいバーガーショップ店員などではなくなっていた。

「---ふふふ…イイ体ね」

清恵はそう言うと、自分の胸の乳首の部分を
イヤらしく触る。

「あんっ!」
清恵の体を電撃が走るかのような快感が襲うー。

「---っと…」
清恵が監視カメラの方を見る。

「私のしたいのは…
 こーいうことじゃないんだよねぇ?」

清恵は自分の胸をわしづかみにしながら、
2階にあったお手洗いに入った。

そして、鏡を見つめる。

可愛らしい顔が、狂気に歪んでいる。

「さ、美味しいハンバーガーをつくっちゃお♡」

わざと可愛らしくウインクした清恵は、
予めトイレに配置しておいた”とある容器”を手にした。

紫色の液体が入っている。

それを見つめて清恵は笑った。

「ばいばい…わたし!」
意味不明な言葉を呟くと、清恵はそれを飲み干した。

「うっ…」
直後、清恵が苦しそうな表情を浮かべる。

誰も居ないそのお手洗いで、
苦悶の声をあげる清恵。

「ぐ…あ・・・うっ・・・ うぅっ」
清恵が流し台に顔を近づける。

そしてーー

「うっ…うっ…うううっ…」
清恵が、嘔吐を始めた。

可愛い少女が、トイレで嘔吐している。

益男は、そうさせていることにも興奮した。

「おえっ…」
清恵が1分ほど、嘔吐し続けると、
最後に”水色に光る小さな球体”が出てきた。

「くふふ・・・」
口を拭きながら清恵は笑う。

「清恵ちゃんの…ううん、”わたしのこころ”」
清恵はその球体を手にとり、そう呟いた。

益男が飲んだのは、
”元の心を吐き出すための薬”

それを使い、
清恵本来の心を、口から吐き出したのだ。

「---清恵ちゃんの心…綺麗な色だね…」
清恵はうっとりとした表情で、”自分の心”を見つめた。

そして、それをポケットにしまうと、
上機嫌で1階に降りる。

1階に降りると、店長がほほ笑んだ。

「あれ?清恵ちゃん、ずいぶん長かったね!」
店長が言うと、清恵も微笑む返した。

「---ちょっと早いですけど、休憩行っていいですか?」
清恵が言うと、
店長が時計を見る

「うん?ちょっと早くない?もう少し…」

「---いいから黙って休憩に行かせろよ」
清恵が店長を壁ドンして、低い声で脅す。

「--ひっ!?」
40代おばさんの店長がおびえた表情で清恵を見る。

「---」
清恵は店長を睨んだあとに
いつもの笑顔でほほ笑んだ。

「休憩、行っていいですか?」
わざと、優しく微笑むと、店長は恐怖の表情を浮かべて頷いた。

休憩の許可を貰った清恵は、
「あ、休憩中にハンバーガーいただきますね!」と言って、
勝手にチーズバーガーを作り出して、チーズバーガーを完成させると
そのまま事務所へと入って行った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

チーズバーガーを見つめて笑う清恵。

そして、
さきほど体から吐き出した
”水色の球体”を手に持つ。

「清恵ちゃんの心の味は、どんな味かな~」
清恵は笑いながら言う。

そして、その球体ー
清恵の心を、チーズバーガーの中に挟み込んだ。

グミのように柔らかいその球体は
チーズとパンの間に挟まれて潰れる。

チーズバーガーを手にする清恵。

「ふふ・・・ふふふ…」
清恵がチーズバーガーを見つめて、
うっとりとした表情を浮かべた。

「いただきます♡」

クスッと笑って、
清恵が、チーズバーガーを口にする。

普通の味。
いつものチーズバーガー。

バーガーの3分の1を食べ終わり、
清恵は笑みを浮かべる。

いよいよだー。

清恵は思う。

水色の球体を挟んだバーガーの中心部分に
口を近づける。

清恵の心はどんな味がするのだろうー。

脳とはー、人の記憶を”保存”し、考える場所ー

心とはーその人の人格そのもの。

”心”を失った人間はー
記憶が残っているだけのただの入れ物だ。

益男は思うー。
人の中心は”心”であると。
”脳”だけでは何もできない、と。

心がその人の性格そのものであり、
人格そのものであると。

使う脳、使う記憶が同じでも、
別の心がその体に入っていれば、まったくの別人ー。
つまり、今の清恵は、清恵であって清恵でないと。

益男はーー
人の体に憑依して、
その体の元々の人格、”心”を吐き出すことで
体から追い出し、
それを益男の大好物であるチーズバーガーに挟んで
”元の心”を喰らうことに快感を感じる男だった。

「うふふふふ・・・」
清恵の制服がグッショリと濡れ始めている。

「清恵ちゃん…食べちゃうよぉ…?」
清恵の心を挟んだチーズバーガーを見つめて
震えた声で言う清恵。

その表情は完全に、
正気を失っている人間の表情だった。

「くふふふふふふふふ・・・」

清恵がハンバーガーを口につける。

その時ー
清恵の目から涙が零れ落ちた。

「涙ーーー?」
清恵がつぶやく。

憑依している男、益男は思う。

清恵本人の脳にわずかに残された潜在意識が、
これから自分に訪れる死を感じ取ったのかもしれない。

何故なら、”心”を食べられてしまった人間はーーー

とまらない涙。

だが、清恵は笑みを浮かべた。

「くふふふ…
 こわがる女子の心を喰う!最高じゃないか!
 ははははははははは!」

泣きながら大笑いした清恵は、
ハンバーガーを口に放り込んだ。

口を膨らませてそれを噛みしめる清恵。

ムシャ ムシャ とハンバーガーが噛み砕かれていく。

「~~~~~~~~!」
清恵は幸せそうな表情を浮かべながら、
自分の胸を揉みまくり、
「この子の心を今、自分が食べている」という快感と胸から伝わる
快感を味わい尽くした。

制服がさらに濡れる。

清恵という少女の人生を噛み砕き、
全てを踏みにじっているというこの達成感。

益男はますます興奮した。

そしてー

「んんんん~~~~」
清恵がうめき声をあげて、
ハンバーガーをゴクンと飲み込んだ。

この瞬間、”清恵は死んだ”

残ったのは、
清恵が生きてきた記憶だけ。

17年間、色々なことを考えて、
楽しく生きてきた”心”
清恵そのものは消えてしまった。

残されたのは”清恵”という少女の
生きてきた記憶、”データ”が残された体だけ。

「ごちそうさま~
 甘くておいしかった♡」

清恵が言う。

心の味はその人によって異なる。

清恵の心は”甘かった”

甘さは優しさを現す味だ。

「---さようなら…わたし」
清恵が笑う。

食べられた心は、体の中に戻ることはない。
胃液によって、消化されて消えるのだ。

益男は思う。
”女性は穢れているー”
心なんていらない、心を失い、
その美しい体だけが、永遠のものとなればいいー  と。

益男は女性を憎んでいた。
何故なら…。

「-----くふふ・・・ごちそうさま~」
清恵がもう一度挨拶すると、清恵の体はフッと、
糸が切れたかのように、その場に突っ伏した。

清恵から抜け出した光が、
店の前で実体化したー。

実体化した益男は笑う。

「---さて、、次はいよいよ本番をやるか」
そう呟くと、彼はそのままバーガーショップの前から立ち去った。

数時間後、事務所から出てこない清恵を心配した同僚が、
事務所を見に来ると、そこには眠りについている清恵が居た。

呼吸はしている。

だが、もう清恵は二度と目を覚まさない。

何故なら、体を動かす”こころ”が、
無くなってしまったのだからー。

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最近、各地のハンバーガーショップで立て続けに
突然、意識不明になる女性店員が増えている。

今回で既に4人目。

世間は知らない。
その少女たちが、とある男に憑依された挙句、
心を食べられてしまっていることをー。

そして男は、”10歳以上年の離れた元カノ”への
復讐を目論んでいたー。

②へ続く

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コメント

次回が本番ですね…。

男が、恐ろしいことを実行に移そうとします!

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